11 / 43
第一部
閑話
しおりを挟む
ストラリアの町から脱出したミキモト達は、木陰で、のんびりと相談をしていた。
「さて、とりあえず、ストラリアの町からは出られたけど、これから、どうしようかね」
「やはり、別の町を目指すのがよろしいかと。武器屋や、宿屋がないと困りますし」
レイジィは、人差し指を頬に当てながら答えた。
「ストラリア、いろいろ見て回ったけど、結局、何も、買ってないし」
リージュが、唇を尖らせて、それに続く。
「あたいら、1ゴールドたりとも持ってねえからな。旅の準備なんて、なんもできてねえぜ」
アイドラが、自分の胸を、ドン、と叩いて自信ありげに言う。
ミキモトは、顔を引き締めて言う。
「よし。じゃあ、まずは町を目指そう! で、近くに、別の町ってあるんだっけ?」
パーティメンバー達が、怪訝な顔になる。
「北に、町があるって……誰か言ってた気がする」
「たしか、メルボンって町だったはずだぜ」
「おおー。みんな、よく覚えてるな」
「町の人の話は、よく覚えておいてください。冒険の基本ですよ。……と町のかたがおっしゃっていたではないですか」
レイジィに言われたミキモトは、何かを思い出そうと、左斜め上を見ながら言う。
「んー、そんなこと言ってたっけか」
「それも、覚えていらっしゃらないのですか……」
「まあ、みんなが覚えてくれてるからいいじゃん」
「うう……。ぼく、次からは、もっと真剣に聞いておくようにする。不安」
「あたいが、しっかり聞いておくから、任せておきな!」
ミキモトは、再び、ストラリアの町のほうへと目をやり、上空に影がないことを確認してから、言った。
「ストラリアの、あの出口は、町の西側のはずだから、北は、だいたいこっちだな」
目見当で北を確認し、移動を開始したミキモト達は、間もなく、慌ただしい足音が、南から迫ってくるのを耳にした。
その足音は、赤茶の虎縞模様を、うねらせながら疾走する、巨大なネコ、2匹が立てている音であった。
その姿を捉えたレイジィが、落ち着き払った声で言う。
「あれは、ドラキャットという魔物ですわ。比較的おとなしくて、頭を撫でると、ゴロゴロと音を鳴らしたりするのです」
「なんだ。まるっきり、でかいネコじゃないか。危険はないのか?」
「首に噛みついて、人間を殺すのを得意としている魔物ですわ」
「そっちの情報を、先に言ってくれ!」
ドラキャット達は、一目散に、ミキモト達のほうへと走り寄ってくる。
「くっ。戦闘か」
ミキモトは、腰に指した棒に、手を伸ばしかけたが、結局、棒を抜くことはなかった。ドラキャット達は、襲いかかってくることなく、ミキモト達の側を通り過ぎ、そのまま北に走り去ってしまったからだ。
ぽかんとして、ドラキャット達の背中を見送る4人。
「なんだったんだ、今のは」
「不思議ですね。わたくし達が、美味しそうに見えなかったのでしょうか」
「っていうか、レイジィは、なんで、あの魔物の情報を知ってるんだ」
「レイジィ、物知り」
「あたいも、あんなネコ、初めて見たぜ」
「じ、実は、わたくし、多少は、魔物についての知識がございまして」
「いいね。頼りになる」
言いながら、ミキモトが辺りを見回すと、あちらこちらで、魔物らしきものが、みな、先ほどのドラキャット達と、同じ方角に向けて移動している様子が見えた。
「あれは、何が起きてるんだ?」
ミキモトがレイジィに問うと、リージュとアイドラも、期待を込めた目でレイジィを見る。
「そ、そんな目で見られても困ります。それほど、詳しいわけではございませんので」
「そっか。俺らは、とりあえず、メルボンの町へ向かおう」
数時間後、ミキモト達は、無事、メルボンの町に着いていた。
「いやー、着いた着いた」
「びっくりするくらい、何も起こりませんでしたわね」
「結局、1回も、戦闘してない」
「まあ、何も起きないに、こしたことはねえじゃねえか」
ミキモトは、町の入り口に立っている男性に話しかけてみた。
「あの、すみません」
「ここは、メルボンの町だぜ!」
「あ、ありがとうございます」
「いいってことよ!」
ミキモトは、パーティメンバーに向けて言った。
「ちゃんと、メルボンの町であることが確認できた」
「おつとめ、ご苦労様です」
「では、これより、俺の独断により、武器屋に行きたいと思う!」
「な、なぜ武器屋なのでございますか」
「やっぱり、武器は男のロマンじゃん?」
町の入り口からすぐのところにある、木造の建物の1階に武器屋があった。店内には、武器だけでなく、防具も展示されており、武器屋とはいうものの、装備品全般を扱っているようだ。
ミキモト達は、武器屋に着くと、店内の装備品を見て回った。
鉄の剣を見ながら、ミキモトが言う。
「モヘジが使っていたのは、この剣かあ」
ミキモトは、値札に、ちらりと目をやる。
「うげ。800ゴールドか。モヘジのやつ、頑張って貯めたんだなあ」
ふと、ミキモトが視線を横にやると、リージュが、つまらなそうにしているのが見えた。
「リージュ、どうした?」
「ぼく、武器防具、あまり使えないから……」
「あ、ごめん。リージュには退屈だったか」
言いながら、ミキモトは店内の装備品を見回した。
「でも、ほら。あそこにある、拳法着はリージュ用じゃないか?」
「え……」
拳法着を見つけたリージュの目は、みるみる、輝きを増した。
「カッコいい……。あれ、欲しい。着てみたい」
ミキモトは値札を見る。
「500ゴールドかあ。あれ? 俺ら、今、なんゴールド持って――」
「1ゴールドも持ってねえってば!」
言いかけたミキモトを、アイドラが鋭く遮った。
「あたい達は、まだ、魔物1匹、倒してねえんだぜ」
ミキモトは、アゴに手を当てて、少し考えるような仕草をしてから言った。
「よし。じゃあ、ゴールドが貯まったら、最初に、リージュの拳法着を買おうな」
「……いいの?」
「まあ、ミキモト様が、そうおっしゃるのでしたら」
「あたいの装備は、後回しで良いぜ。主力じゃねえからな」
「約束だ。リージュ」
「忘れちゃ、嫌だよ」
「俺が、約束を忘れるわけないだろう」
その後、ミキモト達は、町の中をひと通り回ると、ゴールドを稼ぐために、外に出た。
「さて、気は進まないけど、魔物を倒すか」
「気を引き締めてまいりましょう」
「さっきのドラキャットとは、戦いたくないな」
「なぜですか?」
「あんな、かわいい魔物を、棒で殴る気にはなれない。向こうから襲ってくるならともかく、積極的に戦いたくはないなあ」
「……ぼくも」
「おいおい。そんな甘いこと言ってて大丈夫かよ」
ミキモト達は、数日かけて、メルボンの周りを歩き回った。
「魔物、1匹も出ないけど、どうなってるんだ?」
「わたくしにも、分かりません」
「もう一回、町の人に話を聞いてみるか」
町の中に入り、ミキモトは、そこら中の人に声をかけて回った。
「最近、町の周りから、魔物がいなくなったんだ」
「平和になって助かったよ」
「これなら、俺らでも、気軽に外に出られるぜ」
人々は、みな、魔物が居なくなったことを、口々に喜んだ。しかし、武器屋の主人は違った。
「ここ数日、全然、装備が売れねえんだよ」
荒ぶる主人に、ミキモトは言う。
「魔物が出ないんじゃ、ゴールドも稼げないし、そもそも、装備を買う必要がないもんね」
「そうなんだよ! 武器屋なんて商売上がったりだぜ!」
怒りの収まらない主人を、レイジィがなだめようと、言う。
「し、しかし、魔物が居なくなったこと自体は、素晴らしいことではないでしょうか。町のみなさまも、平和になった、と喜んでおられましたし」
「おい、お嬢さん。知ったふうな口、利くなよ。俺はな、装備が売れれば、なんだっていいんだよ。魔物、大歓迎だね!」
「おお、この人、危険思想の持ち主……」
「おいおい、おっさん。そういうことは、思ってても、口に出さないほうがいいぜ」
ミキモト達は、武器屋を後にし、道具屋と宿屋を訪ねてみたが、両店とも、武器屋と同じような状況で、同じような文句を言っていた。
「魔物は、居なくなったら居なくなったで、大変なのですね」
「魔物も、役立つ、のかな」
「平和を喜べないってのは、なんだか悲しいねえ」
「アイドラの言う通りだと思う。店の主人達は、なんで、そんなにゴールドがほしいのかね」
きょとんとするパーティメンバー達に対して、ミキモトは続ける。
「だって、別に、ゴールドなんて、なくたって生きていけるじゃないか。平和よりも、ゴールドを優先する理由ってなんだろう」
「それは、仕入れの際に使ったゴールドを回収する必要があったりですとか、そういった事情があるのではないでしょうか」
「拳法着が、欲しい、とか」
「元手を稼いでから、カジノで一発勝負だろ!」
「うーん。そんなもんかね」
その後も、ミキモト達は、しばらくの間、メルボンの周辺を探索してみたが、やはり、魔物1匹おらず、1ゴールドたりとも稼ぐことができなかった。
数日ぶりに、メルボンの町へと戻ると、町の人間がこんなことを言っていた。
「北東の森で、すごく大きい人影が動いてるのを見たんだ」
「さて、とりあえず、ストラリアの町からは出られたけど、これから、どうしようかね」
「やはり、別の町を目指すのがよろしいかと。武器屋や、宿屋がないと困りますし」
レイジィは、人差し指を頬に当てながら答えた。
「ストラリア、いろいろ見て回ったけど、結局、何も、買ってないし」
リージュが、唇を尖らせて、それに続く。
「あたいら、1ゴールドたりとも持ってねえからな。旅の準備なんて、なんもできてねえぜ」
アイドラが、自分の胸を、ドン、と叩いて自信ありげに言う。
ミキモトは、顔を引き締めて言う。
「よし。じゃあ、まずは町を目指そう! で、近くに、別の町ってあるんだっけ?」
パーティメンバー達が、怪訝な顔になる。
「北に、町があるって……誰か言ってた気がする」
「たしか、メルボンって町だったはずだぜ」
「おおー。みんな、よく覚えてるな」
「町の人の話は、よく覚えておいてください。冒険の基本ですよ。……と町のかたがおっしゃっていたではないですか」
レイジィに言われたミキモトは、何かを思い出そうと、左斜め上を見ながら言う。
「んー、そんなこと言ってたっけか」
「それも、覚えていらっしゃらないのですか……」
「まあ、みんなが覚えてくれてるからいいじゃん」
「うう……。ぼく、次からは、もっと真剣に聞いておくようにする。不安」
「あたいが、しっかり聞いておくから、任せておきな!」
ミキモトは、再び、ストラリアの町のほうへと目をやり、上空に影がないことを確認してから、言った。
「ストラリアの、あの出口は、町の西側のはずだから、北は、だいたいこっちだな」
目見当で北を確認し、移動を開始したミキモト達は、間もなく、慌ただしい足音が、南から迫ってくるのを耳にした。
その足音は、赤茶の虎縞模様を、うねらせながら疾走する、巨大なネコ、2匹が立てている音であった。
その姿を捉えたレイジィが、落ち着き払った声で言う。
「あれは、ドラキャットという魔物ですわ。比較的おとなしくて、頭を撫でると、ゴロゴロと音を鳴らしたりするのです」
「なんだ。まるっきり、でかいネコじゃないか。危険はないのか?」
「首に噛みついて、人間を殺すのを得意としている魔物ですわ」
「そっちの情報を、先に言ってくれ!」
ドラキャット達は、一目散に、ミキモト達のほうへと走り寄ってくる。
「くっ。戦闘か」
ミキモトは、腰に指した棒に、手を伸ばしかけたが、結局、棒を抜くことはなかった。ドラキャット達は、襲いかかってくることなく、ミキモト達の側を通り過ぎ、そのまま北に走り去ってしまったからだ。
ぽかんとして、ドラキャット達の背中を見送る4人。
「なんだったんだ、今のは」
「不思議ですね。わたくし達が、美味しそうに見えなかったのでしょうか」
「っていうか、レイジィは、なんで、あの魔物の情報を知ってるんだ」
「レイジィ、物知り」
「あたいも、あんなネコ、初めて見たぜ」
「じ、実は、わたくし、多少は、魔物についての知識がございまして」
「いいね。頼りになる」
言いながら、ミキモトが辺りを見回すと、あちらこちらで、魔物らしきものが、みな、先ほどのドラキャット達と、同じ方角に向けて移動している様子が見えた。
「あれは、何が起きてるんだ?」
ミキモトがレイジィに問うと、リージュとアイドラも、期待を込めた目でレイジィを見る。
「そ、そんな目で見られても困ります。それほど、詳しいわけではございませんので」
「そっか。俺らは、とりあえず、メルボンの町へ向かおう」
数時間後、ミキモト達は、無事、メルボンの町に着いていた。
「いやー、着いた着いた」
「びっくりするくらい、何も起こりませんでしたわね」
「結局、1回も、戦闘してない」
「まあ、何も起きないに、こしたことはねえじゃねえか」
ミキモトは、町の入り口に立っている男性に話しかけてみた。
「あの、すみません」
「ここは、メルボンの町だぜ!」
「あ、ありがとうございます」
「いいってことよ!」
ミキモトは、パーティメンバーに向けて言った。
「ちゃんと、メルボンの町であることが確認できた」
「おつとめ、ご苦労様です」
「では、これより、俺の独断により、武器屋に行きたいと思う!」
「な、なぜ武器屋なのでございますか」
「やっぱり、武器は男のロマンじゃん?」
町の入り口からすぐのところにある、木造の建物の1階に武器屋があった。店内には、武器だけでなく、防具も展示されており、武器屋とはいうものの、装備品全般を扱っているようだ。
ミキモト達は、武器屋に着くと、店内の装備品を見て回った。
鉄の剣を見ながら、ミキモトが言う。
「モヘジが使っていたのは、この剣かあ」
ミキモトは、値札に、ちらりと目をやる。
「うげ。800ゴールドか。モヘジのやつ、頑張って貯めたんだなあ」
ふと、ミキモトが視線を横にやると、リージュが、つまらなそうにしているのが見えた。
「リージュ、どうした?」
「ぼく、武器防具、あまり使えないから……」
「あ、ごめん。リージュには退屈だったか」
言いながら、ミキモトは店内の装備品を見回した。
「でも、ほら。あそこにある、拳法着はリージュ用じゃないか?」
「え……」
拳法着を見つけたリージュの目は、みるみる、輝きを増した。
「カッコいい……。あれ、欲しい。着てみたい」
ミキモトは値札を見る。
「500ゴールドかあ。あれ? 俺ら、今、なんゴールド持って――」
「1ゴールドも持ってねえってば!」
言いかけたミキモトを、アイドラが鋭く遮った。
「あたい達は、まだ、魔物1匹、倒してねえんだぜ」
ミキモトは、アゴに手を当てて、少し考えるような仕草をしてから言った。
「よし。じゃあ、ゴールドが貯まったら、最初に、リージュの拳法着を買おうな」
「……いいの?」
「まあ、ミキモト様が、そうおっしゃるのでしたら」
「あたいの装備は、後回しで良いぜ。主力じゃねえからな」
「約束だ。リージュ」
「忘れちゃ、嫌だよ」
「俺が、約束を忘れるわけないだろう」
その後、ミキモト達は、町の中をひと通り回ると、ゴールドを稼ぐために、外に出た。
「さて、気は進まないけど、魔物を倒すか」
「気を引き締めてまいりましょう」
「さっきのドラキャットとは、戦いたくないな」
「なぜですか?」
「あんな、かわいい魔物を、棒で殴る気にはなれない。向こうから襲ってくるならともかく、積極的に戦いたくはないなあ」
「……ぼくも」
「おいおい。そんな甘いこと言ってて大丈夫かよ」
ミキモト達は、数日かけて、メルボンの周りを歩き回った。
「魔物、1匹も出ないけど、どうなってるんだ?」
「わたくしにも、分かりません」
「もう一回、町の人に話を聞いてみるか」
町の中に入り、ミキモトは、そこら中の人に声をかけて回った。
「最近、町の周りから、魔物がいなくなったんだ」
「平和になって助かったよ」
「これなら、俺らでも、気軽に外に出られるぜ」
人々は、みな、魔物が居なくなったことを、口々に喜んだ。しかし、武器屋の主人は違った。
「ここ数日、全然、装備が売れねえんだよ」
荒ぶる主人に、ミキモトは言う。
「魔物が出ないんじゃ、ゴールドも稼げないし、そもそも、装備を買う必要がないもんね」
「そうなんだよ! 武器屋なんて商売上がったりだぜ!」
怒りの収まらない主人を、レイジィがなだめようと、言う。
「し、しかし、魔物が居なくなったこと自体は、素晴らしいことではないでしょうか。町のみなさまも、平和になった、と喜んでおられましたし」
「おい、お嬢さん。知ったふうな口、利くなよ。俺はな、装備が売れれば、なんだっていいんだよ。魔物、大歓迎だね!」
「おお、この人、危険思想の持ち主……」
「おいおい、おっさん。そういうことは、思ってても、口に出さないほうがいいぜ」
ミキモト達は、武器屋を後にし、道具屋と宿屋を訪ねてみたが、両店とも、武器屋と同じような状況で、同じような文句を言っていた。
「魔物は、居なくなったら居なくなったで、大変なのですね」
「魔物も、役立つ、のかな」
「平和を喜べないってのは、なんだか悲しいねえ」
「アイドラの言う通りだと思う。店の主人達は、なんで、そんなにゴールドがほしいのかね」
きょとんとするパーティメンバー達に対して、ミキモトは続ける。
「だって、別に、ゴールドなんて、なくたって生きていけるじゃないか。平和よりも、ゴールドを優先する理由ってなんだろう」
「それは、仕入れの際に使ったゴールドを回収する必要があったりですとか、そういった事情があるのではないでしょうか」
「拳法着が、欲しい、とか」
「元手を稼いでから、カジノで一発勝負だろ!」
「うーん。そんなもんかね」
その後も、ミキモト達は、しばらくの間、メルボンの周辺を探索してみたが、やはり、魔物1匹おらず、1ゴールドたりとも稼ぐことができなかった。
数日ぶりに、メルボンの町へと戻ると、町の人間がこんなことを言っていた。
「北東の森で、すごく大きい人影が動いてるのを見たんだ」
0
あなたにおすすめの小説
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる