50 / 96
第1章 英雄の娘、冒険に出る
049 ターゲットは
しおりを挟む
一夜明けた今日。リーベはヴァールたちに連れられて冒険者ギルドを訪れていた。
ここには今日も多くの冒険者が屯しており、瀟洒な室内に熱気と喧噪をもたらしていた。
しかし彼女が踏み込んだ途端に静まりかえり、視線が集まる。
「あ、エルガーさんとこの」
「依頼受けに来たんか?」
そんな会話がひそひそと漏れ聞こえてくると、ヴァールが手を払う仕草をした。
「おらおら、見世物じゃねえんだぞ」
その声に視線が散っていくが、彼らの関心が未だに彼女に向いているのは明白であり、当人は甚だしく緊張させられる。
「うう……」
「ほら、そんなとこ突っ立ってねえでこっち来い」
その声に振り向くと、仲間たちは既に掲示板の前にいた。
「あ、うん!」
4人は肩を並べて掲示板を見上げる。
ドアを横倒しにしたくらいの大きさの掲示板にはびっしりと依頼書が張り出されていて、まるで鱗のようだ。
「沢山あるね……」
思わず出た言葉にフェアが反応する。
「それだけ魔物によって苦しめられている人がいると言うことです」
(この紙の1枚1枚がわたしたちに助けを求める声なんだ)
師匠であるヴァールは昨日、自分たちが仕事をしないと余計な被害を生むと言っていた。あれは誇張などではなく、ありのままを言っていたのだ。それを思えば、昨日、さらなる訓練をせがんだ自分が如何に身勝手だったことか。リーベは考えさせられた。
「……いつもこれくらいあるんですか」
「私はテルドル支部の冒険者じゃないので比較はできませんが、この時期はどこも魔物の被害が多くなるんですよ」
「へえ……春先は獣害が増えるって聞いたことがあるんですけど、それと同じなんですか?」
「そうですね。特別視されがちですが、魔物も動物ですから」
フェアは微笑みを解いて、真剣な顔で付け加える。
「先の一件で警戒圏が広がりましたので、それの影響もあるんでしょう」
「あ……」
(そういえば、サイラスさんと会った時、そんなお話をしていたっけ)
「そういうこった」
ヴァールは会話を断ち切ると1番弟子に命じる。
「フロイデ。俺たちは依頼を選ぶから、お前はこいつに依頼書の見方を教えてやれ」
「わかった」
フロイデは掲示板の隅っこの方へ移動すると、手招き代わりの目線を送ってきた。それに応じると、彼は掲示板の隅っこにあった依頼書を指差しながら講義を始めた。
「これ、件名」
「ええと、『サンチク村近郊に現われたラウドブロイラーの撃退』?」
「そう。その下が大体の場所と、その時の状況……見つけた人の勘違いとか、見逃しとかがあるかもしれないから、参考程度に、ね?」
長台詞が疲れた彼はふうっと一息ついた。
「わかりました」
「その下が報酬の額。危険なほど高い」
「じゃあ、この依頼は危険な方なんですか?」
「ううん。比較的、安全。だから、安い」
「へえ……」
依頼書に提示された額は、並の労働者が10日働いて得られる金額と同程度であった。
リーベの目には十分に高価に映ったが――
「高いと思った……?」
「ああ、はい。ちょっとだけ」
「冒険者は1人じゃない、から」
「あ、そっか……人数で割るなら、確かに安いですね」
「ん」
肯定すると、彼は指を依頼書の1番下の欄に滑らせる。そこは備考欄のようで、たっぷりの余白の中、
『五級以上必須』の文字が目を引いた。
「この依頼を受ける冒険者の等級の平均が、五級以上じゃなきゃいけない、てこと。ふう……」
「等級か……あ、それって」
リーベは冒険者カードを取出す。
表の上の方に『第六級冒険者』と記されていた。
「リーベちゃん1人じゃ、受けられない」
彼女のカードを覗き込みながらフロイデが言う。
「なるほど……ちなみに、フロイデさんの等級は幾つなんですか?」
すると彼は得意満面に冒険者カードを掲げた。
「第四級……」
リーベは父に聞いたことがある。
冒険者の等級は、最上位が『特級』で、その下が『一級』。そこから段々と下がっていって、最下位が『六級』だ。
つまり7つの階級があるわけで、第四級が下から3番目ということで相対的に低級に思えてしまうのは人間的思考だろう。
だがフロイデが小鼻を膨らませていることから、彼の年齢(あるいは経験年数)で四級は相当に凄いのだろうと、リーベは推察した。
彼女は若干の後ろめたさを感じつつも、先輩の新鋭っぷりを讃える。
「わー、すごい! もう四級なんですね!」
「むふーっ!」
フロイデが有頂天になる様子を微笑ましく思いながら見ていると、視界の隅でヴァールが依頼書を剥がした。
「ほら、これがお前の初仕事だぞ」
そう言って依頼書を差し出してくる。
リーベは強張った指で依頼書を摘まむと、内心ひやひやしながらその内容を確認した。
「『ライル村の北東に出没したラソラナの討伐』……ラソラナ?」
「馬鹿でかいカエルだ」
その一言に背筋が寒くなる。
「うげ……っ!」
思わず身震いすると、フロイデが不思議そうな顔を向けてくる。
「カエル、嫌い、なの?」
「は、はい……」
「……可愛いのに」
(あの薄気味悪い生き物が可愛いって……)
さすが男の子だと感嘆する一方、自分はとても受け入れられないとため息をつくのだった。
「しかしカエル嫌いとは困りましたね。もしや虫も苦手ですか?」
フェアの問い掛けにリーベはブンブンと頭を縦に振って答える。
するとヴァールがボリボリと頭を搔き回しながら溜め息をついた。
「たく。虫けらに怯えてるようじゃ、話になんねえぞ?」
「そ、それは……」
「まあいいさ。苦手なら克服させてやる。覚悟しておけ」
(覚悟って……いったい何するつもりなの……)
「ひ、ひえ~……」
初任務を目前に控えながらも、リーベは新たな脅威に苛まれるのだった。そんな彼女を余所にヴァールは話しを進める。
「俺たちは受注を済ませてくるから、お前らはここで待ってろ」
フェアとフロイデは頷くと、冒険者カードをリーダーに預ける。
呆然とその様子を見つめていると、彼女は背中を叩かれる。
「ほら、ぼさっとしてねえで行くぞ」
「……はあい…………」
ここには今日も多くの冒険者が屯しており、瀟洒な室内に熱気と喧噪をもたらしていた。
しかし彼女が踏み込んだ途端に静まりかえり、視線が集まる。
「あ、エルガーさんとこの」
「依頼受けに来たんか?」
そんな会話がひそひそと漏れ聞こえてくると、ヴァールが手を払う仕草をした。
「おらおら、見世物じゃねえんだぞ」
その声に視線が散っていくが、彼らの関心が未だに彼女に向いているのは明白であり、当人は甚だしく緊張させられる。
「うう……」
「ほら、そんなとこ突っ立ってねえでこっち来い」
その声に振り向くと、仲間たちは既に掲示板の前にいた。
「あ、うん!」
4人は肩を並べて掲示板を見上げる。
ドアを横倒しにしたくらいの大きさの掲示板にはびっしりと依頼書が張り出されていて、まるで鱗のようだ。
「沢山あるね……」
思わず出た言葉にフェアが反応する。
「それだけ魔物によって苦しめられている人がいると言うことです」
(この紙の1枚1枚がわたしたちに助けを求める声なんだ)
師匠であるヴァールは昨日、自分たちが仕事をしないと余計な被害を生むと言っていた。あれは誇張などではなく、ありのままを言っていたのだ。それを思えば、昨日、さらなる訓練をせがんだ自分が如何に身勝手だったことか。リーベは考えさせられた。
「……いつもこれくらいあるんですか」
「私はテルドル支部の冒険者じゃないので比較はできませんが、この時期はどこも魔物の被害が多くなるんですよ」
「へえ……春先は獣害が増えるって聞いたことがあるんですけど、それと同じなんですか?」
「そうですね。特別視されがちですが、魔物も動物ですから」
フェアは微笑みを解いて、真剣な顔で付け加える。
「先の一件で警戒圏が広がりましたので、それの影響もあるんでしょう」
「あ……」
(そういえば、サイラスさんと会った時、そんなお話をしていたっけ)
「そういうこった」
ヴァールは会話を断ち切ると1番弟子に命じる。
「フロイデ。俺たちは依頼を選ぶから、お前はこいつに依頼書の見方を教えてやれ」
「わかった」
フロイデは掲示板の隅っこの方へ移動すると、手招き代わりの目線を送ってきた。それに応じると、彼は掲示板の隅っこにあった依頼書を指差しながら講義を始めた。
「これ、件名」
「ええと、『サンチク村近郊に現われたラウドブロイラーの撃退』?」
「そう。その下が大体の場所と、その時の状況……見つけた人の勘違いとか、見逃しとかがあるかもしれないから、参考程度に、ね?」
長台詞が疲れた彼はふうっと一息ついた。
「わかりました」
「その下が報酬の額。危険なほど高い」
「じゃあ、この依頼は危険な方なんですか?」
「ううん。比較的、安全。だから、安い」
「へえ……」
依頼書に提示された額は、並の労働者が10日働いて得られる金額と同程度であった。
リーベの目には十分に高価に映ったが――
「高いと思った……?」
「ああ、はい。ちょっとだけ」
「冒険者は1人じゃない、から」
「あ、そっか……人数で割るなら、確かに安いですね」
「ん」
肯定すると、彼は指を依頼書の1番下の欄に滑らせる。そこは備考欄のようで、たっぷりの余白の中、
『五級以上必須』の文字が目を引いた。
「この依頼を受ける冒険者の等級の平均が、五級以上じゃなきゃいけない、てこと。ふう……」
「等級か……あ、それって」
リーベは冒険者カードを取出す。
表の上の方に『第六級冒険者』と記されていた。
「リーベちゃん1人じゃ、受けられない」
彼女のカードを覗き込みながらフロイデが言う。
「なるほど……ちなみに、フロイデさんの等級は幾つなんですか?」
すると彼は得意満面に冒険者カードを掲げた。
「第四級……」
リーベは父に聞いたことがある。
冒険者の等級は、最上位が『特級』で、その下が『一級』。そこから段々と下がっていって、最下位が『六級』だ。
つまり7つの階級があるわけで、第四級が下から3番目ということで相対的に低級に思えてしまうのは人間的思考だろう。
だがフロイデが小鼻を膨らませていることから、彼の年齢(あるいは経験年数)で四級は相当に凄いのだろうと、リーベは推察した。
彼女は若干の後ろめたさを感じつつも、先輩の新鋭っぷりを讃える。
「わー、すごい! もう四級なんですね!」
「むふーっ!」
フロイデが有頂天になる様子を微笑ましく思いながら見ていると、視界の隅でヴァールが依頼書を剥がした。
「ほら、これがお前の初仕事だぞ」
そう言って依頼書を差し出してくる。
リーベは強張った指で依頼書を摘まむと、内心ひやひやしながらその内容を確認した。
「『ライル村の北東に出没したラソラナの討伐』……ラソラナ?」
「馬鹿でかいカエルだ」
その一言に背筋が寒くなる。
「うげ……っ!」
思わず身震いすると、フロイデが不思議そうな顔を向けてくる。
「カエル、嫌い、なの?」
「は、はい……」
「……可愛いのに」
(あの薄気味悪い生き物が可愛いって……)
さすが男の子だと感嘆する一方、自分はとても受け入れられないとため息をつくのだった。
「しかしカエル嫌いとは困りましたね。もしや虫も苦手ですか?」
フェアの問い掛けにリーベはブンブンと頭を縦に振って答える。
するとヴァールがボリボリと頭を搔き回しながら溜め息をついた。
「たく。虫けらに怯えてるようじゃ、話になんねえぞ?」
「そ、それは……」
「まあいいさ。苦手なら克服させてやる。覚悟しておけ」
(覚悟って……いったい何するつもりなの……)
「ひ、ひえ~……」
初任務を目前に控えながらも、リーベは新たな脅威に苛まれるのだった。そんな彼女を余所にヴァールは話しを進める。
「俺たちは受注を済ませてくるから、お前らはここで待ってろ」
フェアとフロイデは頷くと、冒険者カードをリーダーに預ける。
呆然とその様子を見つめていると、彼女は背中を叩かれる。
「ほら、ぼさっとしてねえで行くぞ」
「……はあい…………」
0
あなたにおすすめの小説
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる