9 / 43
第一部
詰問
しおりを挟む
「ストラリアの姫――アキナだと?」
「ええ」
アキナは、自信に満ちた表情で頷く。
たしかに、過去にやってきた2組の勇者達は、それぞれ、姫を返せとかなんとか言っていた記憶がある。
しかし、別に、俺は姫をさらったりはしていなかったし、なぜ、そのようなことを言われたのかが不思議だった。
そして、今、その姫が目の前に居る。これはどういう状況なのだ。
考えていても始まらない。本人に問うしかあるまい。
「なにゆえ、そこに居る」
アキナは、きょとんとした顔で言う。
「なにゆえって……。あなたに言われた通り、隣の部屋で、ちょっと休憩しようと思ったんだけど、部屋がいっぱいで、入れなそうだったんで、ここで休憩がてら、この子達と遊んでたの。駄目だったかな」
やはり、先ほどの魔物の群れに紛れていたのか。しかし、俺が知りたいのは、そういうことではないのだ。
俺は、おそらく意識的に、重要な問題を先送りにするべく、玉座の間の隣室を覗き込んでみた。
たしかに、そこは満員のすし詰め状態であった。これは、俺の見積もりミスだ。これでは、旅の疲れを癒やすどころではないかもしれない。魔物達に、旅の疲れなどというものがあるのかどうかも分からないが。
俺は、アキナに向き直って言う。
「後ほど、隣室を拡張するか、新しい部屋を増やすこととしよう」
「ありがとう。この子達も喜ぶと思うわ」
アキナは、そう言って、嬉しそうに笑うと、手近に居た、アキナとほぼ同サイズの、猫っぽい魔物を撫でた。
なんで、こいつは、魔物の保護者面をしているのだろう。
俺は、自分をしっかりと持って、改めて問う。
「私が聞きたいのは、なにゆえ、人間であるお前が、魔物に混ざって、こんなところに居るのかということだ」
魔物に抱きついて、もふもふ具合を楽しんでいたアキナは、小さく、クスッと笑って言った。
「そう言われてもねえ。この子達、こんなに可愛いし」
俺は、玉座の肘掛けを、右手で軽く叩いて言った。
「ひとと話すときは、こちらを見て話すように!」
「あはは。変なの。人間臭い魔王様ね」
アキナは、魔物に抱きつきながら、顔だけをこちらに向けた。
「お前の狙いはなんだ」
猜疑心を隠さずに放った俺の言葉で、アキナの目に、かすかに怒りの色が浮かんだように見えた。
「さっきから質問ばかりだけど、むしろ、わたしのほうが聞きたいわ。あなた、なんで、わたしをさらいに来ないの!」
言われて、俺は、しばし固まった。
「お前をさらって、私に、何かメリットがあるのか?」
「そんなこと知らないわよ。でも、魔王は、姫をさらうものでしょう?」
俺は、ブランに目配せをして、小声で言った。
「ちょっと、超空間に付き合ってくれ」
「かしこまりました」
玉座の間が色褪せ、目の前から、魔物とアキナの姿が消えたことが、超空間へ入った事実を示していた。俺の横には、すでにブランが立っている。
ここでなら、時間をかけて相談し放題だ。
「ひとつ聞きたい」
「はい。何なりと」
「姫をさらって、何かメリットがあるのか?」
俺は、昔から不思議でしょうがなかったのだ。RPG の魔王は、なぜ、姫をさらうのか。姫が、特殊な能力を持っていて、その能力を勇者に使わせないため、などの理由があれば、まだいい。
しかし、大抵の場合、そんなことはなくとも、魔王は姫をさらうのだ。そして、姫に何をするわけでもなく、そこそこいい部屋を与えて、勇者が来るまでほったらかしだ。
神妙な面持ちでブランが答える。
「姫が、何か能力を持っている場合は、メリットがありますが――」
やはり、そう来た。俺は、ブランの言葉を遮って聞く。
「そうでない場合は?」
「私の知る限り、実質的なメリットはありません」
俺は、ブランの物言いに、何かひっかかるものを感じた。
「実質的じゃないメリットはあるのか?」
しばらく間をおいて、ブランが答える。
「その……魔王様の、趣味であったりとか」
これはまた、ずいぶんと予想外の返答が来た。趣味だと?
「どういうことだ」
「ある魔王様は、おさらいになった姫に、豪華な寝室を用意され、その寝室に、足繁く通っておりました」
「それは、いくらなんでも、私情を持ち込みすぎではないのか」
「私は、それに意見ができる立場ではございませんので。ですが、そのような魔王様には、その翌朝に、ゆうべはお楽しみでしたね、と言って差し上げるのが、私にできるせめてもの抵抗でした。実際のところ、魔王様が、何をされていたのかは存じ上げませんが」
「そんなことのために、苦労して、姫をさらうのか」
「実は、その辺りは、人間との利害が一致していると言いますか、さらうこと自体は簡単なのです」
「どういう意味だ」
「人間どもは、名誉や名声を気にします。何かにこじつけて、勇者を生み出すのと同様、姫も、魔王様にさらわれたという事実があれば、世界にとって重要な存在であるという、はくが付きます。さらに、魔王様が倒された後には、伝説の勇者に救出され、そのまま結婚という流れも多く、いろいろとメリットが多いのかと」
俺は、その言葉の意味を理解するのに、少し時間がかかった。
「今の話からすると、王が、意図的に、姫をさらわせているということか」
「さようです。姫自身の意志であることも多々あります。大抵の場合、姫は、さらわれやすい環境下に置かれ、魔物にさらわれるのを、今か今かと待っているのです。しかし、今回の場合、フルグラ様が、一向におさらいにならないので、姫が、自分の足で魔王城まで出向くという、前代未聞の事態になったわけです」
なんか、俺が悪いみたいな言い方に聞こえるが、まあいい。
「元の空間に戻るとしよう」
視界のあらゆる色が濃くなり、魔物とアキナの姿が現れる。彼らからすると、俺とブランの姿は、ほんの一瞬だけ点滅したようにでも見えているのだろうか。
俺は、しばし、間をおいてから、アキナに言った。
「帰るがよい」
「はあ? ちょっと待ってよ。わたし、わざわざここまで来たのに、帰れって、ひどすぎない?」
「悪いことは言わない。帰ったほうがよい。親御さんもさぞ、心配しているだろう」
「のこのこと帰ったほうが心配されるわよ!」
帰ったほうが心配されるとは、どういう親なのだ。
「お前がここに居ても、私にはなんのメリットもないのだ」
「メリットがないって、失礼じゃない?」
「事実だ。それに、お前がここに居ても、やることは何もない。きっと退屈だぞ」
「この子達のお世話するよ?」
アキナは、歯を見せて、ニカッと笑った。
彼女の周囲の魔物も、なんだか、期待を込めた眼差しを、俺に向けているように見える。
どうしたものかと悩んでいるところで、遠くから、デスデスの声が聞こえた気がした。
「あ、コラ! 待つデス!」
しまった。魔王城は、多少の迷路化はしたものの、魔物の配置はまだ済んでおらず、道中には、デスデスしか居ないのだ。
そして、この声が聞こえたということは――。
俺は、玉座の前の魔物達に言った。
「そこは危険だ。玉座の後ろに避難しろ」
魔物の群れとアキナが、ざわざわと移動していく。
程なくして、扉が開き、勇者御一行様が姿を現した。見たことがある顔だ。
「俺は、勇者 ああああ! 今度こそ、姫を返してもらうぞ!」
意気込む勇者に対し、俺が声をかけるまえに、アキナの大音声がこだまする。
「ああああ様、助けてください! わたしはここです」
俺はびっくりして声も出なかったが、かえって、それが幸運だったというべきだろう。もし声が出ていたら、魔王らしからぬ、素っ頓狂を声を上げていたに違いないからだ。
アキナを見た、ああああが言う。
「姫! あなたは、どちらの姫様ですか?」
「ストラリアのアキナです」
アキナが、両手で、スカートの裾をつまみ、軽く持ち上げながら答えた。
ああああは、俺に向き直って言う。
「姫は、あんなに魔物に囲まれて、ここに閉じ込められていたのか! 魔王、貴様を倒して、姫を取り戻す」
2人のやりとりに、若干、不安なものを感じつつも、俺は、はっきり言ってやることにした。
「連れて帰ってよいぞ」
「なんだと?」
「連れて帰ってよい、と言っているのだ」
俺は、どうぞ、と言わんばかりに、開いた、両の手の平を上に向けて、軽く差し出した。
ああああは、明らかに戸惑っていた。アキナは、一瞬だけ仮面のように無表情になったかと思うと、突然、悲しげな表情を浮かべ、両手を胸に当てて言った。
「いけません。わたしには、魔王の呪いがかけられているのです。このまま、わたしを連れて帰れば、ああああ様をはじめ、町のみなさまに、大変な厄災が降りかかります! この呪いを解くためには……魔王を倒すしかないのです」
「なんと」
ああああは、驚きで、開いた口が塞がらないようだ。
俺も、開いた口が塞がらない。
なんだって! いつの間にそんな呪いが!
いや、この女のデタラメにきまっている。
「おのれ、卑劣な!」
奇しくも、俺と勇者の口から、同じ言葉が飛び出した。
勇者が剣を構える。
俺は、真空波を飛ばす。
「ぎゃん!」
勇者達の身体はバラバラになり、パーティは全滅し、例によって死体は消え去った。
アキナのほうから、「よっわ」という声が聞こえて気がしたが、おそらく、気のせいだろう。
俺は、アキナに向かって言った。
「お前、どういうつもりだ」
「あーあ、わたし、あなたの呪いのせいで、帰れなくなっちゃった」
そう言って、アキナはニヤリと笑った。
「ええ」
アキナは、自信に満ちた表情で頷く。
たしかに、過去にやってきた2組の勇者達は、それぞれ、姫を返せとかなんとか言っていた記憶がある。
しかし、別に、俺は姫をさらったりはしていなかったし、なぜ、そのようなことを言われたのかが不思議だった。
そして、今、その姫が目の前に居る。これはどういう状況なのだ。
考えていても始まらない。本人に問うしかあるまい。
「なにゆえ、そこに居る」
アキナは、きょとんとした顔で言う。
「なにゆえって……。あなたに言われた通り、隣の部屋で、ちょっと休憩しようと思ったんだけど、部屋がいっぱいで、入れなそうだったんで、ここで休憩がてら、この子達と遊んでたの。駄目だったかな」
やはり、先ほどの魔物の群れに紛れていたのか。しかし、俺が知りたいのは、そういうことではないのだ。
俺は、おそらく意識的に、重要な問題を先送りにするべく、玉座の間の隣室を覗き込んでみた。
たしかに、そこは満員のすし詰め状態であった。これは、俺の見積もりミスだ。これでは、旅の疲れを癒やすどころではないかもしれない。魔物達に、旅の疲れなどというものがあるのかどうかも分からないが。
俺は、アキナに向き直って言う。
「後ほど、隣室を拡張するか、新しい部屋を増やすこととしよう」
「ありがとう。この子達も喜ぶと思うわ」
アキナは、そう言って、嬉しそうに笑うと、手近に居た、アキナとほぼ同サイズの、猫っぽい魔物を撫でた。
なんで、こいつは、魔物の保護者面をしているのだろう。
俺は、自分をしっかりと持って、改めて問う。
「私が聞きたいのは、なにゆえ、人間であるお前が、魔物に混ざって、こんなところに居るのかということだ」
魔物に抱きついて、もふもふ具合を楽しんでいたアキナは、小さく、クスッと笑って言った。
「そう言われてもねえ。この子達、こんなに可愛いし」
俺は、玉座の肘掛けを、右手で軽く叩いて言った。
「ひとと話すときは、こちらを見て話すように!」
「あはは。変なの。人間臭い魔王様ね」
アキナは、魔物に抱きつきながら、顔だけをこちらに向けた。
「お前の狙いはなんだ」
猜疑心を隠さずに放った俺の言葉で、アキナの目に、かすかに怒りの色が浮かんだように見えた。
「さっきから質問ばかりだけど、むしろ、わたしのほうが聞きたいわ。あなた、なんで、わたしをさらいに来ないの!」
言われて、俺は、しばし固まった。
「お前をさらって、私に、何かメリットがあるのか?」
「そんなこと知らないわよ。でも、魔王は、姫をさらうものでしょう?」
俺は、ブランに目配せをして、小声で言った。
「ちょっと、超空間に付き合ってくれ」
「かしこまりました」
玉座の間が色褪せ、目の前から、魔物とアキナの姿が消えたことが、超空間へ入った事実を示していた。俺の横には、すでにブランが立っている。
ここでなら、時間をかけて相談し放題だ。
「ひとつ聞きたい」
「はい。何なりと」
「姫をさらって、何かメリットがあるのか?」
俺は、昔から不思議でしょうがなかったのだ。RPG の魔王は、なぜ、姫をさらうのか。姫が、特殊な能力を持っていて、その能力を勇者に使わせないため、などの理由があれば、まだいい。
しかし、大抵の場合、そんなことはなくとも、魔王は姫をさらうのだ。そして、姫に何をするわけでもなく、そこそこいい部屋を与えて、勇者が来るまでほったらかしだ。
神妙な面持ちでブランが答える。
「姫が、何か能力を持っている場合は、メリットがありますが――」
やはり、そう来た。俺は、ブランの言葉を遮って聞く。
「そうでない場合は?」
「私の知る限り、実質的なメリットはありません」
俺は、ブランの物言いに、何かひっかかるものを感じた。
「実質的じゃないメリットはあるのか?」
しばらく間をおいて、ブランが答える。
「その……魔王様の、趣味であったりとか」
これはまた、ずいぶんと予想外の返答が来た。趣味だと?
「どういうことだ」
「ある魔王様は、おさらいになった姫に、豪華な寝室を用意され、その寝室に、足繁く通っておりました」
「それは、いくらなんでも、私情を持ち込みすぎではないのか」
「私は、それに意見ができる立場ではございませんので。ですが、そのような魔王様には、その翌朝に、ゆうべはお楽しみでしたね、と言って差し上げるのが、私にできるせめてもの抵抗でした。実際のところ、魔王様が、何をされていたのかは存じ上げませんが」
「そんなことのために、苦労して、姫をさらうのか」
「実は、その辺りは、人間との利害が一致していると言いますか、さらうこと自体は簡単なのです」
「どういう意味だ」
「人間どもは、名誉や名声を気にします。何かにこじつけて、勇者を生み出すのと同様、姫も、魔王様にさらわれたという事実があれば、世界にとって重要な存在であるという、はくが付きます。さらに、魔王様が倒された後には、伝説の勇者に救出され、そのまま結婚という流れも多く、いろいろとメリットが多いのかと」
俺は、その言葉の意味を理解するのに、少し時間がかかった。
「今の話からすると、王が、意図的に、姫をさらわせているということか」
「さようです。姫自身の意志であることも多々あります。大抵の場合、姫は、さらわれやすい環境下に置かれ、魔物にさらわれるのを、今か今かと待っているのです。しかし、今回の場合、フルグラ様が、一向におさらいにならないので、姫が、自分の足で魔王城まで出向くという、前代未聞の事態になったわけです」
なんか、俺が悪いみたいな言い方に聞こえるが、まあいい。
「元の空間に戻るとしよう」
視界のあらゆる色が濃くなり、魔物とアキナの姿が現れる。彼らからすると、俺とブランの姿は、ほんの一瞬だけ点滅したようにでも見えているのだろうか。
俺は、しばし、間をおいてから、アキナに言った。
「帰るがよい」
「はあ? ちょっと待ってよ。わたし、わざわざここまで来たのに、帰れって、ひどすぎない?」
「悪いことは言わない。帰ったほうがよい。親御さんもさぞ、心配しているだろう」
「のこのこと帰ったほうが心配されるわよ!」
帰ったほうが心配されるとは、どういう親なのだ。
「お前がここに居ても、私にはなんのメリットもないのだ」
「メリットがないって、失礼じゃない?」
「事実だ。それに、お前がここに居ても、やることは何もない。きっと退屈だぞ」
「この子達のお世話するよ?」
アキナは、歯を見せて、ニカッと笑った。
彼女の周囲の魔物も、なんだか、期待を込めた眼差しを、俺に向けているように見える。
どうしたものかと悩んでいるところで、遠くから、デスデスの声が聞こえた気がした。
「あ、コラ! 待つデス!」
しまった。魔王城は、多少の迷路化はしたものの、魔物の配置はまだ済んでおらず、道中には、デスデスしか居ないのだ。
そして、この声が聞こえたということは――。
俺は、玉座の前の魔物達に言った。
「そこは危険だ。玉座の後ろに避難しろ」
魔物の群れとアキナが、ざわざわと移動していく。
程なくして、扉が開き、勇者御一行様が姿を現した。見たことがある顔だ。
「俺は、勇者 ああああ! 今度こそ、姫を返してもらうぞ!」
意気込む勇者に対し、俺が声をかけるまえに、アキナの大音声がこだまする。
「ああああ様、助けてください! わたしはここです」
俺はびっくりして声も出なかったが、かえって、それが幸運だったというべきだろう。もし声が出ていたら、魔王らしからぬ、素っ頓狂を声を上げていたに違いないからだ。
アキナを見た、ああああが言う。
「姫! あなたは、どちらの姫様ですか?」
「ストラリアのアキナです」
アキナが、両手で、スカートの裾をつまみ、軽く持ち上げながら答えた。
ああああは、俺に向き直って言う。
「姫は、あんなに魔物に囲まれて、ここに閉じ込められていたのか! 魔王、貴様を倒して、姫を取り戻す」
2人のやりとりに、若干、不安なものを感じつつも、俺は、はっきり言ってやることにした。
「連れて帰ってよいぞ」
「なんだと?」
「連れて帰ってよい、と言っているのだ」
俺は、どうぞ、と言わんばかりに、開いた、両の手の平を上に向けて、軽く差し出した。
ああああは、明らかに戸惑っていた。アキナは、一瞬だけ仮面のように無表情になったかと思うと、突然、悲しげな表情を浮かべ、両手を胸に当てて言った。
「いけません。わたしには、魔王の呪いがかけられているのです。このまま、わたしを連れて帰れば、ああああ様をはじめ、町のみなさまに、大変な厄災が降りかかります! この呪いを解くためには……魔王を倒すしかないのです」
「なんと」
ああああは、驚きで、開いた口が塞がらないようだ。
俺も、開いた口が塞がらない。
なんだって! いつの間にそんな呪いが!
いや、この女のデタラメにきまっている。
「おのれ、卑劣な!」
奇しくも、俺と勇者の口から、同じ言葉が飛び出した。
勇者が剣を構える。
俺は、真空波を飛ばす。
「ぎゃん!」
勇者達の身体はバラバラになり、パーティは全滅し、例によって死体は消え去った。
アキナのほうから、「よっわ」という声が聞こえて気がしたが、おそらく、気のせいだろう。
俺は、アキナに向かって言った。
「お前、どういうつもりだ」
「あーあ、わたし、あなたの呪いのせいで、帰れなくなっちゃった」
そう言って、アキナはニヤリと笑った。
0
あなたにおすすめの小説
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる