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いつの頃からだろう……
常に誰かに見られているような、そんな感覚を覚えるようになったのは……
でもそのことを恋人の和人に相談しても、「自意識過剰なんだよ」って一蹴されただけで、結局何の解決にもならなくて……
ただ、俺自身思い当たる節もなかったわけじゃない。
俺は小さい頃から、元々色白で、女性的な顔立ちのせいか、女の子に間違われることが多くて、大人になった今でも、可愛いと言われることが少なくはない。
だから自分でも、いつしか《自分は可愛いんだ》と思うようにもなってはいたし、それが和人の言う自意識過剰って言うのなら、そうなのかもしれない。
けど、子供の頃ならともかくとして、大人になった今では、俺だってれっきとした男だし、可愛いと言われることに対して、あまり良い感情は持っていなかった。
もっとも、相手が変われば、の話だけど。
俺は所謂ゲイってやつで、自分の性癖に気付いたのは、多分小学生の頃だったと思う。
プールの後、同級生の男子達が着替えてるのを見て、下腹部に小さな痛みを感じたのがきっかけだった。
でもその頃はまだ《ゲイ》なんて言葉も知らなければ、男友達の裸を見て自分のアソコが痛くなるのだって、皆も同じなんだって、疑うことすらしなかった。
そんな俺に、自分がゲイなんだってことを決定付ける出来事が起きたのは、高一の夏休み……補習授業を終え、帰路につことしていた時の事だった。
一緒に補習授業を受けた同級生と、アイスでも食って帰ろうか、なんて談笑をしていた俺は、丁度門を出た所で後ろから声をかけられた。
「もし良かったら一緒に帰らないかい?」と。
声をかけて来たのは、同じ中学の出身で、進学クラスに通う桜木翔真だった。
翔真とは特別親しい間柄でもなかったけど、出身中学が同じことだったのと、たまたま帰る方向が同じだったことから、急激に距離を縮めて行った。
クラスの奴らは、生真面目で成績も優秀な上に、育ちも良く何の欠点もなさそう翔真を、いけ好かない奴だと口を揃えて言ったけど、俺は……俺だけはそうは思わなかった。
俺と一緒にいる時の翔真は、学校で見せる優等生然とした姿とは、全く違っていたから……
俺は翔真と過ごす時間の中で、自分でも気づかないうちに、翔真のことが好きになっていた。
だから、翔真から初めてキスをされた時も、俺は躊躇うこともなく素直に受け入れられたし、身体だってそうだ。
決して安易な気持ちとか、そんなつもりはなかった。
全ては、翔真が好きで……、翔真に愛されたい一心から生まれた感情だった。
そうじゃなかったら、あんな身を割くような痛みに耐えられる筈もないし、それを嬉しいと思えることなん、きっと無かったと思う。
翔真との関係は、高校を卒業するまで続いた。
お互い、進学やら就職やら、進路問題で忙しくなったのが、距離を置こうと決めた理由だ。
その結果、翔真と過ごす時間は次第に減り、逆に増えて行ったのが、二木和人……和人との時間だった。
勿論、初めは翔真への気持ちも僅かながらに残っていたし、何より和人に対して友情以上の感情は、どうしても持てなかった。
元々和人とは小学校が同じで、幼馴染でもあったから、余計なのかもしんないけど……
それがどうして恋愛感情へと発展したのか……は、正直俺にも分からない。
でも気付いた時にはもう、俺の気持ちは翔真から和人へと、見事なまでのシフトチェンジをしていた。
常に誰かに見られているような、そんな感覚を覚えるようになったのは……
でもそのことを恋人の和人に相談しても、「自意識過剰なんだよ」って一蹴されただけで、結局何の解決にもならなくて……
ただ、俺自身思い当たる節もなかったわけじゃない。
俺は小さい頃から、元々色白で、女性的な顔立ちのせいか、女の子に間違われることが多くて、大人になった今でも、可愛いと言われることが少なくはない。
だから自分でも、いつしか《自分は可愛いんだ》と思うようにもなってはいたし、それが和人の言う自意識過剰って言うのなら、そうなのかもしれない。
けど、子供の頃ならともかくとして、大人になった今では、俺だってれっきとした男だし、可愛いと言われることに対して、あまり良い感情は持っていなかった。
もっとも、相手が変われば、の話だけど。
俺は所謂ゲイってやつで、自分の性癖に気付いたのは、多分小学生の頃だったと思う。
プールの後、同級生の男子達が着替えてるのを見て、下腹部に小さな痛みを感じたのがきっかけだった。
でもその頃はまだ《ゲイ》なんて言葉も知らなければ、男友達の裸を見て自分のアソコが痛くなるのだって、皆も同じなんだって、疑うことすらしなかった。
そんな俺に、自分がゲイなんだってことを決定付ける出来事が起きたのは、高一の夏休み……補習授業を終え、帰路につことしていた時の事だった。
一緒に補習授業を受けた同級生と、アイスでも食って帰ろうか、なんて談笑をしていた俺は、丁度門を出た所で後ろから声をかけられた。
「もし良かったら一緒に帰らないかい?」と。
声をかけて来たのは、同じ中学の出身で、進学クラスに通う桜木翔真だった。
翔真とは特別親しい間柄でもなかったけど、出身中学が同じことだったのと、たまたま帰る方向が同じだったことから、急激に距離を縮めて行った。
クラスの奴らは、生真面目で成績も優秀な上に、育ちも良く何の欠点もなさそう翔真を、いけ好かない奴だと口を揃えて言ったけど、俺は……俺だけはそうは思わなかった。
俺と一緒にいる時の翔真は、学校で見せる優等生然とした姿とは、全く違っていたから……
俺は翔真と過ごす時間の中で、自分でも気づかないうちに、翔真のことが好きになっていた。
だから、翔真から初めてキスをされた時も、俺は躊躇うこともなく素直に受け入れられたし、身体だってそうだ。
決して安易な気持ちとか、そんなつもりはなかった。
全ては、翔真が好きで……、翔真に愛されたい一心から生まれた感情だった。
そうじゃなかったら、あんな身を割くような痛みに耐えられる筈もないし、それを嬉しいと思えることなん、きっと無かったと思う。
翔真との関係は、高校を卒業するまで続いた。
お互い、進学やら就職やら、進路問題で忙しくなったのが、距離を置こうと決めた理由だ。
その結果、翔真と過ごす時間は次第に減り、逆に増えて行ったのが、二木和人……和人との時間だった。
勿論、初めは翔真への気持ちも僅かながらに残っていたし、何より和人に対して友情以上の感情は、どうしても持てなかった。
元々和人とは小学校が同じで、幼馴染でもあったから、余計なのかもしんないけど……
それがどうして恋愛感情へと発展したのか……は、正直俺にも分からない。
でも気付いた時にはもう、俺の気持ちは翔真から和人へと、見事なまでのシフトチェンジをしていた。
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