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十一章
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視線をあげると、かつての私の家族たちがこちらを見ていた。皆悲しげで、でもどこか空っぽな顔をしている。皆が私を求めているようで、私を排除しようとしている。こんなの、地球に居たときと同じじゃないか。
「お父さん」
「……」
父の幻覚は何も言わなかった。口の利き方を忘れてしまったかのように、押し黙ってこちらを見ている。母も、達也も、ついに人形のような無表情になってしまい、無言で私を見ている。
「私はお父さんのことを信じていたかった。愛していたかった。お母さんも達也も、愛していたかった」
でも、それはもうできない。それを壊したのは他でもない父たちなのだ。私の愛を壊したのだ。父は立派で尊敬できる人で、母は優しくて美しい。最高の親だと、皆に地面できる程良い家族だと、思っていたかった。この世界に来てからも、悔しいことに、その望みは完全には捨てきれていなかった。
私は、私の家族と幸せになりたかった。
普通の家族になりたかった。
でも、もうそれはできない。その望みは絶対に叶わない。
つまり、私はもう自由なのだった。
「私はもう戻らないし、何より、もうこの世界がどうしようもなく愛おしいんだ。
優しい人がいっぱいいるし、会いたい人もたくさんいる。見たい景色もたくさんある」
地球とは大違いだ。ここには私に優しくしてくれる人や、私を心配して本気で怒ってくれる人がいる。こんなに優しい世界に人知れず危機が迫っていて、そして私を求めている。こんなにうれしいことが他にあるものか。
それなのに、私ときたら、幻覚なんかに惑わされるなんて。みっともない。
「お父さん」
「……」
父の幻覚は何も言わなかった。口の利き方を忘れてしまったかのように、押し黙ってこちらを見ている。母も、達也も、ついに人形のような無表情になってしまい、無言で私を見ている。
「私はお父さんのことを信じていたかった。愛していたかった。お母さんも達也も、愛していたかった」
でも、それはもうできない。それを壊したのは他でもない父たちなのだ。私の愛を壊したのだ。父は立派で尊敬できる人で、母は優しくて美しい。最高の親だと、皆に地面できる程良い家族だと、思っていたかった。この世界に来てからも、悔しいことに、その望みは完全には捨てきれていなかった。
私は、私の家族と幸せになりたかった。
普通の家族になりたかった。
でも、もうそれはできない。その望みは絶対に叶わない。
つまり、私はもう自由なのだった。
「私はもう戻らないし、何より、もうこの世界がどうしようもなく愛おしいんだ。
優しい人がいっぱいいるし、会いたい人もたくさんいる。見たい景色もたくさんある」
地球とは大違いだ。ここには私に優しくしてくれる人や、私を心配して本気で怒ってくれる人がいる。こんなに優しい世界に人知れず危機が迫っていて、そして私を求めている。こんなにうれしいことが他にあるものか。
それなのに、私ときたら、幻覚なんかに惑わされるなんて。みっともない。
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