ドジで惨殺されそうな悪役の僕、平穏と領地を守ろうとしたら暴虐だったはずの領主様に迫られている気がする……僕がいらないなら詰め寄らないでくれ!

迷路を跳ぶ狐

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24.もう一人は

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 領主様は魔法使いからオフィガタス様が庭で待っていることを聞き、彼にオフィガタス様をもてなすように命じていた。魔法使いはそれを聞いて、また慌てた様子で出て行く。

 よし……これからが勝負だ!!

 そう思いながら、僕は領主様と倉庫を出た。

 倉庫に残ったベリレフェク様に、領主様が振り向いてたずねる。

「……お前はどうする? オフィガタスに会って行くか?」
「……俺はここで魔法の道具の調整を続ける。あれには会いたくない」

 そう言って、彼は顔を背けていた。

 ……オフィガタス様とは、仲が悪いのか? 彼らのことに関しては、僕もあんまり知らないからな……

 すると領主様が、鋭い目をして尋ねた。

「…………ベリレフェク……」
「…………なんだ?」
「あいつじゃないのか?」
「何がだ?」
「…………王家から、俺か、この近くの森で魔物退治をする部隊の隊長、どちらかを消してこいと言われたのだろう? その隊長というのは、オフィガタスのことじゃないのか?」

 ………………え? ……そうなの??

 びっくりしてベリレフェク様に振り向くけど、ベリレフェク様は素知らぬ顔。

「さあな」

 それだけ言って、顔を背けてしまう。

「さっさと行け。あれを待たせるとうるさいぞ」
「……食えない奴だ」

 苦々しく言った領主様は僕を連れて倉庫を出た。







 ど、どうしよう……ベリレフェク様のこと、放っておいていいのか?
 だって、もしかしたらオフィガタス様を狙っているかもしれないのに。

「あ、あのっ…………領主様!!」
「……やはり、あれの狙いはオフィガタスか……」

 廊下を歩きながら言った領主様を、僕は驚いて見上げた。

「え……? そ、そうなんですか?」
「ああ。あいつが小生意気な態度で、さあな、と言う時は、だいたいそうだがはっきりとは肯定したくない時だ」
「…………」

 そうなんだ…………さすがは領主様。ベリレフェク様のことも、よく知っているんだ。

 だとしたら、二人を会わせたらまずいのか……ベリレフェク様、まだ王城に戻ることを諦めていないみたいだし……

 領主様を狙うことはやめてくれた……って思いたいけど、どうなんだろう。僕には、ベリレフェク様のことはさっぱり分からない。だっていつも、ほとんど表情が変わらない。
 とにかく、ベリレフェク様がオフィガタス様を狙ったりしたら困るっ……! 気をつけないと……!

「あっ……!! あのっっ……領主様っ!!」
「なんだ?」
「こうして度々夜会を開くの、オフィガタス様から森の魔物の状況を聞くためなんですよね? それなら……オフィガタス様と、いつも協力してみるようにしてはどうでしょうか!? その……魔物が増えているあの森だって、平穏になることを領主様は望んでいらっしゃるんですよね? だったらっ……!」
「協力する気がないのは向こうの方だ」
「え…………」
「向こうは俺を信じていないし、俺のことが気に入らないのだろう。俺に来て欲しくもないようだ」

 ちょっと拗ねた様子の領主様。

 そうなの?? それにしてはオフィガタス様、この城に来た時はいつも楽しそうだったけど…………
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