血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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援助

戦意

「寛也さんお疲れ様です。亮です。」



松下に言われるがままに亮は寛也の部屋の前まで来た。そして部屋のドアをノックしてそう言った。すると寛也が…。



「入れ。」



と、言った。だから亮はゆっくりとドアノブを握り中へと入っていく。そしたらそこにはまるで別人のような顔をした寛也がいた。駿里が連れ去られたことで怒り、そして喚いていたのだろう。



「すまないな亮。」



寛也は物凄く申し訳なさそうに亮にそう言った。だから亮はすぐに首を横に振った。かつて亮は寛也に助けられたから。だからそんな恩人がこんなげっそりした顔をしていたら助けるしかない。助ける以外の選択肢なんてない。



「いいえ。寛也さんの為なら俺は何でもしますよ。だからそんな顔しないでください。お願いです。」

「…そうか。礼を言う、亮。」

「はい。」



亮はなんて寛也に声をかけたらいいのか分からなかった。そのぐらい寛也は疲弊していた。と、言うことは駿里を連れ去った相手は寛也よりも強い相手。日本にそんな相手がいるのか?もしかして…マフィア…?そんなことを亮が考えていると寛也が口を開いた。



「俺はお前の力を借りずに事を終えたかった。だが無理そうだ。だから頼む亮。お前の力を貸してくれ。」

「勿論です寛也さん。」



亮は寛也にそう言われてすぐに頷いた。自分に出来ることなら何でもする。亮はそのつもりなのだ。



「お前、ハッキング得意だったよな?」

「よく覚えてますね。流石です。ハッキングは俺の一番の得意分野です。」

「それだけお前の能力が凄かったからな。」



そう寛也に言われて亮は普通に嬉しかった。しかし今は喜んでいる暇などない。仕事をしなければいけない。全ては駿里を助けるために。



「寛也さん。それで俺は何のハッキングをすれば良いですか?」

「駿里の居場所だ。」

「居場所?GPSか何かをつけているということでしょうか?」

「そうだ。」

「それでしたら場所の特定はできるのでは?」



GPSがあればどこにいるのかがすぐに分かるはず。それは亮でなくても寛也にもできる事だ。いや一般人にでもできること。なのに寛也はそう言った。しかしそれにはちゃんとした訳があったのだ。



「それが出来ねぇんだ。多分GPSとか特殊機械を妨げる何かがあるんだろう。それをお前に壊して欲しい。そんで駿里の居場所を突き止めて欲しいんだ。」

「承知しました。そういう事だったのですね。やってみなければどんな感じなのか分からないのでまずはやってみてもいいですか?」

「ああ。頼む。」



亮は出来るか分からないけれど出来るだけのことはしたい。だからとりあえずやってみることにした。出来ないかもしれないけれどやってみなければ結果は誰にも分からないから。



「あー確かにそれは高度なセキュリティですね。」



実際パソコンを手に取り操作を開始した亮。そしてすぐに気づいた。これは高度な技術だということを。この技術を持っている人は果たして日本にいるのだろうか。いやいないだろう。やはり相手はマフィア。亮はそれが確信になった。



「…難しいそうか?」

「ちょっと寛也さん。らしくないですよ。そんな不安そうな顔しないでください。」

「…悪い。」



寛也はかなり疲弊している。いやそれだけじゃない。精神もやられている。まぁ亮ですら相手がマフィアだと気づいたんだ。寛也が気づかないはずがない。だがだからといって寛也が戦意喪失してしまえば意味が無い。寛也の力が必要になるのだから。



「駿里くんの居場所は俺が必ず見つけます。だから寛也さんも頑張って下さい。駿里くんが心配なのは分かりますが助ける為には寛也さんが必要です。」

「…そうだな。」

「はい。そうですよ。ということで寛也さん。俺がこれをしている間に寛也さんは準備しててください。」

「あ?準備?なんのだ。」

「決まってるじゃないですか。外に出る準備ですよ。場所さえ分かれば助けに行けるんですから。ほら早く。」

「あ、ああ。」



マフィアだろうがなんだろうと関係ない。それは寛也は強いのだから。そのため亮は寛也にそう言った。きっと寛也は相手が誰であろうと勝つことができるから。それぐらい旭川寛也は強くて勇敢で素晴らしい人だから。



「寛也さん。もう少しで出来そうです。」

「本当か?」

「はい。意外とショボイですよこれ。」

「いやそんなはずは無い。それだけお前が凄いんだ。礼を言うぞ亮。」

「寛也さんに言われると嬉しいですね。あ、出来ましたよ。」



亮はそう言ってパソコンを寛也に見せた。駿里の居場所がどこなのかを突き止めることが出来たから。



「…ここか。」

「はい。随分山奥ですね。多分違法で買った山に別荘みたいな感じで事務所を作ったんでしょうね。」

「ああ。そうだな。」

「よし、寛也さん。とりあえず行きましょう。準備出来てますか?」

「…お前も来てくれるのか?」

「当たり前です。俺は寛也さんに命を捧げる覚悟ですよ。」

「…亮。すまない。ありがとうな、」

「だからそんな顔しないでください。日本のトップまで上り詰めた男がそんな顔しちゃ駄目です。分かりましたか寛也さん。」

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