パーティのために尽くしたつもりだけどお前がしてたのは邪魔だけと言われたので邪魔はやめて好きなことしてみたら襲われそうだし囲われてないか?

迷路を跳ぶ狐

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5.これから……どうしよう…………

 こうして僕は、パーティを抜けることになった。

 なんだか、思ったよりずっとあっさりしてて、びっくりした。

 ……こんなに簡単に抜けられるなんて…………

 そして、こんなにも清々しい気分になるとは思わなかった。

 パーティのみんなと別れた僕は、まだ実感が湧かなくて、しばらく公園のベンチに座っていたけど、ぼんやり星空を見ていたら、本当に自由になったんだって思えた。

 …………僕、本当に、自由なんだ…………

 だけど明日から…………どうしよう……

 もうパーティは抜けた。二度とパーティに近づかないって、書類にサインまでした。

 僕は、パーティが拠点として使っていた屋敷に住んでいたけど、そこも追い出された。

 寝る場所、探すかーー……

 この辺りには、冒険者相手に商売をしているところが多い。そこなら、費用を抑えて数日は泊まれそうだ。

 だけど、ふと空を見上げれば、大きな竜のような姿をした使い魔が、集団で空を飛んでいるのが見えた。

 なんだあの大群……

 お陰で、さっきまで見えてた空が見えないじゃないか。

 かなり魔力を持っているし、なんだか何かを探しているように見える。

 もしかして……

 僕を探しているのか!??

 ランキュラルが、僕にまだ腹を立てていて、僕を探しているのかもしれない。僕、二度とパーティには近づかないって言ったのに。

 ……早く今夜寝る場所を探した方がいいな。

 僕は、敵から身を隠す魔法を全力で自分の体にかけた。これなら、しばらく身を隠せる。

 もう二度と、パーティになんか、会いたくありません! 約束は守りますから、安心してください!!

 それから寝る場所を探し、なんとか、しばらく寝泊まりできそうな宿を見つけることができた。

 追跡をかわすための魔法の道具もたくさん買ったから、ずいぶんお金を使っちゃったな……明日から、ギルドで頑張らないと!!

 それに、ずっとこの街に泊まるのもなぁ……万が一にも、ランキュラルたちには会いたくないし、あんな使い魔が飛んでいたら落ち着けないじゃないか。

 …………うーーん……

 だけど、あの森から離れるのは嫌だ。あそこには、まだ珍しい素材がたくさんありそうだし、もっと奥まで行ってみたい。僕がこれまで行けたところのその先に、何があるのか知りたい。

 ベッドのわきに置いた荷物に振り向く。

 僕の荷物なんてほとんどない。小さなリュックに入った僅かな荷物。これが僕の持っているもの全て。

 男爵家って言っても、冒険者として腕を磨きたくて出てきたから、何か持ってきたわけでもない。パーティにいる間も取り分なんてほぼなかったから、荷物なんてこんなもの。身軽でいい。たくさんあっても、重くて運ぶのが大変だし、僕じゃ管理できないからなー……

 これから……どうしよう…………

 この先の予定が全部なくなった。

 そう思ったら、すぐにあの伯爵様のことを思い出した。

 せっかくパーティを抜けられたんだ……

 そうだ…………ずっとしたかったことをするのはどうだろう!!

 ベッドに座り、小さなリュックの中から、自分で書いた地図を取り出した。これは、僕の趣味。あの森に入るたびに得た情報で作っていたんだ。

 どこに何があるか、そういう情報は、冒険者にとっては結構大切。地図があるのとないのとでは、貴族から依頼を受けて仕事をする時だって、やりやすさが全然違う。

 かなり描けたけど、まだ埋まっていないところがある。できればこれを埋めたい。

 冒険者ギルドでも、たまたまこれを見た人が誉めてくれたりしたんだよなーー……あの時は、報酬の大きな依頼をパーティがやり遂げた時より、よほど嬉しかった。

 そうだ……もう一回、伯爵様に会いに行こう!! 今なら、一緒にあの森の調査に行きたいですって言える気がする!!

 そうだ! ついでにあの森に泊まってみるのはどうだろう! 野宿なら、これまでだっていっぱいしてきたし!

 …………やってみたい……

 そのためにも、明日から冒険者ギルドでたくさんお金を稼いで装備を整えて…………伯爵様に、今度こそ言うんだ!! 僕もあの森の調査に行きたいですって!!

 そう考えただけで嬉しくなる。

 伯爵様、夜会は嫌いなのかな……

 侯爵様の屋敷では、すぐに出て行っちゃったみたいだけど……

 だけど、僕にとってはそれでよかった。ランキュラルに蔑まれるところなんか、見られたくない……

 久しぶりに伯爵様に会えたんだ。本当は、もっとゆっくり話したかった…………って、僕、いつのまにこんなに伯爵様が恋しくなってるんだ。いつも睨まれて、魔法を打たれたりするだけのくせに。

 だけど、ランキュラルは大声で僕を追放する! って叫んでいたし……僕がパーティの邪魔ばかりしていて追放されたって、すぐに広まるだろう。

 …………それを聞いたら伯爵様は、僕なんか連れて行ってくれないのかな……

 あのパーティは貴族からも頼りにされてるパーティだし……連れて行ってくれないどころか、僕、恨まれるんじゃ…………

 いや、こんなこと考えても仕方ないだろっ……!!

 僕は、ベッドに寝転がった。

 もうパーティは抜けたんだ!! 好きなことができるんだっ……!! そのために、明日から頑張るぞーーーー!!

 ここしばらくの間、伯爵様に会える機会がほとんどなくてすごく寂しかった。

 明日になったら、また会えるかもしれない!!

 そう思ったら、こんな状況だけど嬉しくて、ぐっすり眠れた。







 たくさん眠った次の日の朝。

 疲れていたからだろうか。

 眠りすぎて、起きたらすでに昼前だった。

 うわ…………何してるんだ。今日から冒険者としてたくさん仕事をして、伯爵様に会って、それから、森の調査に同行させてくださいって言うんだって決めたのにっ……!!

 気づいたら、もう昼……

 は、早くギルドに行かなきゃっ……!

 急いで起きて、着替えを始める。

 だけど……起きる前に何か音を聞いて起きたような気がするんだけど……気のせいかな?

 首を傾げていたら、テーブルの上に、昨日まではなかった魔法の薬や魔法の道具が並んでいるのを見つけた。

 ……なんだこれ? 僕のじゃないぞ?

 風が吹いた気がして振り向けば、窓が開いていて、窓のそばに結界の魔法を補助する小さな竜の形の魔法の道具まで置いてある。
 しかも窓、やけに大きくなっていないか? 魔法で大きくなったのか? なんで……僕、こんなことしてないぞ!!

 ますます不思議に思っていたら、背後から声が聞こえた。

「無事だったようだな」
「わああああっっ!!!!」

 いきなり背後から声がして、びっくりして飛び退く。すると、そこには驚いた顔の伯爵様が立っていた。

「…………どうした? そんな声を出して」
「どっ…………どうって……」

 なんで、ここに?

 えっ…………え!!?? ここ、僕の部屋だよね!??

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