H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第33章  scene6:君だけのHIMEにして?

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  軽く閉じた唇をペロンと舐められ、舌先でトンとノックされて、僕がそれに応えるようにそっと唇を開くと、すかさず翔真くんの舌が僕の口の中に入ってくる。

  翔真くんのキスは、いつもどこかぎこちなかったりするんだけど、それが案外気持ち良かったりする。

  言葉では上手く表せなかったりするんだけど、とにかく頭の芯がボーっとなって、身体の奥底からジンと熱くなって行くような……、本当に気持ちの良いキスなんだ。


  そりゃ……さ、上手いか下手かで言ったら……、上手くはないのかもしれない。

  凄くぎこちないし、たどたどしいしさ……

  なのに僕が気持ちイイって思えるポイントを、実に的確に突いてくるんだよね。

  だから翔真くんとのキスはやめられないんだ♪


  「くく、すげぇ酒臭い」

  散々僕の口の中を舐め回して、舌を吸いまくった翔真くんが、唇を離した途端クスクスと肩を揺らす。

  だって仕方ないじゃん?

  僕にじゃんじゃんお酒を飲ませる松下さんが悪いんだもん。

  「なんか俺まで酔っ払っちゃいそうだよ」
  「ふふ、酔って……?」


  翔真くんも、僕に酔って?


  「そうだね、今夜はとことん酔っ払っちゃおうか?」

  言いながら翔真くんの唇が僕の耳たぶをカリッと噛む。

  ううん、それだけじゃない……、熱い息まで一緒に吹きかかるから、

  「んぁっ……」

  キュッと噛んだ僕の唇の端から、思わず息が漏れてしまう。

  「くく、本当に耳弱いよね?」
  「だってぇ……、あんっ……」

  擽ったいんだもん…… 

  それに、ただ擽ったいだけじゃなくて、細かな息遣いとか、水音とかさ……、ただでさえ痺れ始めた脳に直接響いて来るから、余計に肩が竦んでしまう。

  なのに翔真くんたら、それを分かっていながら、僕の耳をわざと音を鳴らして舐めたりするから、僕の口から漏れる吐息は、益々熱を帯びてくる。
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