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第26章 番外編☆dolce
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「それでさ、上杉の奴がさ……」
いつも話をするのは翔真さんの方で、話の内容は…殆どが仕事の話。
中でも、あの金髪チャラ男の出現率は高くて……
翔真さんには言わないけど、内心嫉妬してなくもない。
でも翔真さんは超が付く程鈍感だから、俺のそんな気持ちには全く気付いてなくて……
だから俺はただ黙って翔真さんの話を聞いては、たまに相槌を打つだけ。
そうして丁度別れ道に差し掛かった所で、俺達は同時に足を止めるんだ。
「じゃ、また明日……ね」
俺が言うと、翔真さんの顔から途端に笑顔が消えて、
「どうしても帰るのか?」
今にも泣き出しそうな顔をするから、困ってしまう。
「うん、だって翔真さん明日も仕事でしょ?」
「たまには良いだろ?」
「駄目だよ。週末になったら泊まりに行くから、それまで我慢して? ね?」
「週末までなんて、待てないよ。俺はずっと智樹と一緒に……」
分かってるよ。
俺だって本当はそうしたい。
でも今のまま俺では、翔真さんの優しさに甘えるばっかで、きっと翔真さんの負担になるだけだ。
それが分かってるから、俺はどうしても一歩が踏み出せずにいる。
俺はまるで子供みたいに駄々をこねる翔真さんの頬を両手で包み込むと、少しだけ背伸びをして寒さに凍える唇にキスをした。
「じゃ……、また明日ね?」
たかだか一日離れるだけ……
分かっていても、別れ際が寂しくなるのはやっぱり拭えきれない。
それでも翔真さんに笑顔を向けると、不意に伸びて来る手から逃れるように踵を返し、目の前にある坂を駆け上がる。
翔真さんのことだから、きっとずっとその場から動くことなく、俺の姿が見えなくなるまで見送ってんだろうな。
でも俺は一切後ろを振り返ることはしない。
そうでもしないと、俺の気持ちが揺らぐから……
いつも話をするのは翔真さんの方で、話の内容は…殆どが仕事の話。
中でも、あの金髪チャラ男の出現率は高くて……
翔真さんには言わないけど、内心嫉妬してなくもない。
でも翔真さんは超が付く程鈍感だから、俺のそんな気持ちには全く気付いてなくて……
だから俺はただ黙って翔真さんの話を聞いては、たまに相槌を打つだけ。
そうして丁度別れ道に差し掛かった所で、俺達は同時に足を止めるんだ。
「じゃ、また明日……ね」
俺が言うと、翔真さんの顔から途端に笑顔が消えて、
「どうしても帰るのか?」
今にも泣き出しそうな顔をするから、困ってしまう。
「うん、だって翔真さん明日も仕事でしょ?」
「たまには良いだろ?」
「駄目だよ。週末になったら泊まりに行くから、それまで我慢して? ね?」
「週末までなんて、待てないよ。俺はずっと智樹と一緒に……」
分かってるよ。
俺だって本当はそうしたい。
でも今のまま俺では、翔真さんの優しさに甘えるばっかで、きっと翔真さんの負担になるだけだ。
それが分かってるから、俺はどうしても一歩が踏み出せずにいる。
俺はまるで子供みたいに駄々をこねる翔真さんの頬を両手で包み込むと、少しだけ背伸びをして寒さに凍える唇にキスをした。
「じゃ……、また明日ね?」
たかだか一日離れるだけ……
分かっていても、別れ際が寂しくなるのはやっぱり拭えきれない。
それでも翔真さんに笑顔を向けると、不意に伸びて来る手から逃れるように踵を返し、目の前にある坂を駆け上がる。
翔真さんのことだから、きっとずっとその場から動くことなく、俺の姿が見えなくなるまで見送ってんだろうな。
でも俺は一切後ろを振り返ることはしない。
そうでもしないと、俺の気持ちが揺らぐから……
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