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43.それだけ?
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領主様たちと魔法で身を隠して使い魔を追って行くと、それは城の中を飛んで、私たちを撃ち落とした魔法使いの男を連れ出し、森の中へ連れて行く。男の名前は、ヴルレウェスというらしく、ヴィラウレルト様は、ずっと魔物退治をしてきたのに、と苛立ったように話していた。
ヴィラウレルト様は、逃げる使い魔とずっとこちらに背を向けたままの男から、一切目を離さなかった。使い魔にこっそり魔法をかけて、それを操っているはずのオーテクルテスファー様が森の中のどこにいるのか、その位置を探っているらしい。
魔法で空を飛んで追っていくとヴィラウレルト様が使い魔に向かって攻撃の魔法を撃とうとするから、慌てて止めた。
「ち、ちょっ……ま、待ってください! いきなり撃たないでください! 一緒に逃げている魔法使いもいるんですよ!?」
「殺しはしない。逃さないように使い魔を止めるだけだ」
「い、今、使い魔だけではなく、逃げている方まで撃とうとしましたよね!?」
「…………妙に鋭くなったな……」
「テクフィノレク様とロズルラト様がしょっちゅう近くで魔法の撃ち合いをしているので。人を狙って魔法を撃つ仕草に敏感になりました」
「……余計な真似を…………」
そう言ってヴィラウレルト様は、そばを飛ぶロズルラト様に振り向くけど、彼は「それの何が悪いんだー?」とキョトンとしてる。
彼とはやり合わずに、ヴィラウレルト様は、私に振り向いた。
「心配するな。あれを追いながら使い魔の魔力を追って、オーテクルテスファーの位置は把握した。あの男も、足を止めるだけだ」
「足だけじゃすみませんよ! そんなの!!」
その魔力で魔法を撃ったりしたら、ただじゃ済まない。それなのに、ヴィラウレルト様は不満そう。
「庇うことはないだろう。オーテクルテスファーもすぐに見つけて、拘束する」
「……拘束するだけに見えません……」
私が言うと、領主様も頷く。
「一応オーテクルテスファーは客人だからな。いきなりお前が魔法で撃ち殺すのはなしだ!」
「…………バレなければいいだろう……」
呟いて、ますます不満そうなヴィラウレルト様。本当に、今すぐに彼らを撃ち殺してしまいそう。
「抵抗されても面倒だ。逃亡を許す気もない。命を奪わなければ、それでいいだろう」
彼が本当にそうしてしまいそうで、私は慌てて言った。
「で、では、私が拘束して参ります!」
「………………お前が?」
「はい!」
「やめておけ。返り討ちに遭うだけだ」
「だ、大丈夫ですっ……! テクフィノレク様と強化した結界の魔法の道具だってあります!」
「……だが…………」
「お願いします! 私に任せてください! 代わりにヴィラウレルト様は、オーテクルテスファー様に対する警戒をお願いします。恐らく、追跡に気づいています」
「なに……?」
「逃げた男を囮にこちらを攻撃してくるかもしれません……私が彼らの注意を引きます。その間に、拘束の用意をお願いします。一人も……逃さないように」
「…………」
面倒なことに、オーテクルテスファー様は客人だ。それも、領主様に会いに来た、隣の領地の次期領主。下手に手を出して、被害者の顔で騒がれたら堪らない。
ヴィラウレルト様は渋っていたけど、領主様が微笑んで言う。
「いいじゃないか! せっかくだ! やらせてやれ!!」
「領主様……」
それでも、ヴィラウレルト様は苦い顔をしたまま。
やはり、私では頼りないかな……
すると、ロズルラト様が、城の中で見せた、小さな虎の姿になって言った。
「だったら、俺がついていく!! 危なくなったら、俺がやる! それでどうだ?」
「いいじゃないか! 頼んだぞ、ロズルラト!!」
領主様がそう言ってくれて、ヴィラウレルト様も渋々といった様子で頷いた。
ヴィラウレルト様は、逃げる使い魔とずっとこちらに背を向けたままの男から、一切目を離さなかった。使い魔にこっそり魔法をかけて、それを操っているはずのオーテクルテスファー様が森の中のどこにいるのか、その位置を探っているらしい。
魔法で空を飛んで追っていくとヴィラウレルト様が使い魔に向かって攻撃の魔法を撃とうとするから、慌てて止めた。
「ち、ちょっ……ま、待ってください! いきなり撃たないでください! 一緒に逃げている魔法使いもいるんですよ!?」
「殺しはしない。逃さないように使い魔を止めるだけだ」
「い、今、使い魔だけではなく、逃げている方まで撃とうとしましたよね!?」
「…………妙に鋭くなったな……」
「テクフィノレク様とロズルラト様がしょっちゅう近くで魔法の撃ち合いをしているので。人を狙って魔法を撃つ仕草に敏感になりました」
「……余計な真似を…………」
そう言ってヴィラウレルト様は、そばを飛ぶロズルラト様に振り向くけど、彼は「それの何が悪いんだー?」とキョトンとしてる。
彼とはやり合わずに、ヴィラウレルト様は、私に振り向いた。
「心配するな。あれを追いながら使い魔の魔力を追って、オーテクルテスファーの位置は把握した。あの男も、足を止めるだけだ」
「足だけじゃすみませんよ! そんなの!!」
その魔力で魔法を撃ったりしたら、ただじゃ済まない。それなのに、ヴィラウレルト様は不満そう。
「庇うことはないだろう。オーテクルテスファーもすぐに見つけて、拘束する」
「……拘束するだけに見えません……」
私が言うと、領主様も頷く。
「一応オーテクルテスファーは客人だからな。いきなりお前が魔法で撃ち殺すのはなしだ!」
「…………バレなければいいだろう……」
呟いて、ますます不満そうなヴィラウレルト様。本当に、今すぐに彼らを撃ち殺してしまいそう。
「抵抗されても面倒だ。逃亡を許す気もない。命を奪わなければ、それでいいだろう」
彼が本当にそうしてしまいそうで、私は慌てて言った。
「で、では、私が拘束して参ります!」
「………………お前が?」
「はい!」
「やめておけ。返り討ちに遭うだけだ」
「だ、大丈夫ですっ……! テクフィノレク様と強化した結界の魔法の道具だってあります!」
「……だが…………」
「お願いします! 私に任せてください! 代わりにヴィラウレルト様は、オーテクルテスファー様に対する警戒をお願いします。恐らく、追跡に気づいています」
「なに……?」
「逃げた男を囮にこちらを攻撃してくるかもしれません……私が彼らの注意を引きます。その間に、拘束の用意をお願いします。一人も……逃さないように」
「…………」
面倒なことに、オーテクルテスファー様は客人だ。それも、領主様に会いに来た、隣の領地の次期領主。下手に手を出して、被害者の顔で騒がれたら堪らない。
ヴィラウレルト様は渋っていたけど、領主様が微笑んで言う。
「いいじゃないか! せっかくだ! やらせてやれ!!」
「領主様……」
それでも、ヴィラウレルト様は苦い顔をしたまま。
やはり、私では頼りないかな……
すると、ロズルラト様が、城の中で見せた、小さな虎の姿になって言った。
「だったら、俺がついていく!! 危なくなったら、俺がやる! それでどうだ?」
「いいじゃないか! 頼んだぞ、ロズルラト!!」
領主様がそう言ってくれて、ヴィラウレルト様も渋々といった様子で頷いた。
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