12 / 12
望月ハルと真田和也
しおりを挟む
日本に戻ってきてもうすぐ2年
結局パリコレモデルにはなれなかったがフランス語はだいぶん話せるようになった
日本はいい
街が綺麗だ
日本に戻ってから俺の特異体質に異変があった
強い感情じゃないと心の中が読み取れなくなっていた
いい事なのか悪い事なのか
人の心の中を覗くことに慣れていた俺には戸惑いの方が大きくて人の心の中がわからないという不安しかなかった
でもこれで女性と普通に付き合えるとも思った
それまで軽い付き合いや遊びのSEXはあったけど人の心の中がわかると男女の関係は成り立たない 母親はよく父親と結婚したなと思う
人の心の中がわかってもわからなくなっても精神が不安定で心が苦しかった
だからハルを探そうとした
ハルに会えればハルの手を握れたら
ハルに会いたい
これまでもSNSで望月ハルを検索してみることはあったけどハルは見つからなかった
しかし帰国後3日でハルは思いがけず見つかった
マルに連絡したら康太のブランドはπのインスタのおかげで話題になり目が回る忙しさだと
俺のアドバイス通りの戦略で通販も好調で今は受注生産もやっているそうだ
「良かったな 康太にも久しぶりに会いたいな」
「そういえば康太 彼女が出来たらしいぞ」
「そうなんだ」
「ハルちゃんって言うらしいんだけど昔カズからそんな名前聞かなかったかな?」
「望月ハル?ハルが康太と?」
「なんかよくわからんがカズの知り合いなのは確かだ」
そうか ハルと康太
「会うならスケジュール空けてもらうけど?」
「嫌いい 俺が日本に帰ったの内緒にしといて」
何者でもない俺が急速に恥ずかしくなった
そして今 昔出前授業をやったマルの知り合いの先生の縁で瀬戸内海の離島の小学校の用務員まがいの仕事をしている
昔の学校だからか用務員室があり俺はそこで生活している 家賃がただの代わりに給料は校長のポケットマナーぐらいの安さのほぼボランティアで子供達の見守りや校舎の修理 校庭の草抜きまで1人でこなしてる
教職員は5人 全校生徒7人 みんな可愛い
2年4年6年の田中兄弟
3年6年の相楽兄妹
6年の双子森口姉妹
来年には廃校が決まっている
廃校になるから何か記憶に残る事がしたい
先生達が2月期の終わりに出来るだけの卒業生を集めてさよならパーティーをすると言い出した その用意するの俺
面倒くさい3割ワクワク6割不安1割
島に残る人達や色んな人の力も借りて卒業生に連絡して200人ぐらいが参加する一大イベントに
人数が多いから校庭でバーベキュー大会にしようと島の有志と先生達で肉や海鮮野菜を用意
12月26日
俺は久々の一張羅kooとあれ以来洗濯していないBlue BeeのTシャツを着て身なりを整えた
「ええ?真田先生かっこいい」
子供達はたまに英語を教えてる俺を先生と呼んでくれる
雪がちらつく みんなで校歌その後で
あちらこちらでバーベキューコンロに火が入り
大人達それぞれに再会を喜ぶ
「それkoo3の服!お兄さん何者?」
そう言って無遠慮に写真を撮る若い子
「お兄さんかっこいい!」
と言ってツーショットのおねだり
「あっ懐かしい!Blue BeeTシャツ!」
と言って青い蜂と一緒に写真を撮りたがる大人
とにかくモデル時代より写真を撮られまくったから次の日俺は人生史上1番バズった
あずささんの着信にその日は気づかなかった
カズの番号消してないから変わってなかったらわかるよ
AZUが携帯を取り出してカズにコール
何回かのコールでも繋がらなかった
ドキドキが止まらない
それからゆっきーの人生を垣間見る
「アントンと歌旅行してる時カンボジアだっかな?初めて会って」
「アントンってもしかしてπ?私Blue Bee大好きなんです!ずっと一緒に旅してたんですか?」
「その時は結婚してたから」
「えー結婚!してたんですか?」
「πのサインってもらえたりできます?」
「もう無理なんだ 離婚したし」
「残念です 本当に残念です」
「ハルちゃんちょっと落ち着いて」
彼が身を乗り出したままの私を椅子に座らせた
「あの写真のkooの服の話しようか?」
彼がうなづく
「カズはパリコレモデルになるとか言ってパリで再会してアントンがカズの服気に入ってね売ってくれって言ったのをカズが大事な服だからNoって kooって言うブランドだってタグ見せたりしてアントンがちょっとだけでも着たいってそれであの写真
あのTシャツの背中に滅多にサインしないアントンがπって書いたのよ ボールペンだったからもう消えてるかもだけど」
「えええ!なんだよゆっきー羨ましすぎる」
私はまた立ち上がった
「カズの言ってたBlue Bee好きな彼女って貴方なんだね?」
「彼女?」
「ハルちゃんカズと付き合ってたの?」
「付き合ってないよ!」
女友達って英語でgirlfriendだから彼女ってことになったようだ
SNSが大変なことになってます
AZUにあった日ハルちゃんの興奮がやばくて寝れなかった次の日
雪が降ってる
ウエディングドレスが完成した
#koo3 イケメン#Blue Bee イケメン
事務所のスタッフが携帯を持って走ってきた
イケメンの島の小学校の用務員としてカズがそこらじゅうのSNSに溢れかえってる
社長携帯なってますよ
ハルちゃんだった
「ゆっきーが凄いことになってる」
今すぐ会いに行きたい!一緒に会いに行こう!
僕が行かないと言ってもきっと1人で会いに行く そんな勢いだ
一応 ウエディングドレスが出来たよって言ってみたけど行くの?行かないの?って迫ってくる
会いたいと思う反面会いたくない
ハルちゃんをカズに合わせたいようで合わせたくない
僕とハルちゃんの関係が変わりそうで怖い
いつも2人の間にいた見えないカズが実体となって現れて僕はどうなるんだろう
だけど会いに行くしかない
真田くん凄いことになってるよ
小学校の職員室の電話が朝からずっと鳴ってる
先生達は給食も食べられないほど電話の対応に追われてる
改めてSNSは怖い
俺は逃げるように校庭に出てかじかむ手を擦った
子供達がボールを蹴って遊んでる
子供は風の子だな
俺も混ぜて
そう言って子供達からボールを奪った
「ゆっきー」
空耳?
「ゆっきー」
校門のそばにハルと康太がいた
俺は目を擦るけど幻ではなさそうだ
ハルが満面の笑みで走ってくる
まだハルに触れてないのに俺の心の中に力強いハル風が吹いた
結局パリコレモデルにはなれなかったがフランス語はだいぶん話せるようになった
日本はいい
街が綺麗だ
日本に戻ってから俺の特異体質に異変があった
強い感情じゃないと心の中が読み取れなくなっていた
いい事なのか悪い事なのか
人の心の中を覗くことに慣れていた俺には戸惑いの方が大きくて人の心の中がわからないという不安しかなかった
でもこれで女性と普通に付き合えるとも思った
それまで軽い付き合いや遊びのSEXはあったけど人の心の中がわかると男女の関係は成り立たない 母親はよく父親と結婚したなと思う
人の心の中がわかってもわからなくなっても精神が不安定で心が苦しかった
だからハルを探そうとした
ハルに会えればハルの手を握れたら
ハルに会いたい
これまでもSNSで望月ハルを検索してみることはあったけどハルは見つからなかった
しかし帰国後3日でハルは思いがけず見つかった
マルに連絡したら康太のブランドはπのインスタのおかげで話題になり目が回る忙しさだと
俺のアドバイス通りの戦略で通販も好調で今は受注生産もやっているそうだ
「良かったな 康太にも久しぶりに会いたいな」
「そういえば康太 彼女が出来たらしいぞ」
「そうなんだ」
「ハルちゃんって言うらしいんだけど昔カズからそんな名前聞かなかったかな?」
「望月ハル?ハルが康太と?」
「なんかよくわからんがカズの知り合いなのは確かだ」
そうか ハルと康太
「会うならスケジュール空けてもらうけど?」
「嫌いい 俺が日本に帰ったの内緒にしといて」
何者でもない俺が急速に恥ずかしくなった
そして今 昔出前授業をやったマルの知り合いの先生の縁で瀬戸内海の離島の小学校の用務員まがいの仕事をしている
昔の学校だからか用務員室があり俺はそこで生活している 家賃がただの代わりに給料は校長のポケットマナーぐらいの安さのほぼボランティアで子供達の見守りや校舎の修理 校庭の草抜きまで1人でこなしてる
教職員は5人 全校生徒7人 みんな可愛い
2年4年6年の田中兄弟
3年6年の相楽兄妹
6年の双子森口姉妹
来年には廃校が決まっている
廃校になるから何か記憶に残る事がしたい
先生達が2月期の終わりに出来るだけの卒業生を集めてさよならパーティーをすると言い出した その用意するの俺
面倒くさい3割ワクワク6割不安1割
島に残る人達や色んな人の力も借りて卒業生に連絡して200人ぐらいが参加する一大イベントに
人数が多いから校庭でバーベキュー大会にしようと島の有志と先生達で肉や海鮮野菜を用意
12月26日
俺は久々の一張羅kooとあれ以来洗濯していないBlue BeeのTシャツを着て身なりを整えた
「ええ?真田先生かっこいい」
子供達はたまに英語を教えてる俺を先生と呼んでくれる
雪がちらつく みんなで校歌その後で
あちらこちらでバーベキューコンロに火が入り
大人達それぞれに再会を喜ぶ
「それkoo3の服!お兄さん何者?」
そう言って無遠慮に写真を撮る若い子
「お兄さんかっこいい!」
と言ってツーショットのおねだり
「あっ懐かしい!Blue BeeTシャツ!」
と言って青い蜂と一緒に写真を撮りたがる大人
とにかくモデル時代より写真を撮られまくったから次の日俺は人生史上1番バズった
あずささんの着信にその日は気づかなかった
カズの番号消してないから変わってなかったらわかるよ
AZUが携帯を取り出してカズにコール
何回かのコールでも繋がらなかった
ドキドキが止まらない
それからゆっきーの人生を垣間見る
「アントンと歌旅行してる時カンボジアだっかな?初めて会って」
「アントンってもしかしてπ?私Blue Bee大好きなんです!ずっと一緒に旅してたんですか?」
「その時は結婚してたから」
「えー結婚!してたんですか?」
「πのサインってもらえたりできます?」
「もう無理なんだ 離婚したし」
「残念です 本当に残念です」
「ハルちゃんちょっと落ち着いて」
彼が身を乗り出したままの私を椅子に座らせた
「あの写真のkooの服の話しようか?」
彼がうなづく
「カズはパリコレモデルになるとか言ってパリで再会してアントンがカズの服気に入ってね売ってくれって言ったのをカズが大事な服だからNoって kooって言うブランドだってタグ見せたりしてアントンがちょっとだけでも着たいってそれであの写真
あのTシャツの背中に滅多にサインしないアントンがπって書いたのよ ボールペンだったからもう消えてるかもだけど」
「えええ!なんだよゆっきー羨ましすぎる」
私はまた立ち上がった
「カズの言ってたBlue Bee好きな彼女って貴方なんだね?」
「彼女?」
「ハルちゃんカズと付き合ってたの?」
「付き合ってないよ!」
女友達って英語でgirlfriendだから彼女ってことになったようだ
SNSが大変なことになってます
AZUにあった日ハルちゃんの興奮がやばくて寝れなかった次の日
雪が降ってる
ウエディングドレスが完成した
#koo3 イケメン#Blue Bee イケメン
事務所のスタッフが携帯を持って走ってきた
イケメンの島の小学校の用務員としてカズがそこらじゅうのSNSに溢れかえってる
社長携帯なってますよ
ハルちゃんだった
「ゆっきーが凄いことになってる」
今すぐ会いに行きたい!一緒に会いに行こう!
僕が行かないと言ってもきっと1人で会いに行く そんな勢いだ
一応 ウエディングドレスが出来たよって言ってみたけど行くの?行かないの?って迫ってくる
会いたいと思う反面会いたくない
ハルちゃんをカズに合わせたいようで合わせたくない
僕とハルちゃんの関係が変わりそうで怖い
いつも2人の間にいた見えないカズが実体となって現れて僕はどうなるんだろう
だけど会いに行くしかない
真田くん凄いことになってるよ
小学校の職員室の電話が朝からずっと鳴ってる
先生達は給食も食べられないほど電話の対応に追われてる
改めてSNSは怖い
俺は逃げるように校庭に出てかじかむ手を擦った
子供達がボールを蹴って遊んでる
子供は風の子だな
俺も混ぜて
そう言って子供達からボールを奪った
「ゆっきー」
空耳?
「ゆっきー」
校門のそばにハルと康太がいた
俺は目を擦るけど幻ではなさそうだ
ハルが満面の笑みで走ってくる
まだハルに触れてないのに俺の心の中に力強いハル風が吹いた
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる