4 / 369
第2章 Frustrating Feeling
1
しおりを挟む
最後のステージが終わり、無人のステージに向けられた照明が、足元の間接照明だけを残して全て落とされる。
「お疲れ、明日もまた頼むな」
劇場二階の楽屋を覗き、帰り支度を始めたダンサー達に声をかけた。
ダンサーとは言っても所詮はストリッパー。皆それなりに見てくれは悪くないし、寧ろ男の割には美形揃いだ。
尤も、智樹程、ではないが……
「あ、翔真さん、智樹は? 今夜飲む約束してたんだけど、さっきから連絡取れなくてさ……」
階段を降りようとした俺に声をかけてきたのは、和人だった。
和人は所謂ドサ回りのストリッパーで、毎月一週間ウチのステージに立っていて、ウチでは智樹の次に客入りの良いダンサーでもある。和人目当ての客だって少なくはない。
元々人見知りの智樹も、和人とだけは割と打ち解けていて、月に一度和人と飲みに行くのを楽しみにしているようだった。
「智樹ならステージ終わってすぐ帰ったけど? 寝てんじゃないのか?」
たった数分のステージに全神経を注ぎ込む智樹だから、マンションに帰った途端、糸が切れたように倒れ込むこともたまのことじゃない。現に俺は智樹のそんな姿を何度も見てきている。
「うーん、でもさずーっとかけてんだよ? こんなに出ないなんてさ、ちょっと変じゃない?」
そう言って和人は自分のスマホに発信履歴を表示してから、俺の前に差し出した。そこには、五分おきにかけたと思われる履歴が残っていて……
「確かにな……」
いくら寝起きの悪い智樹でも、数十回も電話を鳴らされりゃ、嫌でも起きる筈……。
何かあったのか……?
そう思ったら急に不安が込み上げて来て、俺は勢い良く階段を駆け下りると、残りの仕事を副支配人の雅也に任せ、劇場を後にした。
「お疲れ、明日もまた頼むな」
劇場二階の楽屋を覗き、帰り支度を始めたダンサー達に声をかけた。
ダンサーとは言っても所詮はストリッパー。皆それなりに見てくれは悪くないし、寧ろ男の割には美形揃いだ。
尤も、智樹程、ではないが……
「あ、翔真さん、智樹は? 今夜飲む約束してたんだけど、さっきから連絡取れなくてさ……」
階段を降りようとした俺に声をかけてきたのは、和人だった。
和人は所謂ドサ回りのストリッパーで、毎月一週間ウチのステージに立っていて、ウチでは智樹の次に客入りの良いダンサーでもある。和人目当ての客だって少なくはない。
元々人見知りの智樹も、和人とだけは割と打ち解けていて、月に一度和人と飲みに行くのを楽しみにしているようだった。
「智樹ならステージ終わってすぐ帰ったけど? 寝てんじゃないのか?」
たった数分のステージに全神経を注ぎ込む智樹だから、マンションに帰った途端、糸が切れたように倒れ込むこともたまのことじゃない。現に俺は智樹のそんな姿を何度も見てきている。
「うーん、でもさずーっとかけてんだよ? こんなに出ないなんてさ、ちょっと変じゃない?」
そう言って和人は自分のスマホに発信履歴を表示してから、俺の前に差し出した。そこには、五分おきにかけたと思われる履歴が残っていて……
「確かにな……」
いくら寝起きの悪い智樹でも、数十回も電話を鳴らされりゃ、嫌でも起きる筈……。
何かあったのか……?
そう思ったら急に不安が込み上げて来て、俺は勢い良く階段を駆け下りると、残りの仕事を副支配人の雅也に任せ、劇場を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる