S/T/R/I/P/P/E/R ー踊り子ー

誠奈

文字の大きさ
17 / 369
第3章   Collaboration 

しおりを挟む
「何か飲む? 喉、乾いたでしょ?」

 俺が聞くと、智樹は小さく頷いて、それからゆっくりと身体を起こした。

「それから着替えもしなきゃね?」


 きっと汗で濡れてるだろうから……


 智樹は俺の言葉に頷きだけで返しながら、視線を辺りに巡らせ、

 「翔真……は? つか、何で和人が……? あ、そう言えば約束……」

 今更な疑問をぶつけてきた。

 「翔真さんにはリビングで寝て貰ったよ。で、俺は翔真さんがあまりにもオロオロしてるから、心配になって押しかけた、ってわけ」

 実際は、慣れっこになってるのか、翔真さんは至って冷静だったけど。
 ただ、智樹と連絡が取れない、って言った時の翔真さんの顔は、普段の翔真さんからは想像も出来ないくらい、動揺してた。


 気にするだろうから、智樹には言わないけど……


 「そっか……、悪かったな、迷惑かけて……」
 「何言ってんの、俺ら友達でしょ?」


 多分、今の智樹が一番心許せる、唯一のね。


 「あ、なあ……、今何時?」
 「えっと……、丁度七時を回った所かな……」
 「いっけね……、そろそろ翔真起こさないと……」
 「俺が起こして来るから……」

 慌ててベッドを出ようとする智樹を、肩を掴んで引き止める。
 でもその手をやんわりと払って智樹はベッドを抜け出し、覚束無い足取りで寝室を出ると、ソファーで小さく丸まっている翔真さんの肩を揺すった。

 「翔真……、起きて? 仕事、遅れるよ?」

 すると、智樹の声が翔真さんの耳に届いたのか、枕替わりにしていた腕を解いて、その腕で智樹を引き寄せた。

 「心配かけさせんじゃねぇよ……」
 「……ごめん……」

 コツン、と智樹が翔真さんの胸に額を宛てると、瞼を閉じたままの翔真さんの顔が、ほんの少しだけ綻んだような気がした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...