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5. 欲求
自主練と休息
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「いやあすごいな。二対四でも僕を落とすだなんて。三年生でもできない奴らがいるのに」
試験結果が出る日の前日、六連戦の最終戦、ユートと相打ちになったライト先輩は嬉しそうに笑った。屈む形でライト先輩を見上げるユートの表情は見えない。
「これなら卒業までに三対四、いや、君個人となら一対一ができるかもね。いやあ楽しみだ」
「……それができるよう、頑張ります」
ライト先輩は終始笑顔だった。だから余計、頭を下げて振り返ったユートの顔が印象的だった。
◇ ◇ ◇
「大分形にはなってきたわね」
夏期休暇の初日は休日だったので、チームとしての訓練は午前中で終わらせた。昼休憩を挟んで魔法競技場に戻った私は、ユートが形成する魔術式を見て頷いた。
「この調子なら、新学期が始まる頃にはモノにできるはずよ」
「……それじゃあ遅い」
ユートの表情には焦りが出ていた。ライト先輩方に対し四対二で戦い、一度も勝てなかったことを気にしているのは明らかだ。額の汗を拭った彼は、再度魔術式の形成を試みる。
「あ……」
しかし魔術式はすぐに崩れ、空気に溶けていった。ユートは自分の両腕を見下ろし、肩で息をする。
彼がここまで疲労しているのを見るのは初めてかもしれない。魔力の消耗が激しい練習ではあるけれど、普段はどこか余裕を持っているユートがそれだけ自分を追い込んでいることに危うさを覚えたところで、ハッと気づく。
ユートは、いつ、力を残しておこうと思う?
チーム対抗戦の本戦の前、私がユートに言った言葉だった。まさか、あの時の言葉を気にしているの?
彼の答えは、大体いつも、魔物がいつ現れても戦えるように、だった。だけどここには魔物はいない。安全であることはユートも理解できている。だからその余力は必要ないのだと、ユートは考えたのかもしれない。
合理的な考えだ。魔力を多く使う今の練習では、余力を考慮していては回数を重ねられない。一刻も早く実力をつけたいユートにとっては、力を残しておくメリットなんてない。
しかし今の彼の様子からは、かつてのシイキを、そして鏡の中にいた女を思い起こした。余裕を失って、失敗して、悲劇を起こした愚かな女を。
……止めないと。
このままでは遠からず良くないことが起こる。彼を迷わせた張本人である私は休むよう声をかけようとして、
「くそっ」
「ちょぉおっとぉお!?」
白のアンダーシャツに手をかけた彼を止める。割れた腹筋が眩い光を放っていた。
「なんで服を脱ごうとするのよ!?」
「暑さで集中できてないからな。少しでも涼しくするためだ」
「私が涼ませてあげるから! だから服は着てなさい!」
「けどそれじゃあシルファが」
「いいから!」
「あ、ああ……」
ユートはどうにか思い止まってくれたようだ。はぁ、まったく。あなたの上半身が晒されている方がよっぽど集中できなくなるのよ、こっちは。
ため息をつきながら魔法で氷を生成する。魔力が供給されなければすぐに消えてしまうものだけど、少しの間周囲の気温を下げるには十分だ。実際にユートは早速練習を再開し
「やめて!」
「おわぁっ!?」
首の後ろに氷を当てられたユートが転がるようにして距離を取る。私は、ふう、と息を吐くと、意識して冷たく言い放った。
「……言うタイミングを逃していたけど、先ずは少し休むことね。暑さ以上に、疲れで集中できていないわ。焦る気持ちは分かるけど、我武者羅にやればいいというものでもないでしょう? いくらあなたでも、このまま続けたら魔法を暴発させるわ。少し頭を冷やしなさい」
「あ……ああ……」
曖昧に答えるユートは、まるで信じられないことが起きたかのような表情をしていた。……もしかして、彼にとってかなり悪いことをしてしまった?
「えっと、その、急に氷を当てたのは悪かったわ。ちょっとした悪戯のつもりだったの。気に障ったのなら謝るわ。ごめんなさい」
「……いや、大丈夫だ」
そう言って穏やかな笑みを浮かべるユート。どうやら気を悪くさせずに済んだみたいだ。私は胸を撫で下ろす。
「シルファは優しいな」
「えっ?」
「優しい冷たさだった」
耳慣れない言葉を口にして、ユートは大の字になって寝転んだ。
「ちょ、こんなところで」
「五分。五分だけ、空を見せてくれ」
「………………」
休めと言った手前止めにくく、いくつか氷を作ってから私も空を見上げる。青い青い空を、白い雲が泳いでいく。
「遊びを持てってさ、じいさんにも言われたんだ」
不意にユートが話しかけてくる。私は顔を動かさずに返した。
「確かに、余裕を持つのは大事ね」
「だよな。俺もそう思う。だけど昔の俺はそうじゃなかったんだ」
「昔の?」
今も相当だと思う私を置いて、ユートが続ける。
「毎日気絶するように眠ってたよ。起きてもずっと緊張しっぱなしでさ。それじゃ駄目だって、じいさんが教えてくれた」
「よく壊れなかったわね」
呆れつつも、彼をそこまで駆り立てる何かを感じた私は無難な返しに落ち着く。ユートは笑い声を上げた。
「本当にな。だから壊れる前に止めてくれたじいさんには感謝してる」
それから暫く、二人で静かに広い空を見る。障壁魔法の先の先で、他の生徒の魔法が響かせる音が微かに聞こえた。
「ありがとな、シルファ」
視線を下げると、ユートが起き上がっていた。彼は軽く体を手で払うと、真っ直ぐにこちらを向く。
「私?」
「ああ。さっきまでの俺は遊びを忘れてた。それを思い出させてくれて、ありがとう」
「お礼を言われるほどのことはしてないわ」
「お礼を言いたくなるほどのことだったんだ」
「そう。なら良かったわ」
無邪気に笑うユートは、そうだ、と何かを思いついたように呟く。
「……天に遊ぶ者、天遊のユート」
「何? それ」
「えっと、じいさんが俺につけてくれた、その、二つ名ってやつ。まだ教えてなかったなって思って」
ユートは照れるように軽く頬を掻く。二つ名、ねぇ。
「称号のようなものかしら? ライト先輩だったり、一部の魔法使いや魔導士は持っていると言うけれど」
「ああ。じいさんは実力を認めた相手に付けるとか言ってた」
「そう。なら今後は、ユートのことは二つ名を付けて呼べばいいのかしら?」
「いや、人前では呼ばないでくれ。信用が置ける、特別な相手にだけ伝えるよう言われてるんだ」
「特別な相手!?」
一瞬で冷静さを失った。発言の持つ意味の激変により先程までのやり取りがどう変わるのか、脳が全力で演算をし始める。
え、え、特別な相手にだけ伝える? 特別ってことはつまりそういうこと? そう言えば私のこと優しいって言ってくれて、自分ではそうは思わないけどでもユートが褒めてくれて嬉しかったってそうじゃなくて、その後お礼を言われてその流れで二つ名を教えてくれたわけでそれはつまるところやっぱりーー
「あ、チーム内なら平気だぞ。シイキとフルルにも教えるつもりだし」
「…………そう」
やっぱりユートはユートだった。
ええ勿論分かっていたわよ、ユートですもの。こんなタイミングで遠回しな告白なんかするわけがないって当然理解していたわ。今告白なんかされても困るし予想通りで安心したくらいよ。不機嫌になる理由なんて何もないわ。
「それで? 『天遊』さんはもう休憩はいいのかしら?」
「あー……教えておいてなんだけど、余りそれで呼ばないでくれると助かる。なんか恥ずかしいし」
「あら、別に恥ずかしがらなくていいじゃない。私は良い呼び名だと思うわよ? 『天遊』って」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、なんか背中が痒くなるんだ」
可笑しいような苦しいような複雑な表情をするユート。
まあ、特別な相手だと認めてくれたのは素直に嬉しいし、少しは余裕を取り戻してくれた。今はそれで良しとしましょう。
「いいわ。休息を疎かにしない内は、呼ぶのを止めてあげる」
「はは。ならもう無理はできないな」
「信じるわよ」
「ああ」
短く答えて、ユートは練習を再開した。私は寒くならない程度に氷を生み出しながら、その様子を見守るのだった。
試験結果が出る日の前日、六連戦の最終戦、ユートと相打ちになったライト先輩は嬉しそうに笑った。屈む形でライト先輩を見上げるユートの表情は見えない。
「これなら卒業までに三対四、いや、君個人となら一対一ができるかもね。いやあ楽しみだ」
「……それができるよう、頑張ります」
ライト先輩は終始笑顔だった。だから余計、頭を下げて振り返ったユートの顔が印象的だった。
◇ ◇ ◇
「大分形にはなってきたわね」
夏期休暇の初日は休日だったので、チームとしての訓練は午前中で終わらせた。昼休憩を挟んで魔法競技場に戻った私は、ユートが形成する魔術式を見て頷いた。
「この調子なら、新学期が始まる頃にはモノにできるはずよ」
「……それじゃあ遅い」
ユートの表情には焦りが出ていた。ライト先輩方に対し四対二で戦い、一度も勝てなかったことを気にしているのは明らかだ。額の汗を拭った彼は、再度魔術式の形成を試みる。
「あ……」
しかし魔術式はすぐに崩れ、空気に溶けていった。ユートは自分の両腕を見下ろし、肩で息をする。
彼がここまで疲労しているのを見るのは初めてかもしれない。魔力の消耗が激しい練習ではあるけれど、普段はどこか余裕を持っているユートがそれだけ自分を追い込んでいることに危うさを覚えたところで、ハッと気づく。
ユートは、いつ、力を残しておこうと思う?
チーム対抗戦の本戦の前、私がユートに言った言葉だった。まさか、あの時の言葉を気にしているの?
彼の答えは、大体いつも、魔物がいつ現れても戦えるように、だった。だけどここには魔物はいない。安全であることはユートも理解できている。だからその余力は必要ないのだと、ユートは考えたのかもしれない。
合理的な考えだ。魔力を多く使う今の練習では、余力を考慮していては回数を重ねられない。一刻も早く実力をつけたいユートにとっては、力を残しておくメリットなんてない。
しかし今の彼の様子からは、かつてのシイキを、そして鏡の中にいた女を思い起こした。余裕を失って、失敗して、悲劇を起こした愚かな女を。
……止めないと。
このままでは遠からず良くないことが起こる。彼を迷わせた張本人である私は休むよう声をかけようとして、
「くそっ」
「ちょぉおっとぉお!?」
白のアンダーシャツに手をかけた彼を止める。割れた腹筋が眩い光を放っていた。
「なんで服を脱ごうとするのよ!?」
「暑さで集中できてないからな。少しでも涼しくするためだ」
「私が涼ませてあげるから! だから服は着てなさい!」
「けどそれじゃあシルファが」
「いいから!」
「あ、ああ……」
ユートはどうにか思い止まってくれたようだ。はぁ、まったく。あなたの上半身が晒されている方がよっぽど集中できなくなるのよ、こっちは。
ため息をつきながら魔法で氷を生成する。魔力が供給されなければすぐに消えてしまうものだけど、少しの間周囲の気温を下げるには十分だ。実際にユートは早速練習を再開し
「やめて!」
「おわぁっ!?」
首の後ろに氷を当てられたユートが転がるようにして距離を取る。私は、ふう、と息を吐くと、意識して冷たく言い放った。
「……言うタイミングを逃していたけど、先ずは少し休むことね。暑さ以上に、疲れで集中できていないわ。焦る気持ちは分かるけど、我武者羅にやればいいというものでもないでしょう? いくらあなたでも、このまま続けたら魔法を暴発させるわ。少し頭を冷やしなさい」
「あ……ああ……」
曖昧に答えるユートは、まるで信じられないことが起きたかのような表情をしていた。……もしかして、彼にとってかなり悪いことをしてしまった?
「えっと、その、急に氷を当てたのは悪かったわ。ちょっとした悪戯のつもりだったの。気に障ったのなら謝るわ。ごめんなさい」
「……いや、大丈夫だ」
そう言って穏やかな笑みを浮かべるユート。どうやら気を悪くさせずに済んだみたいだ。私は胸を撫で下ろす。
「シルファは優しいな」
「えっ?」
「優しい冷たさだった」
耳慣れない言葉を口にして、ユートは大の字になって寝転んだ。
「ちょ、こんなところで」
「五分。五分だけ、空を見せてくれ」
「………………」
休めと言った手前止めにくく、いくつか氷を作ってから私も空を見上げる。青い青い空を、白い雲が泳いでいく。
「遊びを持てってさ、じいさんにも言われたんだ」
不意にユートが話しかけてくる。私は顔を動かさずに返した。
「確かに、余裕を持つのは大事ね」
「だよな。俺もそう思う。だけど昔の俺はそうじゃなかったんだ」
「昔の?」
今も相当だと思う私を置いて、ユートが続ける。
「毎日気絶するように眠ってたよ。起きてもずっと緊張しっぱなしでさ。それじゃ駄目だって、じいさんが教えてくれた」
「よく壊れなかったわね」
呆れつつも、彼をそこまで駆り立てる何かを感じた私は無難な返しに落ち着く。ユートは笑い声を上げた。
「本当にな。だから壊れる前に止めてくれたじいさんには感謝してる」
それから暫く、二人で静かに広い空を見る。障壁魔法の先の先で、他の生徒の魔法が響かせる音が微かに聞こえた。
「ありがとな、シルファ」
視線を下げると、ユートが起き上がっていた。彼は軽く体を手で払うと、真っ直ぐにこちらを向く。
「私?」
「ああ。さっきまでの俺は遊びを忘れてた。それを思い出させてくれて、ありがとう」
「お礼を言われるほどのことはしてないわ」
「お礼を言いたくなるほどのことだったんだ」
「そう。なら良かったわ」
無邪気に笑うユートは、そうだ、と何かを思いついたように呟く。
「……天に遊ぶ者、天遊のユート」
「何? それ」
「えっと、じいさんが俺につけてくれた、その、二つ名ってやつ。まだ教えてなかったなって思って」
ユートは照れるように軽く頬を掻く。二つ名、ねぇ。
「称号のようなものかしら? ライト先輩だったり、一部の魔法使いや魔導士は持っていると言うけれど」
「ああ。じいさんは実力を認めた相手に付けるとか言ってた」
「そう。なら今後は、ユートのことは二つ名を付けて呼べばいいのかしら?」
「いや、人前では呼ばないでくれ。信用が置ける、特別な相手にだけ伝えるよう言われてるんだ」
「特別な相手!?」
一瞬で冷静さを失った。発言の持つ意味の激変により先程までのやり取りがどう変わるのか、脳が全力で演算をし始める。
え、え、特別な相手にだけ伝える? 特別ってことはつまりそういうこと? そう言えば私のこと優しいって言ってくれて、自分ではそうは思わないけどでもユートが褒めてくれて嬉しかったってそうじゃなくて、その後お礼を言われてその流れで二つ名を教えてくれたわけでそれはつまるところやっぱりーー
「あ、チーム内なら平気だぞ。シイキとフルルにも教えるつもりだし」
「…………そう」
やっぱりユートはユートだった。
ええ勿論分かっていたわよ、ユートですもの。こんなタイミングで遠回しな告白なんかするわけがないって当然理解していたわ。今告白なんかされても困るし予想通りで安心したくらいよ。不機嫌になる理由なんて何もないわ。
「それで? 『天遊』さんはもう休憩はいいのかしら?」
「あー……教えておいてなんだけど、余りそれで呼ばないでくれると助かる。なんか恥ずかしいし」
「あら、別に恥ずかしがらなくていいじゃない。私は良い呼び名だと思うわよ? 『天遊』って」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、なんか背中が痒くなるんだ」
可笑しいような苦しいような複雑な表情をするユート。
まあ、特別な相手だと認めてくれたのは素直に嬉しいし、少しは余裕を取り戻してくれた。今はそれで良しとしましょう。
「いいわ。休息を疎かにしない内は、呼ぶのを止めてあげる」
「はは。ならもう無理はできないな」
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