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番外編16.オーフィザン様とデート!
158.王都です
しおりを挟む春先の新芽が芽吹き始めた山を馬車で進んで、僕とオーフィザン様は王都に向かっていた。
「ふわあああああーーーーっっ!! すごーい!! 街だあああ!!」
馬車から身を乗り出して、つい、声を上げちゃう。
山の斜面から見える深い森の向こうに、森に囲まれた、大きな街が見える。
あれが城下町だ!!
朝日が上ったばかりの街は、太陽の光で街の屋根がキラキラ光ってる。すごい……すごい! すごく綺麗!!
幾つも建物が並んで、その奥には、高い塔が見えた。きっと、街はすごく賑やかなんだろう。立ち並んだ家屋の向こうには、オーフィザン様の友達の王様が住んでるお城が見える。
あれが……王都!!!!
僕も昔、王都に来たことがあるけど、オーフィザン様と来るのは初めて!!
王都に来た目的は、ブレシーを城まで送って、猫じゃらしのことを話して、ここ最近数を増やしている魔物たちを抑えるための対策を立てること。
用事が終わったら、オーフィザン様は、僕とデートしてくれるらしい。
オーフィザン様と僕は、もう結婚もしてるけど、デートらしいことをするのは初めて。
僕はドジで、よくみんなに迷惑かけちゃうし、ずっと森の奥のオーフィザン様のお城にいるから、王都に二人でくるのなんて、初めてなんだ。
「すごいです!! オーフィザン様!! 街がっ……大きな街です!」
指差して言う僕に、隣に座ったオーフィザン様が微笑んでくれる。
「王都だからな。気に入ったか?」
「はい!!! すっっっごく綺麗です!!」
「そうか……」
オーフィザン様は微笑んで、御者台のセリューを呼ぶ。
「セリュー。城に着いたら、王にいくらであの街を明け渡すか聞いておけ」
「聞きません!! 悪い冗談はおやめください!!」
セリューの怒ったような声がするけど、オーフィザン様、まるで気にしてない。金の用意をしておけ、なんて言ってる。
ぼ、僕、街が欲しいとは言ってないよ!?
そしたら、セリューの隣に座っていたダンドが、オーフィザン様に振り向いた。
「セリューを困らせないでください、オーフィザン様。言っておきますけど、城の中でもその調子だったら、殴りますよ?」
ダンドに厳しい口調で言われて、オーフィザン様はそっぽを向いちゃう。
だけど僕は、オーフィザン様と一緒にいられることが嬉しくて、つい、オーフィザン様にくっついちゃう。そしたら、オーフィザン様も僕の肩を抱いて、引き寄せてくれた。
ふわああああ! 嬉しいいいいっっ!!
僕は嬉しくてたまらないけど、ダンドは心配そう。
オーフィザン様が王都に来たのは、王様にこの前の猫じゃらしの件を話すため。オーフィザン様、ブレシーが猫じゃらしを手に入れるために来たって知った時、かなり怒ってたから、セリューもダンドもハラハラしているみたい。だからって、オーフィザン様、暴れたりはしないと思うんだけどなあ。
そして馬車には、他に二人が乗っている。一人は普段、オーフィザン様と魔法の道具の調整をしているクロクディルさん。猫じゃらしの件を話すためと、最近数を増やしてきた魔物たちから街を守るための道具について、お城の人たちに説明するのが目的らしい。
もう一人は、先日からお城に来ていたブレシー。
彼は、この前の猫じゃらしのことや、報告書の催促でオーフィザン様の機嫌が悪いこともあって、ずっと顔色が悪い。
「あ、あの……オーフィザン? で、できるだけ、乱暴なことはやめてください…………オーフィザン? 聞いていますか??」
何度かブレシーが聞いても、オーフィザン様は全く聞いてない。
代わりに、一緒に馬車に乗っていたクロクディルさんが、彼に振り向いた。
「ブレシー、あなたはオーフィザン様を騙そうとしたのでしょう? オーフィザン様がお怒りになるのも当然のこと。街の一つで済ませていただけることを、跪いて感謝すべきです」
「しません!! お、オーフィザン!! 聞いているのか!! おい!! クラジュ!! あなたからも何か言ってください!!」
急に振り向いて言われたけど、僕、何を言えばいいの?? だって、オーフィザン様、そんなことしないよ??
「ブレシー、オーフィザン様は意地悪だけど、ひどいことはしないから、大丈夫です! あ、安心してください!!」
「あなたは本当に呑気ですね……羨ましいくらいだ……」
「え? で、でも……」
本当に、オーフィザン様はそんなことしないのに。
見上げたら、オーフィザン様は僕を抱き寄せてくれる。そして、僕の耳元で、街を買ったらお前のための別荘を建てよう、なんて言い出した。
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