H・I・M・E ーactressー

誠奈

文字の大きさ
上 下
246 / 688
第17章  scene4:温泉宿

11

しおりを挟む
 「や……、イクッ……、あ、あ、あ、あんっ……」

 ほんの数回手を上下させてだけなのに、あっという間に先っぽに溜まって行く熱に、僕はウイッグが飛んで行ってしまうんじゃないかってくらいに、乱暴に頭を振った。

 因みに、僕の手元を写すカメラの存在も、ニッコリ顔を崩すことなく僕を見つめる宅ちゃんの存在も、もうすっかり忘れてる。
 そうじゃなかったら、ずっとスカートの裾を掴んでいた手が、気付いたらブラの上から……だけど、オッパイを揉んでる筈ないもん。

 勿論、そんなんじゃ全然足りないんだけどね? 
 だって、硬くなってコリコリになった先っぽをコネコネするのって、超気持ち良いんだもん♪

 「イク……、あぁっ……、イッちゃ……う……」

 僕は両手を器用に動かしながら、どんどん虚ろになって行く視界の中でティッシュの箱を探した。
 だってせっかくの可愛いワンピースなのに、汚しちゃったら勿体ないもんね。

 あ、因みに今日の衣装は、パンティの色と同じ赤で、ざっくり開いた胸元は白いレースになっていて、裾にも同じように白のレースが飾られてて、可愛いんだけど、ちょっとランジェリーっぽいデザインでセクシーでもあって……

 ふふ、まるで僕みたいだ♪
 ……って、そんなこと考えてる余裕ない!

 「あ、あ、あ、ダメっ……、出ちゃ……う、んんっ……」

 丁度視界の端にティッシュの箱を見つけ、力なく手を伸ばした瞬間……

 「あっ……」

 息子を握っていた僕の手に熱いものを感じ、続けて濡れたような感触を感じた。

 きっと、手を伸ばした時に、ちょっぴりだけどお腹に力が入っちゃったせいなんだと思うんだけど、僕は吐精から来る脱力感と同時に、あと数センチのところでティッシュに手が届かなかったことを悔やんだ。


 だってさ、一応ね汚さないように……って、ちゃんと自分の手で受け取めたつもりだけど、間に合わなかった白い点がさ、所々赤いスカートに散ってて……
 気持ち良かったんだけどさ……
 自分の手なのに、すっごく気持ち良かったんだけどね、それがとっても残念で……

 結果、ちょっぴり落ち込む僕……
しおりを挟む

処理中です...