ギフテッド

路地裏乃猫

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1章

9話 幕間

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「そう、無事に確保できたのね。お疲れ様。……ええ、すでに準備は整えているわ。戻ったら、直接私のところにいらっしゃい。じゃ、気をつけてね」

 言い残すと、高階加奈子たかしなかなこは通話の切れたスマホを執務机に置く。代わりに引き出しから一冊の古い手帳を取り出すと、ノドの糊が剝げないようそっと表紙を開いた。

 かれこれ十年以上も古い西暦が表紙に刻印されたそのダイアリーには、一枚の古い写真が挟み込まれている。バストショットで写り込むのは一人の女。その、ダイアリーとともに歩みを止めた女の若い肖像を見つめながら、加奈子は小さく溜息をつく。

「あと二十年長く生きていれば、お仲間にも出会えたのにね」

 そして再び手帳を机にしまうと、加奈子は窓越しの夜景に目を戻す。墨色の夜空の下、ゆるやかに明滅する高層ビル群の赤い航空灯を眺めながら、果たして彼は、あの男の狂った夢を終わらせてくれるだろうかと思う。

 光代みつよと同じギフトを持つという、その青年は。
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