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執着/愛着
7
四〇分ほどして香水を手に二人は店を出た。
ラベルの色や瓶の種類なども選ぶことが可能であったので、それらは全て純一に任せた。
一瓶、調合して持って来てくれて、中身の確認をすると箱に入れて手提げ袋に入れて渡される。これらの調合レシピは全て管理されているから、なくなったらすぐにリピート購入が出来るという。実際に店に来ずとも、ネットでの注文でも可能だと言われた。
値段は普通にブランドモノの香水を買うのと同じぐらいだったらしい。だが、それが高いのか安いのか、悠人にはさっぱり分からなかった。
普通に買うとなれば高い気もするが、その場で調合してくれるとなれば安い気もする。
支払いはもちろんと言うべきか、純一がしてくれた。
「なんか、悪い」
「ん? 何が」
「奢ってもらって」
来る前に乗る前にそう告げると、運転席側に立っていた純一は笑ってドアを開けた。同じようにドアを開けて助手席に乗り込もうとすると、純一の手が伸びてきて後頭部を軽く掴まれたと思うとそのまま引き寄せて口づけられた。
「俺が好きでしてるからいいの」
「……ありがとう」
「そうそう。そっちのが嬉しいしね、謝られるより」
席に座ってシートベルトを締めて純一は続けた。
「それに、ここの社長と仕事してからずっと作ってみたかったし」
「香水を?」
「前に嗅いだことのある悠人の匂いをね。一度、それっぽいの作ってみてもらいはしたけど、何かちょっと違うって言うか。やっぱ本人が居ないと分からないっていうか。いくら覚えてても、細かいところまでは思い出せないっていうか。結局本人連れてこなきゃダメだコレってなって」
エンジンを掛ける。
あの時の匂いを忘れた事はない。だがそれは悠人はすでにΩであったし、ヒートであったからこそかもしれないと思う。生きてきた中で唯一欲しいと思ったαの香りだ。忘れたくても忘れられない。あの香り以外を嗅いだ事はないのだから。
「さて。スーパー寄って帰る? ウチなんもないし」
「うん。あ、作るのは任せてよ。そんな豪華なもんは作れないけど」
「マジで? でも無理はしないでいいよ?」
大丈夫、と答えて悠人は前を向いて微笑んだ。
普段料理はしないということで、調味料もどのぐらいあるのか分からないと純一は言った。
塩と砂糖ぐらいはあるハズと言われて、ならばそれ以外に必要そうなものを買おうと純一が持っているカゴの中にぽいぽいと放り込んでいく。
そんなに使うだろうか、と少し心配げに純一が言ったので、どうせ自分が使うからと悠人は答えた。
「あとあると意外と便利だよ」
「でも使わないとダメにしそう」
「ダメにする前に俺が作ってやるから」
と、自分で言って少し恥ずかしくなった。
純一の両手に、そして悠人も一つ袋を手に店を出た。
「部屋に炊飯器がないって事実が俺にはびっくりだわ」
悠人は笑って言った。確かにあのキッチンにそんなものはなかった気がする。
今度買うと純一は言いながら、パックのご飯を購入した。
しかし、そう言われた時にふと浮かんだ言葉があった。だが悠人は飲み込んでいた。
ウチのを持って行こうか、というのはなんとも貧乏くさい気もした。だがそれ以上に、純一の家にしょっちゅう行くという宣言にも思えて、どうにも押しつけがましさを感じた。
車に乗り込み、次は家に帰るだけとなったところで、純一がスマートフォンを取り出した。
画面を確認すると少しだけ眉根を寄せて、口元を下げた。
「仕事? 出て良いよ」
「ゴメンね」
そう言って純一は通話をタップした。
「もしもし。いえ、こちらこそお世話になっております」
声を聞きながら悠人はシートベルトを締めて、窓際に肘を突いて外を見やった。
電話相手に話す純一の声はいつもより少し落ち着いて聞こえた。多分、店であった時に聞いたような、少し大人びたものに近い。
否、彼は当り前に大人なのだから、大人びたというのは語弊がある。だが普段の純一は昔と変わらない感じがした。もちろん声はあの頃に比べたら低い。
そうではなくて、多分雰囲気の問題だ。
仕事の話らしき会話の内容は殆ど聞こえなかった。ただ、自分と話をするときとは違うトーンの純一の声に耳を傾ける。
店で会って、それから再び会った時、ドギマギしていたのは多分その声の所為だ。
自分が知らない一面であり、まるで見知らぬ他人の気もした。
仕事相手なのだから、普段の自分よりも少し偽るのは当り前だ。だからこそ、久しぶりに会う自分にそういった一面で近づいて来たのも納得がいく。
それに自分だって、最初は同じだ。純一に会いたくはなかったし、話していてもまるで面影がないように感じて、他人とはなしているような気さえして、緊張を少ししていた気がする。
さほど前の話でもないのに、すでに昔の話のように思える。
それだけ、今の自分たちは昔の自分達に戻って話して過ごしたから、あの時の延長にいるのと変わりない。
「どうしたの、気分悪い?」
「え、あ、いや」
声を掛けられてハッと我に返った。
純一を見るとすでに通話は終えたらしく、スマートフォンはしまわれていた。
「どうしたの?」
再び心配そうに聞かれて、悠人は困ったように笑った。
「何か心配するぐらい変な顔してる? 俺」
「眉間の皺が凄い」
そう言われて、確かに眉間に力が入っていたことに気がつく。マッサージでもするように悠人は自分の眉間を指先でぐいぐいと押してため息を吐いた。
「なんか、俺の知らない純一だなぁって思って」
「ほぉ? 今の電話が?」
「そう。でも最初店に来てくれたときは、そういう感じだったし……なんて言うか、今はもう昔の通りって感じだから違和感はないんだけど。なんていうか……その」
「その?」
「最初の頃のお前……何か別人、みたいな感じが、して……緊張したなぁ、って思って。電話してると、それに近いなぁって、思って。でもそう……なると、さぁ」
口にしながら恥ずかしくなりもう一度外を見た。
「なると?」
エンジンをかける。少し声が弾んでいるように聞こえて更に恥ずかしさを覚える。
「最後まで教えてよ」
「……そうなると、その……普段のお前を知ってるのって、少ないのかなって、思って……いや、違う、なんだこれ」
「まぁ、そうだね。俺もそんな気の置けない仲が多いってわけじゃないしねぇ。仕事絡みだとどうしても猫被るじゃん?」
「うっそだ、お前、絶対友達多いだろ。人付き合い上手いだろ」
運転席を見て思わず声を上げた。
自分なんかより世界は広いと思った。誰とでもすぐ仲良くなれそうだし、仕事だからというだけじゃなくて、その先の一歩を踏み込み、程よい距離で付き合うのが上手そうだと思った。
「だってなんか見てて思うけど……昔と違って全然人と話すのも得意だし。そりゃ、そうじゃないと仕事にも支障あると思うし分かってるけど。でも……、ああ、俺、何言ってんだ?」
「混乱してるねぇ。やっぱ出かけない方がよかったかな?」
そう言って純一が手を伸して身を乗り出すと、軽く抱きしめた。
匂いがしてふと気持ちが落ち着いていく。隣りにずっといるのに、その香りが少し遠く感じていたことに気がついて、悠人は目を閉じると深く息を吸った。
「なんか、へん」
「疲れてるんだよ。帰って休もう?」
「うぅ……迷惑掛けてる」
「別に迷惑じゃないし。むしろ傍にいられて良かったてぐらいだけど、俺としては」
「……ゴメン」
「謝らなくていいから」
「……ありがとう」
「そう、そっちのほうがいい」
ラベルの色や瓶の種類なども選ぶことが可能であったので、それらは全て純一に任せた。
一瓶、調合して持って来てくれて、中身の確認をすると箱に入れて手提げ袋に入れて渡される。これらの調合レシピは全て管理されているから、なくなったらすぐにリピート購入が出来るという。実際に店に来ずとも、ネットでの注文でも可能だと言われた。
値段は普通にブランドモノの香水を買うのと同じぐらいだったらしい。だが、それが高いのか安いのか、悠人にはさっぱり分からなかった。
普通に買うとなれば高い気もするが、その場で調合してくれるとなれば安い気もする。
支払いはもちろんと言うべきか、純一がしてくれた。
「なんか、悪い」
「ん? 何が」
「奢ってもらって」
来る前に乗る前にそう告げると、運転席側に立っていた純一は笑ってドアを開けた。同じようにドアを開けて助手席に乗り込もうとすると、純一の手が伸びてきて後頭部を軽く掴まれたと思うとそのまま引き寄せて口づけられた。
「俺が好きでしてるからいいの」
「……ありがとう」
「そうそう。そっちのが嬉しいしね、謝られるより」
席に座ってシートベルトを締めて純一は続けた。
「それに、ここの社長と仕事してからずっと作ってみたかったし」
「香水を?」
「前に嗅いだことのある悠人の匂いをね。一度、それっぽいの作ってみてもらいはしたけど、何かちょっと違うって言うか。やっぱ本人が居ないと分からないっていうか。いくら覚えてても、細かいところまでは思い出せないっていうか。結局本人連れてこなきゃダメだコレってなって」
エンジンを掛ける。
あの時の匂いを忘れた事はない。だがそれは悠人はすでにΩであったし、ヒートであったからこそかもしれないと思う。生きてきた中で唯一欲しいと思ったαの香りだ。忘れたくても忘れられない。あの香り以外を嗅いだ事はないのだから。
「さて。スーパー寄って帰る? ウチなんもないし」
「うん。あ、作るのは任せてよ。そんな豪華なもんは作れないけど」
「マジで? でも無理はしないでいいよ?」
大丈夫、と答えて悠人は前を向いて微笑んだ。
普段料理はしないということで、調味料もどのぐらいあるのか分からないと純一は言った。
塩と砂糖ぐらいはあるハズと言われて、ならばそれ以外に必要そうなものを買おうと純一が持っているカゴの中にぽいぽいと放り込んでいく。
そんなに使うだろうか、と少し心配げに純一が言ったので、どうせ自分が使うからと悠人は答えた。
「あとあると意外と便利だよ」
「でも使わないとダメにしそう」
「ダメにする前に俺が作ってやるから」
と、自分で言って少し恥ずかしくなった。
純一の両手に、そして悠人も一つ袋を手に店を出た。
「部屋に炊飯器がないって事実が俺にはびっくりだわ」
悠人は笑って言った。確かにあのキッチンにそんなものはなかった気がする。
今度買うと純一は言いながら、パックのご飯を購入した。
しかし、そう言われた時にふと浮かんだ言葉があった。だが悠人は飲み込んでいた。
ウチのを持って行こうか、というのはなんとも貧乏くさい気もした。だがそれ以上に、純一の家にしょっちゅう行くという宣言にも思えて、どうにも押しつけがましさを感じた。
車に乗り込み、次は家に帰るだけとなったところで、純一がスマートフォンを取り出した。
画面を確認すると少しだけ眉根を寄せて、口元を下げた。
「仕事? 出て良いよ」
「ゴメンね」
そう言って純一は通話をタップした。
「もしもし。いえ、こちらこそお世話になっております」
声を聞きながら悠人はシートベルトを締めて、窓際に肘を突いて外を見やった。
電話相手に話す純一の声はいつもより少し落ち着いて聞こえた。多分、店であった時に聞いたような、少し大人びたものに近い。
否、彼は当り前に大人なのだから、大人びたというのは語弊がある。だが普段の純一は昔と変わらない感じがした。もちろん声はあの頃に比べたら低い。
そうではなくて、多分雰囲気の問題だ。
仕事の話らしき会話の内容は殆ど聞こえなかった。ただ、自分と話をするときとは違うトーンの純一の声に耳を傾ける。
店で会って、それから再び会った時、ドギマギしていたのは多分その声の所為だ。
自分が知らない一面であり、まるで見知らぬ他人の気もした。
仕事相手なのだから、普段の自分よりも少し偽るのは当り前だ。だからこそ、久しぶりに会う自分にそういった一面で近づいて来たのも納得がいく。
それに自分だって、最初は同じだ。純一に会いたくはなかったし、話していてもまるで面影がないように感じて、他人とはなしているような気さえして、緊張を少ししていた気がする。
さほど前の話でもないのに、すでに昔の話のように思える。
それだけ、今の自分たちは昔の自分達に戻って話して過ごしたから、あの時の延長にいるのと変わりない。
「どうしたの、気分悪い?」
「え、あ、いや」
声を掛けられてハッと我に返った。
純一を見るとすでに通話は終えたらしく、スマートフォンはしまわれていた。
「どうしたの?」
再び心配そうに聞かれて、悠人は困ったように笑った。
「何か心配するぐらい変な顔してる? 俺」
「眉間の皺が凄い」
そう言われて、確かに眉間に力が入っていたことに気がつく。マッサージでもするように悠人は自分の眉間を指先でぐいぐいと押してため息を吐いた。
「なんか、俺の知らない純一だなぁって思って」
「ほぉ? 今の電話が?」
「そう。でも最初店に来てくれたときは、そういう感じだったし……なんて言うか、今はもう昔の通りって感じだから違和感はないんだけど。なんていうか……その」
「その?」
「最初の頃のお前……何か別人、みたいな感じが、して……緊張したなぁ、って思って。電話してると、それに近いなぁって、思って。でもそう……なると、さぁ」
口にしながら恥ずかしくなりもう一度外を見た。
「なると?」
エンジンをかける。少し声が弾んでいるように聞こえて更に恥ずかしさを覚える。
「最後まで教えてよ」
「……そうなると、その……普段のお前を知ってるのって、少ないのかなって、思って……いや、違う、なんだこれ」
「まぁ、そうだね。俺もそんな気の置けない仲が多いってわけじゃないしねぇ。仕事絡みだとどうしても猫被るじゃん?」
「うっそだ、お前、絶対友達多いだろ。人付き合い上手いだろ」
運転席を見て思わず声を上げた。
自分なんかより世界は広いと思った。誰とでもすぐ仲良くなれそうだし、仕事だからというだけじゃなくて、その先の一歩を踏み込み、程よい距離で付き合うのが上手そうだと思った。
「だってなんか見てて思うけど……昔と違って全然人と話すのも得意だし。そりゃ、そうじゃないと仕事にも支障あると思うし分かってるけど。でも……、ああ、俺、何言ってんだ?」
「混乱してるねぇ。やっぱ出かけない方がよかったかな?」
そう言って純一が手を伸して身を乗り出すと、軽く抱きしめた。
匂いがしてふと気持ちが落ち着いていく。隣りにずっといるのに、その香りが少し遠く感じていたことに気がついて、悠人は目を閉じると深く息を吸った。
「なんか、へん」
「疲れてるんだよ。帰って休もう?」
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