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甘すぎる新婚生活

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 私を優しく拘束していた彼の手が、背中にあるワンピースのファスナーをゆっくりと下ろしていく。頭の片隅でその気配を感じているのに、初めての快感に抵抗する気力が削がれてしまう。
 彼に身をまかせて、ひたすら口づけに没頭した。

 舌をじゅっと吸われて、ぶるりと体を震わせる。
 ようやく顔を離されて、どちらのものともわからない唾液をごくりと飲み下した。

 親指で私の口もとを拭いながら優しく微笑んだ碧斗さんは、それから額に頬に口づけを落としていく。
 思わず閉じた瞼にも唇で触れられる。その間に、肩からワンピースが滑り落ちていた。

 下着姿にされ、ベッドにそっと押し倒される。
 瞳は羞恥で潤み、どうしていいのかわからなくて胸もとで両手を握り合わせた。

「音羽」

 熱い声音で呼びながら私に覆いかぶさった碧斗さんが、再び顔中に口づけを落としていく。そうして片手で私の輪郭をなぞりながら、今度は耳もとを唇で愛撫した。

 耳朶を食まれた後に、舌を差し込まれる。途端に全身をゾワリとした感覚が巡り、小さく体をしならせた。
 それは決して不快ではなく、怖いもの見たさのようにもっとと求めたくなる。思わず彼の腕にしがみついた。

「かわいい」

 たとえベッドの上でのリップサービスだったとしても、好きな人にそう言われてうれしくないわけがない。強張っていた表情が緩み、かたくなに閉じていた目を薄っすらと開けた。

 熱い眼差しに見つめ返され、金縛りにあったように身動きが取れなくなる。
 そんな私に一瞬口づけた碧斗さんは、体を起こして着ていたシャツを乱雑に脱ぎ捨てた。

 厚い胸板に薄っすらと割れた腹部は、女の私とは明らかに質感が違うと見ただけでもわかる。

 つい見惚れる私に、碧斗さんはくすりと笑いながら軽い口づけを落とした。

 そのまま彼の唇は私の首筋を辿り、ついに胸もとに到着する。
 体を守るよう固く組んでいた私の両手は優しく解かれ、脇にどけられてしまう。

 胸もとにサラリと触れられて、下腹部の奥が切なく疼く。たまらず体をくねらせると、碧斗さんは逃がさないとでもいうようにわずかに体重をかけて私の動きを封じた。

 まだつけたままの下着は上にずらされ、胸もとを彼の唇が張っていく。

「はぁ……」

 思わず熱い吐息が漏れる。
 体は徐々に敏感になっていき、肌に触れる彼の髪の感触にすら快感を拾ってしまう。

 チクリと感じた刺激を視線で追えば、真っ赤な跡が散っていた。
 満足そうに微笑む彼に、ようやくキスマークをつけられたのだと気づく。さらに複数個所へ同じようにされている間に、下着は完全に外されていた。
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