血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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太陽

*龍之介視点





「うぁ…!気持ちいい…!」



ドライブすることで庵の気分転換になるだろうと思って俺は庵をドライブに誘った。だが…現実を見せつけられるな。俺達がどれだけこいつを閉じ込めてるか…それを理解させられる。風に当たるだけでこんなにいい顔をするんだからよ。



「すまんな庵。」

「…え?どうしたの?」



俺が急に謝ったから庵は風に当たるのをやめて俺の方を向いてきた。お前のそういうところほんとすげぇと思う。人が話す時は必ずと言っていいほど顔をちゃんと見てくるからな。



「いや…やっぱ窮屈な思いさせちまってるんだなって思ってよ。普段俺らはお前を外に出さねぇから。」

「なんだ。そんなことか。」

「そんな事?」

「そうだよ龍。そりゃもちろん外に出れるなら出たいよ。けどみんなが仕事頑張ってるのに俺だけ我儘言うのは違うかなって最近思ったの。俺がこうやって笑えてるのは龍たちのおかげなんだから。」



こいつは…母親からの虐待で苦しんでいた。その母親を殺したのは俺らなんだけどな。そんな可哀想なこいつが今こうやって自由になってイキイキしてる。昔の自分を見てるようで…俺は少し庵と自分を重ねてしまうこともある。親父も結局死んじまったしな。



「お前がそう思っていたとは知らなかった。」

「俺も…ちゃんと自分の気持ち言うようにする。亮と喧嘩してそれを決めたの。」

「いいじゃねぇか。男らしいぞ庵。」



庵は確実に成長していってる。まぁこいつは世間で言う成長期だからな。色々学ぶ時期だ。だからこそ俺はこいつが成長していくのがなんだが寂しい気持ちにもなるよな。大人になれば色んなことが知れる。いい事も悪いことも。それに庵が直面した時どんな風になるのか想像すんのは嫌だな。



「龍も顔変わったよね。」

「は?俺?」



考え事をしながら運転していると庵にそう言われて俺はらしくなく動揺した。自分自身では何も変わっていないと思っているからこそ。



「うん。俺をここに連れてきたばかりの時はほんっと怖い顔してたけど今はホンワカしてる。雰囲気も変わった。」

「そうなのか…?」



だが言われてみればそうかもしれない。商談に行く時とかよく言われる。相手の方からだけどな。なんか柔くなっちまったな…ってよ。まぁ腕は変わんねぇから相手がビビってるのはいつも通りなんだけどよ。



「庵はどっちがいいんだ?昔の俺と今の俺。」

「両方好きだけど今の方が好き。」

「はは、そうか。」

「うん。だってすぐ俺の異変に気づいてくれるし。ちょっとやりすぎなとこもあるけどね。あと尊敬してる。」



こんな話ができるとは思わなかった。今日庵を外に連れ出して良かった。まぁそれは庵と2人きりになることが最近少なかったからかもしれねぇな。



「尊敬か。どんなとこがだ?」

「1回色々あって全部が崩れちゃった時あったじゃん…?」



あーあの事だろうな。今となっては懐かしい。あの時俺は組が終わる。そうすら思った。信頼してたやつの裏切り。仲間の死。色々あったな今思えば。



「ああ。」

「でも龍は悔しい顔一つ見せずに組を立て直した。また組員さんとかも増えてさ。ほんとにすごいって思ってた。俺には絶対できないことだから。」

「はは、なんだが恥ずかしいな。」



俺としちゃ当たり前のことをしただけだ。大切な部下である瀧と亮を守るためにもな。だが一番は庵だ。俺達に権力や金がなければ何も出来ない。守ってやれもしない。だから俺はそこの最低限のことをしただけだがそう言われるとやはり嬉しい。愛するやつに言われると余計にな。



「ほんとのことだもん。あと寛也さんとの出会いもおっきかったかもね。」

「そうだな。俺はあの人ほど凄い人は見た事がない。多分それはこれからもだ。」

「うん。また会いたいね。」

「次旭川さんのとこ行く時お前も来るか?アポ取ってからになるから実際行けるかはわかんねぇけど。」

「行きたい…!」



また庵を外に出してやれそうだ。俺も近々旭川さんのところに行かねぇとなと思ってたんだ。仕事の関係でな。



「よし、じゃあその前提で話を進めていく。」

「ありがとう龍!」

「ああ。んじゃ、次は海行こうか。」

「行こーう!」

「はは、可愛いやつ。」
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