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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
-第三章三十五節 アルスの凶行と嵐の過ぎ去った跡とご近所?…迷惑-
しおりを挟む良く分からないままにマルティスはアルスを煽り…それに乗っかるようアルスも
マルティス向かって行く!当然それを止めるようマサツグ達も慌ててアルスを
抑えに掛かり!…ダークエルフ達は我が身を惜しまずマルティスの前に立つと、
盾になろうとする!…だがアルスはそれでも一向に止まる事を覚えず!…ただ
藻掻く様に感情のまま吠え続け!…その真意についてマルティスに問い掛け
続けるが、マルティスは無表情のままアルスを見詰めていた…
「えぇ~い、放せええぇぇぇ!!!!…ッ~~~!!!…
答えろ!!!…貴様その口ぶりだと奴の事を知って居るのだな!?…
何処に居る!!!!…言わねば何度でも斬り掛かってやるうぅ!!!!」
「………。」
マサツグとレイヴンが慌ててアルスの両腕を掴むと、オーディックが例の如く
羽交い絞めにし!…そんな三人の拘束に!…アルスはまるで凶悪犯の様な
抵抗ぶりを見せると、マサツグ達にも噛み付かん勢いで吠え続ける!…その際
やはり気になるのはアルスをそうさせたマルティスの言葉で、アルスは必死に
その話に出て来た奴について尋ね!…だがマルティスは今だ拘束されている
アルスを見詰めると、まるで捕まった猛獣を見る様な冷徹な視線を送り…何も
言わないまま堂々と立ち尽くして居ると、マサツグが落ち着く様に声を掛ける!…
「この馬鹿落ち着け!!!…一体何がそんなにテメェを怒らせてんだ!?…
それに俺達は争いに来た訳じゃ!!!…」
「黙れええぇぇ!!!…ッ!!…貴様達に何が分かる!!!…
我が恨みは決して癒える事の無い!!!!…私が今!!!…
こうして生きているのは!!!…
この復讐心のお陰でもあるのだからなアアァァ!!!…」
「……まるで飢えた獣のよう…誠に哀れな者だな…」
「ッ!!!…グウウウウウウウゥゥゥゥゥ!!!!!」
マサツグが落ち着く様に声を掛けようとも、元より話を聞くタイプで無い
アルスはマサツグに対して吠え出し!…自分が今生きて居るのは言われた
復讐心のお陰だと!…周りに居るダークエルフ達にも威嚇するよう声を
荒げると、もはや制止も聞かない様子で藻掻き続けていた!…この時
オーディックもそのアルスの激しい抵抗によって、何度も拘束が剥がされ
そうになるのだが!…オーディックは気合で乗り切り!…マサツグ達も
懸命に逃がすまい!と踏ん張り!…何とか制止を呼び掛けようとするのだが…
制止を聞かない様子にマルティスも呆れた様子で徐に言葉を口にすると、
ただただアルスが哀れだと言う…当然その言葉を聞いてアルスは更に激昂
すると、もはや人格を失い獣になったかのよう唸り!…そんな様子に更に
ダークエルフ達は慌て出し!…マサツグもこれ以上は無理だと悟ると、
強硬手段に出る!…
「…ッ!!!…これ以上はキツイか!?…しゃあない!!…」
__スッ…タタタッ!…バッ!!!…
「ッ!?…マ、マサツグ!?…何をする気?…」
一向に落ち着く気配を見せない所か更に激しさを増して行き!…拘束し続けるのに
TPの限界が近付いて来た事にマサツグも焦りを覚えると、最後の手段とばかりに
アルスから手を放す!…そしてすかさずそのマルティスの盾となって居るダーク
エルフ達の前に立ち始めると、更にアルスに対して身構え!…当然その様子に
レイヴンは戸惑い!…一体何をする気なのか?と困惑気味に尋ねると、マサツグは
オーディックとレイヴンにアルスの拘束を解く様に指示を出す!…
「オーディック、レイヴン!!…アルスの拘束を解いてくれ!!!」
「ッ!?…ちょ!?…はぁ!?…おま!!…
この状況を見て言ってるのか!?…今放したら!!!…」
「俺が何とかする!!…任せてくれ!!!」
マサツグのこの指示にレイヴンとオーディックは更に戸惑い!…マサツグに対して
大丈夫かと問い掛け出すのだが、マサツグは真剣な表情で構え続けては大丈夫と
言い!…目で早くするよう訴えると、そのマサツグの視線に気が付いたレイヴンは
極め詰めに困惑する!…確かに自分も魔法に対するTPCスキルは有るものの、
肉体労働に関するTPCスキルは持って居らず!…何ならTP切れを起こす手前で
止まっており!…自分もヤバい事を再確認すると、もはや考えるのも面倒になった
様子でマサツグの指示に従う!…
「ッ!?…ま、任せてくれって!!!…ッ~~~!!!…あぁ~もう!!!…
分かった!!!…オーディック!!!…一二の三で放すぞ!?…いいな!?」
「えぇ!?…んだどの本当に大丈夫だか!?」
「今はマサツグに賭けるしかない!!!…
それにオーディック自身そろそろ限界だろ!?…
……最悪全責任はマサツグが請け負う!!…」
「ッ!?…ア、アンタ今トンデモナイ事言っただよ?…」
もはや諦め吹っ切れた様子でレイヴンが唸ると、マサツグに返事をしては
オーディックに合図を出し!…オーディックはオーディックでその言葉に
戸惑い!…本当に大丈夫なのか!?と困惑気味にレイヴンへ問い掛けると、
レイヴンはただやるしか無いと答える!…その際オーディックもスタミナに
限界が来ているのか、拘束が緩くなっていると指摘し!…その言葉に
オーディックはハッとし!…レイヴンの話に耳を傾けて居ると、レイヴンは
続けてマサツグの責任しようと口にする!…当然それを聞いてオーディックが
目を見開きレイヴンの闇を垣間見ると、戸惑いの言葉を漏らし!…そうこう
して居ると更にアルスは暴れ出し!…二人揃ってTPの限界を迎えようとすると、
最初に話していた通り合図を口にする!…
__ガアアアアアァァァ!!!!!
「ッ!?…四の五の言ってられない!!…いいか!…行くぞ!?」
「い、一!…二の!…三!!!」×2
__バッ!!!…ッ!…ッ~~~!!!!…
吠えるアルスをギリギリまで拘束し!…急ぐ様に合図を取り出すと、話し
合った通りにアルスを解放する!…その際レイヴンとオーディックは後ろに
吹き飛ばされるよう転がると、後はマサツグに任せ!…アルスはアルスで
解放された事に気が付いたのか!…再度吠え直すよう一度硬直した様な
挙動を見せると、マサツグの後ろに居る!…ダークエルフ達の影に隠れて
いるマルティスに向かい駆けて行く!…この時も早正気を失って居るのか、
ただ目的に向かい走り!…目の前に障害が有ろうとも突っ込んで行き!…
マサツグのその向かって来るアルスに対して息を整え始めると、その自身の
考えた策を実行する!…
「ウワアアアアァァァァ!!!!」
__…ッ!!…スゥ…フゥ~!!……ッ~~~!!!…
「いい加減に!!!…」
__スゥ、ガッ!…グオオォォ!!…
「しろおぉぉ!!!!」
自我すら失った様子で吠えながら向かって来るアルスに!…マサツグも一呼吸
入れてから迎え撃ちに掛かると、まずはアルスの胸倉へ掴みに掛かる!…だが
しかしエルフの騎士達の装備と言うのはほぼビキニで!…当然胸倉を掴める
物が無く!…仕方なしにその身に着けているビキニアーマーの紐を掴み!…
向かって来るアルスの足にタイミングを合わせ!…引っ掛けるようバランスを
崩させると、我流CQCを繰り出す!…まぁCQCと言ってもただの背負い投げ
なのだが、それでも簡単にアルスの体が宙に舞うと、マサツグは勢い良く
地面へ投げつけ!…最後の掛け声と共にアルスが受け身を取る事も出来ない
まま地面へ叩き付けられると、数回地面にバウンドするよう小さく弾む!…
__ドシャアアァン!!!…ッ~~……
「ッ!?…グハアァ!!!…」
「はぁ!…はぁ!…ったく!!…頭に血が上り過ぎだっての!!!
ちったぁ落ち着け!!!……はぁ!…はぁ!…
…はぁ~…まぁそれでも?…その気持ちは分からなくもねぇが……
なぁ?…族長さん?…」
__ビクッ!!…ジリ!…
地面に叩き付けられた際アルスは苦痛の声を漏らすと一撃で気絶し…マサツグも
ギリギリだったのか息を切らしつつパッとアルスから手を放すと、文句の言葉を
口にする!…そして落ち着くよう息を切らして居ると、ゆっくりと上体を起こし…
アルスの気持ちも分からなくも無いと!…更に怒りを露わにするようマルティスの
方に視線を向けると、マルティスではなくダークエルフ達が身構える!…まるで
マサツグに対して警戒するよう視線を向け、ジーナとベルベッタもマサツグに
対して身構え!…そして肝心のマルティスはと言うと一切慌てず…ただその場に
杖を突いて立ち尽くして居ると、無表情でアルスの事を見詰めていた。
「……本当に悲しき娘よな?…復讐などに囚われて…」
「…一体如何言う意図が有ってあんな事を?…
てかそれ以上に俺達をここに招き入れた理由は?…」
「……それは汝達が既に答えを持っているであろう?…
かの樹の上の女王より…手紙をな…」
この時初めて気が付いたのだが…マルティスの目には光が宿って居らず、何処か
死んだ魚の様な目をして居り…マルティスは態度を改める事無くアルスの事を
可哀そうと口にし…謝罪の言葉なく倒れるアルスを見詰めると、まるで供養する
よう杖を片手に合掌をする…その際やはり気になるのはその復讐と言う言葉で、
マサツグも何故あんな事を口にしたのか?と若干呆れ気味に尋ねると、同時に
招き入れた理由についても尋ね!…その二つの質問の内マルティスは後者の方を
答え出し、エルフの女王様から手紙を預かって来ている事をマサツグに
指摘すると、その事を指摘された事にマサツグは驚く!…
「ッ!…女王様からの手紙を知って居る?…如何して?…」
「……我は六森将の一人…「降霊呪術師のマルティス」…
その者の魂を見る事により真実と虚実を見定め…
神霊を降ろす事によって神託を得る者…
…これ位の真実…知る事等造作も無い…」
「ッ!?………なるほど?…だからシャーマンね?…
まぁそれしかないだろうけど…とにかく俺達は争うつもりで来たんじゃない!…
あくまでも俺達は!…」
マサツグが手紙を持っている事を知って居る上でその手紙はアイテムポーチに
有ると!…指摘するようマルティスに指を差されマサツグが驚いて居ると、
マルティスはもう一つの肩書の方の自己紹介をし始める。その際マルティスは
自身の事を降霊呪術師と名乗ると、その詳しい説明をするよう能力について
語り!…マサツグ達の目的を知る位訳無いと続けて話し、アルスからマサツグに
向けてその死んだ魚の様な視線を向けると、思わずその視線にマサツグは
たじろぐ!…この時その目は見れば見る程光が無い事に気が付き、まるで
光を吸い込んで居るかの様に見え!…マサツグもマサツグでそのマルティスの
呼び名を理解した様子で!…慌てて態度を戻すよう納得した反応を見せると、
改めてここに来た目的について話し!…だがその話を最後まで聞く事無く
マルティスが理解して居るばかりに話すと、その用件を先に口にする…
「それも既に心得ておる…汝…
かの樹の上の女王より我らと和平を結びたいと…
使いに来た者達であろう?…」
__どよ!?…ざわざわ!…ざわざわ!…
「ッ!…だったら話は早い!…まずはこの手紙を…」
マサツグ達がここに来た理由についてマルティスは分かって居るとばかりに
簡単に話すと、その話を聞いた他のダークエルフ達は当然戸惑い!…一気に
辺りが騒がしくなっては近くに居た者と話し出し!…反対なのか賛成なのか
とにかく収拾が付かなくなって居ると、マサツグはマサツグで手紙を渡そうと
アイテムポーチを開き出す!…そしてアイテムポーチの中で女王様からの
手紙を見つけると、すかさずマサツグはマルティスに渡そうとするのだが…
マルティスはそんなマサツグに対して徐に手を突き出し…首を左右に振って
受け取りを拒否する様な態度を見せると、意外な理由で受け取りを拒否する。
「……今は良い…また後日話し合うとしよう…」
「ッ!…え?…」
「我は眠い…そう言う重要な話は眠い時に聞くべきものではない…
故に後日…また日を改めてから我が元に来ると良い……
…ベルベッタ?…今日はこの客人達を汝の家に泊めてやれ…良いな?…」
「ッ!?…え!?…は、ハイ!!…」
「……では…」
マルティスは後日話し合おうとだけ口にすると、徐にマサツグに背を向け…
当然そんな態度を見せられた事でマサツグは戸惑い!…手紙を手にその場で
硬直するよう困惑具合を露わにして居ると、更に続けてマルティスは理由を
話し出す。何でもマルティス自身今は凄くお眠らしく、明日にしてくれと…
重要な話故真剣に話がしたいからと改めるよう声を掛け…後日自分の元に
来るようマサツグ達に言葉を口にすると、その場を去る際ふと思い出したよう
ベルベッタに声を掛ける…そして今夜はマサツグ達を泊めて行かせるよう
ベルベッタに命令を下すと、その命令にベルベッタは戸惑った反応を見せ!…
それでも族長の命令は絶対なのか了承し!…そのベルベッタの返事を聞いた
所でマルティスも頼むよう言葉を残すと、本当にその場を去っていく…
残ったのは物見客のダークエルフ達とマサツグ達…困惑するジーナに倒れる
アルスと…とにかくマルティスが去った事で辺りに静寂が訪れ…全員が
如何したものか?と言った反応を見せて居ると、ベルベッタが気を利かせた
様子で声を掛け出す。
「………ッ!?…は、ハイハイ!…今日はみんなも戻って!…
もう日は暮れてる…それ所か夜になってるし!…
また明日でも会えると思うから今日は戻ってぇ~!…」
__ッ!……ざわ…ざわ………ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「……さて!…こっちも家に帰りますか!!…
…で、如何するの?…それ?…」
「ッ!…え?…あっ……
…まぁ気絶させたのは俺だし…しゃ~ない!…」
もう夜だと言う事もあってかベルベッタは解散する様に周りへ声を掛け…
すると周りのダークエルフ達もその言葉に反応するよう…まだ気になる
事が有ると言った様子を見せつつもその場を後にすると、元の自分達の
家へと戻って行く。そのダークエルフ達が自宅に戻って行く後ろ姿は、
ある種火事騒ぎ終了後の様で…その様子にマサツグ達も思わず視線を
向けて居ると、ベルベッタはマサツグ達に付いて来るよう声を掛け!…
同時に倒れているアルスについて顎で指すようマサツグに問い掛けると、
マサツグもそのベルベッタの反応に戸惑っては言葉を漏らす。今だ
地面に寝ているアルスは見事に気絶しており、起きる気配を見せず!…
その様子にマサツグも仕方ないと…自身がやった事にケジメを着けるよう
アルスを抱えると、ベルベッタに案内を頼む!…
「…どっこいしょ!…ふぅ~!……さて?…案内を頼む!…」
「ッ!……はあぁ~…本当はあんまり入れたくないけど…
シャーマンの命令じゃ仕方がないわ…じゃあ付いて来て?…
…あっ!…先に言っておくけど私の家ベッド一つしか無いから!…
悪いけど床で寝て貰う事になるわよ?…」
この時マサツグはアルスを抱える際一々背負うのが面倒なのか、お姫様
抱っこで抱えており…その様子にシロはあっ!…と言いたげな表情を
見せると、マサツグに対して膨れそうになるのだが!…アルスが気絶して
居る事からグッと我慢する様にその出そうになった言葉を飲み込むと、
ジッと耐える!…当然そんな事知らないマサツグは準備が出来たとだけ
ベルベッタに声を掛けると、ベルベッタは面倒臭そうに溜息を吐き…
本音を漏らしつつも案内をし始め!…その際寝床について先に文句を
言われないようマサツグ達へ断りを入れると、マサツグが全員の分の
返事をするよう適当に返す…
「へいへい……はあぁ~…いきなり前途多難!…」
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「……はあぁ~…今日は本当にもう疲れたわ…
言う通りに動いてみればカルチャーショックの連続!…
挙句の果てあんな一触即発なんて!…
…着いたわ…ここが私の家…」
そうして先程のマルティスの様子を思い出すよう溜息を吐くと、マサツグは
今後の事をチラッと考え…やはり予想通り面倒な事になった!と言葉を
漏らし!…項垂れながら全員が疲れた…と言った具合にベルベッタへ付いて
行くと、ベルベッタも疲れたと漏らしては愚痴る様に言葉を続ける…その際
驚き疲れたとマサツグの事を口にすると、続いて先程のアルスの事を口にし!…
それでもちゃんとマサツグ達を自分の家に案内すると、目の前のデカい樹を
指差し…そのベルベッタの言葉に反応するようマサツグ達が顔を上げると、
その目にはやはり巨大な樹が生えて居る様にしか見えないでいた…
「ッ!………やっぱデカい樹だよな?…
…因みに玄関は?…」
「ここよ…ほら…」
もはやセコイアの樹が生えて居る様にしか見えないで居ると、マサツグと
レイヴンはその樹をマジマジと観察し!…だが何処をどう見てもそこには
窓も玄関も無く…本当に人が住めるのか?と言った疑問しか出て来ないで
居ると、思わずマサツグが本音を口にする…そして続けるようベルベッタに
戸惑いつつも質問をすると、ベルベッタは本当に疲れている様子で受け答え!…
マサツグ達に実演するよう何も無い表面に対して手を添え…慣れた様子で
スッと体重を掛ける様に表面を押して見せると、その押した所から突如扉が
出て来るよう境目が出て来る!…
__ガコッ!…キイィ!……ッ!…
「…さぁ、入って…」
「ッ!?…おぉぉ~!!…………………」
「……ほんで二人共?…中さ入らねぇでか?」
押戸なのか扉はそのまま中へ誘うよう開き…ベルベッタも中に入るよう
マサツグ達に声を掛けると、先に自分が樹の中へと入って行く…そんな
まるで魔法の様な仕掛けに思わずマサツグとレイヴンが子供の様に目を
輝かせてしまうと、ただジッとその扉を見詰め!…そんな二人の様子に
オーディックは戸惑い!…立ち止まっている事に困惑した様子で声を
掛けると、マサツグ達はハッとした様子で慌て出す!…
「ッ!?…あぁ、スマン!!…じゃ、じゃあ…」
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…コッ…コッ…コッ…コッ…ッ!!…
立ち往生して居る事にマサツグが謝ると、若干緊張しながらもその樹の
中へと進み!…それに続くようレイヴンとオーディック…シロもブラッド
ファングの背中に乗ったまま樹の中へと入って行くと、一同はその樹の
中の光景を見るなり驚き出す!…中はまるでファンタジー物の小説に出て
来る魔女の隠れ家の様になっており、天井からは少し大きめのランプが
火を灯した状態で吊るされ!…壁には本棚、一階フロア中央に焚火の様な
調理場が設置されて有り…色々と一式家具が揃っている様子が見られては
快適空間が演出されてあった。
「うわあぁ!!…案外広い!!…それに快適空間!!…」
「今ランプを着けたから!…ふあぁ~…あぁ~…
じゃあ明日はシャーマンの所に案内するから…
そのつもりでね?…おやすみぃ~…」
ただ中の様子にマサツグ達が驚いた反応を見せて居ると、二階からベルベッタの
声が聞こえ!…その声に反応してマサツグ達もふと上を見上げ!…そこで竹の
節を中途半端に刳り貫いたよう天井に穴が開いて居る事に気が付くと、そこから
顔を覗かせているベルベッタの姿も見つける。その際ベルベッタはもう寝るとだけ
欠伸をしながら話すと、明日改めて案内すると言い…そのまま二階へと引っ込んで
しまい!…余所者を入れて居るにも関わらず不用心に後の事を任せると、任された
マサツグ達は戸惑い出す!…
「ッ!?…え!?…もう寝るの!?…てかランプ点けっぱって…」
「…明るくしないと寝れないんじゃないのか?…
…まぁとにかく!…やっと一休みだな!…
アルスはそこのソファに寝かせよう…俺達は……」
「…地べただな……まぁ雨風凌げるだけでもマシ!…
とにかく一回腰を下ろそうや…」
ランプの明かりを消す事無くベルベッタは二階へ姿を消し…マサツグ達も丸投げ
された事で戸惑いの言葉を漏らすと、思わずランプの事をツッコみ出す!…
しかし幾ら灯りが点いている事をツッコんだ所でランプの明かりが消される事は
無く、レイヴンももう良い…とばかりに曖昧な推測を口にすると、自分達の事を
気にし始める。その際気絶しているアルスを置いてあるソファに寝かせる事を
決めると、次は自分達の寝床を確保し始めるのだが…当然先程言われていた通り
ベッドなど無く!…地べたで寝るしかない事を改めて確認すると、分かって居ても
ガックリと肩を落とす…さて、それでも雨ざらしじゃ無いだけマシだと言った
様子で気を取り直すと、マサツグはアルスをソファに寝かせ…そして一同は腰を
落とし一息吐き…マサツグも疲れた様子で腰を下ろそうとして居ると、シロが
その様子を見るなり駆け寄って来る!…
__ッ!…ピョインッ!…シュタッ!…テテテテテ!!…ガバァ!!…
「うぉおぉ!?…な、何だ!?…如何した?…」
「……抱っこ!…」
「……へ?…」
「抱っこ!…して欲しいのです!…」
ブラッドファングの背中から飛び降りると、一直線にマサツグへ向かい!…
その際勢い余って頭突きをしない様に速度を緩め!…それでもマサツグの
どてっ腹へ向かい飛び込むようしがみ付きに掛かると、マサツグを驚かせる!…
マサツグも突如飛び付かれた事で奇声を上げると、シロに如何した?と
困惑気味に声を掛け!…その際シロはマサツグの腹部に顔を埋めたまま
一言呟き…そのシロの反応にマサツグが更に困惑した様子で言葉を漏らして
居ると、シロはマサツグに拗ねた様子でおねだりをする。それはまるで
何かに嫉妬した様に聞こえると、シロは埋めていた顔を上げ…すると
そこには案の定頬を膨らましているシロの表情が映っており、そのシロの
表情を見てマサツグが更に困惑した様子を見せると、シロが膨れている
理由について考え出す。
__ぷくうぅ~~!!……
{……へ?…何でこんな膨れてらっしゃる?…俺何かしたっけ?…
いやでも別に怒らせる様な事は何も…だが実際ブン膨れてらっしゃる…
何故?……}
__………ギュッ!…なでなで…なでなで…
{…良く分からんがとにかく抱っこって言ってるんだから抱っこしとくか…
それと頭も撫でておこう…こうすれば徐々に機嫌も直して…}
眼下に有る膨れっ面のシロを見てはマサツグは悩み!…その原因について
色々と思い出すよう思考を駆け巡らせるが、原因…答えが全然出て来ない!…
それでも実際にシロはヤキモチを焼く様に膨れており!…マサツグは
気付かない内に何かやった?…と考えると、とにかく宥める事に徹し!…
その際普通に抱っこ…シロを抱える様にしていつもの様に頭を撫で出すと、
これで機嫌が直る筈と確信するのだが…シロの機嫌はそれでは直らず!…
寧ろ更に膨れた様子でマサツグの顔を見上げ出すと、今にも破裂せん勢いで
顔を赤くしていた!…
__ぷっくううぅぅ~~~!!!…プルプルプルプル!…
「ッ!?…うぇえぇ!?…
今までに見た事の無い位に膨れてらっしゃるぅ!?」
「ッ~~~!!!!…ちぃ~がぁ~う~の~でぇ~すぅ~!!!…」
「ええぇ!?…いつもこうして来たじゃん!!…」
シロと旅をして来て初!…顔を真っ赤にする位膨れて居るシロを見て!…
マサツグがその様子に更なる戸惑い様を露わにすると、同時に言葉も
口にする!…今までこれで宥められた筈!…とショックを受けた様に
驚いて居ると、シロは駄々を捏ねる様にマサツグの腕の中で暴れ出し!…
その際両手を振り上げるとマサツグの鎖骨部分を連打!…マサツグが
その攻撃に怯んだ様子でシロに嘆いて居ると、その光景を見ていた
レイヴン達は思わず苦笑いをする…
「…あはははは…さすがマサツグ…乙女心が分かってない…」
「…んだなぁ?…さすがのオラでも分かっただで…
シロちゃん…膨れとったモンのぉ?…」
「ッ!?…えぇ!?…やっぱ俺が悪いのぉ!?…」
レイヴンはシロが不機嫌な理由を知って居る様子で…マサツグに朴念仁と
言うよう言葉を口にすると、その言葉にオーディックが同意し…シロの
様子を見て居たとばかりに自分も答えを知って居るとマサツグに話すと、
マサツグはその二人の言葉に更なる困惑を覚える!…その際オーディックの
言葉からやはり自分に原因が有るのかと理解すると、シロにポコスカ
殴られながらも考えるのだが!…やはり肝心な所が分からず!…シロに
駄々を捏ねられるよう殴られ続けて居ると、レイヴンが見かねてかヒントを
出す。
「……はあぁ~…あんまり騒ぐなよ?…ここ人ン家だし…
てか分からねぇのか?…アルスを運ぶ際如何抱っこしたよ?…」
「ッ!?…えぇ!?…どうもこうも!!…ただ抱えて!!…ッ!?…」
__ガッ!…ヒョイ!…スッ…
「…こう言う事ね?……てか抱っこの一つや二つでこんな…」
マサツグに呆れた様子で溜息を吐くと、レイヴンは注意をする様にまずは
二人に声を掛け…その上でマサツグにヒントを出すようアルスを引き合いに
出し!…その抱っこの仕方を思い出させる様に問い掛けると、マサツグも
シロからタコ殴りにされながら返事をするのだが…漸く意味を理解したのか
直ぐに実行するようシロの両腕を捕まえると、そのまま持ち上げてはシロを
お姫様抱っこする。するとシロも漸く願望が叶って満足なのか、お姫様
抱っこされた途端に大人しくなるのだが…やはり気付くのが遅かったのか
今だ膨れており!…そのシロの様子を見てマサツグが一緒じゃん!…と
ツッコミを入れて居ると、シロはまた膨れそうになる。その後シロは
暴れる事無くマサツグの腕の中に納まると、スヤスヤと寝息を立て…
マサツグも漸く安堵した様子で一息吐き…脱力するよう壁に背中を預け出すと、
心が安らぐのか寝落ちをするのであった…
因みにシロをお姫様抱っこしている時のマサツグは、まるで慈愛に満ちており…
レイヴン曰くまるで某・聖母の様だと…心成しか後光を背負って居る様に
見えたと話すのであった…
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テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
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ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
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