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第22章 subito
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でも冗談はそこまで。
森岡先生は急に表情を引き締めると、慣れた手つきででパソコンのキーボードを叩き、表示された画面に一通り目を通した。
「一年か 。随分長くかかったけど、良く頑張ったな?」
感慨深げってのはこういうことなんだろうか、長い手を伸ばして俺の髪をクシャッと掻き混ぜてから、ニカッと白い歯を覗かせた。
「……ってことは、もう?」
「おう、一応は……な?」
「一応って何だよ」
首を傾げる俺に、森岡先生は手元にタブレットを置き、入口横の椅子に、潤一さんと並んで座る雅也さんに視線を向けた。
「一応は一応だろうが。大体お前は一人で抱え込み過ぎんだよ。そう思いませんか、お母さん?」
当然、お母さんなんて呼ばれるこもを予想もしていなかった雅也さんは驚いた様子で、辺りをキョロキョロと見回してから漸くそれが自分を指していると気付いたようで……
「え、えっと……、ああ、はい……」
苦笑いを浮かべながら、面白いくらいしどろもどろで答えるから、俺も思わず吹き出してしまう。
「その顔だ」
森岡先生が一つ大きく頷き、そう言ってピンと伸ばした指を俺に向けた。
「えっ?」
「だから、お前はそうやって笑ってる方が良い、って言ってんだよ」
意味が分からず首を傾げた俺の額を、森岡先生の指がビンと弾く。一瞬目の前に星が散って、思わず涙目になる俺に、森岡先生は更に言葉を続ける。
「過去を振り返ることも時には必要なことだか、いつまでも過去に縛られてたら、そこから動けなくなっちまうだろ?」
「うん。で、でも……」
決して忘れたくない過去だってあるし、忘れちゃいけない過去だって、……それ以上にある。
和人が苦しんでいるのを気付いてやれなかったことへの後悔だって、当然……
「忘れらんねぇよ……」
和人のことも、翔真さんのことも……
全部忘れて、全部無かったことにするなんて、俺には出来ないよ。
森岡先生は急に表情を引き締めると、慣れた手つきででパソコンのキーボードを叩き、表示された画面に一通り目を通した。
「一年か 。随分長くかかったけど、良く頑張ったな?」
感慨深げってのはこういうことなんだろうか、長い手を伸ばして俺の髪をクシャッと掻き混ぜてから、ニカッと白い歯を覗かせた。
「……ってことは、もう?」
「おう、一応は……な?」
「一応って何だよ」
首を傾げる俺に、森岡先生は手元にタブレットを置き、入口横の椅子に、潤一さんと並んで座る雅也さんに視線を向けた。
「一応は一応だろうが。大体お前は一人で抱え込み過ぎんだよ。そう思いませんか、お母さん?」
当然、お母さんなんて呼ばれるこもを予想もしていなかった雅也さんは驚いた様子で、辺りをキョロキョロと見回してから漸くそれが自分を指していると気付いたようで……
「え、えっと……、ああ、はい……」
苦笑いを浮かべながら、面白いくらいしどろもどろで答えるから、俺も思わず吹き出してしまう。
「その顔だ」
森岡先生が一つ大きく頷き、そう言ってピンと伸ばした指を俺に向けた。
「えっ?」
「だから、お前はそうやって笑ってる方が良い、って言ってんだよ」
意味が分からず首を傾げた俺の額を、森岡先生の指がビンと弾く。一瞬目の前に星が散って、思わず涙目になる俺に、森岡先生は更に言葉を続ける。
「過去を振り返ることも時には必要なことだか、いつまでも過去に縛られてたら、そこから動けなくなっちまうだろ?」
「うん。で、でも……」
決して忘れたくない過去だってあるし、忘れちゃいけない過去だって、……それ以上にある。
和人が苦しんでいるのを気付いてやれなかったことへの後悔だって、当然……
「忘れらんねぇよ……」
和人のことも、翔真さんのことも……
全部忘れて、全部無かったことにするなんて、俺には出来ないよ。
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