どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章四十八節 騎士の本分と新型人キメラと未知との遭遇-

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大聖堂…マサツグの考えた奇襲にハイドリヒが猛反発し、他に策が無いかを

考え出すも何も浮かばず…ただ無駄に時間が過ぎては冒険者達が徐々に劣勢に

追い込まれ始める。次第に冒険者達から疲れが見え始め…信者達がバリケード

を乗り越えて姿を現し、ここぞとばかりに責めて来るのだがそれを見た将軍は

もう時間が無いと感じてか、悩んだ様子から一転マサツグにある指示を口にする。


「…これ以上考えるばかりでは居られない様だな……」


「ッ!?…師匠!?…まさか!!…」


「……冒険者殿!!…どれ位の間、奴らの注意を引けば良い?…」


将軍はマサツグの考えた奇襲以外に策が無いと考えたのか…遂に決断した様子で

一言口にすると、その言葉を聞いたハイドリヒが慌てた様子で将軍の方を振り向き

その旨を確かめる。その時のハイドリヒはまるで冗談は止めてくれ!とばかりに

驚き戸惑った表情をし、本当にこの大聖堂に対して何か思い入れを感じる様子を

見せるのだが、将軍はその表情を見ても尚…決意した様子でマサツグに時間稼ぎの

役を買って出始める。その時の将軍は信者達に対して勝つ事しか考えていないのか

ハイドリヒの顔を見て見ぬふりをし、ハイドリヒもその様子を見て更に

慌て始めると将軍に問い掛け出す!


「ッ!?…し、師匠!!…本気ですか!?…」


「………。」


「本当にそんな事をしたら父上と母上の!!…

代々募り思って来た!…この祝福された思い出の地は!!…」


ハイドリヒが説得するよう将軍に問い掛け、その問い掛けに将軍は答えないまま

目を瞑ると腕を組み黙り込んでしまう…しかしそんな将軍に対してハイドリヒは

諦めずに将軍へ過去の話を持ち出しては必死に思い止まる様に話し、何とか別の

策を立てる方向に考えを変えさせようとするのだが、将軍が組んだ腕をスッと

崩して目を開くと達観した表情を見せ、ハイドリヒの方へ振り向き徐にある事を

尋ね始める。


「……ハイドリヒよ…我らの職務は何だ?」


「え?……」


「我らの任務は何だと聞いている!……」


「ッ!!…そ…それは……

信者達の殲滅及び、誘拐された民の解放…ですが?…」


将軍がハイドリヒに職務についての内容を尋ね始め、その突然の問い掛けに

ハイドリヒが困惑し戸惑いの声を漏らすと、将軍が若干声を荒げた様子で

再度尋ね直す。その将軍の様子と反応にハイドリヒは戸惑いつつも返事をしては

今回の任務の内容を口にし、合っているか如何かの確認を将軍に求めるのだが、

将軍は違うと言った様子で首を左右に振ってはある事をハイドリヒに話し始める。


「違う!…ワシが聞いたのは任務では無い!…職務だ!!…

よいか?…よく思い出すのだ!…

我々兵士の職務は民を護る剣に!…盾になる事!!…

弱き者を助け悪を排除する事!!…それに他ならない!…」


「ッ!?…」


「確かにこの大聖堂は我が国の文化遺産であり宝!…

歴史や色々な思いの詰まった大切な場所ではある!!…しかしだ!!…

我々の職務はあくまでも民を守る事であり、この地を守る事ではない!!…

物は壊れても直す事は出来る!…しかし者は壊れてしまえば直す事は出来ない!…

そして残された者に辛い思いをさせない様にするのも…

また我々の使命でもある!!…もはや手段を選んでいられる状況では無い!…

…ハイドリヒ……お前の気持ちも分からなくもないが…

敢えて聞かせて貰おう!…今の貴様は何者だ?…騎士のハイドリヒか?…

それとも王家の人間か?…今のお前は何方でも無い!…

中途半端な人間だ!!…」


「ッ!?!?……」


将軍がハイドリヒの返答を否定し尋ねたのは職務と三度言い直すと、

その職務の詳細を口にし始める。その将軍の言葉にハイドリヒが

ハッとした様子で目を見開き向けると、将軍はハイドリヒの気持ちも

理解した様子で話し出すのだが今は人命救助が先だ!と言った様子で

話し続け、更に騎士なのか王家の人間なのかと揺れ動くハイドリヒに

対して喝を入れるとハイドリヒはショックを受けた様子を見せる。

ハイドリヒはその場で俯き拳を固めてはプルプルと震え出し、その様子に

将軍がハイドリヒの肩に手を置き慰めるようポンポンと数回叩くと、

マサツグ達に改めて指示を出す。


「…先程の奇襲に関して損害が出たとしても不問とする!…

…責任は全てワシが取る!!…遠慮は要らん!!…

…ただし!!…必ず、成功させるのだぞ?…」


「ッ!!!………」


震えるハイドリヒを宥めつつ…マサツグとモツに奇襲を一任し、責任は

全て自分が請け負うと言い…やる気に満ちた笑顔を見せる男気溢れた将軍に、

マサツグとモツが感動を覚えていると、ハイドリヒも将軍の言葉で覚悟を

決めたのか顔を上げて騎士の表情を見せる。そして将軍の言葉に対して

覚悟を決めた返事の言葉を口にし始めるのだが、やはり何処か抵抗があるのか

若干の覚悟の乱れが聞いて取れる。


「……分かりました!…もう何も言いません!…

何が何でもこの戦いに勝ち!…囚われの人々を救出しましょう!!…」


「…ッ……。」


「…よくぞ言った!!…それでこそ我が国が誇る自慢の騎士団長だ!!…

……そしてスマン!…酷な決断をさせてしまったな…」


「……いえ…元はと言えばこの場所を根城にした奴らに責任はあるかと!…

ここを穢した代償!!…あの者達に払って貰う事にしましょう!!…」


ハイドリヒの言葉はマサツグとモツの耳にも当然入って来る…

そしてそのハイドリヒの様子に二人は本当にこれで良いのか?と考えると

マサツグとモツの決意が鈍り始めるのだが、将軍がハイドリヒの決断を褒めると

同時に謝り出すと、その将軍の謝罪に対してハイドリヒは信者達の方に視線を

向ける。その時のハイドリヒは一騎打ちの時より怒りに燃えている表情を見せ、

今にもお得意の突き技をぶっ放しそうな様子で見詰め続けていると、マサツグが

聞く耳を持って居る内にと言った様子で慌てて呼び止めるよう将軍とハイドリヒに

声を掛ける。


「ッ!?…あぁ!!…ちょっと待てまだ突っ込むな!?…

せめて説明だけは聞いて行け?…」


「早く要件を言え!!…私は気が立っている!!!…」


「ンな事分かっている!!…ふぅ…いいか?…

さっき言った通り…俺とモツの二人であいつ等の後ろから奇襲を掛けて、

内側からあのバリケードを無力化させる!…

バリケードさえ無力化出来れば後は数の暴力で勝てるからな!…

で、二人にやって貰いたいのはあいつ等の陽動!…これもさっき言った通り!…

とにかく派手に暴れ回って貰ってあいつ等の気を集めて!…

二階に気が回らない様にして欲しいってのが一つと、

もう一つは万が一二階に何か罠が有って、あいつ等の任意で発動する物なら

面倒臭いってのがもう一つの理由!…多分無いとは思うけど…

念には念を……っで、現場に到着したら合図代わりに繭が落ちてこない程度に

天井を二回叩くから聞き逃すな?…それを合図に全力で突貫って事で!…

その際他の冒険者達のと連携を密に!……ここまでで質問は?…」


__プルプル!…


マサツグが慌てて呼び止め、その言葉にハイドリヒが当たる様に文句を言うと

マサツグがツッコミを入れる。そして一呼吸を入れて自身が考えた作戦を

モツ・将軍・ハイドリヒの三人に話し出し、それぞれやって欲しい事…

付いて来て欲しい事をある程度説明すると、合図等の話も予め話しておく。

その際信者サイドに知られないよう警戒しつつ話しては最終的に質問が

有るかどうかを確認する。その質問に対して三人は互いの顔を見合わせては

首を左右に振って見せ、その反応を見てマサツグが頷くと現在の戦況を

確認し、信者達と冒険者達が今だバリケードの前で競り合って居る事を

目視すると、四人は行動に出る!


「…よし!…まだ持つな!…じゃあ…散開!!!」


__バッ!!!……ガイィィン!!!…


「遠からん者は音にも聞けぇぇぇいい!!!…

近くば寄って目にも見よ!!!」


__ッ!?!?……


四人が作戦を理解した所で互いに顔を見合わせ…マサツグが号令の元で

四人が頷き作戦通り動き出すと、マサツグとモツは直ぐに聖堂を出る為

扉に向かい、将軍とハイドリヒは指示通り信者達の注目を集める為に

互いの武器をぶつけ、音を聖堂中に響かせるとノリノリで名乗りを

上げ始める!その様子に思わず扉を開けようとして居たマサツグとモツが

振り返り、将軍達の様子に目を向けていると信者達の注目を集める

のに最適の人物だったのか、将軍達は聖堂中の視線を集め始める。


「我が名はラインハルト・アイアンズ!!!!…

スプリングフィールド王国第五十九代将軍であり!!!…

黒鉄の破壊王と呼ばれる物なり!!!!」


__どよ!?!?…


「そして我が名はハイドリヒ・リステリン!!!!…

スプリングフィールド王国騎士団!!!!…団長を務めて居る者だ!!!!」


__どよどよ!?!?!?……


「逆賊共!!!…この地を踏み荒らし!!…

数々の悪行に横暴を働いた罪!!!…

更に我が王の思い出の地を穢した罪!!!……

…キッチリその代価は!!!…貴様達の身を持って!!!!…

払って貰うぞおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


聖堂中に響く声で将軍が名乗り出し、その名前に役職…更に二つ名を口にすると

やはり有名人なのか信者達のみならず冒険者達までもが驚き戸惑い、続けて

ハイドリヒが怒り心頭の表情に怒気と鬼気迫る様子で名乗りを上げると更に

信者達と冒険者達がどよめき始める!まさかこの二人が来るとは思って

居なかった!と言った様子で信者達は青ざめ驚き戸惑い、冒険者達は心強いと

活気付く。そして二人がそれぞれ武器を抜き、ハイドリヒが怒りのままに

吠えてはバリケードへと走り出し、信者達に襲い掛かる光景を目にした

マサツグ達はもう苦笑いをするしか無い。


「オオオオオオォォォォォォ!!!!!」


__ドガアアァァァァン!!!…


「…うわぁ!…このゲームはいつから無双系になったんだ?…」


「あははは……さぁ?…それは分からないけど……

とにかく俺達も急ごう!…あれだけ暴れて居られるのもそう長くない筈だ!…」


ハイドリヒが掛け声と共にお得意の突き技を繰り出すと信者達はゲームが

変わった様に宙を舞い、マサツグがその光景を見て戸惑った様子でツッコミを

入れるとモツは苦笑いしながら困惑する。しかしそんな光景を長々見ている

場合では無いと二人が切り替え、聖堂を後にすると血みどろエントランスを

出て直ぐに有る両側の通路の先…尖塔の螺旋階段へと駆け出して行く!その道中

話しは一度ハイドリヒに話を遮られたフジツボの話になる。


__タッタッタッタッタッタッ!!!…


「…そう言えばさっきは聞けなかったけど…」


「え?…」


「何で?急にフジツボの話が出て来たんだ?…

そんなこの大陸でフジツボなんか見た事無いが?…

ましてや瘴気を吹き出すなんて?…

オマケに何でそれがステンドグラスを壊せるって自信に変わるんだ?…」


モツが気になった様子で思い出してはマサツグにフジツボの話を振り、

マサツグが戸惑った様子で返事をすると、モツは疑問を感じた様子で

フジツボの存在・瘴気を吹き出す・壊せると言った自信に繋がるのかと

困惑の表情で尋ね始める。そのモツの問い掛けに対してマサツグは

思い出した様子で表情を崩してはその理由を話し出すのだが、その話を

聞いたモツはまたマサツグの奇行に戸惑いを隠せないのであった。


「あぁ!…あれな?…いやぁ!…その妖精の国が瘴気に包まれていた

原因ってのがそのフジツボで、そのフジツボの……何て言ったら良いんだろ?…

火口部?…から瘴気が噴き出してて…とにかく瘴気に包まれていた原因が

そのフジツボだったんだ。で、そのフジツボの殻が滅茶苦茶硬くて…

トライアルソードじゃ勿論全然歯が立たなくて…何かコイツを倒す方法は

無いのかな?…って考えたのが…落とし穴だったんだよ。」


「……は?…落とし穴?…」


「そう!…その落とし穴に殻を逆向きで突っ込ませて

無防備な部分を露呈させて…その時一緒に居た同行者に手伝って貰いながら

そのフジツボを倒したんだけど…そん時にこのゲームは落とし穴が

掘れるって事を知ったんだ!…

…って事はステンドグラスをぶち破る位如何って事無いんじゃってなって…

……あれ?…どした?…」


マサツグが妖精の国での出来事を交えてフジツボと出会った経緯を話し出し、

フジツボの特徴や討伐する際の苦悩等…色々経験した事を思い出すよう語っては

思い付いた奇策が落とし穴で有った事をモツに嬉々として話す。当然戦闘中に

穴を掘り出す等考えないモツは戸惑いの表情でマサツグの方を振り向いては

落とし穴?…と疑問を持った様子で復唱し、マサツグが復唱に対し肯定した

様子で返事をすると今回の奇襲も同じ様に思い付いたとモツに話す。その話を

聞いてモツがあからさまに呆れた表情を見せてはマサツグが不思議に感じた

表情をし、モツの反応に対して何が有ったと尋ねるとモツは呆れた様子のまま

マサツグに返事をする。


「……確かにPvPプレイヤーVSプレイヤーのアリーナに屋内戦ってのが有るけど…

確かに奇襲を掛ける為に壁を壊したり!…

天井壊したりして逆転する動画は有ったけど!!…

まさかのヤブの場合はフジツボて!……そんなの在りかよ!?…」


「…え?……何でそんなに呆れられてるの?…」


やはり何度聞いてもマサツグの奇行を理解出来ないモツは呆れて戸惑い、

マサツグもそんなモツの反応を見てショックを受けていると、通路を抜けて

目の前に螺旋階段が見えて来る。そして二人が螺旋階段に足を掛け、

いざ二階へ向かおうとしていたその時であった…そのマサツグ達が進もうと

していた階段の先から…ガサガサと聞いた事の無い足音が聞こえ始める…


__ガサ…ガサガサ……ッ!!!…ピタッ!!…


「……何か物凄く嫌な予感を感じるんだが?…」


「……奇遇だな…俺も感じる!…」


階段の先から聞こえて来る不気味な足音にマサツグとモツが思わず足を止め、

先が暗くて見えない階段の先を見詰めているとその奇妙なガサガサ音は更に

大きく聞こえ始める。その足音にマサツグとモツが嫌な気配と予感を感じ、

武器に手を掛け警戒し始めるとモツがある事を思い出す!…

それはハイドリヒが腰を抜かす程恐怖したエントランスホールでの光景でも

見て取れたものであった。


「……そう言えばマサツグは見たか?…あの時…」


「……へ?…何を?…」


「エントランスホールを見た時!…

ハイドリヒはって言ってたよな!?…

あの後俺…如何言う事なのかって思って確認したんだ!…そしたら!!…ッ!?…」


「そしてら?……ッ!?…」


モツがマサツグに確認を取る様に尋ね出し、その問い掛けにマサツグが何の話を

しているのか分からず聞き返していると、モツはエントランスホールで

見た光景の話をし始める。その際ハイドリヒの言葉に引っ掛かりを覚えて

何かを確認したと話し、その何かについてモツが答えようとするのだがハッと

階段の先を見詰めては驚き戸惑い、その様子にマサツグも戸惑った様子で階段の

先を確認するとそこには一匹の蜘蛛がこちらを見詰めジッと固まって居た。

それはある種…こう言ったファンタジー系ゲームだと特におかしな光景では無い

のだが二人にとってはかなりおかしい光景で、何がおかしいのかと言うと

その蜘蛛の頭には人の頭が付いており、更にその大きさもブルーベルズの農村に

向かう道中でエンカウントしたあの巨大蟻とタメを張る大きさである事!…


「……その人の倒れている場所に交じって…

そいつの死骸も混じっていた事だよ!!…」


__バッ!!…シャッ!!…チャキッ!…ガサガサ…ガサガサ…


「……冗談は止して欲しいんだが?…」


「……残念ながら冗談では無さそうだな?…」


モツがエントランスホールで見たと言う違和感をその蜘蛛と話すとマサツグと共に

武器を抜いては構え出し、蜘蛛に対して警戒を強めているとその一匹の蜘蛛はただ

何をする訳でも無く動かずこちらをジッと見続けているだけ…その蜘蛛の後ろには

もう何もいないと言うのに未だガサガサと言う音は収まらず、寧ろ大きくなって

いると言う事に二人が戸惑いを隠し切れないで居ると…階段一杯に…壁や天井にも

その人の頭が付いた蜘蛛が姿を現し始めては、マサツグ達の事を薄気味悪い人の

頭でジッと見詰め、笑みを浮かべ始める!


__ニタァァ!!……


「うげぇぇ!!…気持ち悪!!!…」


「ッ!?…来るぞ!!…」


明らかに経験上…人キメラである事をマサツグとモツが確認し、笑う蜘蛛達に

不気味さと気味の悪さを感じていると、その笑う蜘蛛達は一斉にマサツグ達へ

襲い掛かり始める!それに反応してマサツグとモツも手にした武器で蜘蛛を

斬り払い、階段を上って行くのだが…その蜘蛛達を相手をしている場所が

階段と言う事も有り中々上に進む事が出来ず苦戦を強いられる。幸い普通の

階段にしては幅が広く二人の動きが互いに邪魔にならない程度に対処は出来る

のだが、時間が無いと言う時に限ってこれでは敵わない!とマサツグとモツが

文句を口にする!


__キシャアァァァァ!!!…ズバァン!!…


「ッ!!…狼型の奴に比べてこっちの方が楽である事には助かるが…

こうも数が多いと良い勝負って言った所か!?…ったく!!邪魔くさい!!…」


「チッ!!…時間が無いってのに!!……ッ!…

ヤブ!!…3秒だけ目を閉じてくれ!!」


「ッ!?…うぇ!?…何か言!…」


襲い来る蜘蛛を一太刀に切り伏せ一歩づつでも先へと急ぐマサツグ達、前に横に

上からと絶え間なく…数に任せて襲い掛かる蜘蛛の大群にマサツグとモツが

焦りと怒りを覚えながら相手をしていると、モツが何か思い付いた様子で

マサツグに呼び掛け、瞬時にアイテムポーチからあるアイテムを手に取り出し

蜘蛛の群れへと投げ付ける!そしてマサツグは如何言う事かとモツの方に

振り返り、訳を尋ねようとした次の瞬間…そのモツが投げたアイテムが空中で

激しく爆発的に発光すると蜘蛛及びマサツグの視界を奪い去る!


__パシュン!!…ッ~~~~~~~………


「ッ!?!?……ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ…」


「だああぁぁ!!…だから言ったのに!!…えぇ~い!!…火炎斬り!!!」


__バシュウゥゥゥ!!!……


モツが投げたアイテムは言わずもがな閃光弾で、蜘蛛及びマサツグの視界を

奪うとフラフラとし始める。目が見えない事により視界不良になり閃光弾の

キィ~ンとした炸裂音が聖堂の構造上反響し三半規管を奪う。モツも若干

喰らった様子で耳を押さえては事無きを得るのだが、諸に喰らったマサツグはと

言うとその場で獣の様な低い唸り声を挙げては動け無くなり、モツがその様子に

対して文句を言い出し始めると動けなくなった蜘蛛達を一掃するよう火炎斬りで

焼き払う!そして無理やり作った道を狩人狩りの森の時同様マサツグの手を

掴んで進み出し、マサツグがその事に戸惑いながらも進み出し始めると何度も

躓き転びそうになる。


__タッタッタッタッタッ!!…ガッ!!…


「うおぁ!!…んが!!…

はぁ!…はぁ!…」


「目を閉じろって言ったのに何故直ぐに閉じない!!…」


「同意を得てからでも良かったんじゃないのかよ!?…

あぁ~…まだ目がチカチカする……」


何度も躓いては根性で耐えて見せ、息を切らして居ると閃光弾の

使用タイミングでマサツグとモツが若干揉めるのだが、蜘蛛型の

人キメラの波を何とか乗り越え階段を駆け上がって行くその頃…

聖堂に残った将軍とハイドリヒは怒りのままに暴れては

バリケード前にまで迫り、信者達のと鬩ぎ合いに突入していた。


「ハアアアアァァァァ!!!!」


__ボウ!!!…バギイィ!!!!…


「クッ!!!…何なのだこのバリケードは!?…

ここにあるベンチは鉄で出来ているのか!?…」


「いや!…何の変哲もない木材で作ったベンチの筈だ!…

しかしこの強度は一体!?…」


冒険者達と共闘し勢いを取り戻すもやはり進行を妨害するは積み上げられた

バリケード…将軍が思いっきり蹴り飛ばそうが大剣で斬り掛かろうが…

何故か壊れる事無く鎮座し、ハイドリヒも勢い任せでエルレイドフルーレを

放つがビクともしない!…ただ積み上げられただけのベンチにそんな強度が

ある筈が無いと驚愕した様子で将軍とハイドリヒが困惑した表情を見せ始める

のだが、一方攻められバリケードの内側で籠城する信者達の指導者はと言うと…

将軍とハイドリヒの登場に若干違和感を覚えた様子で言葉を漏らし始める。


「……あの者達は何者なんだ?…

あの黒い鎧を着た者は確か…将軍と行ったか?…

如何やら見掛け倒しではない様だな…先程まで猛威を振るっていたのは

事実だが、ここを破るには役不足と言った所…

そしてあの銀の鎧の者は先程まで居なかった…何やら我々に激昂している様だが…

それでもその壁は敗れまい!……救世主様のお力で強化された壁は鉄壁!…

他の冒険者共も打ち破る事など出来ない!!……だが何だあの様子は?…

無駄だと分かって居ながら何故向かって来る?…何か企んでいるのか?…

……まぁいい…上にはが居る…心配は無い!…

今はバリケードの強度を救世主様のお力で補強するのみ…

後は勝手に奴らが自滅するだろう…」


将軍は先に来て暴れていた為、指導者の記憶に有ったのか少々警戒した様子を

見せるもバリケードを壊す事が出来ないと分かると子馬鹿にし、次にハイドリヒの

存在に気が付くとその様子に目を向ける。この時ハイドリヒは怒りのままに

ひたすらバリケードへ向かい攻撃を続け、ビクともしないバリケードに更に怒りを

覚えると周りの冒険者がハイドリヒから距離を取り始める。そんな様子を目にした

指導者が戸惑いを覚えるも壊れないバリケードを見ては自身を持ち、破られる事は

無い!と高を括り始めるのだがその異様なまでの暴れ方を見せる二人に疑問を

持ち始める。だがそれも軽く見ているのか気のせいと言った様子でバリケードの

中から冒険者達が自滅するのを待ち始め、静かに笑みを浮かべ始めるとただ将軍と

ハイドリヒの事を警戒した様子で構えていた。


そして話は戻りマサツグ達…蜘蛛の人キメラを掻き分け先に進み、マサツグの

視界と足取りも戻っては軽快に先を進んで居ると、何度か蜘蛛型の人キメラに

襲われる!しかし最初の時点で対処法を理解したマサツグ達にとっては然程の

問題では無くなり、同じ様に火炎斬り等で一掃しては先を急ぎ階段を

駆け上がると、何とか二階のフロアに辿り着く…しかしそこは殆ど明かりも無く

ほぼ真っ暗で何も見通せず…ただ不気味に何かが這い回る音しか聞こえない…


__ギッシ!…ギッシ!…ガサガサ…ガサガサ…


「…うわぁ…ご丁寧に狼型が居るわ……まぁ…

あの自爆肉牛が居ないだけマシだが…」


「狼型はともかく…あの見た事無い奴…

鑑定アプレェィザァル!!……」


__ピピピ!…ヴウン!…

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 「人キメラ C-95型(成体)」  

 Lv.16

    HP 2950 ATK 160     DEF 70

       MATK  55 MDEF 45


 SKILL

 毒攻撃 Lv.3 HP吸収 Lv.2

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マサツグとモツが二階に上がると辺りが暗い事を利用し、互いに声を潜め周りの

人キメラにバレないよう姿を隠すと微かな明かりを頼りに敵の数…その姿を

確認すると、そこにはあの狼型の人キメラの他に蜘蛛型の人キメラの成体?と

言わんばかりのもう一つの新たなモンスターを目にする。そのモンスターの

見た目は何処を如何見ても上半身が人間の女性で下半身が蜘蛛…アラクネにしか

見えないのだがモツが気になった様子でバレないよう鑑定アプレェィザァルを発動すると

違うらしく、鑑定結果に人キメラで有ると表記される。因みに余談だが

その人キメラの胸は黒いブラジャーを着けている様な甲殻で覆われており、

ポロリはしていない…さすが全年齢対象!!…


「……如何する?…サッサとしないとあの二人でもアレは面倒だと思うぞ?…」


「うぅ~ん…分かってんたけど…これじゃぁな?…」


暗がりの中でも何とか敵の数に種類と把握し、物陰に隠れてタイミングを

伺うのだが中々攻める事が出来ない。何故なら…今までの人キメラの行動は

基本的に野生の動物と一緒で自由奔放に動き回るのだが、このフロアに居る

人キメラは妙に統率が取れている!…余程見られたくない物が有るのか死角が

無いよう巡回し、更に不意打ちに供えて隊列を組み警戒する!…まるで誰かが

そう指示した様に見える光景を前に迂闊に飛び出す事が出来ず如何したものか?…

と様子を見詰めていると、その巡回している人キメラ達の奥の方から笑い声が

聞こえて来る。


__フフフフフ……


「……ん?…モツ?…今笑った?…」


「え?…いや…マサツグの方じゃ無かったのか?…」


「え?…」


「え?…」


__………チャキッ!!…


突如聞こえて来た笑い声にマサツグが反応しモツに笑ったかどうかを

尋ねるも、モツは戸惑った様子で違うと話して逆にマサツグが

笑ったのでは?と尋ね返すと、その言葉にマサツグが戸惑う。そして

互いに顔を見合わせ戸惑った表情を見ると徐々に嫌な予感を感じ始め、

そのまま沈黙が訪れると恐らくであろう…声の聞こえた方を振り向く。

その際互いに武器を手に警戒し、いつでも飛び出せるよう構え始めると

マサツグとモツの予感は的中したのか、奥からギシギシと軽い家鳴りが

聞こえ出し、その家鳴りを鳴らしている主の声が遠くから聞こえて来る。


「フフフフフ…

この二階にも遂に邪魔が入る様になったのですね!…

あぁ…教祖様…救世主様…私に力を!!…」


__ゴシャッ!!…バキィ!!…メキメキバキ!!…


「……あぁ…如何やらババを引いたみたい…」


「…確かヤブのスキルに(超幸運)が付いていたと思うけど…

アレは何?…パッシブじゃ無いの?…アクティブなら早く発動してくれ!!…」


恐らくはこの統率の取れた人キメラ達を先導する信者の者の声なのだろう…

何やら気になる事言い出すとメキメキと…ブルーベルズ事件の司祭変態時の様な

生々しい音が聞こえて来る。そしてその音に聞き覚えの有る二人は当然

やっちまった!…と言った様子で項垂れ始め、マサツグが一言呟くとモツが

マサツグのスキルを疑い出す。そうして変態は終わったのか…

徐々に生々しい音が収まりそれに伴って何かが近づいて来る足音が聞こえ出すと、

マサツグが感知サーチを発動する。


「……感知サーチ!…」


__ピピピ!…ヴウン!!…


「……モツさん?…」


「分かってるよ!…だって…今視界に映ってるから!…

…あとやっぱ無駄にデケェ!…」


マサツグが感知サーチを発動すると自身のミニマップ上に大きなモンスター反応が

投影され、それを見たマサツグがモツに注意するよう呼び掛けるのだが、モツは

マサツグに焦った様子で返事をしては見えていると言い出す。その際モツは

相手の姿を見てショックを受けた様子をし、マサツグがそれに釣られて戸惑い

ながらもモツの視線の先に目を向けると、そこには巨大な昆虫の様な化け物が

こちらに向かい歩いて来ているのが見て取れた!


__ギッシ!!…ギッシ!!…


「フフフフフ!……」


その昆虫の化け物は間違いなくこちらに向かい歩いて来ては先程より

重い様子で踏み鳴らし、その化け物が若干の明かりが有る場所に立って

全身像が見える様になると、その大きさや容姿に言葉を失う…

その姿は先程から巡回をしているアラクネ型の人キメラに酷似している

のだが、その大きさはゆうに2~3mは有り…腕はカマキリの様な鎌の形を

しているがより鋭くした凶悪な鎌を持ち、背中には何の蝶の羽か分からない

透明の羽が生えていた。全身はアルビノの様に真っ白で、人である部分は

意外とダイナマイトでマサツグが動揺するも、その人キメラの信者は

ゆっくりこちらに向かい歩いて来ては笑みを零す…


「フフフフフ!……」


「……おいおい!…マジかよ!…勘弁してくれよ!…」


「……何も言えねぇ…」


今からコイツを相手にして…更にステンドグラスをぶち破らなければならない事を

考えさせられ二人が億劫になるも、その奇妙でデカい昆虫の化け物にバレていると

自覚させられると、二人は物陰から姿を現す。そして改めて見るそのアラクネに

対し各々が思った事を口にすると、武器を構え始めるのであった。

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