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-第四章-オータムクラウド国編-
-第四章四十三節 トラップリセットとトコトン奇妙と違和感の連鎖-
しおりを挟むまさかの敵地で一夜を明かし次の日…何事も無く目覚める事に成功すると、
マサツグの腹部はホカホカ!…子供体温のフィロがマサツグにしがみ付く様に
して寝ており!、マサツグもそんなフィロの様子を見て思わずホッコリすると、
珍しく起こすのも酷か?と考えた様子で動き出す!…その際くっ付けたまま
マサツグは行動に移そうとするのだが、両手が開いて居ないと不便なので!…
アイテムポーチからお得意のおんぶ紐を取り出し!…自身とフィロの体をその
おんぶ紐で固定するよう縛ってしまうと、まだ寒い屋敷の中を探索し始める!…
__…シュルシュル……ギュッ!…
「……さて…これでよし!…
じゃあ探索の続きを再開するか…えぇ~っと?…
見取り図によると……あっちか。」
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ッ!…チラッ?…チラッ?…
マサツグは腹にフィロを抱えながら…片手に昨日手に入れた見取り図を持って
部屋を出ると、まずはその気になる部屋に向かおうとするのだが!…その前に
ふとある事に気が付いたよう通路の壁や天井等に目を向け出し!…思わず
その場で固まるよう立ち止まってしまうと、次にはある事で悩み出す!…では
何故いきなり立ち止まってそんな物を見詰め出したのかと言う事なのだが、
その理由は簡単で…
「……これって罠がリセットされてたりするのかなぁ?…」
__……ギッ…ギッ……スゥ……コンコンッ…コンコンッ…
昨日そのマサツグ達が通って来た通路と言うのは見事なまでに荒れており、
荒れていた原因と言うのもその罠のせいで!…しかし今現在その通路は
と言うと綺麗に何事も無く元に戻っており!…誰かが掃除した?…或いは
復元した?…と考えられると、その罠の有無についても否応なしに考え
させられていた!…そしてマサツグとしても確認するよう恐る恐るその
昨日の時点で罠が起動した辺りまでやって来ると、徐に刀で壁や天井を
叩き出し!…とにかく何も起きないかを警戒した様子で確認をして居ると、
それは当然の如くマサツグの前に降って来る!…
__コンコンッ…カチッ…グオン!!…ドシャアアアァァァン!!!…
「ッ!?……やっぱ降って来た!…ギロチンが…
……って事はもう一度解除と言うか…
警戒しながら進まにゃならんのか…ハアァ~…」
何かが作動した様な音が聞こえると次にはギロチン!…マサツグの目の前に
降って来るとそのまま通路を寸断する様にズシャンと!…それこそ廊下へ
減り込む様にして刃が食い込み罠が起動し終えたよう制止すると、マサツグも
その一連の様子を見て悟ってしまう!…そう、一日経つと屋敷中の罠は
元通り!…そしてもう一度警戒しながら歩かないといけないと言う事であり!…
それを悟ってしまった事でマサツグはハアァ~っと溜息を吐き、フィロも
その罠の音で目を覚ましたのかマサツグに抱えられながら徐に喋り出すと、
改めて面倒であると口にする!…
「……やれ面倒な屋敷じゃ…その仕掛けについては興味があるが…
自身がその罠に掛けられる側になると言うのは、不愉快じゃのぉ?…」
「ッ!…あれ?…起きたのか…」
「…あの様に突如デカい物が降って来た様な音が聞こえれば
誰でも目を覚ますじゃろうて……にしても…」
__ギュッ!…グリグリグリグリ!…
フィロは目を覚ますと後ろを振り向き、マサツグにしがみ付きながらギロチンを
確認!…その際フィロはそのカラクリに興味が有るのか気になると口にし!…
しかし自分達がその罠に掛けられて居る側である事に対して不快感を露わにする
と、マサツグもフィロが起きた事で声を掛ける。するとフィロはそのマサツグの
問い掛けに対して若干呆れたよう返事をすると、それとは別に…徐にマサツグへ
しがみ付き直すと顔を押し当てる様にグリグリ!…次には歓喜した様子で恍惚の
笑みを浮かべると、目覚めが良いとばかりに言葉を口にする!…
「あぁ~♥…
愛しき者に包まれながら目を覚ますと言うのは何と甘美な事か!♥…
これがもっと静かに目を覚ませたものなら言う事は無いのじゃが!♥…」
「……残念ながらそんな事を言って居る場合では無さそうだぞ?…
また罠が元に戻ったって事は!…」
「……そうじゃの?…幸いこちらには見取り図が有る!…
それを頼りに罠の位置を知る事も出来るじゃろうが…
気を付けるに越した事は無い!…警戒を怠るでないぞ?」
__ッ!……コクリッ……
誰にも邪魔される事無くマサツグを独占してご満悦!…その際ギロチンに対して
文句を口にし!…だがマサツグとしてはそれ所では無いと!…また一から警戒し
直しである事を改めてフィロに告げると、フィロもそれを重々承知した様子で
返事をする!…だが今回は最初来た時とは違う!と言った具合に話をすると、
そのマサツグの手に握られて居ると見取り図に目をやり!…これが有ればある
程度は回避出来ると!…しかし警戒を怠る事無く先に進むようマサツグに注意を
促すと、マサツグもその言葉に頷いて見せる!…そして…
「………起きた事だし…降ろそう…」
「いやじゃ!♥…」
「………フィロさぁ~ん?…」
「んん~!♥…い・や・じゃ♥…」
「……ハアァ~…しゃ~ない!…
時間も無い事だし!…今は先を急ぐか…」
「ッ!…んふふふふ♪……のじゃあ~♥」
フィロも目を覚ました事で降ろそうと…それこそ自身とフィロを縛っている
おんぶ紐に手を掛けようとするのだが!…フィロはそれを嫌がる様にマサツグに
しがみ付き!…マサツグもしがみ付かれた事で思わずお約束のよう困惑して
固まってしまうと、間を置いたのち再度声を掛ける!…しかしフィロはそれに
対して真っ向から拒否!…自身の顔をマサツグの腹に摺り寄せる様にして甘えると、
マサツグもマサツグでそれに呆れ…仕舞いには別に動きの邪魔になって居る訳
では無い事から結局許し!…フィロもフィロで勝った!とばかりにマサツグへ
甘え続けて居ると、一行はその気になる部屋へと移動する!…
__ギッ…ギッ…ギッ…ギッ…
「……ここがその部屋なんだが……茶室?」
「…その様じゃの?…戸は低いし…他に扉らしき物は見当たらない…
ほんに昔の武家屋敷の様じゃ…」
「……頭打ちそうだなぁ………どれ?…」
見取り図を片手にその部屋の前まで!…当然道中何度も罠が起動しては
マサツグ達に襲い掛かるのだが、その見取り図に書かれて有る回避方法から
難を逃れる事に成功!…無事その目的の部屋・茶室へと辿り着く!…すると
そこは当然の様に低い位置に引き戸が有り、屈まないと入れない様になって
おり!…他に窓や扉と言ったモノは何処にもなく!…中の様子が伺えないで
居ると、フィロは懐かしいとばかりに言葉を呟く!…そしてマサツグも
しても身長的に色々ぶつけそうと言った具合に言葉を口にすると、罠に
警戒したよう引き戸に手を!…一応見取り図には罠等は無いよう書かれて
有るのだが、用心に越した事は無い!と言った具合に引き戸を開けると、
そこには侘び寂びの世界が広がって居た。
__……ガラッ!……そぉ~……ッ!…
「……ふむ…見た所普通の茶室じゃな?」
「あ、あぁ……ッ!…フィロ?…スマンが降ろして良いか?…
お前がつっかえて入られん…」
「なにぃ!?……ッ~~~!!……仕方が無いのじゃ!…」
引き戸を開けるとそこは六畳間、そして奥には床の間があって花が!…それこそ
今日活けたばかりと言った具合に生け花が置かれて有り、中央には炉壺!…
さすがに火は点いてはいないのだが使用感が有り!…マサツグと一緒にフィロが
ヒョコっと覗いて見せると、普通と言う。そして中の様子をある程度見回した
所でマサツグもその茶室に侵入を試みるのだが、ここである問題が!…さすがに
フィロを腹に括り付けたままだと小さな引き戸からだと入れないのか、フィロが
つっかえ!…マサツグもこれには無理だと!…このままだとフィロを潰して
しまう!と気が付いて見せると、フィロに降ろすよう声を掛ける!…するとその
言葉にフィロはピクッと反応!…しかし次には不服そうにしながらも受け入れ!…
マサツグは一度その場で座るとおんぶ紐を解除!…そこで漸くフィロを解放して
見せ、改めて二人でその茶室の中へと侵入すると、見取り図を片手にあるモノを
調べる!…
「…どっこいせ!…っとぉ!……ふぅ~さてさて?…」
「見取り図によればその天袋に何かが隠されて有るのであったな?…
確か隠し扉に繋がる?…」
「その筈なんだが…」
マサツグ達が茶室に入って真っ先に調べたのは床の間!…それも活けてある
花とかではなく天袋!…マサツグとフィロは揃ってその床の間に近付くと
他には目もくれず天袋に!…フィロもチラッと見た程度でしか覚えてないのか
朧気に言葉を口にし!…マサツグもマサツグでそのフィロの言葉に相槌を
打ち!…いざその天袋の戸を開けようとすると、マサツグはある違和感を
覚えた様子で反応する!…
__……クッ…スウゥ……
「ッ!?…嫌な予感!!」
__バッ!!…スウゥ!!…ダアァン!!…
マサツグが感じた違和感とはその天袋の手応え!…その手応えはまるで最初
この屋敷を訪れた時の玄関の様で!…妙に何か引っ掛かりが有る様な!…
とにかく物に対して予想以上に抵抗が有り!…マサツグはハッとした様子で
慌てて天袋から手を放すと!…次の瞬間には何やら刃物が!…それはまるで
ギロチンの様に振って来ては音を立てて床の間に落ち!…その際下にあった
生け花を!…それこそ剣山ごと真っ二つに寸断して見せると、フィロも
驚いた様子で反応する!…
「ッ!?…こ、これは!?……ッ!!…
マ、マサツグ!!…大丈夫かや!?」
「……ッ!?…ヒェッ…」
「ッ!…その反応じゃと無事の様じゃな?……にしても…
…ほぉ~…中々の切れ味じゃな?…鉄の剣山おも真っ二つに!…
これが俗に言う斬鉄剣と言う奴なのかや?」
「……そこに興味を持つのは如何かと思うが…
…これ二回目来ると思う?…」
驚いた反応を見せると同時にマサツグの心配!…マサツグはマサツグで引っ込めた
手を握ってはそのギロチンを見詰め!…あのまま反応出来なかった時の事を考える
と、一人青褪めた表情を見せて居た!…その際一言だけ言葉を口にすると、その
様子からフィロは察したのか!…とにかく無事である事に安堵して見せ!…改めて
その降って来たギロチンに視線を向けると、そのギロチンの鋭さに興味を持つ!…
そしてそんなフィロの様子にマサツグも戸惑いつつ!…改めて先程のギロチンが
一回だけかに疑問を持つと、フィロに質問をする!…すると……
「ッ!…如何じゃろうか?…
正直この手の罠は一度発動するともう終わりと言った気がするのじゃが?…
何分未知数故……そして何よりこれは他に比べて殺意が高い!…
それを物語る様にこの剣山!…見事なまでにパックリ行っておる!…
そして剣山がこうであれば花も器も!…器に関しては面白い事に!…
欠けると言った事無く綺麗に真っ二つに行って居る!…
…これらの点から分かる事が有るとすれば…
余程ここには触れられたくないモノがある!…
その程度の事しか分からんのじゃ!…」
「……だよなぁ?……ッ!……感知!!…」
__ピィーン!!…ヴウン!!…
「……だい…じょうぶ…そう?…反応は見られないな……よし!…」
フィロはマサツグの問い掛けに対して素直な意見を口にする。ギロチンは一度
落とすと刃を挙げない限りは使えないと!…ただそこから追撃が有るかどうか
に関しては分からないと言った具合に語って見せ、この時ギロチンの切れ味
具合から!…とにかくここに触れて欲しくない!様子が伺える事をマサツグに
話し!…その際マサツグに真っ二つになった剣山や花器に指差しその証拠を
見せるよう話を続けると、マサツグもそのフィロの話に納得する!…さて
そんなフィロの話を聞いてマサツグも一旦間をおいてフィロに返事をすると、
分からない時はこれとばかりに!…感知を発動すると床の間全体を見回し
始め!…一応異常が無い事を確認した上で再度その天袋を調べようとすると、
その天袋の引き戸に手を掛ける!…
__……スッ…スウゥ……ッ!…
「…あった!…多分これだな!……よっと!…」
__ガチャッ!!…カタカタカタカタ!!………バフウゥ!…ッ!?…
「ッ!?…な、何じゃ!?……ッ!…
た、畳が浮いて居る?……どれ?……ッ!…」
恐る恐る罠を警戒しつつも天袋を開け!…全開にした所でその中に隠れるよう
何かのレバーが有るのを見つけると、マサツグはそれを動かしてみる!…
それは手前に倒れて居るのを奥に向かって押し倒す様に!…するとレバーは
ガチャン!と音を立てると次には細かくカチャカチャと音を立て出し!…続けて
何かが動いている音が聞こえ続けていると、突如畳の下よりバフン!…何か大きく
風が送られて来てはその畳一枚だけを持ち上げて見せ!…フィロが気が付いた
様子でその浮いた畳に近付き何かを確認すると、そこで床下収納の様な隠し扉を
見つけて見せる!…
「マサツグ!…畳の下に扉が!!…」
「ッ!……て事はビンゴか!……よし!…
見取り図の通りならこの先に座敷牢の鍵が有るって事になってるから…
もう直ぐでこの物騒な屋敷ともオサラバ出来るな!…」
「……それにしても何故この様な?…
奇妙にも微妙な仕掛けを?…」
フィロは若干驚いた様子ながらも目を輝かせ!…マサツグに扉を見つけた事を
報告すると、その報告を受けたマサツグはホッとする!…その際手に持っている
見取り図に再度目を通し出すと、その目的と場所を確認!…如何やらその先には
座敷牢の鍵が安置されて居るらしく!…マサツグももう直ぐでここを出れる!と
言った具合に喜びを露わにして居ると、フィロがある疑問を持つ!…その疑問と
言うのはただ畳が浮いて来るだけのギミックの事で、あの様なトラップが仕掛け
られている事が分からないと!…置いて有るのもただの鍵だけで有りギミック
自体も地味と!…あそこまで殺意がマシマシな理由!…何ならその空気が噴出する
理由についてもただ戸惑った様子で考えて居ると、マサツグがふと思いついた事を
話す。
「……まさかとは思うが…
畳がキッチリ嵌り過ぎてて上げるのに苦労からとかか?…」
「ッ!…くっふふふふ♪…そんなまさか!…
だとしてもこれだけの事で命を奪いにぃ!………
…は、来るか…侵入者を始末する為じゃしな………あれ?…」
マサツグが考えた理由とは単純に!…畳を嵌め込む際その一畳だけを持ち上げる
のが固いからと言うのが理由で有り!…フィロもそんな理由にまっさかぁ~!と
言った具合で笑うと、その罠の度合いを持って否定をしようとする!…だがふと
改めて思い返してみるとその罠の度合いとか関係なく相手はこちらを屠ろうと
して居るのは明確であり!…思わずそのマサツグの言葉云々を抜いて自分の言葉で
否定に入り!…罠を仕掛ける前提としてフィロ自身混乱した様な様子を見せて
居ると、マサツグがそんなフィロを見かねて声を掛ける!…
「…まぁとにかく!…さっさと下に潜って鍵を回収しよう!…
んでもってアヤを救出!…早く戻って事態に備えねぇと!…」
「ッ!…そうじゃの!…では…」
__クッ…キイイイィィィィ!!…
「……真っ暗じゃな?…ちょっと待って居れ?」
マサツグが気を取り直す様に声を掛けると先を急ぐ様に言い!…そしてまだ色々と
やる事が有る事も口にすると、フィロはハッと我に返った様子で返事をする!…
するとフィロは徐にその地下へと続く扉に手を掛けると、持ち上げる様にして
その扉を開き!…次には中の様子を伺うと明かりが一つも無い事に気が付き!…
マサツグに突入するのを待つよう手を突き出し声を掛けて見せると、フィロは
その突き出した手をスッと戻すなり指先に火を灯す…
__……シュポッ!!…コオオオォォ……フッ!…
「ッ!…何をしてるんだ?…って、まぁ見りゃ分かるか…」
「…よし!…今灯りを灯した!…
これで中の様子もシッカリと分かる筈じゃぞ?」
「ッ!…よし!…じゃあ行きますか!…」
まるでライターの火の様に人差し指に火を灯し…その火力を若干上げるよう
火の勢いを強めると、それを撃ち込む様に地下へと飛ばす!…するとその
一連の様子を見てマサツグも疑問を持つと、フィロに何をして居る?と尋ねる
のだが!…やって居る事は既に分かって居るので自己完結!…しかし火を
撃ち込んだ事に対してはやはり理解出来ない様子でその自己完結の言葉も
若干疑問形になって居ると、フィロはマサツグの方へ振り返るなり火が
灯った事を口にする。まるで見たら分かるとばかりにマサツグに手招きを
して笑顔を見せると、マサツグもそれ以上は聞かず!…まさか屋敷を焼く訳が
無いと分かって居るため素直に従い!…フィロに誘われるままその地下へ!…
そこでフィロがやった事を目にするとマサツグは驚き!…フィロはフィロで
マサツグの隣で腕を組みもはやお決まりのドヤ顔をして見せると、胸を張る!…
何故なら!…
__ガッ!…ギイイィィィ!!……
「ッ!?…コイツは!!……なるほど?…
さすがは妖炎の魔王様と言った所か…」
「ふふぅ~ん!…これ位訳ないのじゃ!…」
マサツグの目に映った光景はまるで足元を照らす様に!…フィロが作り出した
狐火は他の物に燃え移る事無く地面に点在!…それも放ったのは一個に対して
いつの間にか無数に!…地下全体に広がるよう分裂しては全体を照らし!…
その座敷牢の鍵が掛かって居る鍵掛の所まで導くよう道を開けると、マサツグ達を
安全にその場所へと誘おうとしていた!…そしてマサツグもそんな光景を目に
して納得したよう言葉を零すと、素直にフィロの事を褒め出し!…するとフィロは
フィロでマサツグに褒められてご満悦模様!…その胸に付いてるメロンを突き
出す様にして更に態度でドヤって見せると、もっと褒めろ!とばかりに尻尾を
振る!…
__パタパタパタパタッ!!……ナデナデナデナデ…
「ッ!…にゅふふふふ!…」
「……じゃあ。行くか!…」
__…ギッ…ギッ…ギッ…ギッ……ッ!!…
宛らその様子はまるで褒められる事を期待して居るシロと何ら変わらないのだが、
マサツグは敢えてツッコミをスルー!…フィロの頭を軽く2~3回撫でるとフィロは
喜び!…マサツグもそれを見て満足したとばかりにそのフィロの様子から気配を
読み取ると、先を進む!…そこで狐火に照らされている階段を音を立てて進んで
行くと、更にそこで妙な!…ちゃんと奥まで覗いて居なかったので気付かなかった
のだが、そこには平均台の様な狭い道が鍵へと続いて居り!…それこそ踏み外せば
ジ・エンド!…そこそこ深めの穴が掘られて有ってはそこにスパイクの様な物が
敷き詰められて居た!…
「……マジかよ!?…何でこんな面倒な事を!?…」
「……余程わっち達を近付かれたくないと見える!…
…どれ?…ここはわっちに任せいマサツグ?…
これ位なら余裕でひとっ跳びじゃ!」
__スッ…カラコロ♪…カッカッカッカッカッ!…ンバ!!…
「……よっと!…ほれゲット!!…
…にしても変わった鍵じゃな?…まるでどこぞの狛狐が銜えて居る…
…まぁそんな事は良いか!…今戻るぅ~!」
当然そんな簡単に取らせる様に出来ていない事にマサツグは驚き!…この時
自分達でも取りに行くのが億劫にならないのか!?と考えてしまうと、
フィロはその光景を見ても顔色一つ変えずに感想を言う!…そして自分なら
余裕と豪語すると、マサツグが許可を出す前に駆けて行き!…次にはこっぽり
下駄を履いて居るにも関わらず大ジャンプをして見せ!…天井スレスレ!…
更には見事対岸の鍵掛の所まで本当にひとっ跳びで到達して見せ!…汗一つ
掻く事無くその壁に掛かって居るカギを回収すると、マサツグに手を振って
アピールをする!…この時その鍵の形状について某・お稲荷さんの狛狐が
銜えている鍵に似て居ると感じると、ふとフィロは何かを感じ…しかし次には
関係無いと!…直ぐに如何でも良くなった様子でマサツグに声を掛けると、
またひとっ跳びに飛んで見せる!…
__スッ…カラコロ♪…カッカッカッカッカッ!…ンバ!!………シュタッ!!…
「…ほれ、これで良いじゃろ?…」
「……せめて俺が許可を出してから行ってくれ!…
幸い罠は無かったようだが…」
「んん~?…罠が無いのは分かって居ったのじゃ!…
伊達に魔王はして居らんよ!……この狐火は少し特殊でなぁ?…
何か可笑しな物…仕掛けが有ると激しく燃えてその危険度や!…
場所を教えてくれる優れモノなのじゃ!…
…まぁこういった隠密にはあまり向いては居らぬが…
それでも見てみぃ?……凪いでおる!…つまりそう言う事じゃ?」
「ッ!……」
これまた同じ様に跳んで見せると見事に着地!…そしてマサツグに近付くなり
回収して来た鍵を渡し!…その際不敵に笑うとマサツグにウィンクをして見せ!…
マサツグもそんなフィロの様子に戸惑いつつ注意の言葉を口にすると、フィロは
大丈夫とばかりに返事をする!…何でもフィロが言うにはその狐火には特殊な
能力が有るらしく、「感知」の役割を持って居ると!…そしてその探知能力に
関しても絶対的自信を持って居り、今もなお灯って居る狐火を指差し!…
その反応が見られない事を笑いながらマサツグに説明をすると、そんなフィロの
説明にマサツグは更に戸惑ってしまう!…さて一方的に言い負かされた様な
気分になってしまいつつもとにかく無事に鍵を入手した事で、マサツグ達は
その場を後に!…地下を後にするとそのまま茶室も出て行き!…今度はその
座敷牢の有る地下へと!…また違うルートからの潜入を試み!…今度は何の
小細工も無しに!…罠を掻い潜りつつその地下へと下って行くと、そこで件の
座敷牢を見つける!…
__ギッ…ギッ…ギッ…ギッ……
「……ッ!!!…ア、アヤ!!!…無事か!?」
見つけた座敷牢にはアヤが一人!…身動き一つ見せる事無くその場に倒れて
居り!…すると当然そんなアヤの様子を目にしたマサツグは慌て始め!…
驚き戸惑った様子でアヤに向かい声を掛けるのだが、アヤからの返事が返って
来る事は決してないのであった!…となるとこれには勿論マサツグも更に
慌てて見せると、直ぐにアヤの救出に向かい始めるのだが!…この時フィロ
だけは何かに気が付いた様子でその光景を見て居り!…マサツグ一人だけに
アヤの救助へ行かせると、何故か距離を取って見せて居た!…
「ッ!………。」
__ザッザッザッザッ!!…
「待ってろ!!…直ぐに開けてやるからな!?」
__カチャ!…カチャカチャ!……ガチャン!!…ギイイィィ!!…
ただ何も言わないままマサツグを見守り!…その手に何故か炎を纏わせると、
フィロは静かに臨戦態勢へ入り出す!…しかしそんな事など知らないマサツグは
慌てた様子で座敷牢に駆け寄ると、次にはアヤに大丈夫とばかりに声を掛け!…
慌てた様子ながらも牢の鍵を手早く開け!…慌てて牢の中に駆け込みアヤを抱き
起そうとすると、次にはマサツグも気が付いた様子で反応する!…しかし!…
「アヤ!!…大丈…ッ!?…」
__ガッ!!…ババッ!!…
「……怖かったよぅ!!…」
「ッ!?………」
マサツグが違和感に気が付いた時には既に遅く!…アヤは飛び起きるとマサツグに
しがみ付き!…次にはか細く気弱な声で怖かったと!…アヤにしては珍しい弱音を
吐くよう言葉を口にすると、安心感を得る為かマサツグの事を抱き締め始める!…
その際密着するようアヤはマサツグをギュッと抱き締めに掛かるのだが、この時
マサツグは更にある違和感を覚え!…ただ抱き締められて居る事で驚き戸惑い!…
フィロとしてもそんな様子が許せない!と…更にその纏った炎の勢いを強くして
居ると、突如として場面はガラッと変わる!…
「……そこまでだ!!…侵入者!!!」
__ッ!…バッ!!…バババッ!!!…
「…男一人に幼女一匹……フッ!…
そんな重そうな装備をジャラジャラと!…
よくもまぁここまで侵入出来たモノだ!…」
マサツグ達が入って来た階段の方から突如声が!…その声は明らかにマサツグ達に
対して敵意を見せ!…マサツグとフィロも反応したよう機敏に振り返ってその声の
正体を確認すると、そこでくノ一達の姿を目撃する!…この時そのくノ一達の
様子に目を向けるとその中にはあの時盗み聞きした連中も交じっており!…顔半分を
隠す様にマスクをしては苦無や手裏剣を構え見せ!…そして改めてその侵入して来た
連中を確認するよう頭目格がマサツグ達の様子に目を向け始め!…マサツグ達の
装備やナリ!…色々な事に対して馬鹿にするよう言葉を口にして居ると、マサツグも
見つかった事に危機感を覚える!…
「ッ!?…更に面倒な事になった!!…」
「ッ!?…マサツグその女を捨て置け!!…
ここは強行突破に!!…」
「ッ!…プッ!…クハハハハハハ!!!…
…へえ?…出来ると思って居るのかい?…
もうお嬢ちゃんの相方は捕まった様なモンなのにサァ!?」
__……スッ……ピタッ…つぅ……
「ッ!?…マサツグ!!!」
マサツグも囲まれた事に気を向けるとアヤに背を向け!…フィロもアヤの事を
放って置く様に声を掛けると、その臨戦態勢をくノ一達に向ける!…この時
自分達だけでも!と強行策に出るようマサツグに訴え出すのだが、そのフィロの
話を聞いた頭目は笑い!…この時その周りに居たくノ一達も静かに笑い!…
フィロを挑発する様に頭目が出来る訳が無いと口にすると、その理由に捕まって
いるからと話し出す!…となるとその頭目の言葉にフィロもピクっと反応すると、
慌ててマサツグの方に振り返り!…するとそこには首筋に苦無を!…まるで
人質に取られたようアヤに拘束されているマサツグの姿を見つけると、フィロは
マサツグが捕まった事に叫ぶのであった!…
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英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
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ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
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