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第13章 coda
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「ちょ……っ、うっ……」
智樹の口が、何の躊躇もなく俺の中心を飲み込んで行く。
少し高めの体温に包まれ、決して器用ではない舌先を絡めた先端が吸われると、それだけで意識が吹っ飛びそうになる。
つか、智樹の口に包まれただけでこんななのに、実際に身体を繋げたら、俺は一体どうなってしまうんだろう…って、そんなことを考えていたら、智樹の口の中で俺の中心がグンと大きくなったのが分かって……
智樹もそれに気付いたんだろうね、俺を見上げる熱を含んだ目が細められた。
あ、その顔ヤバっ……
「智樹……、も、いいから、離して?」
『俺、下手だった?』
智樹の潤んだ目が訴えかける。
「違う、そうじゃなくて、早く智樹と繋がりたい」
だから……
それでも尚、舌を絡めようとする智樹の口から中心を引き抜き、上向いた顎先に指をかけると、唾液なのか、それとも俺の一部なのか、濡れた唇を指で拭い、そこに口付けた。
「俺、初めてだからさ、加減出来ないかもしんないけど、それでも……」
『それでもいい』
俺が言い終えるよりも前に、智樹の腕が俺の首に絡まった。
「じゃあ、ちょっと待っててくれる?」
『えっ?』
「すぐ戻る」
不安そうにする智樹の髪をそっと撫で、俺はベッドを抜け出ると、寝室を出て玄関へと向かった。
ボストンバッグの中から、もしもの時のために用意してあった例のモノを取り出し、それを手に急いで寝室に戻ると、『それ……は?』と智樹が俺の手に持っていた紙袋を指で差し首を傾げた。
「これ? これはその……必要かな、と思って」
紙袋の中からローションのボトルと、ゴムの箱を取り出し、ベッドの上に並べた。
笑われると……そう思っていた。
でも智樹は一切笑うことをせず、ベッドに身体を横たえると、おずおずと両足を開き、膝を立てた。
俺は智樹の腰の下に枕を宛てがうと、ボトルのキャップを外し、中の液体を手のひらに垂らした。
智樹の口が、何の躊躇もなく俺の中心を飲み込んで行く。
少し高めの体温に包まれ、決して器用ではない舌先を絡めた先端が吸われると、それだけで意識が吹っ飛びそうになる。
つか、智樹の口に包まれただけでこんななのに、実際に身体を繋げたら、俺は一体どうなってしまうんだろう…って、そんなことを考えていたら、智樹の口の中で俺の中心がグンと大きくなったのが分かって……
智樹もそれに気付いたんだろうね、俺を見上げる熱を含んだ目が細められた。
あ、その顔ヤバっ……
「智樹……、も、いいから、離して?」
『俺、下手だった?』
智樹の潤んだ目が訴えかける。
「違う、そうじゃなくて、早く智樹と繋がりたい」
だから……
それでも尚、舌を絡めようとする智樹の口から中心を引き抜き、上向いた顎先に指をかけると、唾液なのか、それとも俺の一部なのか、濡れた唇を指で拭い、そこに口付けた。
「俺、初めてだからさ、加減出来ないかもしんないけど、それでも……」
『それでもいい』
俺が言い終えるよりも前に、智樹の腕が俺の首に絡まった。
「じゃあ、ちょっと待っててくれる?」
『えっ?』
「すぐ戻る」
不安そうにする智樹の髪をそっと撫で、俺はベッドを抜け出ると、寝室を出て玄関へと向かった。
ボストンバッグの中から、もしもの時のために用意してあった例のモノを取り出し、それを手に急いで寝室に戻ると、『それ……は?』と智樹が俺の手に持っていた紙袋を指で差し首を傾げた。
「これ? これはその……必要かな、と思って」
紙袋の中からローションのボトルと、ゴムの箱を取り出し、ベッドの上に並べた。
笑われると……そう思っていた。
でも智樹は一切笑うことをせず、ベッドに身体を横たえると、おずおずと両足を開き、膝を立てた。
俺は智樹の腰の下に枕を宛てがうと、ボトルのキャップを外し、中の液体を手のひらに垂らした。
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