お前の尻穴が狙われている! 俺は別にどうでもいいけど……一応、守りに来た

迷路を跳ぶ狐

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10.お前が負けたって言うまで


 冷たい手が俺の肌に触れる。触れられてるだけなのに、まるで味わうようにじっくり手のひらを動かされて、それだけで、またあの身体を痺れさせる熱が広がっていく。

「お、おいっ……待てって! な、何考えっ……!! ひっ……!!」

 一瞬だけ、自分でも聞いていられないよう声が漏れた。こんな声、聞かれたくない。

 だけどオヴズティは何だか楽しそうだ。

「俺に喘ぐ声聞かれんのは嫌か?」
「はっ……!? あ、喘いでなんかないっ……! い、嫌なだけだ!! は、は、離せよっ……!」
「……誰が離すか」

 オヴズティの顔が変わって、俺をベッドに押さえつける手に力を入れる。
 そして、片手だけで俺のシャツを脱がしてしまう。

「おいっ……!」

 さすがに動揺した。長くこいつとは一緒にいたが、服を脱がされたことはない。

 慌ててる隙に、俺の両手首には冷たい枷が現れた。オヴズティの魔法だ。それはベッドと鎖で繋がっている。

「やめろっ……これ外せっ!! 怒るぞ!!」

 暴れても枷は外れない。着ていたものは全部脱がされて、下着まで剥ぎ取られてしまい、何もかも全部晒されて、もう恥ずかしくて暴れることもできない。

 必死に身を捩り、俺を捕まえた男の視線から逃れようと、ぎゅっと強く足を閉じた。こうしてないと、刺激されてちょっと膨らみかけた欲望まで見られてしまう。何でこんなことされてんだ!

「な、なんの……真似だよっ……! ひっ……!!」

 そいつの手が股間にまで手がいく。柔らかくなぞるように撫でられて、そのたびに背中がそり返る。一番感じるところに触れられて、拒絶していたはずの体がじわじわ追い詰められて行く。

「や、やめろっ……! ズティっ……んあぁっ……!」

 高められたものから、耐えきれず先走りが漏れた。それが、擦られる屹立を伝って何度もずじゅと、いやらしい音が響いた。責め立てられるごとに、先からは、つぎつぎ蜜が溢れていく。

 もう俺の欲望もそいつの手までぐちゃぐちゃだ。中から湧き上がる快楽が怖くて、逃げ出そうとしても、俺はすでにベッドに繋がれている。

 こんな恥ずかしいところ、俺だけ裸で見下ろされて、もう泣きそうだ。

「や、やだっ……ズティっ……!」
「お前……俺のこと、どう思ってんだ?」
「……え?」

 顔を上げたら、胸が痛んだ。オヴズティの表情だけで、胸が痛くなりそうだったから。

 オヴズティは、ひどく辛そうだった。

「ど、どうって……」
「俺はお前が好きだ」
「はあ!?」
「……好きなんだ。ずっと……お前のことが好きだった。お前は? 俺をどう思っている?」
「えっ……」
「……本気で嫌なら、ここで俺は引き下がる。最後のチャンスだぞ…………嫌いならさっさと突き飛ばせっ……!」

 オヴズティがそう言うと、俺を繋いでいた鎖が切れる。
 パキンと音がして、俺の両手は自由になった。嫌なら今すぐ突き飛ばせってことか? 馬鹿だ。こいつは。多分、俺も。

 俺は、そいつに向かって手を伸ばして、そいつを思いっきり抱きしめた。オヴズティは動揺しているのか、俺にされるがままだ。

「言っとくけどなぁっ……お、おれのほうがっ……お前のこと、ずーーーーっと前から好きだったからな!!」
「……ノラギ……っ!」

 自由になった手で抱き寄せたのがまずかったのか、そいつは俺を抱き寄せて、キスしてくる。そして、自らの下半身にまで手をかけて、服の下から膨らんだ欲望を取り出した。

 それを見ただけで、俺は震え上がった。こいつ……いつのまにそんなにでかくしてんだよ!

 え? まさかいきなり、それ? 俺、今からそれ入れられんの?? 無理だろ死ぬ! そんなの突っ込まれたら体裂ける!

 怯える俺に、そいつは熱に酔ったような顔で言った。

「ズティ……」
「ま、まま、待てよっ……! そ、そんなのはいらないっ……! そんなの入れたら壊れる!」
「…………仕方ねーな……今日だけ、一緒に抜くだけで勘弁してやるよ」
「はっ……んあっっ!!」

 そいつの膨らんだ雄が、俺の股間に押し当てられ、そいつが動くたびに扱かれる。俺が溢れさせたもののせいで、何度も濡れた音がして、体が昂っていく。こんなに気持ちいいのは初めてだ。

 快楽で腰から蕩けていきそう。だらしなく涎を垂らして喘ぐ俺を追い詰めて、そいつが腰を落とす。ひとたまりもなかった。

「あっ…………」

 小さな声だけあげて、先から一気に白濁が溢れていく。全身を包む快楽だけで、とろんとしている俺に、そいつは微笑んだ。

「俺の方が、ずっと片想いしてた」

 こいつ、どこまで負けず嫌いなんだ。
 ざけんな。俺がどれだけ寂しかったと思ってるんだ。さっさと囲え。馬鹿。俺のいじっぱり舐めんなよ。

「…………俺の方が……ずーーーっと前からだし……俺の方がずっと好きだ……」
「ふーーん……」

 変な意地ばっか張ってたら、そいつの目が冷気を帯びるのに気づかなかった。

 そいつは、力が入らない俺の手首をまたベッドに押さえつける。

「じゃあ、負けを認めさせるか」
「は!?」
「今度はお前が負けたって言うまでやめない」
「はあ!? ざ、ざけんな! 俺はもう限界っ……!」

 限界って言いかけた俺に、そいつは口付けて、俺はまだまだいけるって言って微笑んだ。


*お前の尻穴が狙われている! 俺は別にどうでもいいけど……一応、守りに来た*完

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