異世界召喚はもう勘弁してください。~五度目の異世界召喚は国の再興からスタートです~

山椒

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 結局街で見つけた中で使えるものは羽毛くらいしかなかった。

 まあ羽毛と布を使えば十分な寝床になるだろう。弾力性がないベッドは少しだけ心配だが、今は我慢だ。

 それから使えそうな資材を大きな袋に入れて城に戻る。

 ……改めて城を見るとボロボロだ。

 いつ崩れてもおかしくはなさそうな感じだが、これも女神の加護なのか。

 とにもかくにも、お城に入ってアストリッドとカストルがいる女神像の間に戻る。

「おかえりなさいませ、ユーキ様」

 椅子に座っていたカストルが顔だけこちらに向けてそう言ってきた。

 カストルの近くに向かえばカストルの膝にアストリッドが頭をのせて寝ていた。

「闇の者の討伐、感謝します」
「それが俺の仕事だからな」
「これほど早く闇の者を討伐できるとは思っていませんでした。さすがはジェミニの勇者様です」
「まあな。それよりも闇の侵攻は今回で何回目なんだ?」
「二度目です」

 俺が知る限りでは異形はこんなルールは存在していなかった。

 無尽蔵にあふれてくる異形やそれをすべて食らった魔王を倒すことで世界を救ってきた。

 だが今回は何かの力が働いて一度に来れる量が決められているのかもしれない。

「何度来るとかは明言されているのか?」
「いいえ、そのお告げはありませんでした。過去にあった闇の侵攻でも遠い昔のことですから詳しくは記載されていませんでした。ただ、そのたびに世界各国で大きな被害を受けていた、という事実だけは残っています」
「まあ昔ならしょうがないか」

 他の異世界でもそんな感じだったしな。元の世界でも大きな事じゃなければ詳しい文献が見つからない限りは事実が分からないこともあるし、仕方がない。

「それよりもその大きな荷物は?」
「これはベッドを作るための材料だ。これから忙しくなるんだから体をしっかりと休ませないといけないからな」
「そういうことですか」
「ここを拠点にするとして、食料はあるか?」

 お腹は減っている感じはしないから食べてはいたんだろう。

「はい。しばらくの食料はここにあります。ですが長くは持ちません」
「分かった。それまでにはどうにかしよう」

 食料を探すなんて一回目ぶりだな。一回目の弱かった時は何とかお金を残そうとしていた。

 しかもお金を稼ぐ一番いい手段として冒険者だが、冒険者ギルドなんて行ってコミュニケーションをとるなんて陰キャの俺にとっては難易度が高かったからお金は大事だった。

 まあこの世界の食べれるものは違いがありそうだから図鑑を見せてもらわないといけないな。

「まずはベッドを作るか」
「お手伝いします」
「いいよ。これくらいは俺がやる」
「経験がおありですか?」
「ない。でもやらないことには経験ができないからな」

 家を建てるわけではないから、何とかできると思ってやらないことにはできないだろ。

「そうですね。それではお願いいたします」
「あぁ、任せておけ」

 失敗を恐れてはいけない。

 失敗は悪いことではない。次の成功につなげればいいだけの話だ。

 失敗は恥ずかしいことではない。ここでカストルに失敗したところを見せたとしても、次に成功すればいいだけの話だ。

 今までの異世界召喚で気が付いた当たり前のこと。

 何度も異世界召喚されて辛くはあるが人間的な成長はできているからそこは感謝している。
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