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全能の爆誕
036:飛行船改良。
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メルシエさんから飛行船の修理を頼まれ、俺は屋敷の中で俺が作った魔道具をうっとりとした目で見ていたグリーテンに声をかけた。
「グリーテン、こんにちは」
「あら、アーサー。こんにちは」
「少し手伝ってほしいことがあるんだけど、大丈夫?」
「えぇ、もちろん。あなたのためなら」
グリーテンがサブリの魔道具を嫌っていると聞いたから手伝ってくれないかと思ったが、それなら良かった。
「本当? それなら今から飛行船の修理をするので――」
「ごめんなさい、無理」
「えぇっ!? さっき手伝ってくれるって言ったじゃん⁉」
「それとこれとは別よ……あんな気持ち悪いものを見るだけで吐き気がするわ。人のものじゃなければ壊していたわよ」
「それって、組み込まれている魔法陣が汚いから?」
「アーサーなら分かってくれると思っていたわ! そうよ! 何よあのゴチャゴチャして何があるのか分からないしそれで効率がものすっっごく悪いと来て、どうしてあんなものが伝説の魔道具とか言われているのよ! まだ火が出るだけの魔道具の方がいいわよ!」
これはかなりおこだな、グリーテン。まあただグリーテンの気持ちも分かる。あんな無駄だらけの魔道具は見るだけで嫌になってくる。
「だから、ごめんなさいね。私は手伝えないわ」
「そうなんだ……飛行船の魔法陣を一回すべて破棄して作り直そうと――」
「やるわ」
さっきまで嫌がっていたのに俺がそう言った瞬間に意見を変えてきたグリーテン。
「それなら早く言ってほしかったわ。あの飛行船壊せるのならいくらでも手伝うわ」
「飛行船じゃなくて魔法陣だよ。それじゃあ行こ!」
「えぇ、今すぐにあの目障りな飛行船を破壊しに行きましょう」
「魔法陣だよ?」
かなりやる気なグリーテンの転移魔法で飛行船のすぐ近くに転移した。
「おっ! アーサーさま! ルフェイさんを説得できたのですね?」
転移した近くにメルシエさんがおり、隣にいたグリーテンを見て嬉しそうに聞いてきた。
「あまり私を見ないでくれる? サブリの魔道具を信仰している人と関わりたくないのよ」
「あ、あははは、別にサブリの魔道具を信仰しているわけでは……」
「大金をはたいて買っていれば信仰しているのと一緒よ。今すぐにサブリの魔道具を捨てるのなら、信仰していないと信じてあげるわ」
「それは仕事ができなくなるから無理ですね~」
えっ? グリーテンとメルシエさんっていつもこんな感じなのか? グリーテンがサブリの魔道具を使っているメルシエさんを一方的に毛嫌いしている感じだが。
「でも、飛行船の破壊をアーサーに頼んだことは褒めてあげるわ」
「……アーサーさま?」
「何度も言っているんですけど、破壊としか言ってくれないんですよ……」
「ま、まあ七聖法の一人ですからそこら辺は大丈夫ですよね……?」
まあ俺がいるからグリーテンが何かしようとしても止めるから大丈夫だと思いたい。
「アーサー、すぐにでも取り掛かりましょうか」
「そうだね。まずは飛行船の魔法陣をすべて破棄したいんだけど、そうしたら飛行船が落ちちゃうから、魔法陣を破棄する役と飛行船を受け止める役、どちらが――」
「破壊するわ」
「分かった、それなら僕が飛行船を受け止めるね」
まあこれで飛行船を受け止める役を選んでいたらマジで今までのくだりは何だったんだと叫びたくなる。
それに俺ならどちらも同時に行うことができるし、何ならグリーテンもできるだろうけど。
「飛行船を持ち上げに入れば、すぐに魔法陣の破壊に入るわ」
「はい、お願いします」
そう言ったグリーテンは浮いている飛行船よりも空高く飛びあがった。
「アーサーさま、飛行船を受け止めれるのですか?」
その会話を聞いていたメルシエさんがそう聞いてきた。
「はい、大丈夫です」
「飛行船はとっても重いんですよ?」
「大事な飛行船を落としたりしませんよ。こう見えて魔法は得意ですから!」
「そ、そうですか……ほ、本当に大丈夫ですよね……?」
とっても不安そうに聞いてくるメルシエさんの気持ちも分からなくもない。だって四歳に飛行船を持ち上げることなんか普通はできないと思う。
「持ち上がらなければグリーテンが魔法陣を破壊することはありませんから心配しないでください」
「はい……心臓が破裂しそう……」
「人の避難は終わっていますか?」
「それはもうバッチリですけど……」
さっき信用していると言っている割には信用されていないな。まあ信用しているけど、心配になるのは誰にでもあることだから、俺の力を見せて安心してもらうしかない。
グリーテンを待たせているから、早々に巨大な飛行船を浮遊魔法で今浮いている場所よりも高く上げた。
「……これはアーサーさまが?」
「はい。それよりも魔法陣の破壊が来ます」
浮かせたことが合図になり、グリーテンの方から魔力が感知できた。
魔道具の魔法陣だけ破壊することは、格段に難易度が高くなると聞いた。まあ普通に考えれば内部を破壊するのは難しくなる。
ただ前にグリーテンから魔法陣だけを破壊する魔法、対抗魔法を魔道具に放っても魔法陣だけ破壊することができるということを教えてもらい、今グリーテンはその対抗魔法を使っている。
飛行船にかかっている魔法陣が一度にすべて破壊されたことでずっしりと飛行船が重くなるのを感じたが、予想通りと言ったところだった。
魔法陣だけを破壊したグリーテンはかなり満足そうな顔をして降りてきた。
「もうさいっっこうだわ! あの粗悪品なサブリの魔道具をすべて壊してやろうかと思っていたから、こうやって破壊できて最高よ!」
「どれだけ不満だったの……?」
「アーサーなら分かるでしょ? あの魔法陣を見たら気持ち悪いってなる感じが?」
「まー、分かるけど……」
破壊してやろうとは思わないが、俺以上にサブリの魔道具を見てきているグリーテンだからこそこうやって思っているのだろうな。
「それじゃあ僕は魔法陣を組み込んでくるね。飛行船を浮かせる役を交代してもらってもいい?」
「えぇ、いいわよ。魔法陣を組み込むところを見ていてもいいかしら?」
「いいよ! メルシエさんは見に来ますか?」
「どうやって魔道具を作るのか気になるので、僕も付いて行きます!」
浮遊魔法の行使権をグリーテンに渡して、俺とグリーテンとメルシエさんの三人で飛行船の中に乗り込んだ。
この飛行船の中には動力部の他に魔法陣が組み込まれている場所は認識しているから、とりあえず動力部に向かい動力部の魔法陣から組み込むことにした。
どういう効果、どういう風に組み込まれているかは事前に見ていたから、以前と同じこと、いやそれ以上のことができるように大きな水晶に手を当てて魔法陣を組み込んでいく。
「あぁ……あぁ……いいわぁ……」
「……全く分からない」
魔法陣を組み込んでいるところを見ている二人だが、グリーテンは恍惚とした表情を浮かべているがメルシエさんは俺が手を当てているだけにしか見えないのだろう。
「動力部は終わりました。他のところに移動します」
「あぁ……この部分とか、ずっっごくいいわぁ……」
「えっ? も、もう終わったんですか⁉」
「はい。魔法陣を組み込むことなんか簡単ですから」
俺が組み込んだ魔法陣をうっとりとした表情で見ているグリーテンと、短時間で終わらせたことに驚きを隠せていないメルシエさん。
「えー……聞いてた話と違うんすけど……」
「あぁ、それはアーサー基準の話よ。そんなに簡単なら魔道具で溢れかえっているわ」
「そ、そうですよね!」
本当に全能があればこれくらいの飛行船なんか何十隻と一瞬で作り上げることができるが、そうしたら天空商会に恨まれそうだからそんなことはしない。天空商会にプレゼントする以外にはな。
そして飛行船の内部を歩き回り、魔法陣を組み込んでいった。一番時間がかかったのは動力部で、他は全く時間がかからずに一分ほどで終わらせることができた。
「これで終わりですね」
「……本当に、終わったんですか?」
一時間もかかっていないことにあまり信用できていない様子のメルシエさん。
「なに? この飛行船は? こんなに素晴らしい魔法陣がいっぱい組み込まれているとか、夢のような飛行船ね!」
さっきまでは飛行船の話をしただけで拒絶していたのに、今では飛行船を目を輝かせて見ているグリーテン。
「動力部の効率が軽く十倍に上がっているので今までほど魔力は消費しないと思います」
「そんなに!?」
「まあとりあえず起動してみてください。起動しないことには確認できませんから」
「そ、そうですよね」
ずっとうっとりとしているグリーテンを置いて操縦部に向かい、メルシエさんは起動スイッチを押した。
今はグリーテンが浮遊魔法を使っているから浮いている感じがしないが、グリーテンがゆっくりと浮遊魔法を解除していくことで飛行船が確実に自分で浮いていた。
「まだ速度とか魔力消費とか分からないと思うので次に戻ってきた時にでも乗り心地を教えてください。その時にでも報酬の話でもしましょう」
「いえ、その必要はありません」
「確認しなくていいのですか?」
「小さい頃から乗っていたんですからとてもすごくなったことは分かりますよ。それにルフェイさんがあんな顔をしているのですから、完璧なのは間違いありません」
おぉ、あんなグリーテンの表情がこんな形で役に立つとは思わなかった。
「アーサーさま、報酬の話をしましょう。商売道具である飛行船を直してもらったので、僕ができることならどんなことでもします。それも回数無制限です」
「いえ、一つで十分です」
これまで考えていたことが、メルシエさんと繋がるとは思わなかった。
「どのようなことですか?」
「これから僕はマンガのような娯楽を世界中に広めたいと思っています」
「それはとてもいいことです!」
「そのためには人手が足りません。ですから娯楽に興味がある人材を探してほしいのです。娯楽ギルドみたいな感じで、人を集めてほしいです。できそうですか?」
「……ふふっ、まさかアーサーさまがそこまでお考えになられているとは思いませんでした。このイザベル・メルシエにお任せください。必ずいい人材を見つけてまいります」
「ありがとうございます!」
よっしゃぁ! これで娯楽を広めるための第一歩が踏み切れたぞ! ここでの商会の伝手は非常に大きい。
「グリーテン、こんにちは」
「あら、アーサー。こんにちは」
「少し手伝ってほしいことがあるんだけど、大丈夫?」
「えぇ、もちろん。あなたのためなら」
グリーテンがサブリの魔道具を嫌っていると聞いたから手伝ってくれないかと思ったが、それなら良かった。
「本当? それなら今から飛行船の修理をするので――」
「ごめんなさい、無理」
「えぇっ!? さっき手伝ってくれるって言ったじゃん⁉」
「それとこれとは別よ……あんな気持ち悪いものを見るだけで吐き気がするわ。人のものじゃなければ壊していたわよ」
「それって、組み込まれている魔法陣が汚いから?」
「アーサーなら分かってくれると思っていたわ! そうよ! 何よあのゴチャゴチャして何があるのか分からないしそれで効率がものすっっごく悪いと来て、どうしてあんなものが伝説の魔道具とか言われているのよ! まだ火が出るだけの魔道具の方がいいわよ!」
これはかなりおこだな、グリーテン。まあただグリーテンの気持ちも分かる。あんな無駄だらけの魔道具は見るだけで嫌になってくる。
「だから、ごめんなさいね。私は手伝えないわ」
「そうなんだ……飛行船の魔法陣を一回すべて破棄して作り直そうと――」
「やるわ」
さっきまで嫌がっていたのに俺がそう言った瞬間に意見を変えてきたグリーテン。
「それなら早く言ってほしかったわ。あの飛行船壊せるのならいくらでも手伝うわ」
「飛行船じゃなくて魔法陣だよ。それじゃあ行こ!」
「えぇ、今すぐにあの目障りな飛行船を破壊しに行きましょう」
「魔法陣だよ?」
かなりやる気なグリーテンの転移魔法で飛行船のすぐ近くに転移した。
「おっ! アーサーさま! ルフェイさんを説得できたのですね?」
転移した近くにメルシエさんがおり、隣にいたグリーテンを見て嬉しそうに聞いてきた。
「あまり私を見ないでくれる? サブリの魔道具を信仰している人と関わりたくないのよ」
「あ、あははは、別にサブリの魔道具を信仰しているわけでは……」
「大金をはたいて買っていれば信仰しているのと一緒よ。今すぐにサブリの魔道具を捨てるのなら、信仰していないと信じてあげるわ」
「それは仕事ができなくなるから無理ですね~」
えっ? グリーテンとメルシエさんっていつもこんな感じなのか? グリーテンがサブリの魔道具を使っているメルシエさんを一方的に毛嫌いしている感じだが。
「でも、飛行船の破壊をアーサーに頼んだことは褒めてあげるわ」
「……アーサーさま?」
「何度も言っているんですけど、破壊としか言ってくれないんですよ……」
「ま、まあ七聖法の一人ですからそこら辺は大丈夫ですよね……?」
まあ俺がいるからグリーテンが何かしようとしても止めるから大丈夫だと思いたい。
「アーサー、すぐにでも取り掛かりましょうか」
「そうだね。まずは飛行船の魔法陣をすべて破棄したいんだけど、そうしたら飛行船が落ちちゃうから、魔法陣を破棄する役と飛行船を受け止める役、どちらが――」
「破壊するわ」
「分かった、それなら僕が飛行船を受け止めるね」
まあこれで飛行船を受け止める役を選んでいたらマジで今までのくだりは何だったんだと叫びたくなる。
それに俺ならどちらも同時に行うことができるし、何ならグリーテンもできるだろうけど。
「飛行船を持ち上げに入れば、すぐに魔法陣の破壊に入るわ」
「はい、お願いします」
そう言ったグリーテンは浮いている飛行船よりも空高く飛びあがった。
「アーサーさま、飛行船を受け止めれるのですか?」
その会話を聞いていたメルシエさんがそう聞いてきた。
「はい、大丈夫です」
「飛行船はとっても重いんですよ?」
「大事な飛行船を落としたりしませんよ。こう見えて魔法は得意ですから!」
「そ、そうですか……ほ、本当に大丈夫ですよね……?」
とっても不安そうに聞いてくるメルシエさんの気持ちも分からなくもない。だって四歳に飛行船を持ち上げることなんか普通はできないと思う。
「持ち上がらなければグリーテンが魔法陣を破壊することはありませんから心配しないでください」
「はい……心臓が破裂しそう……」
「人の避難は終わっていますか?」
「それはもうバッチリですけど……」
さっき信用していると言っている割には信用されていないな。まあ信用しているけど、心配になるのは誰にでもあることだから、俺の力を見せて安心してもらうしかない。
グリーテンを待たせているから、早々に巨大な飛行船を浮遊魔法で今浮いている場所よりも高く上げた。
「……これはアーサーさまが?」
「はい。それよりも魔法陣の破壊が来ます」
浮かせたことが合図になり、グリーテンの方から魔力が感知できた。
魔道具の魔法陣だけ破壊することは、格段に難易度が高くなると聞いた。まあ普通に考えれば内部を破壊するのは難しくなる。
ただ前にグリーテンから魔法陣だけを破壊する魔法、対抗魔法を魔道具に放っても魔法陣だけ破壊することができるということを教えてもらい、今グリーテンはその対抗魔法を使っている。
飛行船にかかっている魔法陣が一度にすべて破壊されたことでずっしりと飛行船が重くなるのを感じたが、予想通りと言ったところだった。
魔法陣だけを破壊したグリーテンはかなり満足そうな顔をして降りてきた。
「もうさいっっこうだわ! あの粗悪品なサブリの魔道具をすべて壊してやろうかと思っていたから、こうやって破壊できて最高よ!」
「どれだけ不満だったの……?」
「アーサーなら分かるでしょ? あの魔法陣を見たら気持ち悪いってなる感じが?」
「まー、分かるけど……」
破壊してやろうとは思わないが、俺以上にサブリの魔道具を見てきているグリーテンだからこそこうやって思っているのだろうな。
「それじゃあ僕は魔法陣を組み込んでくるね。飛行船を浮かせる役を交代してもらってもいい?」
「えぇ、いいわよ。魔法陣を組み込むところを見ていてもいいかしら?」
「いいよ! メルシエさんは見に来ますか?」
「どうやって魔道具を作るのか気になるので、僕も付いて行きます!」
浮遊魔法の行使権をグリーテンに渡して、俺とグリーテンとメルシエさんの三人で飛行船の中に乗り込んだ。
この飛行船の中には動力部の他に魔法陣が組み込まれている場所は認識しているから、とりあえず動力部に向かい動力部の魔法陣から組み込むことにした。
どういう効果、どういう風に組み込まれているかは事前に見ていたから、以前と同じこと、いやそれ以上のことができるように大きな水晶に手を当てて魔法陣を組み込んでいく。
「あぁ……あぁ……いいわぁ……」
「……全く分からない」
魔法陣を組み込んでいるところを見ている二人だが、グリーテンは恍惚とした表情を浮かべているがメルシエさんは俺が手を当てているだけにしか見えないのだろう。
「動力部は終わりました。他のところに移動します」
「あぁ……この部分とか、ずっっごくいいわぁ……」
「えっ? も、もう終わったんですか⁉」
「はい。魔法陣を組み込むことなんか簡単ですから」
俺が組み込んだ魔法陣をうっとりとした表情で見ているグリーテンと、短時間で終わらせたことに驚きを隠せていないメルシエさん。
「えー……聞いてた話と違うんすけど……」
「あぁ、それはアーサー基準の話よ。そんなに簡単なら魔道具で溢れかえっているわ」
「そ、そうですよね!」
本当に全能があればこれくらいの飛行船なんか何十隻と一瞬で作り上げることができるが、そうしたら天空商会に恨まれそうだからそんなことはしない。天空商会にプレゼントする以外にはな。
そして飛行船の内部を歩き回り、魔法陣を組み込んでいった。一番時間がかかったのは動力部で、他は全く時間がかからずに一分ほどで終わらせることができた。
「これで終わりですね」
「……本当に、終わったんですか?」
一時間もかかっていないことにあまり信用できていない様子のメルシエさん。
「なに? この飛行船は? こんなに素晴らしい魔法陣がいっぱい組み込まれているとか、夢のような飛行船ね!」
さっきまでは飛行船の話をしただけで拒絶していたのに、今では飛行船を目を輝かせて見ているグリーテン。
「動力部の効率が軽く十倍に上がっているので今までほど魔力は消費しないと思います」
「そんなに!?」
「まあとりあえず起動してみてください。起動しないことには確認できませんから」
「そ、そうですよね」
ずっとうっとりとしているグリーテンを置いて操縦部に向かい、メルシエさんは起動スイッチを押した。
今はグリーテンが浮遊魔法を使っているから浮いている感じがしないが、グリーテンがゆっくりと浮遊魔法を解除していくことで飛行船が確実に自分で浮いていた。
「まだ速度とか魔力消費とか分からないと思うので次に戻ってきた時にでも乗り心地を教えてください。その時にでも報酬の話でもしましょう」
「いえ、その必要はありません」
「確認しなくていいのですか?」
「小さい頃から乗っていたんですからとてもすごくなったことは分かりますよ。それにルフェイさんがあんな顔をしているのですから、完璧なのは間違いありません」
おぉ、あんなグリーテンの表情がこんな形で役に立つとは思わなかった。
「アーサーさま、報酬の話をしましょう。商売道具である飛行船を直してもらったので、僕ができることならどんなことでもします。それも回数無制限です」
「いえ、一つで十分です」
これまで考えていたことが、メルシエさんと繋がるとは思わなかった。
「どのようなことですか?」
「これから僕はマンガのような娯楽を世界中に広めたいと思っています」
「それはとてもいいことです!」
「そのためには人手が足りません。ですから娯楽に興味がある人材を探してほしいのです。娯楽ギルドみたいな感じで、人を集めてほしいです。できそうですか?」
「……ふふっ、まさかアーサーさまがそこまでお考えになられているとは思いませんでした。このイザベル・メルシエにお任せください。必ずいい人材を見つけてまいります」
「ありがとうございます!」
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