戦記×戦記

ねことら

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王国を脅かす黒騎士

山奥の戦士

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 三人は、黒騎士集団の襲撃によって、命を狙われるも、山奥に逃げ、命からがら、黒騎士集団から逃げ切った。
「王。ここには、誰も居ません。カーラ、なぜこんな山奥に逃げる必要があったのだ。ここに長居すれば、餓え死にするだけ。下山すれば、敵に見つかって終わりだ。どうするつもりだ。」
「大丈夫です。もう少し上に行けば、私の知り合いがいます。私よりも、剣術に優れている者が。」
 そう言うと、カーラは、登り続ける。
「仕方ない。王、私達も登りましょう。」
「そうだな。」

 頂上に近づいてきたとき、少しずつ進むのが遅くなっていることに気付いた。
「少し苦しい。酸素が少ないのか。」
「そうだな、アグロ。ここで暮らすとは、中々の人間のようだ。」
「あれです。あれが、知り合いの家です。」
「これは、豪華な。」
「ここに住む人は、イクスといい、昔はマース国の財政大臣だった者です。」
「わが国の財政大臣だった方がこんな所に住むとは。なぜだ。」
「少し変わった人で、仕事に飽きてここにて、武術の練習をしているんです。私の親戚に当たる方で、何年か前に会ったことがあるんです。」
「そうなのか。そんな方とは。」
「王。腹も減っています。早く行きましょう。」
「そうか。そうだな。行こう。」
 カーラは、扉をこんこんと叩いた。
「久しぶりの来客だ。カーラ、君とは、一度会ったことがあるか。」 
「はい。」
「あのイクス大臣。あの時世話になったフリーグといいます。」
「フリーグ王子、久しぶりだな。まさか、カーラと一緒に来るとは。さあ、上がって上がって。」
 イクスは、優しく三人を向かい入れると、食事を出してくれた。
「イクスさん。今、私達は謎の黒騎士集団によって、王が殺され、城に火が放たれ、兵は壊滅しました。私達は、命からがら逃げてきた者のの外に出れば、数日も経たずに殺されます。かくまってくれないでしょうか。」
「良いぞ。私と私の養子のドーラスだけだからな。」
「養子。」
「この森に迷い込んだのを見つけ、親兄弟がいないらしいから、俺が引き取った。そこの畑にいるから、後で紹介する。それよりも、黒騎士集団のことだ。黒騎士集団の中にターナバードと名乗るやつはいたか。」
「ターナバードっていえば、地下道を抜けたとき、俺らに斬りかかってきた男だ。」
「やはりそうか。長い話になるが聞くか。」
「はい。」
 深刻そうな顔をして、地図を取り出したイクスは、話し始めた。
 二十年前の話しを。
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