血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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援助

到着まで

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「時が経てば当たり前に人は成長するがお前は想定以上だな。」

「全部寛也さんのおかげです。」

「…そうか。」



亮がこんなにも色々出来るとは寛也は思いもしなかった。そして寛也は亮に正直あまり期待もしていなかった。期待をすれば勝手に想像してしまうから。だが想定外の亮の素晴らしさ。それに寛也は感動することしか出来なかった。



「ていうか寛也さん!今は無駄話してる時間ないです!それよりも早く行きますよ!」

「そうだな。」

「はい。けどあまり大人数で行くのは良くないかもしれないですね。」

「何故だ?」



寛也の概念では人数が多ければ多いほど有利になる。しかし亮は少ない方がいいと言った。そのため寛也は不思議でならなかったのだ。だがそれを寛也は否定をしない。何せ亮の言っている事だから。なにか意味があるとわかっているのだ。



「人が多すぎると誰がどこにいるのか把握出来ず人質に取られる可能性があるからです。相手は確証はまだ得られていませんがマフィアの可能性が高い。それなら少人数がいいです。だから寛也さんが選んでください。2人いれば充分です。」

「康二と…誰にするか悩みどころだな。」



寛也の中で松下は必要不可欠らしい。だがそれは亮も同意見だ。松下は全てにおいて長けているから。しかしもう1人が選べない様子だった。皆能力がある。そのため選ぶのに時間がかかってしまっているようだ。そんな寛也をみて亮が口を開いた。



「寛也さん。お悩みになっているのでしたら俺が選んでもいいですか?」

「いいのか、亮。」

「もちろんです。」

「なら頼む。」

「はい。それじゃあとりあえず部屋から出ましょうか。」

「ああ。」



寛也はそう亮にあいずちを打ちながら返事をすると足を進めて言った。そして寛也は自分の部屋を出て幹部らがいる本事務所に足を踏み入れた。



「組長…!何か分かったのですか…!?」



寛也の姿を捉えた途端に松下が走ってきてそう言った。その松下の声を聞いて事務所に居た幹部皆が寛也に注目をする。



「ああ。亮が駿里の居場所を突き止めた。」

「…すげぇなお前。」



寛也の言ったことを聞いて松下は空いた口が塞がらなかった。亮があれだけ高度なセキュリティをこんな短時間で壊しただけでなくハッキングもしたのだから。しかしそれはまだ始まりに過ぎない。そのため亮は松下に褒められても調子に乗らなかった。



「松下さん。まだ感心しないでください。駿里は攫われたままですよ。」

「それもそうだな。」



亮の言ったことを聞いて松下は再び顔を引きしめた。緊張感がなければふとした時にミスをする可能性があるから。



「はい。それで今から突撃しようと思うんですけど松下さん。あなたは一緒に来てください。寛也の指示です。」

「ああ。任せろ。」



亮はなるべく時間をかけないように端的に松下にそう言った。そして駿里を一緒に助けに行くあともう1人。その人物の方を向いて亮は口を開いた。



「それともう1人、圷さん。あなたも来てください。」

「ああ。分かった。」

「一旦はこのメンバーで行きます。森廣さんと志方さんは俺がハッキングした情報をUSBに入れ込んでおいてください。それとこれもお願いします。」



亮は生意気なことを承知な上で森廣らにそう言った。それほど今は針詰まっているのだ。1秒という時間ですら惜しいほどに追い詰められている。そのため森廣らも亮の言ったことに頷いた。



「分かった。」



と、志方。



「亮、組長を頼むな。」



と、森廣が言った。



「はい。森廣さん、志方さんありがとうございます。」



そういい亮は森廣らに頭を下げた。そし亮と寛也、松下、圷はそのまま事務所を出て車に乗り込んだ。運転はもちろん場所を把握している亮だ。



「亮。お前は上手くいくと思うか?」



静かだった車内の沈黙を破って松下が亮にそう問うてきた。その松下の質問に亮は正直困った。それは分からないから。



「…それは分かりません。俺はマフィアを相手にしたことがないですから。」

「そうだよな。」

「けど最前は尽くします。」



亮がそう言うと寛也は嬉しそうな表情をした。それもそのはずだ。今の亮ほど頼れる存在はいないのだから。



「ああ。そうだな。にしてもすげぇ山奥だな。」



松下が外を眺めながらそう言った。それほど山の奥の方まで入ってきているのだろう。



「そうですね。まぁ違法で売買出来る場所は限られてますからね。」



なぜそんなことを亮が知っているのかと言えば亮らも違法で山を買っているから。そしてそれがどんなからくりなのかも知っている。そのため亮はそう言ったのだ。



「てことは国務大臣とかその辺とも繋がってんだろうな。」



山を違法で買っている。そんなことが容易にできるのは国と繋がっているということ。そのため松下はそう言った。そんな松下に亮が…。



「はい。その可能性は高いです。ただ寛也さんも国務大臣と繋がってますよね。」

「ああ。」



寛也が自分の口から亮にそういった訳では無い。だが亮はそれが分かっていた。まぁ亮自身も極道ということもありなんとなくは察していたのだろう。



「でしたらそいつらの力を借りるのも一つの手ですよ寛也さん。」

「いやそれはやめだ。信頼が出来んやつは仲間に入れねぇよ。」

「そうですね。それが安全かもしれないです。」



寛也の言ったことを聞いて納得したように亮はそう言った。確かにそうだ。信頼が置けない連中を仲間に入れたところで仕事に集中できない。いつ裏切られるのかが分からないから。



「なぁ亮。」

「どうしましたか松下さん。」

「お前の主人はどんなやつだ?」

「…え?」



急に話を変えてきた松下に混乱してしまい亮は思わずフリーズしそうになる。しかし今は運転中。そのためすぐに運転することに意識を注いだ。



「この前俺が組に誘った時断ったから。それだけお前の主人はすげぇって事だろ?」



と、松下。だがそういう訳では無い。亮は確かに龍之介のことを凄いと思っている。だがそれが龍之介と一緒にいる理由では無いのだ。



「んー凄いっていうよりかは俺がいなきゃ駄目だから傍にいるって感じですね。あの人は俺がいないと駄目なんです。」

「なんだそりゃ。」



予想していた答えではなかったためか松下が笑いながらそう言ってきた。



「上手く言えないんですけど家族みたいなもんなんです。」

「そうか。それなら良かった。お前の才能は凄い。それを生かせねぇとかなれば宝の持ち腐れだから。けど今のを聞いて安心した。」



と、松下は亮に優しく微笑みながらそう言った。それほどまでに亮は凄いのだ。こうして日本一の幹部に褒められるほどに。



「それなら良かったです。」



亮は松下にあんな風に言われて正直嬉しくてたまらなかった。しかし今は気を抜けない。抜いてはいけない場面。だから亮は気を引き締めたまま運転をし続けた。そしてついに目的地に到着した。



「着きましたよ。さぁ行きましょう。」
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