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19.二人の秘密の儀式(3)
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美咲ちゃんは、最初はちょっとぎこちない動きで棒の腹を舌全体を使って舐めたり、棒の側面を唇で挟むようにして舌を這わせたりとかいろいろしてくれてたけど、その舌は次第に先端に向かって移動していった。そっちは皮膚が薄くて敏感なところなんだけど……。でも美咲ちゃんはそこまでくると舐め方を変える。唇の隙間から舌をチョロっと出して、柔らかい舌先でチロチロと舐める感じ。うわわ、わわ……これすごく……気持ちいいな……うはぁ……うう……。
「ふふふ……翔流くん……ホントに気持ちよさそうだね……なんか声出ちゃってるもん」
美咲ちゃんがぼくを上目遣いに見つめていた。その目は嬉しそうに細められている。
「えっ……ぼく、声出ちゃってたの?恥ずかしいな……でも、本当に気持ちよかったから……」
「わたし、気持ちよさそうな顔してる翔流くんを見るの好き。気持ちよさそうな声を聞くのもね。だからどんどん声出して」
満面の笑み。その瞳は澄んでいて純粋な愉悦で満ち溢れている。なんでこんな顔ができるんだろう。目の前にいる女の子は本当は天使なんじゃないかって思ってしまう。
「ありがとう、美咲ちゃん……本当に上手だよ……なんか初めてじゃないみたい……」
ぼくはなんだか照れくさくて、思ってもいないことを口走ってしまう。でもいまさら後悔しても後の祭りだ……。
「えー。心外だなぁ。わたし、ホントに翔流くんが初めてなんだよ。でもね、さっきずっと見たり触ったりしてたでしょ。そのときなんとなくわかったんだ。翔流くんのビンカンなトコロとかいろいろね。わたしってすごいよね」
美咲ちゃんは怒るそぶりをまったく見せず、誇らしげに胸をちょっとのけ反らせている。
「ゴメンね、嫌なこと言っちゃって……。本当はそんなことわかってたんだ……たぶん、ぼくは確認したかったんだね……美咲ちゃんがぼくだけだってこと……」
「うん……わたしは翔流くんだけだよ……」
ささやくようにそう言うと、彼女は再び姿勢を低くして先端にチュッとキスをする。ぼくはまた声が漏れてしまう。上目遣いで嬉しそうに見上げる美咲ちゃん。ぼくはそんな彼女の頭をそっとなでる。ありがとうって言葉の代わりに。
そのあとも、美咲ちゃんは舌が疲れて大変なんじゃないかと思うほどに、丁寧に舐めてくれた。だからぼくは唾液まみれだった。でもそのとき、天使の唾液でぼくの穢れが清められていくような気もしていた。そしてぼくの忘れたい記憶が彼女と楽しい記憶で上塗りされていくような錯覚も覚えた。それはぼくの願望のようなものだったけど、いつか本当にそうなればいいなと心から思った。でも、その前にぼくの気持ちも彼女にしっかりと伝えなければならないんだ。
「……ぼくも……美咲ちゃんの体に、たくさんキスしていい?」
体勢を低くして熱心に舌を這わせている美咲ちゃんに声をかける。彼女は驚いたようにビクッと顔を上げると、少し潤んだ目をこちらに向けてくる。
「え……恥ずかしいよぉ……でも……」
彼女は顔を紅潮させ、うつむく。突然の提案に動揺し、どうしようかと迷っているって感じだ。
ぼくは姿勢を正し、うつむいてモジモジと髪の毛をいじっている美咲ちゃんに正面から向かい合う。彼女の瞳を正面から見据え、自分の気持ちを言葉にする。
「ぼくも、美咲ちゃんに『大好き』って気持ちをしっかりと伝えたいんだ。だから……」
「うん、ありがと……。ホントに恥ずかしいんだけど……翔流くんにはわたしのこと、もっともっと知ってほしいから……」
●
●
●
わたしはブラを外してショーツ一枚で仰向けに横たわる。翔流くんはわたしの唇にそっと触れるようにキスをすると、まるでわたしの体のかたちを確かめていくみたいに、肌の表面を唇でなぞっていく。耳の後ろから首筋、鎖骨へとゆっくりと移動する唇の感触はとてもやさしくて、やわらかくて、とってもおだやか。まるでわたしのからだが薄いガラスでつくられていて、壊れてしまわないように細心の注意を払っているみたい。大切な宝物を壊したくない。わたしを大切にしたいって翔流くんの気持ちが伝わってくる。
でも彼はおだやかさを打ち破るように、ときどきわたしの素肌にチュッ、チュッと音を立ててキスをする。そのたびにわたしは胸がキュンとしてからだの奥のほうでなにかが弾けるのを感じた。
唇の感触とともに、翔流くんの荒くなった鼻息が素肌をなでていくみたいにあたる。ふわっふわっふわって感じでくすぐったいけど、彼の興奮が息づかいから伝わってくるようでドキドキしてしまう。
でも翔流くんの唇は、わたしのおっぱいの上のあたりで突然止まり、肌から離れてしまう。頭を少し起こしてをようすを確認すると、彼はそこを食い入るように見つめているのがわかった。わたしは顔が熱くなる。そんなにじっと見られたら恥ずかしいよ……。
「美咲ちゃんの……カワイイな……」
ボソッとつぶやく。ひとりごとみたい。わたしのおっぱいってカワイイんだ……。
祐佳みたいにツンと上を向いたキレイな形をしているわけじゃないから、実はちょっとコンプレックスに感じていたんだ。まんまるで鏡もちみたいにぽってりした感じで……そんなに大っきくないしね。
ふいに顔が押し付けられる。翔流くんの顔でギュッと押しつぶされ、おっぱいの形が変わる。
「あ……ふぁ……か、翔流くん……」
「柔らかくていい匂いがする……温かくて気持ちいい……この感触……なんか懐かしい気がする……安心する……」
その声は本当に安らかで、今にも眠ってしまいそうな感じだった。
わたしのおっぱいは優里奈みたいに顔を包み込めるほど大きくないから、男の子を癒せないだろうなって思ってた。わたしでも男の子を癒せるんだ……。なんか自分のおっぱいがちょっと誇らしく思えた。でもこうしてると何だかお母さんみたいな気分になってくる。わたしは彼の柔らかい髪の毛をやさしくなでる。
翔流くんはわたしの胸にしばらく顔を埋めていたけど、やがてなごり惜しそうに顔を上げる。そして今度はみぞおちの下あたりにチュッとキスをする。そのまま下に唇を滑らせていき、おへそまで到達するとチュッチュッチュッと何度も何度もキスを繰り返す。くすぐったいよ……そこ皮膚が薄いから……。でも彼はそこになにか強いこだわりがあるみたいにキスを続ける。そして突然、舌先をおへその中に入れ、チロチロと舐めた。
「ひっ……ひぁ……」
思わず小さく悲鳴のような声を上げてしまう。背中がゾクッとしてお腹の下のあたりがキュンとする。ビクッと自然に腰が浮いてしまう。いまの……なんだろ。すぐに翔流くんはわたしの顔を申し訳なさそうに覗き込んできた。
「ゴメン、びっくりさせちゃったね……美咲ちゃんのおへそがなんだかかわいくて……舐めたくなっちゃったんだ」
そんな素直な言い分になんだか照れてしまう。恥ずかしいけどなんだかちょっと嬉しかったから。わたしの隅々まで好きって言われているようで……。
おへそから顔を上げた翔流くんは、わたしの顔をチラリと見たあとに視線を下に向け、動きを止める。少し体を起こして確認してみると、彼の視線がショーツのほうに注がれているのがわかる。あっ、そうか……いよいよなんだ……。
「えっと……どっしよっか……」
うわぁ……ホントにこういうときって恥ずかしいなぁ……。わたし、本当は翔流くんにやさしく脱がせてほしいって思ってるんだけど……。でもなぁ……女の子から脱がせてっていうのちょっと恥ずかしいよね。でも彼の前でいきなり自分でスルスルと脱ぎ出すっていうのも、それはそれで恥ずかしい気がするしなぁ……。
「あの……わたし……脱が」
「ショーツ脱がせてもいい?」
わたしが言いかけた途端に、翔流くんが被せるように言い放つ。タイミングが絶妙な気がする。
「ゴメン……。本当はもっと早く言うつもりだったんだけど……。真っ赤な顔をして葛藤してる美咲ちゃんがかわいくて見とれてたから……」
彼は申し訳なさそうに頭を下げた。わたしはボーゼンとして固まる。
「えっ、もしかしてわたし、おもいっきり顔に出てたの?」
「うん。最初になんとなく脱がせてほしいんだろうなって思ったんだけどね……」
「えー。早く言ってよー。恥ずかしいなぁ……」
「ハハハ。でも美咲ちゃん、自分で言いそうになったから焦ったよ……」
「だって……だってね……。わたし、わたしね……」
わたしは恥ずかしすぎて半べそ状態だった。目がウルウルする。翔流くん、なんかいじわるだよ。なんか恨みでもあるの?あっ……彼のパンツを脱がすときに似たようなやりとりがあったのを思い出す。自業自得。因果応報。わたしにしては珍しく四字熟語が浮かんできた。彼はそんなわたしの顔を見つめ、ボソッとつぶやく。
「かわいい……かわいいな……なんかズルいよ……」
そういえば、さっきから翔流くん、わたしのことかわいいって何度も言ってるよね。嬉しい。嬉しいな。あっ、よく見ると翔流くんの顔も赤くなってる。瞳も潤んでる気がする。もしかして緊張してるのかな……。そんな彼を見ていたら、なんだかギュッと抱きしめてあげたくなって頭がポーッとしてくる。
「翔流くん……わたしのショーツ、脱がせてくれる?」
わたしは恥ずかしさを忘れ、自然とその言葉を口にしていた。緊張した顔の翔流くんにほほえむ。そして彼はやさしいまなざしで見つめ返し、そっとささやく。
「うん……やさしく脱がせるから……恥ずかしくないよ……」
やさしい口調。わたしはその言葉に安心し、まな板の上の鯉って感じでベッドに仰向けになった。すると「少し足を開いて膝を立てて……」って静かな声が聞こえてくる。それに素直に従って膝を立てると、翔流くんの左右の手がショーツの両脇に触れる。わっ……来た。
「腰をちょっと浮かせて……」
翔流くんの声は何の感情がこもってないみたいに静かだ。まるで催眠術にかけられたかのように、わたしは腰を浮かせる。
うわぁ……なにこれ……。わたしのお尻から抜き取られたショーツは、何の抵抗もなくスーッと太もも、膝、膝下へと滑っていく。速すぎず、遅すぎずの一定速度。余分な力がまったく入っていないような微妙な力加減。ショーツを脱がされているのに抵抗感をまったく感じさせないスムーズな動き。
「じゃ、ちょっと足を上げてくれる?」
両足をちょっとあげる。すっと足からショーツが抜き取られ、あっというまに脱がされてしまった。
わたしを恥ずかしい気持ちにさせたくないって翔流くんのやさしい気持ちが伝わってきた……。でもなんか手際が良すぎだよね……これってどういうことなんだろ。
「美咲ちゃん……はい、これ……」
彼は目を泳がすようにして何かを差し出した。あっ、これって……。わたしはそれをひったくるように受け取る。それは軽くたたまれたわたしのショーツだった。わわわ……男の子に脱ぎたてのショーツをたたまれちゃってる……。「はい、ぼく、美咲ちゃんのショーツ脱がせたよ。ちゃんとたたんでおいたからね」って言われているような感じ。うわぁ……すっごく恥ずかしいよぉ……。びっくりして思わず受け取っちゃったけど、でも……これって……。
「ああ……それ、こっちの服の上に置いといたほうがよかったかな?」
「そうだよー。なんか恥ずかしいじゃん。脱がされたショーツを渡されて恥ずかしがる女の子を見たかったってわけじゃないよねぇ」
辱められたわたしは彼をキリッとした目で睨んだ。
「ハハハ。ゴメン、ゴメン。ぼくもなんか緊張しちゃっててね。すぐに返さなきゃって思ったんだけど、あとでなんか違うなって気づいたんだよね」
翔流くんは照れ笑いをしている。まあ、そういうことならゆるしてあげるかな。
「じゃあ、これ、お願いします」
ちょっと畏まってショーツを渡す。彼はすぐにベッドから降りてそれを置きにいく。
なんか股のあたりがスースーするなぁ……。下半身を見る。あっ、そうだった。いままでのやり取りで忘れかけてたけど、わたし今、素っ裸なんだ。まあ翔流くんも素っ裸なんだけど……でも自然と股間に手をやって隠してしまう。
わたしはアダムとイブの話をなんとなく思い浮かべた。知恵の実を食べたら全裸でいることが恥ずかしくなって葉っぱで隠しちゃうって話。翔流くんがアダムでわたしがイブ。二人は楽園を追放されてしまったけど、好きな人と一緒ならどこにいても幸せだよね。
「ふふふ……翔流くん……ホントに気持ちよさそうだね……なんか声出ちゃってるもん」
美咲ちゃんがぼくを上目遣いに見つめていた。その目は嬉しそうに細められている。
「えっ……ぼく、声出ちゃってたの?恥ずかしいな……でも、本当に気持ちよかったから……」
「わたし、気持ちよさそうな顔してる翔流くんを見るの好き。気持ちよさそうな声を聞くのもね。だからどんどん声出して」
満面の笑み。その瞳は澄んでいて純粋な愉悦で満ち溢れている。なんでこんな顔ができるんだろう。目の前にいる女の子は本当は天使なんじゃないかって思ってしまう。
「ありがとう、美咲ちゃん……本当に上手だよ……なんか初めてじゃないみたい……」
ぼくはなんだか照れくさくて、思ってもいないことを口走ってしまう。でもいまさら後悔しても後の祭りだ……。
「えー。心外だなぁ。わたし、ホントに翔流くんが初めてなんだよ。でもね、さっきずっと見たり触ったりしてたでしょ。そのときなんとなくわかったんだ。翔流くんのビンカンなトコロとかいろいろね。わたしってすごいよね」
美咲ちゃんは怒るそぶりをまったく見せず、誇らしげに胸をちょっとのけ反らせている。
「ゴメンね、嫌なこと言っちゃって……。本当はそんなことわかってたんだ……たぶん、ぼくは確認したかったんだね……美咲ちゃんがぼくだけだってこと……」
「うん……わたしは翔流くんだけだよ……」
ささやくようにそう言うと、彼女は再び姿勢を低くして先端にチュッとキスをする。ぼくはまた声が漏れてしまう。上目遣いで嬉しそうに見上げる美咲ちゃん。ぼくはそんな彼女の頭をそっとなでる。ありがとうって言葉の代わりに。
そのあとも、美咲ちゃんは舌が疲れて大変なんじゃないかと思うほどに、丁寧に舐めてくれた。だからぼくは唾液まみれだった。でもそのとき、天使の唾液でぼくの穢れが清められていくような気もしていた。そしてぼくの忘れたい記憶が彼女と楽しい記憶で上塗りされていくような錯覚も覚えた。それはぼくの願望のようなものだったけど、いつか本当にそうなればいいなと心から思った。でも、その前にぼくの気持ちも彼女にしっかりと伝えなければならないんだ。
「……ぼくも……美咲ちゃんの体に、たくさんキスしていい?」
体勢を低くして熱心に舌を這わせている美咲ちゃんに声をかける。彼女は驚いたようにビクッと顔を上げると、少し潤んだ目をこちらに向けてくる。
「え……恥ずかしいよぉ……でも……」
彼女は顔を紅潮させ、うつむく。突然の提案に動揺し、どうしようかと迷っているって感じだ。
ぼくは姿勢を正し、うつむいてモジモジと髪の毛をいじっている美咲ちゃんに正面から向かい合う。彼女の瞳を正面から見据え、自分の気持ちを言葉にする。
「ぼくも、美咲ちゃんに『大好き』って気持ちをしっかりと伝えたいんだ。だから……」
「うん、ありがと……。ホントに恥ずかしいんだけど……翔流くんにはわたしのこと、もっともっと知ってほしいから……」
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わたしはブラを外してショーツ一枚で仰向けに横たわる。翔流くんはわたしの唇にそっと触れるようにキスをすると、まるでわたしの体のかたちを確かめていくみたいに、肌の表面を唇でなぞっていく。耳の後ろから首筋、鎖骨へとゆっくりと移動する唇の感触はとてもやさしくて、やわらかくて、とってもおだやか。まるでわたしのからだが薄いガラスでつくられていて、壊れてしまわないように細心の注意を払っているみたい。大切な宝物を壊したくない。わたしを大切にしたいって翔流くんの気持ちが伝わってくる。
でも彼はおだやかさを打ち破るように、ときどきわたしの素肌にチュッ、チュッと音を立ててキスをする。そのたびにわたしは胸がキュンとしてからだの奥のほうでなにかが弾けるのを感じた。
唇の感触とともに、翔流くんの荒くなった鼻息が素肌をなでていくみたいにあたる。ふわっふわっふわって感じでくすぐったいけど、彼の興奮が息づかいから伝わってくるようでドキドキしてしまう。
でも翔流くんの唇は、わたしのおっぱいの上のあたりで突然止まり、肌から離れてしまう。頭を少し起こしてをようすを確認すると、彼はそこを食い入るように見つめているのがわかった。わたしは顔が熱くなる。そんなにじっと見られたら恥ずかしいよ……。
「美咲ちゃんの……カワイイな……」
ボソッとつぶやく。ひとりごとみたい。わたしのおっぱいってカワイイんだ……。
祐佳みたいにツンと上を向いたキレイな形をしているわけじゃないから、実はちょっとコンプレックスに感じていたんだ。まんまるで鏡もちみたいにぽってりした感じで……そんなに大っきくないしね。
ふいに顔が押し付けられる。翔流くんの顔でギュッと押しつぶされ、おっぱいの形が変わる。
「あ……ふぁ……か、翔流くん……」
「柔らかくていい匂いがする……温かくて気持ちいい……この感触……なんか懐かしい気がする……安心する……」
その声は本当に安らかで、今にも眠ってしまいそうな感じだった。
わたしのおっぱいは優里奈みたいに顔を包み込めるほど大きくないから、男の子を癒せないだろうなって思ってた。わたしでも男の子を癒せるんだ……。なんか自分のおっぱいがちょっと誇らしく思えた。でもこうしてると何だかお母さんみたいな気分になってくる。わたしは彼の柔らかい髪の毛をやさしくなでる。
翔流くんはわたしの胸にしばらく顔を埋めていたけど、やがてなごり惜しそうに顔を上げる。そして今度はみぞおちの下あたりにチュッとキスをする。そのまま下に唇を滑らせていき、おへそまで到達するとチュッチュッチュッと何度も何度もキスを繰り返す。くすぐったいよ……そこ皮膚が薄いから……。でも彼はそこになにか強いこだわりがあるみたいにキスを続ける。そして突然、舌先をおへその中に入れ、チロチロと舐めた。
「ひっ……ひぁ……」
思わず小さく悲鳴のような声を上げてしまう。背中がゾクッとしてお腹の下のあたりがキュンとする。ビクッと自然に腰が浮いてしまう。いまの……なんだろ。すぐに翔流くんはわたしの顔を申し訳なさそうに覗き込んできた。
「ゴメン、びっくりさせちゃったね……美咲ちゃんのおへそがなんだかかわいくて……舐めたくなっちゃったんだ」
そんな素直な言い分になんだか照れてしまう。恥ずかしいけどなんだかちょっと嬉しかったから。わたしの隅々まで好きって言われているようで……。
おへそから顔を上げた翔流くんは、わたしの顔をチラリと見たあとに視線を下に向け、動きを止める。少し体を起こして確認してみると、彼の視線がショーツのほうに注がれているのがわかる。あっ、そうか……いよいよなんだ……。
「えっと……どっしよっか……」
うわぁ……ホントにこういうときって恥ずかしいなぁ……。わたし、本当は翔流くんにやさしく脱がせてほしいって思ってるんだけど……。でもなぁ……女の子から脱がせてっていうのちょっと恥ずかしいよね。でも彼の前でいきなり自分でスルスルと脱ぎ出すっていうのも、それはそれで恥ずかしい気がするしなぁ……。
「あの……わたし……脱が」
「ショーツ脱がせてもいい?」
わたしが言いかけた途端に、翔流くんが被せるように言い放つ。タイミングが絶妙な気がする。
「ゴメン……。本当はもっと早く言うつもりだったんだけど……。真っ赤な顔をして葛藤してる美咲ちゃんがかわいくて見とれてたから……」
彼は申し訳なさそうに頭を下げた。わたしはボーゼンとして固まる。
「えっ、もしかしてわたし、おもいっきり顔に出てたの?」
「うん。最初になんとなく脱がせてほしいんだろうなって思ったんだけどね……」
「えー。早く言ってよー。恥ずかしいなぁ……」
「ハハハ。でも美咲ちゃん、自分で言いそうになったから焦ったよ……」
「だって……だってね……。わたし、わたしね……」
わたしは恥ずかしすぎて半べそ状態だった。目がウルウルする。翔流くん、なんかいじわるだよ。なんか恨みでもあるの?あっ……彼のパンツを脱がすときに似たようなやりとりがあったのを思い出す。自業自得。因果応報。わたしにしては珍しく四字熟語が浮かんできた。彼はそんなわたしの顔を見つめ、ボソッとつぶやく。
「かわいい……かわいいな……なんかズルいよ……」
そういえば、さっきから翔流くん、わたしのことかわいいって何度も言ってるよね。嬉しい。嬉しいな。あっ、よく見ると翔流くんの顔も赤くなってる。瞳も潤んでる気がする。もしかして緊張してるのかな……。そんな彼を見ていたら、なんだかギュッと抱きしめてあげたくなって頭がポーッとしてくる。
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わたしは恥ずかしさを忘れ、自然とその言葉を口にしていた。緊張した顔の翔流くんにほほえむ。そして彼はやさしいまなざしで見つめ返し、そっとささやく。
「うん……やさしく脱がせるから……恥ずかしくないよ……」
やさしい口調。わたしはその言葉に安心し、まな板の上の鯉って感じでベッドに仰向けになった。すると「少し足を開いて膝を立てて……」って静かな声が聞こえてくる。それに素直に従って膝を立てると、翔流くんの左右の手がショーツの両脇に触れる。わっ……来た。
「腰をちょっと浮かせて……」
翔流くんの声は何の感情がこもってないみたいに静かだ。まるで催眠術にかけられたかのように、わたしは腰を浮かせる。
うわぁ……なにこれ……。わたしのお尻から抜き取られたショーツは、何の抵抗もなくスーッと太もも、膝、膝下へと滑っていく。速すぎず、遅すぎずの一定速度。余分な力がまったく入っていないような微妙な力加減。ショーツを脱がされているのに抵抗感をまったく感じさせないスムーズな動き。
「じゃ、ちょっと足を上げてくれる?」
両足をちょっとあげる。すっと足からショーツが抜き取られ、あっというまに脱がされてしまった。
わたしを恥ずかしい気持ちにさせたくないって翔流くんのやさしい気持ちが伝わってきた……。でもなんか手際が良すぎだよね……これってどういうことなんだろ。
「美咲ちゃん……はい、これ……」
彼は目を泳がすようにして何かを差し出した。あっ、これって……。わたしはそれをひったくるように受け取る。それは軽くたたまれたわたしのショーツだった。わわわ……男の子に脱ぎたてのショーツをたたまれちゃってる……。「はい、ぼく、美咲ちゃんのショーツ脱がせたよ。ちゃんとたたんでおいたからね」って言われているような感じ。うわぁ……すっごく恥ずかしいよぉ……。びっくりして思わず受け取っちゃったけど、でも……これって……。
「ああ……それ、こっちの服の上に置いといたほうがよかったかな?」
「そうだよー。なんか恥ずかしいじゃん。脱がされたショーツを渡されて恥ずかしがる女の子を見たかったってわけじゃないよねぇ」
辱められたわたしは彼をキリッとした目で睨んだ。
「ハハハ。ゴメン、ゴメン。ぼくもなんか緊張しちゃっててね。すぐに返さなきゃって思ったんだけど、あとでなんか違うなって気づいたんだよね」
翔流くんは照れ笑いをしている。まあ、そういうことならゆるしてあげるかな。
「じゃあ、これ、お願いします」
ちょっと畏まってショーツを渡す。彼はすぐにベッドから降りてそれを置きにいく。
なんか股のあたりがスースーするなぁ……。下半身を見る。あっ、そうだった。いままでのやり取りで忘れかけてたけど、わたし今、素っ裸なんだ。まあ翔流くんも素っ裸なんだけど……でも自然と股間に手をやって隠してしまう。
わたしはアダムとイブの話をなんとなく思い浮かべた。知恵の実を食べたら全裸でいることが恥ずかしくなって葉っぱで隠しちゃうって話。翔流くんがアダムでわたしがイブ。二人は楽園を追放されてしまったけど、好きな人と一緒ならどこにいても幸せだよね。
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