【本編完結】ネコの慰み者が恋に悩んで昼寝する話

迷路を跳ぶ狐

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番外編11.フィッイルと仲良くなる!

131.絡まった……

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 とにかく、両腕と足をバタバタさせていたら、ますます体にお布団が絡みついてくる。

 お、落ち着かなきゃ!! 落ち着いて、お布団を解いたらうまく行くはずなんだから!!

「うーうー……えいっ!!」

 必死にお布団を引っ張ってみるけど、うまくいかない。それどころか頭までお布団に覆われちゃうし、焦って暴れたから、ますますお布団が絡みついてきた。

 うわああん! しかも爪がお布団にひっかかった!!

 何度暴れても、お布団の糸が僕の爪に引っかかって出てきちゃうだけで解けないし、それどころか、出てきた糸まで僕の腕に絡みついてくる。

 ど、どうしよう!! えーっと、えーっと、こういう時は……

 と、とにかく、動いちゃダメだ!! 僕は何度もドジでぐるぐる巻きになってるんだ!! 僕だって、最近ちょっと賢くなった!! 焦って動いても絡まるだけだ!

 そうだ! フィッイルがベッドの端で丸くなってるはずだから、このまま転がっていって、フィッイルに軽くぶつかれば、フィッイルが目を覚ましてくれて、僕を助けてくれるはず!!

 よーし! 行くそ!!

 僕はそのまま、コロコロって転がってフィッイルが寝ている方を目指した。

 フィッイル、確かこの辺りに寝てたはず……あ! 何かにぶつかった!!

 だけど、フィッイルは起きてくれてないみたい。そこから動かないし、声も聞こえない。あ、あれ?? 勢い、足りなかった?

 うーー!! 起きて!!

 バタバタ両手と両足を動かす。

 そうしたら、爪が何かに刺さった。

「いっ……たっっ!!!」

 聞こえたのはフィッイルの悲鳴。飛び起きてくれたみたいだけど、さっき刺しちゃったの、フィッイルだよね? 僕はお布団で体全部がぐるぐる巻きだから、外の様子はわからないけど、お布団の向こう側から、怒った声が聞こえた。

「何今の!? バカ猫!! またお前かよ!」
「ご、ごめん……お布団で前が見えなくなって……」

 謝るけど、フィッイルは怒っているのか、僕の頭を覆っている布団だけを取る。僕はお団子みたいにお布団に包まって、頭だけを出した状態になっちゃった。

「このバカ猫!! なんで僕のお尻刺すの!?」
「ご、ごめんなさい……」
「ダメ。許してあげない」

 うー……フィッイル、怖い……ドジをした僕が悪いんだけど……

 ぐすぐす泣いている僕をよそに、フィッイルは自分の毛布を床から拾い上げて、僕のお布団に触れる。

 助けてくれるんだ!

「あ、ありがとう……フィッイル」
「何言ってるの? このバカ猫!!」

 フィッイルの手から、光る縄が出てきて、僕をお布団ごとぐるぐる巻きにしちゃう。

 え? え? なんで? 助けてくれるんじゃなかったの? これじゃ僕、全然動けないよ?

「フィッイル? ま、また魔法、調子悪いの?」

 恐る恐るきいても、フィッイルはふんって、向こうを向いちゃう。

「それでいいの!! ぐるぐる巻きがいいなら、そうしてればいいじゃん!!」
「え、ええ!? やだよ! そんなの! 解いてよお!! 痛いようっ!!」
「だめっ!!」

 ううー……フィッイル、僕に背を向けて、自分のお気に入りの毛布を丁寧に敷き直してる。僕がいくら助けてって言っても、全然聞いてくれない。本気で怒らせちゃったんだ。

 どうしよう……僕がドジをした時のオーフィザン様より怒ってる。

 オーフィザン様も僕がドジをした後、よくこうやって意地悪する。逃げられないように鎖をつけられて、オーフィザン様が満足するまでエッチなことされちゃうんだけど、最後は僕をいっぱい撫でてくれて、いっぱいキスしてくれて、甘いミルクを口移しで飲ませてくれる。

 なんだかオーフィザン様のこと考えてたら、頭の耳がペタンってしてきちゃった。尻尾までくたって垂れちゃう。あ、あれ? 涙まで出てきちゃった。

「う、う……」
「泣いても解かないからね!」
「そうじゃないもんん……だってええ……オーフィザン様のこと考えてたら、すごく悲しくなっちゃったんだもんんん……」
「……もう飼い主が恋しくなったのかよ……早すぎだろ。バカ猫……」
「うえええ……オーフィザンさまあ……オーフィザンさま……ひっく……ひっく……」
「泣くなよ……うるさいしめんどくさい……会いたいなら上の階に行ってくれば? いるから」
「うっ……い、行く! オーフィザン様のとこ行く! フィッイル! 助けて!」
「嫌」

 フィッイルは縛られた僕に、つんって爪を刺す。

「ひゃあっ!! フィッイルー!! 痛いーーっ!!」
「お前が先にやったんだろ!!」

 うー! それはそうだけど、動けない僕を刺すなんてひどいもんっ!! もう僕も怒ったもん!

 コロンて転がって、いじわるなフィッイルに体当たりしてやる!

「えーいっ!!」
「は!? わっ!! わわわっ!!!」

 うまくぶつかれたのはよかったんだけど、僕らは二人でベッドから落っこちちゃった。

 はずみでお布団は解けてくれたけど、まだ魔法の縄は僕の体に絡みついたまま。ついでにこの魔法の縄も切ってやるーー!

 いっぱい暴れるけど、それはますます僕の体に絡まってくる。まるで蛇みたい。うー! 魔法がかかってるんだ!!

 こうなったら!!

 僕は縄が少し緩んだ隙に、すぐそばにいたフィッイルに抱きついた。そしたら魔法の縄は、僕とフィッイルの両方に絡み付いてくる。

「バカ猫ーー!! 何やってるの!?」
「だってフィッイル、ひどいもん!! フィッイルもぐるぐるになっちゃえ!! あ、あれ?」

 突然、絡みついていた縄がさらに緩んだ。チャンスだ!!
 縄を潜り抜けるみたいにして逃げたら、縄から抜け出せた!

 すると、自分だけ絡まっちゃったフィッイルはますます怒っちゃう。

「このくそ猫ーー!!」

 怒ったフィッイルが魔法で自分に絡まった縄をこっちに向けてくる。だけどそれはすぐにUターンして、フィッイルの腕を縛り上げちゃう。

「い、いた……また魔法、失敗した……」

 腕を縛られちゃったフィッイル、すごく痛そう……フィッイルはよく、魔法に失敗するんだ。な、何だか僕、酷いことしちゃったみたい。

「もう! バカ猫! お前のせいだぞ!!」
「だ、だって、意地悪したフィッイルが悪いもん!」
「もとはと言えば、お前が僕にぶつかるからだろ! 腕に絡まった……痛い……バカ猫!! 早く解いて!!」
「う、うん……」

 僕はフィッイルの両腕に絡まっちゃった縄を解こうとしたけど、縄は糸みたいに細くなっちゃってますますフィッイルを締め付けてる。うまくいかない。僕、こういう細かい作業は苦手だよ……
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