誰もが我儘な私ではないお方が良かったようなので、悪役の私は残忍な猛将達に手酷く扱われに行きます。戻れ? 絶対に離れるなと脅されているのですが

迷路を跳ぶ狐

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20.参りましょう!

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 ヴィラウレルト様たちに頼むのが一番早いと思うのだけど、彼女はそれはダメだと繰り返す。

「なぜです?」
「なぜ!?? なぜですって!?? どうかしています!! ご存じないのですか!? ヴィラウレルト様は、魔法使いと騎士で構成された精鋭部隊をいくつも統率なさっている方です!! その魔法で竜の領地に集まった魔物たちを一度に消滅させるような方々で……そのような方々に、私たちが頼み事なんて……とんでもないことです。それに……あの…………その…………ざ、残忍なやり方で有名ですし…………あまり、無茶を言わない方が……」
「でも、それだけたくさんの方を率いているなら、今は手を貸してくださってもよろしいではありませんか。ダメならダメとおっしゃってくださるはずです!」
「……」

 彼女はまだ、迷っているように見えた。少し怯えているようでもあるけど、ヴィラウレルト様たちなら、大丈夫な気がする。

 私は、先ほどまで植物を詰めたカゴを乗せていた使い魔の鳥を呼び寄せた。私たち二人が乗れるくらい大きな使い魔にしておいてよかった。まだ魔力で動きそう。

 これに乗っていけば、魔法の植物を乗せて飛んで、ついでにヴィラウレルト様たちに会いに行くことができるはず!

「参りましょう! ご心配なさらずとも、これは私の独断でしていること! あなたが責任を問われることはありませんわ! 何も心配しないで、使い魔の後ろに乗って案内をお願いします!」
「あ、案内…………ですか?」
「はい!! 私はまだこの城に来たばかりで、城の中のことはよく分かっていないのです! ですから、あなたには案内をお願いしたいのです! この時間、ヴィラウレルト様たちはどこにいらっしゃるのです?」
「それは私にも分かりませんが……朝は訓練場にいるのを見たと、使用人たちが話しているのを聞いたことがあります」
「分かりました!! 訓練場ですね!?」

 それなら、庭を飛んでたどり着くことができるだろう。
 私は、詰めるだけ魔法の植物を詰めたカゴを使い魔の鳥の背中に乗せて、自分自身もそこに乗ると、彼女に振り向き、手を差し出した。

「参りましょう! 乗ってください!!」
「え…………でも……」

 彼女はまだ迷っているようだったけど、恐る恐るこちらに向かって手を伸ばしてくる。

 その手をとって、私は使い魔に手綱をつけて、彼女に振り向いた。

「魔力が尽きると落ちてしまいます! どうか、お気をつけください!!」
「は!?? き、聞いていません! そんなの!!」
「私、魔力があまりないのです!! 大丈夫です!! 地上近くを飛ぶので!!」

 言って、私は使い魔につけた手綱を操り、庭を飛び出した。後ろに乗った彼女が悲鳴をあげて私にしがみついてくる。

「き、きゃあっ…………! あ、あの!! 落ちないように飛んでくださいね!」
「はい!! できるだけ気をつけます!! それで、訓練場はどちらですか!?」
「あ、あっちです! あの、大きな塔が見える辺りです!!」

 言われた通りの方向に、私は使い魔を向かわせる。
 羽を広げた使い魔は、彼女の言っていた訓練場めがけて飛んだ。すると、城の塔の向こうで、攻撃の魔法が空に向かって飛んでいくのが見えた。

 さっきの、もしかして訓練中の方の魔法? 恐ろしく強力な魔法だ。
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