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42.それ以外、考えられない!
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ヴァンフィルイト様を見上げて、今すぐ、「これから先、僕はヴァンフィルイト様のそばにいられるんですか?」って聞きたいのに……怖くて聞けない。
こんなに強く抱きしめられて、どうしていいか分からなくなってしまいそうなのに、ますますもっとずっとこうしたいって、思ってしまっている。
もしも城について、その後はもう会えなくなるって分かったら……僕は、どうしよう……
部隊が出発して、使い魔が森の中を歩き始めても、ヴァンフィルイト様の様子は変わらなかった。竜の姿の使い魔の上で、僕を隣に置いて、部隊の先頭に立って、森の中を進んでいく。
僕もその隣で、魔物が現れないか警戒にあたる。
だけど……
ダメだっっ!! 何をしていても、キスされたことを思い出してしまうっ……!
これからのことも隊長のことも、任務以外のことは考えないようにしたいのに、あんなことされたら……隊長のこと以外、考えられないじゃないかっっ!!
思い出すたびに真っ赤になって、俯いてしまいそう。
……だめだ……何をしていても、さっきのことが気になって…………全然集中できないっ…………!!
だって、隣にはずっとヴァンフィルイト様がいる。いやでも彼のことばかり考えてしまう。しかも、さっきされたキスのことばかり……
……キス……されたんだよな…………僕が、隊長に……
……か……考えないようにしなきゃっ! キスのことを思い出したら、絶対に何もできなくなるっ……!!
僕はそんな風にたまに急に頭を抱えて、始終オロオロしていたけど、部隊は特に問題なく、森の中を進んだ。
王子殿下が僕の周りをふらふら飛んでいたり、そんな殿下に「大人しくしていろ」と言ったヴァンフィルイト様と殿下が言い合いを始めたり、それをよく思わないらしいブレロブル様に睨まれたりして、怖くなりそうだったけど……部隊の旅自体は順調だ。
僕らの周りを飛び回る殿下は、僕らの方に振り向いた。
「楽しいね。皆で歩くの」
彼が振り向いてそう言うのを見て、少し安心した気がした。
だって、殿下と話している間は、ヴァンフィルイト様のこととさっきのキスのことだけでいっぱいだった頭が、少しの間だけ、それから離れられる。
……さっきのキスのことばっかり考えていたら、ドキドキしすぎて苦しくなりそうだからな……
「これなら、すぐに目的地に辿り着けそうだね!」
「……あ……あの…………殿下……」
「んーー? どうしたの?」
「え……えっ……と…………殿下の部隊の方に戻らなくてもいいんですか?」
「僕はここにいるよ!」
「…………」
殿下はそう言うけど、いいのか? そばを魔法で飛んでいるブレロブル様は、この状況をよく思っていないみたいだけど……
それでも、王子殿下は楽しそう。僕の耳元で囁いた。
「この辺りまで来たら、もう魔物の脅威も少ない。僕は、順調すぎてびっくりしてるんだよ。てっきり王家の反対派が何か仕掛けてくるんじゃないかと思っていたのに……何も起こらなさすぎて、逆に驚いたよ」
微笑んで言う殿下に、今度はヴァンフィルイト様が言った。
「……これまで、誰かが殿下を狙っているような気配はなかった。お前を守る使い魔を飛ばしてやるから、さっさと消えろ」
「……君はこの旅の間に、ますます無礼になったね…………そんな顔しなくても、二人の時間の邪魔はしないよ」
「暗殺を気にするなら、ここにいない方がいいんじゃないか?」
「大丈夫ー。狙うんなら、さっさと狙ってくれた方が楽だし!」
それはまずいだろっ……!!
そもそも、そんなふうに飛んでいるのもまずいんじゃないか!?
「あ、あのっ……! 殿下っっ……!」
僕が慌てて声をかけても、殿下は楽しそう。
「大丈夫大丈夫! ここには、君とヴァンフィルイトと君らが信頼する人たちがいるんだ!! 何かあったら、君たちが助けてくれるんだろ?」
「それは…………は、はい……」
王子殿下に何かあったら困る。
キスのことばかりで、すっかり忘れそうになるけど、これは貴族たちの間の争いを収める目的の旅でもあるんだ。
何より、殿下にだって、安全に侯爵様のお城にたどり着いてほしい。
王子殿下は、楽しそうに微笑んだ。
「それに、攻撃魔法を撃たれるなら、ここでされた方が、僕を守るって言って集まってくれた部隊のみんなに危害が及ばないし」
「殿下っっ!!」
そんなことを言われたら、ますます心配になる。慌てる僕の隣で、ヴァンフィルイト様が少し苛立った様子で言った。
「お前がそうしてふらふら飛んでいると、魔法で撃ち落とされた時に、俺の部隊に危険が及ぶ。少し撃った程度でお前を殺せないことを知っている奴は多い。やるなら、全力でお前を殺す魔法を撃つだろう。だからさっさと降りてこい。ここにいるなら、守護の魔法で守ってやる」
「……なんだかんだ言って、ヴァンフィルイトは優しいね。頼りにしてるよ」
言って、王子殿下は僕らの前に降りてきた。
「やっぱり、君らとの旅は楽しいな」
「殿下…………」
「言っただろ? 友達だって」
「……」
殿下は、使い魔の竜の上で僕の隣に座り、僕に振り向いてニコニコしてる。
ヴァンフィルイト様は苛立った様子で「うるさい奴め」って言っていたけど、もう帰れとは言わなかった。なんだかんだ言って、王子殿下が心配なんだ。
隊長は以前からいつも怖かったけど、理不尽なことは言わなかった。再会してからは…………また、キスのこと思い出した!! それに、再会してからずっと……優しかったし…………
ダメだ……やっぱりずっと、隊長のことを意識してしまう。僕の隣にずっといてくれてるし……王子殿下の話にも、集中できなくなりそう。
なぜかこっちにいる殿下に、ヴァンフィルイト様の部隊のみんなも注目している。こんなところで、王子殿下がふわふわ飛んでいるんだから、当然だ。
「君たちのおかげで、もうすぐ目的地に着くよ」
「え……?」
「王族として、礼を言う。ほら、森を出るよ!」
彼が指す方では、木々の間から、明るい光が差し込んでいる。もう、森を抜けるらしい。
森を抜けてしばらく行けば、空を飛んでも魔物に襲われることのない地域に出るはずだ。そしたら後はみんなで空を飛んでいけばいい。今より早く進めるはずだ!
こんなに強く抱きしめられて、どうしていいか分からなくなってしまいそうなのに、ますますもっとずっとこうしたいって、思ってしまっている。
もしも城について、その後はもう会えなくなるって分かったら……僕は、どうしよう……
部隊が出発して、使い魔が森の中を歩き始めても、ヴァンフィルイト様の様子は変わらなかった。竜の姿の使い魔の上で、僕を隣に置いて、部隊の先頭に立って、森の中を進んでいく。
僕もその隣で、魔物が現れないか警戒にあたる。
だけど……
ダメだっっ!! 何をしていても、キスされたことを思い出してしまうっ……!
これからのことも隊長のことも、任務以外のことは考えないようにしたいのに、あんなことされたら……隊長のこと以外、考えられないじゃないかっっ!!
思い出すたびに真っ赤になって、俯いてしまいそう。
……だめだ……何をしていても、さっきのことが気になって…………全然集中できないっ…………!!
だって、隣にはずっとヴァンフィルイト様がいる。いやでも彼のことばかり考えてしまう。しかも、さっきされたキスのことばかり……
……キス……されたんだよな…………僕が、隊長に……
……か……考えないようにしなきゃっ! キスのことを思い出したら、絶対に何もできなくなるっ……!!
僕はそんな風にたまに急に頭を抱えて、始終オロオロしていたけど、部隊は特に問題なく、森の中を進んだ。
王子殿下が僕の周りをふらふら飛んでいたり、そんな殿下に「大人しくしていろ」と言ったヴァンフィルイト様と殿下が言い合いを始めたり、それをよく思わないらしいブレロブル様に睨まれたりして、怖くなりそうだったけど……部隊の旅自体は順調だ。
僕らの周りを飛び回る殿下は、僕らの方に振り向いた。
「楽しいね。皆で歩くの」
彼が振り向いてそう言うのを見て、少し安心した気がした。
だって、殿下と話している間は、ヴァンフィルイト様のこととさっきのキスのことだけでいっぱいだった頭が、少しの間だけ、それから離れられる。
……さっきのキスのことばっかり考えていたら、ドキドキしすぎて苦しくなりそうだからな……
「これなら、すぐに目的地に辿り着けそうだね!」
「……あ……あの…………殿下……」
「んーー? どうしたの?」
「え……えっ……と…………殿下の部隊の方に戻らなくてもいいんですか?」
「僕はここにいるよ!」
「…………」
殿下はそう言うけど、いいのか? そばを魔法で飛んでいるブレロブル様は、この状況をよく思っていないみたいだけど……
それでも、王子殿下は楽しそう。僕の耳元で囁いた。
「この辺りまで来たら、もう魔物の脅威も少ない。僕は、順調すぎてびっくりしてるんだよ。てっきり王家の反対派が何か仕掛けてくるんじゃないかと思っていたのに……何も起こらなさすぎて、逆に驚いたよ」
微笑んで言う殿下に、今度はヴァンフィルイト様が言った。
「……これまで、誰かが殿下を狙っているような気配はなかった。お前を守る使い魔を飛ばしてやるから、さっさと消えろ」
「……君はこの旅の間に、ますます無礼になったね…………そんな顔しなくても、二人の時間の邪魔はしないよ」
「暗殺を気にするなら、ここにいない方がいいんじゃないか?」
「大丈夫ー。狙うんなら、さっさと狙ってくれた方が楽だし!」
それはまずいだろっ……!!
そもそも、そんなふうに飛んでいるのもまずいんじゃないか!?
「あ、あのっ……! 殿下っっ……!」
僕が慌てて声をかけても、殿下は楽しそう。
「大丈夫大丈夫! ここには、君とヴァンフィルイトと君らが信頼する人たちがいるんだ!! 何かあったら、君たちが助けてくれるんだろ?」
「それは…………は、はい……」
王子殿下に何かあったら困る。
キスのことばかりで、すっかり忘れそうになるけど、これは貴族たちの間の争いを収める目的の旅でもあるんだ。
何より、殿下にだって、安全に侯爵様のお城にたどり着いてほしい。
王子殿下は、楽しそうに微笑んだ。
「それに、攻撃魔法を撃たれるなら、ここでされた方が、僕を守るって言って集まってくれた部隊のみんなに危害が及ばないし」
「殿下っっ!!」
そんなことを言われたら、ますます心配になる。慌てる僕の隣で、ヴァンフィルイト様が少し苛立った様子で言った。
「お前がそうしてふらふら飛んでいると、魔法で撃ち落とされた時に、俺の部隊に危険が及ぶ。少し撃った程度でお前を殺せないことを知っている奴は多い。やるなら、全力でお前を殺す魔法を撃つだろう。だからさっさと降りてこい。ここにいるなら、守護の魔法で守ってやる」
「……なんだかんだ言って、ヴァンフィルイトは優しいね。頼りにしてるよ」
言って、王子殿下は僕らの前に降りてきた。
「やっぱり、君らとの旅は楽しいな」
「殿下…………」
「言っただろ? 友達だって」
「……」
殿下は、使い魔の竜の上で僕の隣に座り、僕に振り向いてニコニコしてる。
ヴァンフィルイト様は苛立った様子で「うるさい奴め」って言っていたけど、もう帰れとは言わなかった。なんだかんだ言って、王子殿下が心配なんだ。
隊長は以前からいつも怖かったけど、理不尽なことは言わなかった。再会してからは…………また、キスのこと思い出した!! それに、再会してからずっと……優しかったし…………
ダメだ……やっぱりずっと、隊長のことを意識してしまう。僕の隣にずっといてくれてるし……王子殿下の話にも、集中できなくなりそう。
なぜかこっちにいる殿下に、ヴァンフィルイト様の部隊のみんなも注目している。こんなところで、王子殿下がふわふわ飛んでいるんだから、当然だ。
「君たちのおかげで、もうすぐ目的地に着くよ」
「え……?」
「王族として、礼を言う。ほら、森を出るよ!」
彼が指す方では、木々の間から、明るい光が差し込んでいる。もう、森を抜けるらしい。
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