S/T/R/I/P/P/E/R ー踊り子ー

誠奈

文字の大きさ
185 / 369
第16章   To a new stage

しおりを挟む
 和人との再会は、思っていたよりも早く訪れた。

 それまで監禁同然だった潤一の自宅から、パブで働く従業員のための寮として用意されたマンションの一室に移った俺を出迎えたのが、他でもない和人だった。
 和人は同居人がいることを知らされていたものの、それが俺だとは思ってなかったみたいで、俺にしたってまさかそこに和人がいるなんて全く想像もしてなかったから、二人で顔を見合わせた瞬間、まるで示し合わせたように「どうして?」と、驚きの声を漏らした。


 それでもお互い生きて再会出来たことが嬉しくて……


 「元気……だったか?」
 「智樹こそ、元気だった?」

 ありきたりな言葉を交わし、抱き合って再会の喜びを噛み締めた。

 理由なんてどうでも良かった。
 ただ会えただけで、それだけでほんの少しだけ、今のこの現状に救いが見えたような気がしたんだ。

 「それにしても、どうして和人がここに?」

 借金のカタだと潤一は言っていたけど、それだけじゃない理由は、きっと他にもある筈だ。

 「うーん、何て言ったらいいのか……、正直俺も良く分かんないんだ。アイツらさ、俺が世話になってた人の店に現れてさ。それも突然だよ? それで嫌がらせみたいのが続いて、俺もう我慢できなくなってさ……」
 「アイツらって、あの時……の?」

 忘れようったって忘れられっこない、夏祭りの夜、俺の身体を好き勝手に弄んだ、あの野獣と化した男達顔が一瞬脳裏に浮かんで、俺は身震いを感じた身体を自分の両手で抱き締めた。

 その様子を見た和人が、咄嗟に俺を腕に抱きとめた。

 「ごめん、イヤなこと思い出させちゃったね?」

 和人が悪いわけじゃないのに、背中を摩りながら俺に向かって頭を下げる。

 「あ、何か飲む? それとも……」
 「いや、いい。何もいらねぇ。それで、アイツらお前に何て?」

 本音を言えば、喉は皮と皮がひっつくくらい、カラカラに乾いていた。
 でもそれ以上に、アイツらが和人に何て言ってここへ連れて来たのか、そしてアイツらと潤一との関係が気になって仕方なかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...