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44.それなら!
しおりを挟むそれから、保護した人たちはヴァトズフィウズ様が砦に連れて行き、そのあと森の中の様子も見て回ったけど、だいぶ魔物の数も減っているし、これなら冒険者たちが森に入ることに問題なんてないだろうと言う結論に至った。
砦の方にも連絡したけど、応答はまるでなし。だけど、グレヴロオル様にはヴァトズフィウズ様が書簡を送ってくれた。
警備隊とはたまに連絡をとりながら、周辺の安全を守っていくことになった。
警備隊のロストフィトテイド隊長は、森の中の状況を確認するためだと言って、その後もよく僕の魔物退治にもついてくる。「砦の魔法使いは情けないなあ!!」と大きな声で言いながらついて来るから、少し困ることもあるけど、お陰で効率よく魔物を退治することができた。
オフィトイン様とも、よく魔物退治に行っている。最近彼は、隊長やヴァトズフィウズ様に魔法を教えてもらい、魔法を使うのにも慣れてきたみたいだ。彼がいるだけで、かなり心強い。いずれ王城に魔法の研究をする魔法使いとして仕える話も出ているらしく、毎日張り切っていた。
街の素材の店の店員さんも、すっかり顔馴染みだ。
今日も、魔物退治の帰りに素材を買ってくれた店員さんは、僕ににっこり笑って言った。
「ありがとうございます……助かります」
お礼を言われて、早速恐縮する僕。だって、高く買ってもらって助かっているのは僕の方だ。
「そ、そんなっ……僕の方がいつも助かっているのに…………あ、ありがとうございます! 高く買ってもらって……」
お陰で、装備や魔法の薬を購入してもだいぶ余裕がある。
そのお金で少し前に買った地図は、僕の寝る前の愛読書だ。これでこれからどこに行こうか、目標ができてきた。
海を越えて、魔法使いが多く集まるという都市に行ってみたい。そこに行けば、多くの魔法の道具や、魔法の薬が手に入るらしい。
海を越えるための旅費も貯まりつつある。海と空を魔物が支配する地域があるから、そこを避けるとして、どこを通って行こう。
魔物退治ももうすぐ完了するから、あとは、旅の装備だな……魔法の薬も多く揃えておきたい。だから、ここの店で高く素材を買い取ってもらえて、本当にありがたいんだ。
店員さんは、にっこり笑って言う。
「だって、リュイウェリレクさんの持ち込んでくれる素材は、どれもなかなか手に入らないものが多くて、助かってるんです!」
「あの……最近は、仕入れはどうですか? 素材は……集まっていますか?」
「はい! 少し前までより、ずっと集まるようになってます! 警備隊も、もう安全だって言ってくれていて、森に入るために許可もいらないそうです。あ! ギルドの方には行かれましたか? 冒険者の方々も、喜んでいましたよ」
「それは聞きました!! ギルドでルイトシオレトさんに、森に素材を集めに行っている冒険者の方の話を聞かせてもらって……魔物退治も進んでいます!」
このまま行けば、きっと近いうちに、ここを出ることができるっ……!
それはすごく嬉しい。
だけど……
そうなったとして、それからヴァトズフィウズ様とはどうなるんだろう…………
魔物退治が終わったら、もう離れなきゃならないのかな……
僕……やっぱり部隊には入れないし、ヴァトズフィウズ様はそもそも、あの砦の覇権を手に入れるためにここに来たんだ。
最近は、ヴァトズフィウズ様も砦の方へ行くことが増えたけど、夜になれば会えるし、ヴァトズフィウズ様と行く食事は、僕の毎日の楽しみの一つだ。魔法や魔物の話もできるし、これからの相談にものってもらっている。
だけど……魔物退治も一緒に行きたいな……
ヴァトズフィウズ様は、一族のためにあの砦が欲しいみたいで、オフィトイン様が来てからは、彼や一族の人と魔物退治に行くことが増えている。
僕も一緒に行きたいな……
今日はヴァトズフィウズ様は、砦の近くの魔物退治にオフィトイン様たちと行っているみたいだし、朝から会えなくて、少し寂しい。
僕は部隊じゃないけど、それでも、ヴァトズフィウズ様と魔物退治や素材集めに行きたい。そんなことばかり考えてしまう僕は、やっぱりわがままなのかな……
「あの……どうしました?」
店員さんに声をかけられて、やっと我に返る。
「あ……す、すみません…………な、なんでもないです!」
……後でヴァトズフィウズ様に話してみようかな……魔物退治に同行したいって。
そうでなくても、今日、一緒に食事とか!
最近ずっとヴァトズフィウズ様は砦の方に出かけたりして忙しそうだったし……たまにご飯を一緒に食べるくらいなら、いいよな……誘ってみようか。一緒にご飯を食べたいです! って。
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