624 / 638
松下康二の過去
説教
しおりを挟む
*康二視点
「おら康二!!何してんだお前!」
「な、なんで頭がここに…!」
あの事件以来俺は頭と森廣さんにこれでもかってほど甘やかされた。北風さんにも可愛がってもらった。そんなこんなであれから数ヶ月経ったんだけど…。俺はどうしても行きたいところがあったんだ。だから二人の目を盗んで事務所を出たのに…。
「なんでじゃねぇよ。お前こそ何抜け出してんだ。」
頭がお怒りの様子で俺の腕を掴んできた。なんでバレたんだろ…。
「…そ、外の空気を吸いに、」
「そうか。なら戻るぞ。」
相変わらず頭相手には言い訳が効かない…。それにこんなに怒らなくてもいいじゃんか。
「俺はもう少し外にいます!」
「じゃあ俺も外にいる。」
「な、なんでですか!」
頭がそばにいたら俺の行きたいところにいけない!なのに…!!
「お前があんなクソみたいな親元に行こうとするからだろ。」
…え?なんでバレてたのかな…。俺言ったっけ?うっかり言っちゃった?それとも感じ取ったのかな。
「頭は知ってたんですか…?」
「ああ。最近お前、挙動不審だったからな。バレバレだ。それで後をつけてきたんだ。」
「…なんで俺を連れ戻しに来たんですか?」
「お前が傷つくからだ。」
「…それは行ってみなきゃ分からないです。」
俺も分かってる。傷つく未来しか見えない。けど会えなくてもいいんだ。俺が両親の姿を見れるだけでいい。元気にやってるかどうかの確認をしたいんだ。
「そうかもな。けど俺はお前を行かせない。」
「どうしてですか…?」
「お前が俺の家族だからだ。今更血の繋がりがあるあいつらのところに戻るとか許さねぇぞ。」
「そんなつもりは無いです…。」
俺だって頭とこれからも暮らしていくつもりだ。それ以外に俺は生きる道がないから。そして何よりも俺は頭を尊敬しているから。家族として。上司としても。
「じゃあなんでお前はあいつらに会いに行くんだ。」
「…気になって。」
「何が。」
「生きてるかな…とか。」
「ふーん。じゃあ俺と一緒に行くか?」
「…え?いいんですか?」
何がなんでも俺を止めると思っていた…。けど頭はそう言ってくれた。これが最後のチャンスかもしれない。親に会える…。
「お前がそうしたいんなら俺が付き合ってやる。」
「…行きたいです。」
「分かった。じゃあ行くぞ。」
「…はい。」
あれだけ…行こうとしてたのにいざ行くとなったら乗り気ではなくなる。俺は相変わらず意気地無しだな…。
「康二。早く。」
「なんで俺の家知ってるんですか!」
「調べたからに決まってんだろ。」
「え!犯罪ですよ!」
「今更何言ってんだ馬鹿かよ。」
「た、たしかに。」
ヤクザ相手に犯罪とか何を言ってるんだ俺は…。気が動転してる。落ち着くんだ俺…。けど俺は結局落ち着けなくて気づけば両親の住む家まで来てしまっていた。
「ここだな。」
「…あの頭、」
「あ?」
「…やっぱり帰りましょ。」
「はぁ?ここまで来て帰るとか無しだ。せめてあいつらの顔だけでも拝んでいけよ。」
「え?ま、待って…!」
頭は俺の言うことに聞く耳を持たなくてどんどん俺の両親が住む家へと近づいて行った。ど、どうしよう。どうしたらいいんだ…。
「待たねぇ。」
「頭…!」
「康二、静かに。バレちまうぞ。」
「あ…っ。」
俺は目先のことしか考えられない。周りが見れなくなるんだ。混乱したり同様したりすると…。だから今も何も気にせず声を荒らげてしまった。
「まぁ聞こえはしてねぇだろ。」
「よ、よかった…。」
「康二。それよりあれ見てみろ。あれがお前の親だ。」
「………………っ。」
頭に顔を鷲掴みにされて顔を動かされた…。その先には確かに俺の親がいた。けど…。
「何も変わってない…。」
「当たり前だ。康二、お前は何を期待したんだ?あいつは未だに借金を増やしていってるぞ。やりたい放題だ。」
「…頭はなんでそんな人たちを放ってるんですか?」
「言わねぇ。」
「……あの、頭は」
「あ?」
「なんでもないです…。」
言えない…。言えないよ…。けど俺は分かった。頭は俺の親を殺すつもりだ。臓器でも売ればそれだけで何千万だもんな…。
「頭、帰りましょ。着いてきてくれてありがとうございました。」
「もういいのか?」
「はい。」
俺は少しだけ期待してたんだ。俺の帰りを待ってくれてるんじゃないかって。でもそんなわけないよね。分かってたよ。もう…いいんだ。じゃあね、母さん。父さん。俺は俺の道に進むよ。一生の…別れだ。
「そうか。なら帰ろう。」
「はい。」
「なぁ康二。あいつらと俺どっちが好きか?」
「……はい!?」
「は?答えらんねぇのか?」
「え…?ま、っ、はは、か、頭、何するんですか!」
頭が変なこと聞くから俺は驚いて固まっただけなのに頭がくすぐってきたんだ。俺の事を壁に追い詰めて!
「ははっ、ま、まって、あはっ、ははっ、やめ、てください!」
「俺とあいつらどっちが好きか答えろ。」
「かしっ、ははっ、あははっ、頭がっ、すき、です!」
「ならいい。」
なんなんだ…一体。なんでいきなりくすぐってくるんだよ…。やめてもらえたからいいけど…。
「…頭、酷いです。」
「お前がくすぐられんの弱すぎんだよ。鍛えてやろうか?」
「ど、どうやって…?」
「俺が毎日くすぐってやる。」
「最低ですね!」
「嫌なら俺の元から離れるな。それを約束出来るならくすぐらねぇ。」
「そんなこと言われなくても離れません!」
「ならいい。」
「おら康二!!何してんだお前!」
「な、なんで頭がここに…!」
あの事件以来俺は頭と森廣さんにこれでもかってほど甘やかされた。北風さんにも可愛がってもらった。そんなこんなであれから数ヶ月経ったんだけど…。俺はどうしても行きたいところがあったんだ。だから二人の目を盗んで事務所を出たのに…。
「なんでじゃねぇよ。お前こそ何抜け出してんだ。」
頭がお怒りの様子で俺の腕を掴んできた。なんでバレたんだろ…。
「…そ、外の空気を吸いに、」
「そうか。なら戻るぞ。」
相変わらず頭相手には言い訳が効かない…。それにこんなに怒らなくてもいいじゃんか。
「俺はもう少し外にいます!」
「じゃあ俺も外にいる。」
「な、なんでですか!」
頭がそばにいたら俺の行きたいところにいけない!なのに…!!
「お前があんなクソみたいな親元に行こうとするからだろ。」
…え?なんでバレてたのかな…。俺言ったっけ?うっかり言っちゃった?それとも感じ取ったのかな。
「頭は知ってたんですか…?」
「ああ。最近お前、挙動不審だったからな。バレバレだ。それで後をつけてきたんだ。」
「…なんで俺を連れ戻しに来たんですか?」
「お前が傷つくからだ。」
「…それは行ってみなきゃ分からないです。」
俺も分かってる。傷つく未来しか見えない。けど会えなくてもいいんだ。俺が両親の姿を見れるだけでいい。元気にやってるかどうかの確認をしたいんだ。
「そうかもな。けど俺はお前を行かせない。」
「どうしてですか…?」
「お前が俺の家族だからだ。今更血の繋がりがあるあいつらのところに戻るとか許さねぇぞ。」
「そんなつもりは無いです…。」
俺だって頭とこれからも暮らしていくつもりだ。それ以外に俺は生きる道がないから。そして何よりも俺は頭を尊敬しているから。家族として。上司としても。
「じゃあなんでお前はあいつらに会いに行くんだ。」
「…気になって。」
「何が。」
「生きてるかな…とか。」
「ふーん。じゃあ俺と一緒に行くか?」
「…え?いいんですか?」
何がなんでも俺を止めると思っていた…。けど頭はそう言ってくれた。これが最後のチャンスかもしれない。親に会える…。
「お前がそうしたいんなら俺が付き合ってやる。」
「…行きたいです。」
「分かった。じゃあ行くぞ。」
「…はい。」
あれだけ…行こうとしてたのにいざ行くとなったら乗り気ではなくなる。俺は相変わらず意気地無しだな…。
「康二。早く。」
「なんで俺の家知ってるんですか!」
「調べたからに決まってんだろ。」
「え!犯罪ですよ!」
「今更何言ってんだ馬鹿かよ。」
「た、たしかに。」
ヤクザ相手に犯罪とか何を言ってるんだ俺は…。気が動転してる。落ち着くんだ俺…。けど俺は結局落ち着けなくて気づけば両親の住む家まで来てしまっていた。
「ここだな。」
「…あの頭、」
「あ?」
「…やっぱり帰りましょ。」
「はぁ?ここまで来て帰るとか無しだ。せめてあいつらの顔だけでも拝んでいけよ。」
「え?ま、待って…!」
頭は俺の言うことに聞く耳を持たなくてどんどん俺の両親が住む家へと近づいて行った。ど、どうしよう。どうしたらいいんだ…。
「待たねぇ。」
「頭…!」
「康二、静かに。バレちまうぞ。」
「あ…っ。」
俺は目先のことしか考えられない。周りが見れなくなるんだ。混乱したり同様したりすると…。だから今も何も気にせず声を荒らげてしまった。
「まぁ聞こえはしてねぇだろ。」
「よ、よかった…。」
「康二。それよりあれ見てみろ。あれがお前の親だ。」
「………………っ。」
頭に顔を鷲掴みにされて顔を動かされた…。その先には確かに俺の親がいた。けど…。
「何も変わってない…。」
「当たり前だ。康二、お前は何を期待したんだ?あいつは未だに借金を増やしていってるぞ。やりたい放題だ。」
「…頭はなんでそんな人たちを放ってるんですか?」
「言わねぇ。」
「……あの、頭は」
「あ?」
「なんでもないです…。」
言えない…。言えないよ…。けど俺は分かった。頭は俺の親を殺すつもりだ。臓器でも売ればそれだけで何千万だもんな…。
「頭、帰りましょ。着いてきてくれてありがとうございました。」
「もういいのか?」
「はい。」
俺は少しだけ期待してたんだ。俺の帰りを待ってくれてるんじゃないかって。でもそんなわけないよね。分かってたよ。もう…いいんだ。じゃあね、母さん。父さん。俺は俺の道に進むよ。一生の…別れだ。
「そうか。なら帰ろう。」
「はい。」
「なぁ康二。あいつらと俺どっちが好きか?」
「……はい!?」
「は?答えらんねぇのか?」
「え…?ま、っ、はは、か、頭、何するんですか!」
頭が変なこと聞くから俺は驚いて固まっただけなのに頭がくすぐってきたんだ。俺の事を壁に追い詰めて!
「ははっ、ま、まって、あはっ、ははっ、やめ、てください!」
「俺とあいつらどっちが好きか答えろ。」
「かしっ、ははっ、あははっ、頭がっ、すき、です!」
「ならいい。」
なんなんだ…一体。なんでいきなりくすぐってくるんだよ…。やめてもらえたからいいけど…。
「…頭、酷いです。」
「お前がくすぐられんの弱すぎんだよ。鍛えてやろうか?」
「ど、どうやって…?」
「俺が毎日くすぐってやる。」
「最低ですね!」
「嫌なら俺の元から離れるな。それを約束出来るならくすぐらねぇ。」
「そんなこと言われなくても離れません!」
「ならいい。」
43
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる