だからロリエルフを拾ったボクは今日も歌う

ふみのあや

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第11話 I can't live without you

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「うりゅあー!(めらめら)」
「…………。」
 ボクは今、更衣室で日本語の不自由な二人の美少女(エルと杏ちゃん)から見つめられて(睨まれて)いた。
「いやー、二人とも似合ってるねえ~」
「あう! めいど!」
「……にあってない」
 二人から返ってくる正反対の反応が、少し面白い。
「ふっ」
 がしっ!
「いたっ!」
 笑ってしまったのが機嫌を害したのだろうか、杏ちゃんがボクに蹴りを入れた。
「……あんたに笑われるために、着たんじゃない」
「そ、そうだよねー。ごめんごめん」
 というのも、二人にはボクの方からお願いして、メイド服を着てもらっていたのだ。
 だから、慣れないひらひらのついたかわいい服を無理矢理着せられて気分の落ち着かない杏ちゃんが、ややイライラしているというわけ。
「だいたい、なんなのこのちっこいの」
 子供用メイド服(特注)に身を包んだエルを指して、杏ちゃんが眉を吊り上げる。
「ぎ、ギター担当……」
「ぎあー!」
「……正気?」
 元気よくエアギターを始めたエルを見て、杏ちゃんがきつい表情で問い詰めてくる。
「子供だからって、大人より下手とは限らないでしょ?」
「……そっか。あんたよりはうまいかも。納得」
 ひどい……。でもそれがわりと現実になりつつあるからなんも言えない……。
「はいはい、ボクのギターは下手ですよー」
「うん」
 真顔で頷く杏ちゃん。別に冗談とかじゃなく客観的事実を言っただけみたいな顔。
 凹む……。
「主に杏ちゃんは容赦がないよね」
「あうっ!(びしっ!)」
「ちょ、こら、ボクのギターが下手なのは本当なんだから、杏ちゃんをぶたないの!」
 雰囲気でボクがけなされているのを察したのか杏ちゃんに鉄拳制裁をくわえた蛮勇の幼女エルをたしなめる。
 そしてかわいい拳をノーリアクションでくらった当の杏ちゃんはエルを無言で一瞥した後、ボクに向けて、一言。
「……しつけも下手」
「はい、申し訳ございません」
 相変わらずのきりっとした整い顔をしているものの、実はそこそこ苛立っているらしきことが長年の経験から察せられ、ボクは胃のきりきりで軽く精神をやられた。
 でもエルはボクのためにやってくれたわけで、何も悪くないし……というか、ボクのためにあの杏ちゃんを初対面なのに攻撃するエル……、かわいいかよ……。
 ――今日も幼女でメンタルが回復した。
 そんなロリコンのボクに、杏ちゃんは。
「……ドラムは?」
 この場に三人しかいないことに違和感を覚えたのか、急にそんなことを尋ねてきた。
「え、杏ちゃんが呼んでくれるんじゃなかったの?」
 そういう手筈になっていたと思うんですけど……。
「…………不可能」
 彼女はさすがにバツが悪かったのか(申し訳そうな態度こそ示したりはしなかったが)、やや右斜め前に視線を逸らし、そう言った。
「あ、ううん。じゃあ、いないね」
「はあ……」
 使えねえなあ、みたいなオーラをどことなく漂わせながら、ボクを流し目で見る杏ちゃん。理不尽にも程がある。確かにこの杏ちゃんに人を呼ぶよう頼んだボクにも問題があったような気がしないでもないけども。
「なんでそこで杏ちゃんがため息? こっちのセリフなんだけど?」
「カナなら……、あんたが呼べば来る」
 二代目ドラムの名前を急に出す杏ちゃん。なぜここでカナちゃん?
「いやいや、ないでしょ」
「だってあの女、あんたが抜けたから止めた……」
「そうなの?」
 そうだったのか。なんかかつてバンドを脱退したことへの罪の意識がより深まる情報……。具体的に言うと、割と病む。知りたくなかった……。
「…………しらないけど」
「えぇ……」
 人を病ませておいてその無責任さはどういうことなのか。
「だって、人の心なんてしるわけない。あたしが」
「たしかに! 杏ちゃんが言うと説得力あるね!」
「あう!」
「…………ばーか」
 ボクだけでなくエルにまで人間性を否定されて、さすがの杏ちゃんでもちょっと思うところがあったのか、ほっぺを膨らませ、子供みたいにふてくされてしまった。
 そんな姿を、可愛いと思ってしまう。
 もう数年でアラサーな年なのに、そんな仕草が本当に様になるのだからずるい。
「ごめんごめん、でも、杏ちゃんのベースライン滅茶苦茶うるさいから、ドラムいなくても別にいいんじゃない?」
「ああ?」
「いや、褒めてるんだけど」
「……なら、いい」
「もー、そんなに怒んないでよ~。杏ちゃんが怒ってるとほんとに怖いからさー」
「……有家がわるい」
 未だに機嫌が悪いらしい彼女は、そう言ってどかっとパイプ椅子に座った。
 そんな杏ちゃんに、とてとてと歩み寄る褐色ロリエルフの影――。
「うーう?(よしよし)」
 そしてあろうことか、エルはあの杏ちゃんの頭を、恐れ多くも、撫でた。
「…………。」
 彼女は黙って、それを享受している。完全なる仏頂面で。
「う!(にぱ)」
 さらには、エルはそこに向かって、たんぽぽの様に笑ってみせた。
 すると、杏ちゃんは。
「……なにコレ?」
 うげえと言うような顔で(ここまで露骨に杏ちゃんが顔をしかめるのは珍しい)、ボクを睨みつけた。
 そういえば、今更だけど、杏ちゃんて子供がけっこう嫌いなタイプだったような……(自分が子供みたいな大人だから、同族嫌悪なのだろうか……)。
 とはいえ、それがわかったところで今は仕方がないので、お茶を濁す。
「え、エルだよ~」
「える!」
「……なめてんの? てか、ソレ、さっききいた」
 ですよねー。出会い頭に紹介したもんねー。でも名前聞いただけで満足して、ボクとどういう関係なのかとか肌とか髪の色についてまるで聞いてこないあたり、まじ杏ちゃんって感じだった。
「ごめんなさい」
「まあ、いいけど。……ギター、上手いなら」
「ほんと、杏ちゃんって音楽にしか興味ないんだね」
「わるい?」
「いや、いいんじゃない? そういうところ、ボクは大好き」
「…………ふぅん。そ?」
「そうそう。それに、実際エルはめちゃ上手いし、聞いたらすぐ気に入ると思うよ」
「……はやく弾きたい」
 この会話の流れで、聴きたいじゃなくて弾きたいと言ってしまうところが心底彼女らしい。
 でも、早く弾きたいと思っているのは杏ちゃんだけではないらしく。
「あう! うゅ!(うんうん)」
 エルがぴょんぴょこ長い銀髪を揺らしつつ跳ねて、同意していた。
「はー、うちのバンドには、まーじで音楽バカしかいないみたいだね」
 超ロングヘア同士、意外と気が合うのかもしれない。
「あんたは? ちがうの?」
「どうだろ……? 少なくとも、音楽バカバカではあるかも」
「……なにそれ」
「まあ、杏ちゃんのベースにあわせて歌うのは、楽しかったなー」
「ふっ、当然。」
「うぅー!(むぅ)」
「ああ、ごめんごめんて、もちろんエルのギターにあわせて歌うのもね」
「ん(こくっ)」
 かわいらしくうなずくエル。かわいい。
 そうやって、ボクがエルを甘やかしていると、不意に杏ちゃんがボクの目を見た。
「……あんたって、ロリコン?」
「えっ」
「そういえば、あたし勤めてた店って……」
 気付いてしまったか……。いや、でも、それよかキミはなんで【デリヘル呼んだらロリが来た】とかいうイカれたネーミングセンスの店で働いていたのか。むしろそっちの方がロリコン疑惑よりも追求されるべき問題じゃない?
 しかしまあそんなこと言ったところで杏ちゃんには意味がないと知っているので。
「あーあー聞こえなーい。というかー、そろそろ出番みたいだよー。行かなきゃー」
 そう言ってボクは更衣室の出口へと向かった。




 さて、ではボク達がなぜメイド服を着ているのかについて釈明しよう。
 なんというか、まあ、エルの純粋さとひなりちゃんの信念、そして杏ちゃんのひたむきさにあてられたボクは、エルと杏ちゃんをどうにか輝かせたいという想いもあり、再び歌うことを決意したのだけど……。
 バンド活動を再開するにあたって、まず大きな問題があった(ドラムの不在は、ここでは置いておくにして)。
 ライブをする場所の問題である。
 杏ちゃんはもちろんのこと、ボクもそれなりのレベルではあるし、エルも初心者とは思えないほどの上達を見せたので、実力的にボクらは小さいライブハウスで演奏する分には申し分ないくらいの力量があった。
 だから、エルに人前で演奏する機会を与えて上げるためにも、早くライブハウスでライブがしたい。切にしたい。そう思っていた。
 しかし、ここで大きな問題が一つ。
 ライブハウスでライブをするのには、お金がかかる。
 具体的に言うと、最低でもチケット20枚分くらい売らないと、赤字も赤字。
 つまり、ボクたちはメンバーが三人いるので、一人あたり7枚くらい売らないといけない。
 が、ここで残念なお知らせ。
 ニートのボクには、友達がいない。
 コミュ障の杏ちゃんには、友達がいない。
 異世界からやってきたエルには、友達がいない。
 終わった……。
 どう考えても、このメンツではチケットを売り切ることが出来ない。
 ライブハウスでのライブなんて夢のまた夢……。
 ――そう思っていたのだが、ある日、ボクはピキンと閃いた。
 その妙案、それこそが、メイドだったのだ。
 つまり、ボクの勤めているメイドカフェで、ライブをする。そういうこと。
 あそこなら申し訳程度ではあるけどステージもあるし、たぶんボクがお願いすれば店長も使用許可をくれるだろう。それに、あそこでライブしても問題ないくらいの容姿の良さが、エルと杏ちゃんにはあるし。二人共、ボクよりはるかにかわいいもん。
 それと、あそこでライブをすれば、エルの異様な容姿も超クオリティの高いコスプレだと思われて、特に問題にならないだろうという配慮もある。
 というわけで、ボクたちは今、メイド服を着ているのだった。
 
 
 
 
 ボク達がメイドカフェの中にあるステージへと向かうと、なぜか既に店内は盛り上がっていた。
「おー、おー、ようやく来よったでー、みんなー!」
「「「「Fuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!!!!」」」」
 店内にいる20人くらいのオタクの太めな歓声が轟く。
「ゆんーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
 見たところ、ステージに立っているめちゃくちゃかわいいボンッキュッボンッな金髪メイドさんが場を盛り上げててくれたらしい。けど、あんなメイドさんうちにいたかな? 新人なんだろうか(……ん? あれ、でもなんか見覚えがあるような……?)。
 てか、客席のひなりちゃんの声がデカい。
「どうもー」
 超メス声でお客さんに挨拶しつつ壇上に上がるボク。もちろん杏ちゃんは無言だった。ちなみにエルは大勢の人がいてびっくりなのか、おどおどしている。かわいい。
「よし、ほんなら、早速始めよか?」
「え?」
 急に金髪メイドさんが話しかけてきて、びっくりする。
「……誰?」
 杏ちゃんに至っては直球の質問をしてるし。
「だれてww メンバーに向かって最初に言うセリフがそれかいな! まったく、ひどいメンバーやでー」
「「「「あははははは!!!!」」」」
 沸く客席。オタクは大して面白くないことでも大笑いしてくれるいい人だった。
「……メンバー?」
 しかし杏ちゃんは場の空気に流されて優しくなったりするような流されやすい人ではないので、永久凍土って感じの冷たい声でそうつぶやく。
 すると、あくまで金髪ちゃんはにこやかに。
「なんやアリアー、伝えてなかったん? わしがこのバンドんドラムやて」
 馴れ馴れしくボクの肩をバシバシ叩きながらそんなことを言ってくる。
「えっ」
 色々と言っていることがよくわからず、思考が停滞してしまう。
 そんなボクに向けて、彼女はボクだけに聞こえるように、なにごとか耳打ちしてきた。
(まあまあ、ドラムおらんて困ってるんやろ? わしが入ってやるけん、安心しぃ)
(どうしてそれを?)
(はっ、いきなしエルフ拾うて来て平然としとるヤツが、そんくらいで驚くなや。人生不思議なことの一つや二つ、なんぼでも起きんねん。細かいこと気にしたら負けやで?)
(そ、そこまで知ってるの?)
(せやせや、やからこれもその一環と思って受け入れるんがええんとちゃう?)
「なあ? エル?」
「あう!(にこっ)」
 ふぇ!? しかもなんかエルと顔見知りっぽい。なんで? 何者?!
「え、ええとー……」
 あまりの展開に戸惑う他ない。だけどご主人様の前だからあんまり狼狽できない。
「……どういうコト?」
 その上、不服そうな杏ちゃんの鋭い視線に射抜かれ、強烈なプレッシャーに胃まで痛くなってきた。
「うっ、うぷっ……」
 誰か、助けて……、と思っていると、
「ま、なんや連絡の行き違いがあったみたいやけど、つまりやな、わしがドラムのえすえすや。よろしゅうな」
 思わぬ助け舟が。
 杏ちゃんはそんな彼女を品定めするようにじいと眺めた後、ぶっきらぼうに。
「ふーん……。ま、ちゃんと叩けるなら誰でもいい」
 うわー。出たよ、この杏ちゃん特有の問題発言。「そういう態度がキミを孤立させてるんだよ?」って、一度でいいから言ってみたい。
「ひゃー、ずいぶんツンツンした女やなー。いつデレるん?」
 さっきからやたら軽快な喋り方をしていたけど、あの杏ちゃんに軽口を叩くとは……。しかも初見で。このえすえす(?)さん、度胸あるなー。
 ちなみにそれに対し、杏ちゃんは客席から届いた「かわいいー」という歓声をちらっと見遣りながら。
「……は?」
 とだけ言った。相変わらず言語の使い方が下手。
 けれど、
「あっはっはっは、キャラ濃おてなによりや。じゃ、そろそろ始めへんか? ……みんなもそろそろ聞きたいやろ? わしらの演奏?」
 えすえすさんは態度の悪い杏ちゃんに怒るでもなく、そう言って客席を煽った(見た目だけなら女子高生くらいなのに、不思議となんかさんをつけたくなる貫禄がある。謎)。
「「「「Yeaaaaaaaaaaaaaaaaaah!!!!!!!」」」」
 返ってくるすごい歓声。まあ彼女MC上手そうなオーラあるし、金髪巨乳美人だし、当然か。
「あふー!(わくわく)」
 エルもその熱気によって気分が盛り上がっているらしい。かわいい。
「…………。」
 そして無言でネックを撫でている杏ちゃん。いつも通り。集中している。
「じゃま、アリア、後んMCは頼んだわ」
「ええっ!?」
 ……てか、なんでアリア呼び?
「いやー、わし、盛り上げるんは得意やねんけど、エモいこと言うの苦手やねん」
 あはははーと、客席が少し沸く。
「べつに、ボクもしゃべるの得意ではないんだけど」
「うっさいなあ、ええからバンド結成の経緯とか言えや! 初ライブなんやからそういうこと話しとけばなんやそれだけでそれっぽい感じになんねん! そんなんもわからんとか、にわかか、おまん?」
 彼女の独特なトークに、また客席が軽く沸く。
「そんなもんかなー?」
「そんなもんや」
 金髪の彼女は、大真面目に頷いた。有無を言わさぬ目力。
 となると、ボクは押しに弱いタイプなので、従う他なかった。
「じゃあ、少しだけ……」
 やりたくないし、手汗がすごいけど。
 思いつく限りを、打ち明けてみようか。一応ここは、ホームで、思い出の場所だから。
 大きく息を吸って、ボクはもう一度口を開けた。
「クロイエというバンドのボーカルやってます。ゆんです。普段はここでお給仕しているので、知っているご主人様お嬢様も多いんじゃないかな?」
 最前列にあたる場所から、「しってるー」という大音量のアニメ声が聞こえて、もうちょっと自重して欲しいと思いつつも、緊張が少しやわらぐのを感じた。
「でも、今日は、いつものアイドルっぽいライブじゃなくて、ゴリゴリのロックなライブをしちゃいます。だったら普通にライブハウスでやれと言われるかもしれないけど、実はここでやることに大きな意味があるので、どうしてもここでやりたかったんです。もちろん、金銭的な理由もあるけどね(笑)。……ともかく、協力してくれた店長には感謝しかありません」
 客席から、まばらながらも拍手が起こった。
 ひなりちゃんの方を見つめると、彼女はどこか潤んだ目でしっかりとボクだけを見ていた。
「……ボクたちのバンドは、なんと一度解散してて、でも、また、今日こうして集まりました。それは、色んな人の夢が交錯して、混ざり合って生んだ奇跡です。誰か一人の夢は、一人だけの夢では終われない。そんなようなことを思います。だから、夢がまた夢を作る残酷さと希望、これからボクが歌うのは、そんな曲です」
 ボクを見つめる熱い視線のせいで、つい、中々に痛いことまで言ってしまった。またお腹が痛くなってくる。でも、その視線こそが、ボクの心を熱くしてくれる。
 ――あ。
 ふと、えすえすさんはこの曲を演奏できるのだろうかと、不安に思った。
 けれど、彼女はボクが振り返ると、もうすでに準備完了といった感じでドラムの前に座り、ばちっとこちらへウィンクまで決めてきた。なんだかよくわからないけど、大丈夫らしい。
 そして、杏ちゃんは、「まだ?」と急かすように目線を送ってくる。そのうずうずしている感じが最高に懐かしく、愛おしい。
 最後に、エルを見る。彼女は元気いっぱいに、きらきらとした目で、ボクを見つめていた。
 そう、この目が、ボクをここまで引き戻してくれた。
「……。」
 もう一度だけ、みんなの方に視線を送る。
 どうやらみんな、準備はOKらしい。
 ならば、いこう。
 ボクは客席に向かって、声を上げた。
「それでは、聞いてください、【I can't live without you】――」
 その言葉を皮切りに、空気が刹那、緊張し――エルの奏でるイントロが、この場にいる全員を引き込んだ。
 キュイーンという歪の後に紡がれる、印象的でエモーショナルなリフレイン。
 数度続いたそのギターリフへ、ベースとドラムが同時に入り込む。加速度的に深みを増していく旋律。ボクは、大きく口を開いた。
『光り輝く空に夢を見て、憧れてたボクはもういない
 闇を穿つテールランプ、なにもかも抜き去った
 薄暗い部屋で天井を見て、好きだったシリウスはもう見えない
 そんなダサい言い訳して、月の太陽に甘えてた』
 生きる意味なんてない。そう思っていた日々を思い出して、ボクは歌う。

『下を向いて歩く永久の夜、光らないハズのボクの瞳
 なのにひらり、流星がちらり、瞬き全てを変えた』

 この歌はエルの為に。

『ボクの前に落ちたヒカリ、それは、なくしてた灯り
 取り戻そうと上を向いたら、月明かりが眩しくて
 それでも笑うシリウスに、このクソッタレな生を捧げようか』

 この歌はひなりちゃんと、杏ちゃんの為に。
 
 そして――。

『叫べ I can't live without you
 歌え I can't live without you
 刻め I can't live without you
 ボクが生き抜く為に 煌めけ
 一瞬に咲け Because I can't live without you』

 
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