怖いお兄さん達に誘拐されたお話

おはよう

｢この野郎…っ、やめろって言ったのに…っ。｣



あの後も俺は慎都さんにしっかり抱かれた。やめろって言っても慎都さんが聞いてくれなくて風呂の中でやられた…。おかげで若干ゆだってんだよ。



｢悪かったって。つかあの状況で俺が我慢出来るけなくね？｣

｢開き直るな！ちょっとぐらい加減しろって言ってんだ！｣

｢まぁまぁそう怒るなって誠也。銀時のとこ行くんだろ？｣



そうだけどさ…。あ、游さんと行こうかな。そしたら慎都さんもちょっとは反省するだろ。多分…。



｢…やっぱ游さんと行こうかな。｣

｢は！？お前そりゃねぇだろ！｣

｢慎都さんといると体力が無くなる！｣

｢んな事言うなよ。もうしねぇから。｣

｢…ほんとに？｣



いやいや信じちゃいねぇし。信じねぇし…！慎都さんはまたやってくるに決まってる…！



｢ああ。今はな。｣

｢やっぱ夜になったらするつもりなんじゃん！游さんと行くから！｣

｢おい誠也！待てって！｣

｢やーだ！｣

｢分かった分かった。游と行ってもいいからとりあえず髪乾かそう。｣

｢…はーい。｣



髪は乾かさねぇとな。この前慎都さんが髪乾かす暇も与えてくれなくて翌日の朝すんげぇ寝癖ついてたし…。あれはさすがに恥ずかしかった。



｢いい子だ誠也。｣

｢うわっ、キスすんな！｣



不意をつかれて急にキスされた俺は慎都さんのことを腕で突っぱねた。キスされるだけなら別にいいけど今の慎都さんはそれ以上のことをしてきそうだったから。



｢はぁ？おい誠也。お前何嫌がってんだよ。こっち来い！｣

｢な、なんだよっ、ははっ、お、おいっ、くすぐるな…っ！！｣



俺は慎都さんの腕の中に閉じ込められて脇腹をくすぐられ始めた。なんだよ急に！ちょっと嫌がっただけなのに！くすぐったい…っ、この！



｢相変わらずくすぐられんの弱いなぁ。つかさ、キスして嫌がるお前が悪いだろ。｣

｢ははっ、ははっ、やめっ、やめろって！｣



逃げようにも全然逃げらんねぇ！くそ…っ、くすぐってぇ！まじやめろ！長いんだよ…っ！



｢あはっ、ははっ、しんとっ、さんっ、やめてっ、やめろっ、ははっ、くすぐったい…！｣

｢なら言うことあるだろ？なぁ誠也。｣

｢ご、ごめんっ、ははっ、あははっ、ごめんって！｣

｢おし、いい子。｣



なんで俺が謝んなきゃいけねぇんだよ…っ。そうしねぇとくすぐるのやめて貰えそうになかったら謝ったけど…っ。そもそもちょっと嫌がっただけなのに…っ。やりすぎだろ…っ！



｢…っ、このっ、鬼畜ヤクザ…。｣

｢お、言ってくれんじゃねぇか。またくすぐられてぇのか？｣

｢違ぇし…！触んな！｣

｢んな寂しいこと言うなよ。またくすぐるぞ？｣

｢嫌だ…！｣



そうやって脅せばなんでも俺が言うこと聞くと思ってんだろ！そうはいくかよ…っていいながら結局俺はくすぐられたくなくて慎都さんの言うことを聞く羽目になるけどな。



｢なら大人しくしろ。な？誠也。髪乾かすからよ。｣

｢…髪乾かすだけか？ほんとに何もしない？｣

｢ああ。多分な。｣

｢っ、信用出来ねぇ！自分で乾かす！｣

｢は？駄目に決まってんだろ。離さねぇよ。｣

｢やめっ、お、おい慎都さん！｣



また腕の中に閉じ込められて俺は咄嗟に暴れた。くすぐられてたまるかよ！俺だってやられっぱなしじゃねぇんだからな…と、俺が暴れ始めたその時浴室のドアが開いた。



｢頭…？ちょっと何騒いでるんですか？｣