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第二章 ー月ー
十二
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それからと言うもの、潤一は智樹と交わした約束の通り、度々人目を盗んでは蔵に忍び込んでは、智樹との逢瀬を繰り返した。
潤一は寝る間を惜しんで、蔵の中の世界しか知らない智樹に、潤一の知りうる限りの外の世界の出来事を話して聞かせた。
時には、使用人達の間で話題になっていた、最近になって出来た蒸気機関車の話を……
またある時には、幼い頃に家族でたった一度訪れた海の話を……
潤一はまるでお伽話でも語るような口調で、智樹に話して聞かせた。
潤一の話に智樹は赤い瞳を耀かせ、身を乗り出す様に聞き入っては、頭の中にその光景を思い浮かべた。
潤一もまた智樹と同じように、懐かしい光景に想いを馳せては、夢想を繰り返した。
見たことも、ましてや口にしたこともない菓子の味を想像して、知らず知らず動いていた口に、顔を見合わせ笑い合ったこともあった。
それは二人にとって、とても甘く幸せな、夢のような時間だった。
潤一は無邪気に向けられる智樹の笑顔に、次第に心惹かれていくのを感じていた。
それが潤一にとって初めての恋心だとも気付かずに……
可愛い智樹……
綺麗な智樹……
そして悲しげに涙を流す智樹……
そのどれもが、潤一は愛おしくて仕方なかった。
いっそのこと、この蔵から智樹を連れ出し、一緒に逃げてしまいたい……
叶いもしない思いに駆られることも少なくはなかった。
潤一は寝る間を惜しんで、蔵の中の世界しか知らない智樹に、潤一の知りうる限りの外の世界の出来事を話して聞かせた。
時には、使用人達の間で話題になっていた、最近になって出来た蒸気機関車の話を……
またある時には、幼い頃に家族でたった一度訪れた海の話を……
潤一はまるでお伽話でも語るような口調で、智樹に話して聞かせた。
潤一の話に智樹は赤い瞳を耀かせ、身を乗り出す様に聞き入っては、頭の中にその光景を思い浮かべた。
潤一もまた智樹と同じように、懐かしい光景に想いを馳せては、夢想を繰り返した。
見たことも、ましてや口にしたこともない菓子の味を想像して、知らず知らず動いていた口に、顔を見合わせ笑い合ったこともあった。
それは二人にとって、とても甘く幸せな、夢のような時間だった。
潤一は無邪気に向けられる智樹の笑顔に、次第に心惹かれていくのを感じていた。
それが潤一にとって初めての恋心だとも気付かずに……
可愛い智樹……
綺麗な智樹……
そして悲しげに涙を流す智樹……
そのどれもが、潤一は愛おしくて仕方なかった。
いっそのこと、この蔵から智樹を連れ出し、一緒に逃げてしまいたい……
叶いもしない思いに駆られることも少なくはなかった。
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