血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

文字の大きさ
197 / 210
外出許可

家出

しおりを挟む
*庵視点





「…何がなんでもやりすぎだ。」



昨日と出来事を思い出すだけで腹が立つ。さすがに俺も黙ってないんだから。あそこまでやる必要なんてないじゃないか。それにちょっとぐらい我慢しろ…!仕事で疲れてその癒しが欲しいのは分かるけど俺の負担も考えられないのか…っ!こんな家…っ。こんな家なんて…出てってやる…っ。



「…けど腰痛くて動けない。家出するのは身体治ってからでいいや。」



いやけど…そんなに上手くいくか?身体が治ればまた俺は抱かれる。そんでまた起きられなくなる。そのループだ…。気づいたら俺は外の風にも当たってない。それは外出許可が出てないから当然だけどさ…。



「やっぱり今日家出しよ…。ちょっとぐらい心配したらいいんだ。」



そう思って俺は痛みに耐えながら身体を起こした。痛い…。激痛って訳じゃないけど身体を酷使した影響が残ってるって感じだ。



「…もしかして今日誰もいない?」



俺が起き上がると大体亮か龍が心配そうに部屋に入ってくる。なのに今日は誰も来てないんだ。もしかして…もしかしてこれは俺…1人でお留守番のパターン?だから俺は当然益々腹が立ってくる。あんな目遭わせておいて俺を1人にするなんて…っ。別に寂しいとかそんなんじゃないけどさ…っ。



「…絶対出てってやる。」



俺はそう強く決心して寝室を出ていった。するとやはり…。



「…誰もいない。」



リビングには誰もいなかった。テーブルの上には俺のご飯らしきものがある。



「あれ…?なんだこれ。」



家出する前にご飯を食べようと思い椅子に座った。その時俺は紙切れがあることに気づいた。



「…あ、これ龍の字だ。」


龍は癖のある字だからすぐに分かった。それで手紙の内容が



『すまない庵。至急仕事が入っちまって亮と瀧を連れて外に出てる。昼までには帰ってくるからそれまでは留守番を頼むな。身体、痛いだろうから無理すんなよ。何かあれば電話をしろ。』



って書いてあった。てことは家出するなら昼になる前だ。それまでにしなきゃみんな帰ってきちゃうんだ。



「呑気にご飯食べてる場合じゃない…。」



だから俺はとりあえず3口分ぐらい口の中に放り込んで家を出る準備をした。と、言うのも俺は基本的にパジャマしか来てない。外で着れない…ことは無いんだけど亮がよく俺の服に潜り込んでくるから服が伸びちゃってるんだよね。



「…どうしよう。」



俺は着替えようにも服がなかった。全部伸びてるんだ。亮のせいで…。これじゃあ家出することも出来ない。いやもういいか。このままでいいや…。この服で外に出よう。時間もないし…。



「…絶対帰ってきてやんないんだから。」



あそこまで俺が泣いてやめてと言ってもやめてくれなかった。あんな目に遭わされたんだ。しばらく帰ってきてやるもんか。俺はそう思いながら玄関まで歩いてきた。けど…。



「鍵…変わってる。」



俺が玄関まで行くと見知らぬ光景が広がっていた。何故か鍵が強化されていたんだ。暗証番号みたいなのもいっぱいある。



「こんなの…俺には開けられないよ。」



俺がそう思って溜息をつき、その場に座りこもうとしたその時…。



ガチャ。



「…え?」



鍵が…空いた。けど、てことは誰かが帰ってきたったこと。どうやら俺は家出をすることも出来なかったみたいだ…。



「ん?庵?お前なんで玄関にいるんだよ。」
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

仕方なく配信してただけなのに恋人にお仕置される話

カイン
BL
ドSなお仕置をされる配信者のお話

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...