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狸寝入り
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「おい誠也!どこ行くんだ!髪乾かしてから行け!」
お風呂入ってる最中も俺はずっとぼーっとしてしまっていた。游さんが全部してくれているのに考えているのは慎都さんのことだけ。自分勝手だよね…。ごめん游さん。
「慎都さんが帰ってきてないか確認しようと思って…。」
「んなの後でいい!来い!風邪ひいたらどうすんだ!戻ってこい!」
「…わかった。ごめん。」
「別に謝ることはねぇよ。おいで。」
「…うん。」
「いい子じゃねぇか。でも次俺の言う事聞かなかったら問答無用で抱くからな。」
「…え?」
まぁ…けど冗談だろうな。游さんはそういう人だ。そう言ったのも俺のために全部言ってくれるんだ。優しすぎる人。
「冗談じゃねぇからな。髪乾かしたらあっちに行ってもいい。だから髪乾かすまではここにいろ。」
「うん。游さんありがとう。」
「おう。」
俺は游さんの言葉に甘えて全部してもらった。髪乾かしてもらって服も着せてもらって噛まれた箇所には消毒と絆創膏も貼ってもらった。何から何まで甘えてしまった…。
「游さん…ごめん。」
「は?」
「迷惑ばっかりだ俺…。」
「何言ってんだ。家族だろ?迷惑かけちゃ駄目な理由でもあるのか?それにな、迷惑かけた分俺が誠也に迷惑かけた時許してくれたらいいじゃねぇか。これでいいだろ?な?」
游さんはそう言いながら俺の事を抱きしめてくれた。その後俺を抱っこしたままソファまで移動してくれた。それからも游さんは俺の事を抱きしめててくれたんだ。
「…ありがとう、游さん。」
「なんも気にすんな。俺が守ってやっから。慎都さんの事も俺に任せとけ。」
「…游さんは何をするつもりなの?」
游さんは初めから今の今まで自信に満ち溢れてる。上手くいくっていう、その自信はどこから来るんだろうか。俺には何も出来なかったからこそ知りたかったんだ。
「お前はなーんも知らなくていい。誠也は狸寝入りしてろ。」
「狸寝入り?」
「そうだ。俺がいいって言うまで動くな。俺がその間、慎都さんと直接話してやるから。」
「…うん。分かった。」
俺には何も出来ないから游さんに任せるしかない。なんやかんや言って俺は游さんにいつも救われてる気がする。あの屋敷から俺の事を救い出してくれたのも游さんだったし…。今もそうだ。なのに俺は何も游さんに返せてない…。
「心配することはねぇよ。俺も伊達にあの人の右腕何年もやってねぇからな。だから大丈夫。俺に任せろ。」
「ありがとう。」
「ああ。お礼はキスでいいぜ。」
「ま、また変なこと言って…!」
「はは、まぁ全部が終わったあとでキス、な?こればっかりは拒否させないぞ誠也。」
游さんが俺の顔を鷲掴みにしながらそう言ってきた。もうそんなことされたら俺に拒否権があったとしても拒むことなんて出来ない。游さんはこういう時は強引だけど…いつもの優しさがあるから結局俺は許してしまう。
「……分かった。」
「いい子だ。じゃあ誠也、寝たフリしろ。」
「今から…!?」
「ああ。慎都さんいつ帰ってくるかわかんねぇからな。」
「わ、わかった。」
と、俺がそう言って游さんの肩らへんに頭を埋めたその時…。
ガチャ
お風呂入ってる最中も俺はずっとぼーっとしてしまっていた。游さんが全部してくれているのに考えているのは慎都さんのことだけ。自分勝手だよね…。ごめん游さん。
「慎都さんが帰ってきてないか確認しようと思って…。」
「んなの後でいい!来い!風邪ひいたらどうすんだ!戻ってこい!」
「…わかった。ごめん。」
「別に謝ることはねぇよ。おいで。」
「…うん。」
「いい子じゃねぇか。でも次俺の言う事聞かなかったら問答無用で抱くからな。」
「…え?」
まぁ…けど冗談だろうな。游さんはそういう人だ。そう言ったのも俺のために全部言ってくれるんだ。優しすぎる人。
「冗談じゃねぇからな。髪乾かしたらあっちに行ってもいい。だから髪乾かすまではここにいろ。」
「うん。游さんありがとう。」
「おう。」
俺は游さんの言葉に甘えて全部してもらった。髪乾かしてもらって服も着せてもらって噛まれた箇所には消毒と絆創膏も貼ってもらった。何から何まで甘えてしまった…。
「游さん…ごめん。」
「は?」
「迷惑ばっかりだ俺…。」
「何言ってんだ。家族だろ?迷惑かけちゃ駄目な理由でもあるのか?それにな、迷惑かけた分俺が誠也に迷惑かけた時許してくれたらいいじゃねぇか。これでいいだろ?な?」
游さんはそう言いながら俺の事を抱きしめてくれた。その後俺を抱っこしたままソファまで移動してくれた。それからも游さんは俺の事を抱きしめててくれたんだ。
「…ありがとう、游さん。」
「なんも気にすんな。俺が守ってやっから。慎都さんの事も俺に任せとけ。」
「…游さんは何をするつもりなの?」
游さんは初めから今の今まで自信に満ち溢れてる。上手くいくっていう、その自信はどこから来るんだろうか。俺には何も出来なかったからこそ知りたかったんだ。
「お前はなーんも知らなくていい。誠也は狸寝入りしてろ。」
「狸寝入り?」
「そうだ。俺がいいって言うまで動くな。俺がその間、慎都さんと直接話してやるから。」
「…うん。分かった。」
俺には何も出来ないから游さんに任せるしかない。なんやかんや言って俺は游さんにいつも救われてる気がする。あの屋敷から俺の事を救い出してくれたのも游さんだったし…。今もそうだ。なのに俺は何も游さんに返せてない…。
「心配することはねぇよ。俺も伊達にあの人の右腕何年もやってねぇからな。だから大丈夫。俺に任せろ。」
「ありがとう。」
「ああ。お礼はキスでいいぜ。」
「ま、また変なこと言って…!」
「はは、まぁ全部が終わったあとでキス、な?こればっかりは拒否させないぞ誠也。」
游さんが俺の顔を鷲掴みにしながらそう言ってきた。もうそんなことされたら俺に拒否権があったとしても拒むことなんて出来ない。游さんはこういう時は強引だけど…いつもの優しさがあるから結局俺は許してしまう。
「……分かった。」
「いい子だ。じゃあ誠也、寝たフリしろ。」
「今から…!?」
「ああ。慎都さんいつ帰ってくるかわかんねぇからな。」
「わ、わかった。」
と、俺がそう言って游さんの肩らへんに頭を埋めたその時…。
ガチャ
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