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第13章 特別編「偏愛…」
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愛する娘……いや、僕にとっては娘以上の存在でもある智翔からの拒絶は、まるで切り立った崖の上から突き落とされた様な感覚にも似ていて……
視界が真っ暗なまま病室を後にした僕は、待合室の古びた椅子に腰を下ろし、流れる涙を隠すことなく、人目も憚らず泣いた。
自分でも驚く程、涙が次から次へと溢れて、止められなかった。
「翔真……」
聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、肩を叩かれ、差し出されたハンケチさえも受け取ることが出来なくて……
僕は自然と涙が枯れるのを待って漸く、ハンケチを固く握り締め、頭を垂れる隣に座る男に視線を向けた。
「可笑しいだろ? 智子が死んだ時だって、こんなに涙を流したことはないのに、たかだか娘に拒絶されたくらいでこの座間だ……」
「翔真……、俺は……」
「言うな……、何も聞きたくない……」
少なくとも今は……
いや、この先も潤一の口から吐き出される言い訳を聞くつもりなど、僕には毛頭ない。
「帰ってくれ……」
今は顔も見たくない。
「分かった、帰るから、一目だけで良いから智翔の顔を……」
「笑わせるな……。一体誰のせいでこんなことに……」
僕は沸々と湧き上がって来る怒りに拳を震わせ、全ての感情をぶつけるように潤一を睨みつけた。
視界が真っ暗なまま病室を後にした僕は、待合室の古びた椅子に腰を下ろし、流れる涙を隠すことなく、人目も憚らず泣いた。
自分でも驚く程、涙が次から次へと溢れて、止められなかった。
「翔真……」
聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、肩を叩かれ、差し出されたハンケチさえも受け取ることが出来なくて……
僕は自然と涙が枯れるのを待って漸く、ハンケチを固く握り締め、頭を垂れる隣に座る男に視線を向けた。
「可笑しいだろ? 智子が死んだ時だって、こんなに涙を流したことはないのに、たかだか娘に拒絶されたくらいでこの座間だ……」
「翔真……、俺は……」
「言うな……、何も聞きたくない……」
少なくとも今は……
いや、この先も潤一の口から吐き出される言い訳を聞くつもりなど、僕には毛頭ない。
「帰ってくれ……」
今は顔も見たくない。
「分かった、帰るから、一目だけで良いから智翔の顔を……」
「笑わせるな……。一体誰のせいでこんなことに……」
僕は沸々と湧き上がって来る怒りに拳を震わせ、全ての感情をぶつけるように潤一を睨みつけた。
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