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第8章 009
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両腕をしっかりと組み、眉間に深い皺を刻んで考え込む翔真の隣で、智樹が深い溜息を一つ落としてから、黒瀬に向かって鋭い視線を向ける。
「本当に俺達の力になってくれるんだよな?」
「ええ、勿論です」
「分かった。だったら……フガッ……」
慌てた翔真が咄嗟に智樹の口を塞ぎにかかるが、智樹はそれを払い除け……
自身が持たされたプリペイド式携帯電話の画面に、依頼者から送信されたメールの文面を表示させた。
「これは? 見たところ、誘拐を教唆させるような文章にも読み取れますが……」
「ああ、そうだよ。俺らは、そこの岸本って奴を誘拐しろって頼まれて、そんで指示通りにこの部屋に運んで来たら、アイツが死んでて……」
最初は強気だった口調が、徐々に消え入りそうなくらいまで小さくなり、智樹はとうとう俯いてしまった。
膝の上で握った拳は微かに震え、その様子をすぐ真横で見ていた翔真は、ついさっき智樹の口を塞ごうとしていたその手を、智樹の手に重ねた。
「このメールの送り主に心当たりは?」
聞かれて二人は揃って首を横に振る。
「では、彼……弘行さんとの面識も?」
続く質問にも首を横に振った…………が、
「あれ?」
不意に浮かんだ疑問に、翔真が首を傾げた。
「本当に俺達の力になってくれるんだよな?」
「ええ、勿論です」
「分かった。だったら……フガッ……」
慌てた翔真が咄嗟に智樹の口を塞ぎにかかるが、智樹はそれを払い除け……
自身が持たされたプリペイド式携帯電話の画面に、依頼者から送信されたメールの文面を表示させた。
「これは? 見たところ、誘拐を教唆させるような文章にも読み取れますが……」
「ああ、そうだよ。俺らは、そこの岸本って奴を誘拐しろって頼まれて、そんで指示通りにこの部屋に運んで来たら、アイツが死んでて……」
最初は強気だった口調が、徐々に消え入りそうなくらいまで小さくなり、智樹はとうとう俯いてしまった。
膝の上で握った拳は微かに震え、その様子をすぐ真横で見ていた翔真は、ついさっき智樹の口を塞ごうとしていたその手を、智樹の手に重ねた。
「このメールの送り主に心当たりは?」
聞かれて二人は揃って首を横に振る。
「では、彼……弘行さんとの面識も?」
続く質問にも首を横に振った…………が、
「あれ?」
不意に浮かんだ疑問に、翔真が首を傾げた。
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