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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
-第三章二節 レイヴンの説明とシロの悪夢と害悪な冒険者-
しおりを挟むマサツグ達がハーフリングスを離れてから数時間…何時しか森も山も遠方に
見えて来る頃、マサツグも落ち着きを取り戻して改めて高速馬車の移動速度に
感心を抱きながら、レイヴンと一緒に外の様子を見ていた。まるで電車に
乗って居る様な勢いで外の風景がコロコロと変わり…その際先程マサツグが
落ち込んで居た理由は一切分からないままレイヴンは沈黙しており…今度は
マサツグが居た堪れない雰囲気に耐え始めると、我慢出来なかった様子で
レイヴンに有る質問をする。
「……ッ~~……そ、そう言えば!…
レイヴンの師匠はユグドラドに居るんだよな?…一体どんな師匠なんだ?…」
「ッ!…何だ急に?…」
「い、いやただ気になってさ?…アレだけレイヴンが嫌がるとか…
ほら前にその師匠に弟子にして貰った理由は聞いたけど…
その師匠の事については何も聞いて居ないなぁ?…って?…」
何度もレイヴンの事をチラ見した後マサツグが意を決した様子で声を掛けると、
レイヴンはピクっと反応し…不思議そうにその問い掛けについて質問をすると、
マサツグは慌てながらも好奇心と語る。その際弟子になった理由は前に訊いたと
話すと、その師匠の事については聞いていないとレイヴンに話し!…別に無理に
答えなくてもいいと言った困惑気味の表情でレイヴンに再度問い掛けると、
レイヴンは若干悩んだ様子でマサツグにこう答える。
「……そうだな……簡単に言うと…エルフの皮を被った鬼畜メガネ。」
「……え?…」
「人類悪ならぬエルフ悪。マッドサイエンティスト。純粋過ぎる悪…」
「ちょちょちょちょ!!!…え?…それ本当にレイヴンの師匠なの?…」
レイヴンは少し考えた様子を見せるも…直ぐに頭の中でパッと言葉が
出て来たのか、自分の師匠を捕まえては鬼畜メガネと言い出し…
その言葉にマサツグも表情そのままに困惑してしまい…聞き間違いかと
言った様子で黙って聞いていると、レイヴンは更に続けて自分の師匠を
罵倒する!…そしてそのどれも一切手加減の無い悪の権化と言った言葉で
続けると、マサツグは慌てて止めに入り!…本当にレイヴンの師匠の事
なのかを確認すると、レイヴンは何の疑いを持つ事無く…ただ不思議そうに
マサツグに答える。
「え?…いやだって…あの人真面じゃ無いし…
何より研究に明け暮れてよく部屋を吹っ飛ばすし…
挙句の果てには俺を実験台にするし…ロクな人じゃ無いぞ?…」
「じゃあ何でその人に弟子にして貰ったんだ……」
「それはその人の持っている魔法を覚えたいからで…」
「あぁ…そう言う事じゃなくて……もういいや…
とにかくレイヴンが嫌がる理由は何と無く分かった…
じゃあユグドラドってどんな所?…」
レイヴンはマサツグの問い掛けに対して文句に似た愚痴を零すようその理由を
話し出すと、まるで漫画の様なマッドサイエンティストぶりを簡単に説明し…
とにかく自分はモルモットだったと話すと、その答えを聞いた所でマサツグが
ツッコミを入れ!…そのマサツグの三度目の問い掛けに対して馬車の外の風景を
遠い目をしながら見詰めると、心ここに有らずと言った様子で更に答える。
そうしてあの時聞いた答えがまた出て来た事でマサツグも呆れた様子を見せると、
レイヴンの気持ちを一応は理解し…今度は話題を変える様に、ユグドラドが
如何言った場所なのかについて質問をし直すと、レイヴンは四度答える。
「え?…うぅ~ん…そうだなぁ……
これも簡単に言うとデッカイ樹にツリーハウスが沢山付いている…
みたいな感じかな?…或いは家が木の実みたいに生っているとか?…」
「ッ!?…ちょ!?…アバウト過ぎんか?…
何か他にこう…特徴的な何かは無いのか?…」
マサツグの四度目の質問に対してレイヴンは思い出すよう話し始めると、
ユグドラドの事を巨大なツリーハウスの様に語り…その際大きさを示す様に
両腕を一杯に広げて体現し…更にエルフ達の家が木の実の様だと説明すると、
右手で宙に丸を書いては本当に木の実と言った様子で表現をする。そんな
アバウトな説明が飛んで来た事に、マサツグも戸惑うともっと他に細かい
説明は無いのか?と若干困惑気味に尋ねるのだが…レイヴンはその指摘を
受けて戸惑うと、言い訳をする様に更に答える。
「いやそれ以上に特徴なんか……
大体俺自身そんな長くあそこにいた訳じゃ無いからな?…
ゲームを始めてプロローグが始まったと思えば何も無い場所からの起床で!…
次にワープさせられたと思えばワイトだし!…魔術師で進める上でおススメに
その師匠システムが有ったから選んで…気が付けばモルモットだもんさ!…
堪ったもんじゃねえだろ!?…まぁ確かに魔法を覚えるスピードは凄かったけど…
俺の場合その魔法を学ぶ過程が可笑しかった訳で!…」
「ッ!?…分かった!…分かった俺が悪かった!!…だから落ち着け!…
幾ら身内とは言えワイトに迫られるとやっぱ抵抗が有る!…」
「ッ!…ス…スマン…俺も気が……」
レイヴン自身も長く滞在していた訳ではない様で…ゲームが始まった時の事から
話し出すと、ワープしてギルドに直行したと説明し…更に弟子に取って貰った
理由もおススメされたからと話すと、徐々にレイヴンのテンションは暗黒面へと
落ちて行く!…そうして先程からの話を掘り返すよう!…気が付けばモルモットと
話すと、レイヴンは陰鬱な空気を放ち出し!…更にマサツグにも詰め寄り!…
師匠を付けた事で確かに効率は上がったと肯定するよう話すが、やはり師匠の
やり方は可笑しいとばかりに嘆き出す!…そうして迫って来るレイヴンに対して
マサツグが話題を振った事に謝るよう声を掛けると、レイヴンに落ち着くよう
更に声を掛け!…その際両手で盾を作るよう構え出し…レイヴンもマサツグの
呼び掛けでハッと我に返ると、冷静さを取り戻してはマサツグに謝る…こうして
一日目の移動を終えると、レイヴンは地面に魔物除けの魔法陣を書き…その上に
馬車を止めると、マサツグ達はそこで野宿をするのだが…その晩シロはある夢を
見る…
__すぅ…すぅ……すこぉ~~……
{……ご主人様ぁ!!…駄目です!!…逃げてぇ!!!…}
__ガキイィィン!!!…フォンッ!!…ドグシャアアァァ!!!……
{ッ!?!?!?!?…ご主人様アアアァァァァァ!!!!…}
「ッ~~~!!!!…いやああぁぁ!!!…はぁ!!…はぁ!!…
え?…あれ?…ゆ、夢?…ですか?……」
シロが見た夢とはマサツグが何者かに袈裟斬りにされる夢…親を目の前で殺されると
言う夢であった…今まで何度も逆転劇を見せて来たマサツグであったが、その夢の
中のマサツグは苦戦を強いられるといとも容易く貫かれ!…その際構えていた
大剣ごと砕かれると、突き刺した物を抜かれる際に前のめりに倒れる…そこからは
酷い出血!…マサツグはピクリとも動かず、シロがどんなに叫ぼうとも返事は
返って来ない!…ただ最後に見たモノはそのマサツグを殺した人物で!…笑みを
浮かべて殺したマサツグを見下ろすと、シロにもニヤッと笑って見せる!…そんな
最後で有った。当然そんな夢を見てシロが悲鳴を上げて飛び起きると、酷く息を
切らし!…改めて自身が見たモノが夢である事を確認する様に!…自身の隣で
呑気に涎を垂らしながら寝ているマサツグの姿を確認すると、今度はマサツグに
張り付いて再度眠りに就くのだが…当然あんなもの見た後なので眠れる訳が無く…
ただ小刻みにフルフルと震えてはマサツグにくっ付き続けるのであった。
__チュンッ!…チュンッ!…チチチチ…
「……ん?……朝…か?…
…くわあぁ~~…あぁ!!………ッ?…シロ?…」
__フルフルフルフル…
「……如何した?…寒いのか?…
まぁさすがに常夏とは言えど朝は少し寒…」
「………。」
そして次の日…マサツグがいつも通りに大欠伸をしながら目を覚ますと、
自身の腹の上にはシロが…何故か小刻みに震えてはマサツグの腹に顔を
埋めて丸まっており…マサツグは寒いのか?と言った様子でコートを
手に取ると、シロに声を掛ける。だがシロからの返答は無い…当然シロが
見た夢の内容など知る由も無いので、マサツグは戸惑い…とにかく顔を
洗いたいと言った様子でマサツグは起き上がろうとするが、シロが地味に
重くて立ち上がれない…
「……ッ?…朝から甘えたさんか?…やれやれ……どっこい!……
だはあぁ…やっぱ寝起きだと力が入り辛い…シロォ?…
悪いんだけど一旦離れて…」
「ッ!?…ヤ!!!…」
「ッ!?…うぇえぇぇ!?…そんな強く否定する!?…
……でも俺顔を洗いたいんだけど?…」
「ヤアァ!!!…絶対に離れないのです!!!」
一度はシロをお腹にくっ付けたまま馬車の外に出ようとするのだが、朝に弱い
マサツグには辛く…体に力が入らずそのまま尻餅を着くよう座り込むと、
無理だと悟り…一度シロに離れるよう頼むのだが、シロはそのマサツグの言葉を
聞くなり全力で拒否するとマサツグを驚かせる!…そうして驚いたマサツグは
困惑しながらもシロに再度顔を洗いたいと懇願するのだが、シロは更に反抗する
ようマサツグにくっ付き拒否し!…絶対に離れないと言う頑固かつ鉄の意思を
見せ始めると、更にマサツグを困惑させる!…
「ッ!?…えぇ!?………一体如何したんだ?…
何か有ったのか?…話してみ?…」
__…なでなで…なでなで……ピコピコッ…
「……ご主人様が……ご主人様が死んじゃったのです!…」
「ッ!?!?………ッ!…あ、あぁ!…そう言う事か!…吃驚したぁ~!…」
シロの頑なな意思にマサツグは困惑しつつ…一度冷静になるよう思考を切り替え、
宥める様に声を掛け出すとシロの頭を優しく撫でる。そしてマサツグがシロの頭を
撫で出すと、シロはそれに反応するよう耳をピコピコと動かし…暫く撫でられて
落ち着いて来たのか、徐々に体の震えも収まり始めると、シロはそのマサツグに
くっ付いている理由を話し出す。その際シロは端的にマサツグが死んだ!…と
声を震わせながら話すのだが、そこだけを聞いたマサツグは更に戸惑い!…暫く
考えた後、理解出来た様子で!…マサツグはハッと気が付いた様子で吃驚したと
言葉を漏らしていると、シロは更に続ける。
「…シロ!…何も出来なかったのです!!…
目の前でご主人様が戦ってるのに!!…怖くて!!…
そしたらご主人様がやられちゃって!…血も止まらない位に溢れて!…
シロ!!…なにもできなぐで!!…よんでもへんじがなぐで!!…
…ヒッグ!!…」
「……あちゃ~……」
夢の中とは言え自分が何も出来なかった事を悔いる様にその夢の内容を
話し出すと、やはり不安になって来たのか涙声に…そして改めて怖かったと
ばかりに!…その不安を拭うよう更にマサツグへ抱き着くと、不安だった
気持ちもマサツグにぶつける!…そうしてシロの話を聞いた所でマサツグも
完全に理解をするが、如何反応したら良いかが分からず困惑し…とにかく
小さい内に一回は見るよな?…と言った様子で言葉を漏らしていると、シロは
夢の事引き摺っている様子で身代わりをしていると話し出す。
「だからこうじでぐっずいでいるのでず!!…グスッ!!…
こうずればシロがみがわりに!!…」
「ッ!!…馬鹿野郎!!
身代わりとかそんな事考えてんじゃねぇ!!…」
__ギュッ!!…
「いいか!?…俺は絶対にお前を置いて死んだりはしない!…
一人にはしない!!……って、言ってるが勿論道連れにするとかじゃなくて!!…
死ぬ気はサラサラ無いって事を言ってるんだ!!……だから安心しろ!…
俺はシロを置いては行かない!!…例え死んだとしても!…
何度だって復活してやる!!!…それこそお前に嫌われようがな!!…
……こんな事自分で言うのもなんだが…シロ!!…お前のお父さんは
滅茶苦茶強いんだぞ!!」
「ッ!?…本当ですか?…」
そのシロの身代わりの話を聞いたマサツグも直ぐに反応すると、怒った様子で
シロに馬鹿野郎と言い!…身代わり何か要らない!と…その考えを止める様に
声を強めて注意をすると、更にシロの事を抱き締めて自身の心音を聞かせる!…
そして今度は二度とそんな事を考えない様に改めて安心させる熱の有る言葉を
掛け出すと、シロも目をパッと見開いては!…マサツグに縋るようギュッと
抱き締め返し!…そしてマサツグに約束をするかの様に!…不安げな言葉を
掛けてマサツグの顔を見上げると、マサツグはそんなシロに対して笑顔で
返事をする!
「…当たり前だろ!!…絶対に置いて死んだりしない!!!…」
「ッ!!…ッ~~~~~!!!…
うええええぇぇぇぇ!!…えええええぇぇぇぇん!!!…」
「よしよし!…怖かったなぁ!…でももう大丈夫だ!!…
ちゃんと付いててやるからなぁ…」
__十数分後…
「…すぅ~…すぅ~…」
そうしてシロがマサツグの胸に顔を埋めて泣き出すと、泣き止むまでの間
マサツグはシロを抱えてただ頭を撫でて宥めており…レイヴンは気を利かせた
様子でジッと寝たふりをしており…いつしかシロが泣き疲れた様子で寝て
しまうと、静かになった所でレイヴンが漸くと言った様子で起き始める。
その際頭を掻きながらマサツグに声を掛け出すと、マサツグもマサツグで
それに返事し…この時マサツグは泣き疲れたシロの様子を見ており…
ただ微笑みながら優しくシロの頭を撫で続けると、ジッと見守るのであった…
「……落ち着いたか?…」
「ッ!…あぁ…一応は…
スマンな?…迷惑を掛けたみたいで?…」
「別に?…ただ…やっぱしっかりパパさんしてるなと思って?」
「ッ!…この野郎?…」
レイヴンに返事をする際マサツグは謝るよう声を掛けるのだが、レイヴンは
気にして居ないと言った風に返事をすると、またマサツグをパパさんと言い…
もはや気に入って居るのか弄る様にその言葉を口にし…マサツグもその言葉を
受けてまた若干照れた様子でレイヴンに視線を向けると、文句を言う様に
言葉を漏らす!…そうしてまたユグドラドに向けてマサツグ達の馬車は出発を
するのだが、出発してから昼頃の事…とある光景をマサツグが目にすると、
慌てて御者に馬車を止めるよう指示を出す!…
「……ッ!?…ぎょ!…御者さん、ちょっと止めて!!!」
__ッ!!…ザザアアァァ!!!…ヒヒイィィン!!…ガタタッ!!…
「ッ!!……ッ!?…ッ!?…」
「ッ!!…ど、如何したんだ!?…」
マサツグが慌てて馬車を止める様に指示を出すと、御者も驚いた様子で慌てて
馬車を止め!…慌てて止めた事で中に居たレイヴンとシロも!…慣性の法則が
働いた様子でバランスを崩すと、同じ様に驚き出す!…その際シロは寝ていたのに
跳び起きては寝惚け眼で慌てて辺りを見渡し!…レイヴンはレイヴンでマサツグに
何事か!?と馬車を止めた理由について尋ね出すと、マサツグはそれに答えるよう
馬車の外の様子を指差す!…
「アレを見てみ!?…普通に見えるか!?…」
「え?……ッ!?…」
「何!?…何事ですか!?……ッ!?…」
マサツグが慌てた様子で外の光景を指差すと、レイヴンは困惑しながらも外の
様子を確認する!…そこである光景を目にするとマサツグと同じ様に慌て出し!…
シロも寝惚けた表情で二人の様子に気が付いてか、二人が覗き込む窓を同じ様に
覗き込むと、とある光景を目にしてハッとする!…そんな三人の目に映った
光景とは!…恐らくエルフの少女であろう…何やら冒険者達に追われている
光景で、冒険者達の方もまるで追い駆ける事を楽しんで居る様な!…少女相手に
武器を手にしては下卑た笑みを浮かべて居た!…当然そのエルフの少女は必死の
形相を浮かべて逃げ回っており!…心成しか助けを求めるようマサツグ達の方に
向かい走って来ると、マサツグ達も慌てて武器を手に飛び出す!…
__バタンッ!!…ドタドタドタドタ!!…
「御者さんは下手に動かない様に!!…後で俺達もう一回乗るから!!…
レイヴンはあの少女の保護を頼む!!…
もしかすると顔見知りでスッと安心して貰えるかも!…」
「いや、どんな指示だよ!?…てか俺の知り合いに少女は!!…あぁ~もう!!…
ンな事言ってる場合じゃないか!?」
「シロはレイヴンの護衛で!!…前衛は俺が立つ!!」
馬車から飛び出したマサツグ達は直ぐに臨戦態勢を整えると、すかさず
御者に待つようマサツグが指示を出し!…続けてレイヴンにエルフの
少女を任せるよう声を掛け!…その際奇妙な理由での人選を口にすると、
レイヴンはマサツグにツッコミを入れる!…この時レイヴンは自分の方が
不安を煽ると言った様子で、自分の容姿を気にするのだが!…一刻を争う
状態でそんな事を言ってる場合では無く…ツッコみ切れずに不完全燃焼と
言った様子で叫び出すと、マサツグの指示を渋々了承する!…そして今だ
寝惚け眼のシロに対しても同じ様に指示を出すと、シロは目を擦りながらも
マサツグに頷き…そしてそのエルフの少女がマサツグ達の居る方へ逃げて
来ると、レイヴンはその少女に大きく手招きをする!…
__タッタッタッタッタッ!!!…はぁ!…はぁ!…はぁ!…はぁ!…
「おぉ~い!!…こっちだこっち!!!…こっちに逃げて来ぉ~い!!!」
__ッ!!…タッタッタッタッタッ!!!…ガバァ!!…
「よしキャッチ!!!…こっからは任せるぞ!!」
「任された!!!」
その少女の表情は恐怖で引き攣ると、目に涙を浮かべており!…息を切らした
様子でレイヴンの手招きを目にすると、藁にも縋る思いで走り込んで来る!…
この時レイヴンもその少女を受け止める様に両腕を広げると、走って来た
エルフの少女を全身で受け止め!…マサツグに後を任せる様な事を口にすると、
マサツグは大剣を抜いて!…その追い駆けて来る冒険者達と対峙する!…
すると向こうもマサツグ達の様子に気が付いたのか、足を止めてはマサツグ達
との距離を若干開けて…前に立っては挑発的な態度を取り出し、喧嘩を売る様な
言葉を口にする!…
__ッ!!…ザザアアァァ!!……チャキッ!…
「…何だぁ?…人様の楽しみを奪う様な真似をしやがって!…
さっさとそのガキを寄こせよ!…」
「…何の目的が有って追い掛けてんだ?…
ハッキリ言ってテメェらが異常者に見えるが?…」
「チッ!!…御託は良いんだよ!!…こちとら楽しくゲームをやってんだぞ!?…
テメェに邪魔される筋合いはねぇんだよ!!……ハアァ~…
折角久々の獲物だってのに!…とんだ邪魔が入ったぜ……おい!…
さっさと痛い目を見たくなけりゃさっさと渡せよ!!…
人が如何遊ぼうが勝手だよな!?…なんせ!!…
ここでどれだけ人を殺そうが何しようが咎められる事はねぇからな!?…」
__ギャハハハハハハハ!!!…×9……ッ!…
やはり目的はそのエルフの少女の様で、レイヴンが保護するなり冒険者達は
マサツグ達へ悪態をつき!…引き渡すよう高圧的に上から目線で文句を言うと、
手に持っている武器をマサツグに突き付ける!…しかしマサツグは怯む事無く
毅然とした態度でその追い駆けて居た理由について尋ね出すと、ハッキリと
異常と口にし!…その言葉を聞いて冒険者達がイラっとした様子で舌打ちを
すると、自分達の自由と主張する!…その際そのエルフの少女に対して視線を
向けると、またもや下卑た笑みを浮かべて舌なめずりをし!…まるで変態的な
事でも考えて居るのか、とにかくヤバい!…と言った雰囲気を漂わせると、
今度はマサツグ達を脅迫する!…それと同時に快楽殺人者の様な事まで
言い出すと、周りに居た冒険者達も同調するよう笑い!…そして一通り笑った
所で、眠そうにしているシロの様子を目にすると、更にマサツグを挑発する!…
「……へえぇ?…お前も良い玩具持ってんだなぁ?…」
「…ッ!……良い玩具?…」
「そうだよ!…テメェの後ろに居るその白い奴!…
毎晩抱いて宜しくやってんだろ?…ちょっとで良いから俺達にも恵んでくれよ?…
俺達やろうばっかだからさぁ!!…溜まってんだよな!?…」
__ギャハハハハハハハ!!!…×9……ブルッ!!…
「今なら邪魔した事許してやるよ?…但し!…
その後ろに居るエルフと白い奴を差し出したらな!?…
…まぁ差し出さなくても?…
テメェらをここで潰してじっくり味わわせて貰う…」
先頭に立って挑発をする冒険者はシロの事をマジマジと見詰め…マサツグに
対して下卑た笑みを浮かべると、シロの事を玩具と言い!…その冒険者の
言葉にマサツグも引っ掛かりを覚えた様子で反応すると、眉間にしわを寄せて
復唱をする…この時その言葉を聞いた瞬間、マサツグの目からは一切笑いと
言った物が消えるのだが!…冒険者は全くのお構いなしにマサツグの事を
舐め切っており!…まるでそう言う目でしか見ていない様に馬鹿にした口調で
マサツグを挑発すると、舌をベロベロと出してはシロの事まで要求する!…
そしてそんな発言を仲間がしていると言うにも関わらず、周りの冒険者達は
今だに笑って居り!…さすがのシロもその冒険者達に対して嫌悪感を抱き!…
その身を震わせ寒気を感じていると、更にその冒険者の挑発は続き!…再度
脅迫するよう笑いながらシロとエルフの少女の二人を要求すると、次の瞬間
その冒険者の顔面が見事に凹む!…
__……プッツ~~ン!!!…ボッ!!!…ボグシャアアァァ!!!……
「ッ!?!?…ぶはああぁぁぁ!!!!…」
「ッ!?…タ!…タッちん!!…テメェよくも!!!……ヒィッ!?…」
マサツグの中で何かが切れると次の瞬間大剣を捨てて飛び出し!…その先陣を
切って挑発をして来た冒険者の顔面目掛けて渾身の右ストレートを叩き込むと、
その冒険者を物凄い勢いで後ろに吹き飛ばす!…当然そんな光景を目にして
他の冒険者達は戸惑うのだが…仲間がやられた事に対して逆上すると、マサツグに
逆恨みするよう眼光を向ける!…しかしそこに居たのはそんな眼光を遥かに
凌ぐ!…殺し屋の目をしたマサツグの姿で、まるでスタ〇ドでも発現しそうな
勢いで怒りを燃やすと、その冒険者達に対してこう言い出す!…
「……おい…テメェら、今俺の娘になんつった?…」
「ッ!…おっと!…これは見せられんな…
シロちゃ~んこっちにおいでぇ~?…後耳も塞いでねぇ~?」
「ッ?…はいです…」
「君も耳を塞いでてねぇ~?」
マサツグはまるで髪型を弄られるとブチキレる高校生の様に!…その冒険者達に
対して明確な殺意を向けると、その場に居る冒険者達全員を一歩も動けなくし!…
そのマサツグの様子にレイヴンも不味いと感じると、近くに居るシロを自分の
元まで呼び寄せる。その際何も聞かないよう耳を押さえる様に指示をすると、
シロは戸惑いながらも指示に従い…レイヴンの元まで行くと、レイヴンはシロ達を
目隠しするようローブの袖で視界を遮り!…更にエルフの少女にも同様の言葉を
掛けると、準備を整える!…そうしてレイヴンが幼女二人の健全なる育成を護った
所で冒険者達はと言うと、今だマサツグに慌てており!…何が起きたのかと騒いで
いると、マサツグは手の関節を鳴らし出す!…
「ヒィィッ!?…な、何なんだよコイツ!!…今タッちんが!?…
てか何が起きて!?…ッ!?…」
__バキバキッ!!…バキバキッ!!…
「俺の娘がなんだってぇぇぇ!!!…もっぺん言ってみろコラァ!!!
今吐いた言葉飲み込むんじゃねぇぞゴラアァァ!!!!」
「ヒッ!?…ヒイィィ!!!…ぎゃああああああああぁぁぁぁぁ!!!!…」
……そこからのマサツグは悪鬼羅刹!…怒りの度合い的にはゲスデウスの時と
イーブンなのだろうが、余りにも凄惨で!…その冒険者達を殴り飛ばしては
忽ち一撃KOして行き!…だがそれでもマサツグの怒りは収まらないのか、相手が
ダウンして居ようが泣こうが!…助けを求めようが暴れに暴れてマサツグの
怒りが収まるまで暴れ切ると、最後にそこに転がって居たのはOverKillと
表記されたその冒険者達の無残な姿であった…倒れて居る者皆顔面面積が三倍程に
膨れ上がり、ボロボロの状態で転がっては有らぬ方向に腕が曲がって居たり…
膝がカモシカの様に逆関節が決まって居たりと、凄惨さを極め!…その様子の
一部始終を見ていたレイヴンは後にこう語ったと言う…
{……あれは鬼だな!…
自分の娘を馬鹿にされたのとそれを想像したのとでごっちゃになって…
結果何も起きていないのにあの有様…何より凄かったのはマサツグの怒り様で!…
あの時誰もがマサツグに怯えて逃げるんだが…
その逃げて行く奴もしっかり捕まえるとボコボコにするし!…
例え相手が泣いて謝って!…何なら土下座しようが関係無しで!…
あいつ等からしたら今までのツケが一気に帰って来た様な…
そんな荒れ様だったな…まぁ丁度良い薬になったと俺は思うが…
もしあれを自分が体験したらと思うと……恐らくはトラウマ級だろうな?…}
あの時のマサツグの事を鬼と言うと、そこからマサツグの心理を読んだ様子で…
あの怒り様は尋常じゃないと語り…その時の状況を説明するようレイヴンが
話すと、その容赦の無さまで更に話し出す!…そして徹底した撃滅具合を改めて
振り返ると、その冒険者達には良い機会と話し!…その理由に挑発して来た時の
言葉を思い出し、最後に荒れはトラウマになると説明すると、ここで会話は
終わる。因みにその冒険者達はと言うと、実は軽いブラックリストの冒険者達の
様で…アレがきっかけでレイヴンの言う通りトラウマになり…無事に引退した
とかしてないとか…とにかくこれ以降彼らの事を見る者はいないのであった。
さて、この日はあの馬鹿な冒険者達以外にこれと言ったイベントは無く…
そのエルフの少女を連れて馬車に戻ると、送り届ける事もかねてユグドラドに
向けて出発をするのだが…その日の内にはユグドラドへ辿り着かず、道半ばの
所で移動を終える。因みにその冒険者達の撃退後…何が起きていたのか
分からないシロは、一方的に何が有ったのか?とマサツグとレイヴンに
質問攻めをするのであった。
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英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
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ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
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