どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章一節 船旅とクラーケンとシロへの教育-

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マサツグ達がサマーオーシャン連合国行きの船に乗ってスプリングフィールド

大陸を後にすると、潮風がマサツグ達を包んで一緒に旅をするようウミネコも

船に追従するよう空を飛んでいた。何処までも続いている様な水平線に本来なら

マサツグも興奮を覚えては冒険気分に浸るのだが…この時マサツグはと言うと…

用意された部屋に行くと自身の荷物を降ろし、そのまま設置されたベッドに

倒れ込むよう寝始めるとTPの回復に勤めていた。


「あぁ~~……まさか脚に来るとは!……この年にして老いたか?…

何とかこの部屋まで辿り着いたけど……後船酔い等はしないみたいで助かった…」


__ガシッ!!…グイグイ!!…


「ご主人様、ご主人様!!…お外!!…お外に行きましょう!!

お外に行けば元気が出ます!!!」


船に乗る間際にシロを肩車しての全力ダッシュ!…あれが足に効いたのか激しく

TPを消費し、船が動き出したと同時に足に来た様子でフラ付いてはその場に崩れ、

シロを降ろして何とかこの部屋まで辿り着いたのだが…シロはまだ満足して

いないのか倒れ込むマサツグの腕を引っ張って外に行こうと誘い出す!その際

マサツグをベッドから引き摺り下ろす勢いで引っ張っている訳なのだが、そんな

シロにマサツグは眠気に勝てない様子である提案をする。


「あぁ~……シロさん?…

ここでおいたんと寝んねしない?……おいたん何か疲れたよ……」


「駄目です!!

一緒にお外に出て!…色々見て回りましょう!!」


__ズリズリ!…ズリズリ!…ブンブンブンブン!!…


「……分かったから袖を引っ張るんじゃありません……zzz」


シロにベッドで寝ないか?と無気力気味に尋ねるのだがシロは元気が有り余って

いる様子で…依然マサツグの腕を引っ張り尻尾を振っては興奮気味に駄目!と

言ってマサツグを起こそうと頑張る!その際ズリズリとベッドから引き摺り

下ろされそうになりながらマサツグが止める様に声を掛けるのだが、結局は無気力で

真剣みが欠け…そのまま寝落ちをしてしまうと遂にそれが起きてしまう。


__ズリズリ!…ズリズリ!………ドゴス!!…


「ッ!?…あっ!…ご、ご主人様!?…」


「オッ!……オオ!!……オオオオ……」


まるでさっさと起きないからと言った天罰でも下ったか、シロの好奇心旺盛さに

マサツグの抵抗?…も空しく、そのままベッドから引き摺り落とされると頭から

床に落ちては強打する!…生々しいドゴッ!と言う音と共に首を支えにするよう

マサツグの体がくの字に折れ曲がると、引き摺り落としたシロも気付いた様子で

戸惑い、マサツグも引き摺り落とされたショックで目が覚めた…と言うよりは

痛みで目が覚めたと言った様子で硬直し、呻き声の様な声を挙げて居るとシロが

慌ててマサツグに謝り始める。


「わあぁ!!…ご…ご主人様!!…ご…ごめんなさい!!!」


「あたたた……だ…大丈夫……只少し強烈に眠気が飛んで行っただけ……」


__……ポンッ!…ビクッ!………チラッ…シュン……


{…ちゃんと反省してるな?…それに今のは俺も悪かったし…

もうこれ以上何も言わなくても良いだろ…

ここから徐々に何が正しくて何が悪いのか?…

ちゃんと教えれば良いだけだからな?…}


慌てた様子で頭を下げて謝るシロにマサツグがゆっくりと体を起こし始めると、

若干痛みを覚えた様子で声を漏らし…謝るシロの頭に手の乗せると大丈夫で

ある事を答える。その際シロは頭に手を置かれた事でビクッと反応するのだが

その後何も無い事に戸惑い…恐る恐る頭を上げてマサツグの顔を確認すると、

そこには苦笑いするマサツグの姿が有るだけに気が付く。そしてマサツグも

シロのシュンとした反省している表情を見ては何が悪かったのかを理解して

いると言う点を理解し、これ以上怒る必要は無いと悟り徐に立ち上ると自身の

反省点も踏まえてシロを誘い出す。


「……はあぁ~…さて…」


__ビクッ!?…


「目も覚めた事だし?…甲板に出てみますかぁ!…な、シロ!」


「ッ!…え?…」


マサツグが溜息を吐きながら立ち上がるとシロはその掛け声にビクッとする!…

やはり怒られるのではないか?…そんな警戒心を少なからずも見せるのだが、

マサツグが外に出ようとシロを誘い出すとその言葉にシロが困惑し…再度

確認するようマサツグの顔を覗き込むとそこには笑顔で手を伸ばし、外に行こうと

誘うマサツグの姿を見つける。そんなマサツグに対してシロはまだ先程の事を

引っ張っているのか、まだ反省した様子で恐る恐るマサツグの手を握ると

困惑しながらコクンッ…と小さく頷き、シロが手を握った事でマサツグが

安心させるよう握り返すとシロに笑って見せる!


__ニコッ!……ッ!…パアァ!!…


「…よし、行くか!!」


「はいです!!!」


「…でも今回は俺も悪かったけど今度からは別の方法で起こしてくれよ?…

ベッドから引きずり落とすのは危険!…OK?」


「うっ!…はいです…」


マサツグが手を握り笑い掛ける事でシロも漸く安心したのか、シロがマサツグに

笑顔で返し始めると、それを見たマサツグは改めて甲板に行こうとシロの手を

引いて歩き出す。その際真面に歩ける位にはTPが回復したのかマサツグの足取りは

戻り、シロもマサツグに手を引かれ元気良く返事をすると歩き出すのだが、

マサツグが念の為と言った様子で起こし方について注意をすると、その注意を

受けてシロはやっぱり怒られた…と言った様子でションボリする。そんなシロの

様子にマサツグが笑うとシロの頭を撫でて一緒に部屋を後にし、自室に鍵を

掛けて甲板の方へ向かい歩き出すと、徐々にシロの顔が明るくなって行く。


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「………。」


__数分後…


「ッ~~~♪…ッ~~~♪…」


「ちょっ!…まっ!…シロ!…ちゃ!!!…」


やはりマサツグの事が好きなのか狼では無く完全に飼い犬状態になっている

のだが、本人は全く気にして居らず!…寧ろ上機嫌で歩いてはマサツグを

引っ張る様な勢いで徐々にスキップへと変化し出し、徐々に甲板へと近付いて

来ると更にそのスキップの間隔が速くなる!この時引っ張られるマサツグは

散歩に出るも飼い犬に引っ張られる飼い主の様になっては幾度と無く

転けそうになり、その度踏ん張って耐えて何とかギリギリの所でシロの

スピードに付いて行き!…遂に甲板への扉前まで辿り着くと、シロがその

扉を勢い良く開けては外へと飛び出して行く!


__バァン!!…


「とうちゃぁ~~く♪」


「うおッ!?…まぶし!!……ッ!…」


シロに引っ張られる形で甲板に飛び出すとまずは突然の強い日差しがマサツグ達を

お出迎え!…先程まで若干暗い船内に居た為その突然の光にマサツグが怯み、

日の光を遮る様に手で太陽を隠して徐々に目を光に慣らして居ると、目の前には

まるで異世界にでも飛ばされて来たかの様なオーシャンビュー!…と言っても

つい先程まで見て居た光景なのだが…空は恨めしい程の快晴で他の乗客も海を

バックに世間話をしており、船乗り達も忙しそうに色々な作業をしている。


__ワイワイ!…ガヤガヤ!!…


「……異常無し!…」


船は帆船でメインマスト一本とサブマスト二本のそこそこ大きい船、船のメイン

マストの監視台では同じ様な船乗りが異変が無いかの見張りをしており、乗客の

他にも色々な荷物を運搬しているのか船乗り達が端から端へと荷物を運んでいる

姿が確認出来る。そんな中にはまだ見習いなのか先輩に怒鳴られながら作業を

する様子もあり、何処でもやっぱりそう言う光景は有るのか…とマサツグが

自身の周辺に目を向けながら甲板中央へと移動するとそれは突然起きる。


__クンクンッ!…ッ!…


「ご主人様、ご主人様!!…今更なのですが…

このおっきい水たまりは何ですか!?」


「ッ!?…え?…海だが…何でまた?…」


「ッ!…これが海なのですか!…ほぇ~!…」


シロが徐にマサツグの腕を引っ張って呼ぶ様な行動を見せるとマサツグが

気付いた様子で振り返り、シロの方に視線を向けるとそこには何故か目を

キラキラと輝かせては、海を指差しマサツグに海についての質問をする

シロの姿を見つける。何やら初めて見る光景に!…それもシロの言う通り

今更と言った様子なのだが、マサツグが戸惑いながらもシロの質問に答えると、

シロは改めて学習した様子で海を見詰め、次に気になる物を見つけると

またもやマサツグの腕を軽く引っ張っては質問をし始める。


「じゃあ、じゃあ!!…あの太鼓みたいな形の!…

林檎が詰まってるあの置物は何ですか?」


「え?…えぇ~っと…ッ!…あぁ…アレは樽だな。

飲み物や食料…物を運搬する時や保存する時に使うかな?…」


「ッ!…ほぇ~!…」


{……ッ!…これって俗に言う「あれ何?タイム」って奴か!…

まぁ…確かにシロは生まれたばかりだから仕方がないし…

可笑しい事は無いんだが……まぁ良い!…付き合ってやるか!…}


シロが次に指差した物は船乗り達が運搬している…恐らく食料が入って

いるであろう樽で有り、マサツグがまたもや戸惑いつつそれを確認し、

シロにその物の名称と用途について簡単に説明すると、シロは納得したのか

樽を興味深くジッと見詰める!そしてマサツグもここでシロの様子に

気が付いたのかフッと笑って見せると、恐らくもう一つ来るであろう質問に

対して身構え出し、案の定シロがマサツグの方に振り返るなり興味を持った

様子で目を輝かせると、マサツグの背後を指差してはマサツグに質問をする!


__……クルッ!…ッ!…ピッ!…


「ご主人様、ご主人様!!…じゃあアレは何ですか!?」


「はいはい!…どれどれ?…」


__ウニョウニョ!…クネクネ!……ん?…


マサツグはシロの質問を受けて笑いながら振り返り、そのシロが訊いて来た物を

確認するよう指差す物に目を向けると、そこには白い…黄み掛かった触手が

一本!…クネクネと踊る様に海からニョキッと生えているのを目にする!…

当然それを見た途端マサツグはその正体を理解するのだが答えるに答えられず!…

ただ目の前の光景に戸惑いつつそのクネクネ踊る触手の動向に目を向けて居ると、

触手はマサツグ達の方に倒れるよう襲い掛かって来る!


__ウニョウニョ!…クネクネ!……ゴゴゴゴッ!…


「ッ!?…まっず!?…」


「ッ?…」


__ガッ!…ブオォォ!…ダアアァァン!!!…きゃああああぁぁぁぁ!!!!…


目の前に倒れてこようとする触手にマサツグが身の危険を感じ、シロはマサツグが

慌てて居る事に不思議そうな表情を見せると、ジッとマサツグを見詰める。

そして倒れて来る触手に対してマサツグが回避するよう動きながら、シロを慌てて

回収し…何とか倒れて来た触手に巻き込まれる事無く回避し切って見せるが、

その触手は横倒しのまま船に倒れて来ると今度は巻き付く様に触手をうねらせる!

そうして突如として襲い掛かって来た触手に船乗りや乗客達が慌て出すと、

漸くマサツグの思考もハッキリして来たのか慌てた様子でその正体を叫ぶ!


__ザザァ!!…


「クッ!…クラーケン!?…おいふざけんじゃねぇぞ!?…

のんびり船旅ライフってのに…」


__スカッ!…スカッ!……


「ッ!?……無い!!…あッ!?…だああぁぁ!!しまった!!……

てかこのゲームって船で移動してても襲ってくるのかよ!?…

それも個人で所有している船じゃなくて!!……とにかく!…

鑑定アプレェィザァル!!」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「クラーケン」  

 Lv.45

   HP 55000 ATK 380    DEF 450

          MATK   0   MDEF   0


 SKILL

 触手攻撃 LV.10 風属性弱体 Lv.6
 -----------------------------------------------------------------------


突如襲い掛かって来たクラーケンの触手にマサツグが驚いて居ると、

船上・船内は大混乱!…辺りからは悲鳴しか聞こえず船乗り達も戸惑った

様子を見せて居ると、一人抗う気で居るのかマサツグが大剣を抜こうと

背中に手を回すが空を切る!…そしてマサツグはここで思い出す!…

そうを全部自室に置いて来たのである!…所持金以外のアイテム・武器は

自室に置いて来てしまって居り、それでもとにかく初手安定から入り出し!…

シロはシロでのほほんとした様子でマサツグの小脇に抱えられていると、

海から出て来たクラーケンの本体の存在に気が付く。


「……ほぇ~!…ッ!…ご主人様!!…海からイカさんが!!」


「ッ!?…デカッ!?…」


__ウニョウニョ!…クネクネ!……ゴゴゴゴッ!…


「この野郎!!…ふざけんじゃねぇ!!」


「船乗りのちから見せてやらぁ!!!」


__うおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!…


シロからクラーケンが現れた事を教えて貰ったマサツグがシロの指差す方に

目を向けると、そこには5m強はあるイカがこちらに向かって来ており…

最初に襲って来た触手の他にもう数本海面から生やす様に伸ばし出すと、

船に巻き付くよう襲い掛かり始める!勿論船乗り達もやられっぱなしでは

無いので巻き付いて来たゲソに攻撃をし始めるが、多少傷を付けた位で

全く歯が立たず!…その様子にマサツグが更に戸惑い如何攻撃するかと

悩んで居ると、クラーケンのターゲットは何故かマサツグの方に向いていて、

ゲソを振り上げてはマサツグに襲い掛かり始める!


__…ブオォォ!…ダアアァァン!!!…


「ッ!?…あっぶね!?…てか何でタゲがこっちに!?

まだ何も攻撃してねぇっての!!」


「ご主人様!?…大丈夫ですか!?」


「あぁ!…何とかな!!……とは言え!…このままだとジリ貧か!?…

もしくは海の藻屑!!…幸いアイツの攻撃はそんなに早くはない!…

一旦ここは下がるぞ!…シロ!……シロ?…ッ!?…」


振り上げられたゲソがマサツグの頭上に向かって振り下ろされ、マサツグが

それを慌てて回避するとシロが心配した様子で声を掛ける!…そんなシロの

問い掛けにマサツグは戸惑いながらも返事をし、自身が狙われている事に

驚き困惑していると、何故ターゲットが自身に向いているのかを疑問に持つ!…

何故狙われる!?…船乗り達の方がよっぽど攻撃して居るのに!…

そんな事を口にしつつとにかく一度退く事を考えるとシロに声を掛ける

のだが、シロからの返事が無くマサツグが違和感を覚えた様子で小脇に

抱えて居た筈のシロに目を向けると、そこにはシロの姿は無く…いつの間にか

姿を消したシロに驚いて居ると、シロはいつの間にかクラーケンの方へと

駆け出しては戦う気満々の姿勢を見せて居た!


__バッ!!…バッ!!…スタッ!!……


「むぅ~~!!…」


「ッ!?…シロ!!下がれ!!…一旦武器を!!…」


「ご主人様を攻撃するのなら!!…えぇ~い!!」


徐々に船へと近付いて来るクラーケンを相手に全く物怖じしない姿勢を見せては

堂々仁王立ちし、その光景にマサツグが慌てた様子で戻るよう声を掛けるが、

シロは戻って来るどころかやる気満々の戦闘態勢に入ってはクラーケンに対して

敵意を露にする!…そうしてクラーケンがシロの間合いに入って来るまでの間に

動き出すと、まずは船を拘束しているゲソに向かい大きく右腕を振って見せ、

まるで引っ掻く様に腕を振ったかと思った次の瞬間!…


__フォン!!…ズバババァン!!!……どよッ!?…


「なっ!?…う、嘘だろ!?…」


__ビチビチ!!…うねうね!!…


シロが大きく右腕を振ったかと思えば空を切り!…そこから鋭い斬撃が出たかと

思えば瞬く間に船に取り付いていたゲソを一掃する!…その光景は乗客達の他に

ゲソを攻撃していた船乗り達の目にも留まり…唖然とした様子で酷く驚いた表情を

見せているのだが、その光景に一番に驚いたのは他ならぬシロの飼い主である

マサツグ自身であった。マサツグからすればその光景は二度目なのだがしかし

それでも驚きを覚える!…船乗り達が斧を両手に抱えて斬り掛かって居たモノを

一振りに…それもまとめてゲソを両断してしまった訳なのだから!…


「……へ?…」


__ッ!?…ザザザザァ!!…


マサツグがシロの規格外強さに驚き放心して居ると、クラーケンの方も

ゲソを斬られた事でさすがに不味いと感じたのか、船に絡み着いて来て

居たのが嘘の様にその場から逃げ出そうとし始める!…しかし逃げる

クラーケンにシロが気が付くとそれを許さないと言った様子で振り返り、

船の手摺を足場にクラーケンへ向かって飛び出し!…飛び出した勢い

そのまま某格闘ゲームさながらの回転蹴りを披露して見せると、キッチリ!…

クラーケンに止めを刺して行く!


__ッ!…バッ!!…バッ!!…


「逃がしません!!!…やあああぁぁ!!!」


__バシュン!!…バシュン!!…バシュン!!……ズババアァン!!!…


「……俺もう戦わなくても良いような気がしてきた……

もうシロちゃんだけでいいんじゃないか?……」


クラーケンに向かい空中で水平蹴りを五発!…その五発ともあの時見た

カマイタチを起こしてはクラーケンを瞬く間に斬り刻んでしまい、

衣が付いていれば綺麗なイカリングと言わんばかりの見事な輪切りを

海に浮かべていた。その光景を船から見て居たマサツグはもはや

チートなのでは?…と呆れた表情で困惑して居ると、シロは技を放った

反動でマサツグの方へと戻って来る。


「ご主人様ぁぁ~~~!!!」


__ヒュウウウゥゥ!!…


「ッ!…え?…」


「ただいまです!!!…」


__ドゴスッ!!…ッ!?!?…


シロがマサツグの事を呼びながら上から落下して来るよう降って来ると、

マサツグは困惑したまま呼び掛けに反応して上を向き、ここでシロが

落下して来ている事に気が付くのだが時既にお寿司!…次にはマサツグの

腹部にシロが落下の勢いそのままでしがみ付いて来る!その際シロは

褒めて貰える!と言った様子で上機嫌の表情を見せるのだが、落下された

マサツグの方はそれ所では無く…何とか倒れるまでは行かなくとも腹部に

激しいダメージを受けると、帰って来たシロの頭に無言で手を置き痛みに

耐える!そして…


「ッ~~~!!……シロ?…何で言う事を聞かなかった?…」


「ッ!…え?…」


マサツグはシロを褒めるのではなく!…若干怒った様子で話し掛け出すと

その様子にシロは戸惑う!…それまではまるで獲物を捕って来た!と喜ぶ

子狼の様子を見せては尻尾を振って居たのだが、マサツグの怒っている

声を聞くと途端に振っていた尻尾をピタッと止めては困惑の様子でマサツグの

顔を覗き込み、若干怒った表情を見せるマサツグの顔にシロがビクッとした

反応を見せると、マサツグはそのままシロに説教を続ける!


「…いいか?シロ?…

今回はお前が勝てたから良かったものの!…

一歩間違えればお前がやられていたかも知れないんだぞ!…」


「ッ!?…」


「何事も状況を見て考えて動く事!…自分の身を一番に考えろ!…

…確かに人を助けようとするその心構えは素晴らしいものだが!…

それでお前がやられてちゃ意味がないだろ?…

両方を助けるつもりで動きなさい!…いいか?…

勝手に自分から突っ込まない!…この約束は絶対だ!!!…

……もう勝手に先走るんじゃないぞ?」


「……はいです…ごめんなさい…」


マサツグがシロに初めてのお説教をするとシロは困惑しながらもマサツグの

説教を黙って聞き、徐々にシロの表情がシュン…と泣き出しそうな表情に

なるのだが、マサツグは心を鬼にすると説教を続ける!…確かにシロは強いが

最悪の場合は存在する!…もしかすると逆にやられていたかもしれない!…

それを踏まえて周りを見る事・状況を判断する事の大切さをシロに教え始め、

ただ叱るだけでなく何が良かったのかを挙げて説明すると、シロは納得したのか

マサツグの説教の最後の約束に対して若干の涙声で返事をして謝る。この時

シロはマサツグに怒られた事より心配を掛けてしまった事に対して涙して

いるのか、ちゃんと反省した様子でマサツグに擦り寄り…マサツグもそんな

シロの様子を見ては元の笑顔に戻ると、シロの頭を撫でては改めてクラーケンを

仕留めた事を褒め始める。


「よし!!…約束だぞ?……さて、説教はこれ位にして!…」


__ポンッ!…ッ!…なでなで…


「よく頑張ったな!…あの巨大イカをあんな風に捌いたのは上出来だ!

良くやった!…シロ!…」


「ッ!!……んぁいです!!…」


マサツグがシロを褒めるとシロはマサツグの胸に顔を埋め出し、黙って少しの間

マサツグに撫でら続けて居ると元気が戻って来たのか、涙をグシグシと拭っては

マサツグの顔を見てニコッと笑い返事をする。その際シロの返事は訛った様な

微妙な返事で有り、その反応にマサツグがプッ!…思わず笑ってしまうとシロを

思いっきり抱き締め、シロは笑われた事より抱き締めて貰えた事の方が嬉しいのか

再び尻尾を振り出すとマサツグに甘え始める。その間周りの乗客や船乗り達は

シロの事をトンデモナイと言った驚きの目で見ると同時に、マサツグが飼い主と

分かるや否や何者なんだ!?…と言った奇異な目で見始める。


「クッ!…クラーケンを倒した!?…それもあんなアッサリ!?…」


「か!…彼らは一体!?……冒険者の様だが!?…」


「あの嬢ちゃんがクラーケンを倒して…

あの嬢ちゃんを叱って居たのが親って事だろ?…」


{…一体何者なんだ!?…あの二人は!?…}


勿論二人は命の恩人で差別的な意味で見ている訳では無いのだが…とにかく

あの化け物イカを倒した二人に困惑の目を向けては何者なのか!?と困惑し

続ける!…冒険者と言えどクラーケンを倒す!?…更に言えば自分達より

圧倒的に小さな!…それもまだ年端も行かない女の子が!?…ただそんな

困惑だけが乗客達の中で溢れる様に沸き、船乗り達も困惑した様子で

見詰めて居たのだが、次の怒鳴り声を聞いた瞬間船乗り達はハッ!とした反応を

見せる。


「……テメェら何ボサッと突っ立ってやがる!!!」


__ッ!?…


「あのクソったれイカに襲われたんだぞ!?…

さっさと被害状況の確認をせんかぁ!!!」


__アッ!…アイアイサー!!!…ドタドタドタドタ!!…


突如聞こえて来た声は恐らく船長の声だろう…まるで見ているかの様に

呆然として居る船乗り達に対して、船に張り巡らされた伝達管から

吠える様な声で指示を飛ばすと、その声に船乗り達は慌て出す!…

船乗り達が目が覚めた様に目を見開くとその指示に返事するよう

慌てながら叫び、指示通りクラーケンに巻き付かれて損傷した場所を

探す様に点検し始めると、一度船は航行を中断するよう帆を畳む。


__シュルシュルシュルシュル…


「……ッ!…そうだ、あのクラーケンは!?……ッ!?…」


__バチャバチャバチャバチャ!!!…


「……あぁ~…あれは…ある意味イカにとっては一番惨い殺し方かも?…」


マサツグはシロを抱えたまま船から若干乗り出し、倒したクラーケンの姿を

確認する為に海面の方へ視線を向けると、そこにはまだ息が有るのか

逃げようとしてはもがき苦しむイカの姿を見つける…イカのゲソ大半はシロに

斬られたため推進力が無く、イカの頭と思われている腹部は輪切りにされては

今だ海面に浮かぶ…そして肝心のイカはと言うと無い足を必死にバタつかせては

必死に船から離れようとしており、その様子を見たマサツグがイカにとっては

生き地獄だと感じて居ると、そのままクラーケンを見過ごす。そうして点検が

終わったのか再度船に帆が張られ…マサツグ達の元に先程の怒鳴り声の主と

思われる船長らしき人物と、取り巻きの船乗り二名が徐にやって来る。


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「…不躾ですまないがあのクソったれイカを倒したのはあんた達か?…」


「ッ!……いえ、正確にはうちのシロです!…」


まさに海の男!!…筋肉質のガタイの良い約50歳位のオッチャンが如何にも

船長と言わんばかりの格好でパイプを咥え、マサツグに謝りながら声を掛け

始めると開口一番デカいイカを倒したのはマサツグ達か?と尋ねて来る。

その際マサツグは船長の格好を見て本当に乗る船を間違えたのでは?と

心の中で考えてしまうのだが、船長の問い掛けに対して答えるよう徐にシロを

降ろすと、首を左右に振っては違うと口にし…倒したのはシロと改めて

紹介するよう答えて見せると、シロがハッ!と気が付いた様子でいつもの様に

手を挙げては自己紹介をする。


「…ッ!…シロです!!」


「ッ!?…こ、この嬢ちゃんが!?……」


「…た、確かに俺達もその現場に居ましたが…」


__……ッ?…


尻尾を振っシロが船長達の前に立ち、船長達は改めて突き付けられた真実が

信じられない様子で驚き、その場で固まってしまうとマサツグ達を戸惑わせる。

まるでその話が信じられないと言った様子で!…船長達が固まる事数分…徐々に

固まった船長や船員達が肩を震わせ動き出したかと思えば、次の瞬間船長達が

大爆笑し始める!


__プルプルプルプル!!…だあぁ~っはっはっはっはっはっは!!…


「ッ!?…え?…」


「アッハッハッハッハ!!!……このチビッ子が!?…

ハッハッハッハ!!…冗談が上手いなアンタ!!…

幾らなんでもそれは無理があるぜ!?…ダァッハッハッハッハ……」


大爆笑する船長達を見てマサツグとシロは互いに顔を見合わせると戸惑った

反応を見せるのだが、船長は相変わらずよっぽど可笑しかったのか爆笑し続け…

改めてマサツグに真実を尋ね始めると、この時マサツグの事を冗談が上手いと

言っては更に笑って見せる。その際マサツグは戸惑った反応を見せては改めて

船長に説明しようとするのだが…その前にシロがスッと感情を隠した様に

動き出すと、船長に対して静かに…何故か怒りを露わにして怒るのであった。


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感想 63

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【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話 主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉 神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく…… ※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!! 内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません? https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
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魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

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HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

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