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第一章 劈頭編
6話目 出張、京都旅(五)
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食事を終えた後、見藤と久保の二人は東雲の自宅へと案内された。そこは神社から少し離れた場所にあり、古風な一軒家だった。
居間で軽く皆で談笑し、各々身支度を終え、就寝時間を迎える。それはなんら変哲もない日々の一幕であった。
そうして、夜はさらに深まり――――。
「流石に夜中だと、まだこの時期は冷えるな……」
深夜一時半。見藤は一人、神社の境内にある少し離れにある例の林にいた。
祖父から受けた耳打ちの件だ。様子を見てほしいとは、何も現場で見張ってほしい、という訳では決してないだろう。しかし、見藤は不思議と気になって、ここまで足を延ばしていたのだ。
昼間は活気付いていた神社の境内も、深夜になると打って変わった雰囲気で、不気味さを醸し出していた。上着を羽織ってきたはいいものの、この肌寒さは季節特有のものか、はたまたここの雰囲気によるものか。見藤は少しだけ肩を震わせた。
すると、背後から足音がする。
「……!?」
こんな時間に人の足音がするなど、異変的なことだ。見藤は思わず身構える。
――怪異であれば手の打ちようはいくらでもある、人間であれば厄介だ。
通常は真逆であるように思うが、見藤からすれば人間の方が厄介なのだ。見藤自身、武に通じている訳ではない。多少、護身術ができる程度の人間だ。悪意を持った人間の蛮行に抵抗するには心もとない。
足音が徐々に近づくにつれ、その間隔は狭まっていく。しかし、そこで耳にしたのは聞き慣れた声だった。
「いた! 見藤さん! こんな時間にどこに行くんですか!?」
「久保くん。と、東雲さんか……」
それは見慣れた顔ぶれだった。
見藤はふぅ、と珍しく安堵の溜息をついた。二人は見藤を心配してここまで追いかけてきたのだろう。―― が、足音はもう一つあった。三つ目の足音。
「っ、!!!」
見藤は咄嗟に久保と東雲の腕を引っ張る。二人は体制を崩す。ずささっと、二人が地面に倒れこむ音が辺りに響いた。
「え、何、何!?」
「うわ!?」
突然のことで、何が起きているのか理解が追い付かない二人に対し、見藤は座り込む二人を背に庇うように立っている。
久保と東雲が、恐る恐る後ろを振り返ると――――。馬のような牛のような、鶏のような鳴き声を掛け合わせた、なんとも形容しがたい叫び声を上げながら、こちらに鈍器を振り下ろす人影が目に飛び込んできた。
周囲は月明りだけで、どんな人相をしているのか分からなかったが、妙な事にその目だけはよく見えた。充血し、恨みが籠った目だ。瞬きをせず、こちらへの視線を外すことはなく、凝視している。その視線は ――、悪意を明確に感じさせるものだった。
「走れ!!!!」
見藤の叫びが木霊する。久保は見藤の声にはっとし、恐怖で震える体を辛うじて動かす。隣の東雲はまだ立ち上がることができていない。咄嗟に手を貸そうと伸ばすが、それでは遅い。
「くそっ!!!」
見藤の悪態が聞こえ、久保の目の前で東雲の体がぐらりと傾いた。咄嗟に視線で追う。
見藤が東雲を抱きかかえ、走り出したのだ。久保は慌ててその後に続く。駆け出すとき少し滑ってしまい、バランスを崩す。体感、ようやく駆け出した膝は震えていた。
沸き上がる恐怖と、未知のモノに対する疑念は久保を駆り立てるように追及心となる。
「何ですか、あれ!!!」
「いいから走れ!!!」
しかし、久保の問いに答える余地はない。
見藤に抱きかかえられている東雲は未だ恐怖で状況が理解できておらず、ガタガタと小刻みに震えている。二人が走り出すと、人影は当然のように追いかけてきた。が、その足音があまりにも不自然で、久保は後ろを振り返ってしまった。
――なんと、その人影は四つん這いになりながらも、器用に地を駆けているではないか。要は四足歩行でこちらを追いかけている。
得体の知れないモノは長い髪を揺らめかせながら、何やら呻いている。本当に人なのか……?そう疑問を抱かずにはいられない。
すると再び、その人影は依然「ぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!!」と耳障りな声を発し始めた。まるで何かを訴えているかのようだ。
「っ、うるせぇ!!!」
その叫び声に久保は思わず耳を塞いだが、東雲を抱きかかえている見藤はその術を持たず、大きく悪態をつく。
走る、走る、走る、とにかく走った。どこまで追いかけて来るのか、分からない。境内の端の端、鳥居のすぐそこまで走ってきた、そこでその人影は不思議と足を止めた。
「な、何なんだ……」
突如として止まった追跡を不思議に思い、見藤は足を止め、振り返った。
久保と見藤はぜぇぜぇと肩で息をしながら、人影の動向を注視する。その人影は不意に見藤たちを追いかけまわすのを止め、四つん這いで何やら探し始めたのだ。
そのとき、ようやく人影の風貌を目視できた。月明りに照らされたそれは、人の形を保っているものの、肉体の一部は歪み、髪や爪は伸び切り、皮膚は爛れている。身に着けているものは汚れ、所々破けていた。
その姿に思わず、久保はさっと視線を逸らした。――得体の知れないモノ、そう思う他なかった。
すると――。鳥居の上から、境内の草陰の中から、小さな白蛇が這い出て来たのだ。それは見藤が昼間、境内に還した小さな白蛇の怪異だ。しかし、その数は一匹ではない。
蛇の腹が摺れる音が、暗闇に響き渡る。その音は徐々に群れを成したかのように大きくなり、目に視える小さな白蛇はその数を増やしていく。
みるみるうちに白蛇の群れは人影の行く手を遮り、それは見藤達を守るかのように集まってくる。白蛇の怪異が取った行動の意味を理解した見藤は、はっと腕に抱えたままの東雲を見やる。
彼女にも白蛇の姿は視えているようで、青白い顔をしながらも状況を必死に理解しようと、目の前の光景を凝視している。
(東雲さんを守ろうとしているのか……?)
東雲の祖父が言っていた。この神社の神は大層、彼女を気に入っていると。
しかし――。追って来た人影は、行く手を阻むように足元に広がった白い蛇の怪異を鷲掴みにし、喰らい始めたのだ。ぶちぶち、と肉片を噛みちぎる音が辺りに響く。それは一匹、また一匹と数を減らしていく。久保と東雲はその音と咀嚼音に、嘔気を催す。
――得体の知れないモノが、怪異を喰らっている。白蛇の怪異を食い千切っては捨て、また違う白蛇を食い千切る。それを何度も繰り返している。
「あいつ……!!!!」
見藤の怒りが籠った声が辺りに響く。
すると見藤はふと、胸板を軽く叩かれる感覚に視線を下に向ける。青白い顔をしながらも東雲が「もう立てます」と消えそうな声で訴えたのだ。
そんな彼女の様子を見て見藤は心配そうにするものの、東雲を地面に降ろす。見藤のその手は少しだけ震えていたのだが、今の状況で気付く者は誰もいかなった。
肉を絶つ音、咀嚼音がしなくなった、と思った瞬間。得体の知れないモノは物凄い勢いでこちらへ振り返り、再びあの奇妙な声で大きく吠えた。その耳障りな声に三人は思わず、両耳を塞ぐ。
その瞬間を隙と思ったのか。人影は四つん這いの体勢のまま、見藤に飛びかかろうとした。それに気付いた久保が、咄嗟に見藤の名を叫ぶ。
「見藤さん!!!!」
久保の叫び声が暗闇に木霊した――。
居間で軽く皆で談笑し、各々身支度を終え、就寝時間を迎える。それはなんら変哲もない日々の一幕であった。
そうして、夜はさらに深まり――――。
「流石に夜中だと、まだこの時期は冷えるな……」
深夜一時半。見藤は一人、神社の境内にある少し離れにある例の林にいた。
祖父から受けた耳打ちの件だ。様子を見てほしいとは、何も現場で見張ってほしい、という訳では決してないだろう。しかし、見藤は不思議と気になって、ここまで足を延ばしていたのだ。
昼間は活気付いていた神社の境内も、深夜になると打って変わった雰囲気で、不気味さを醸し出していた。上着を羽織ってきたはいいものの、この肌寒さは季節特有のものか、はたまたここの雰囲気によるものか。見藤は少しだけ肩を震わせた。
すると、背後から足音がする。
「……!?」
こんな時間に人の足音がするなど、異変的なことだ。見藤は思わず身構える。
――怪異であれば手の打ちようはいくらでもある、人間であれば厄介だ。
通常は真逆であるように思うが、見藤からすれば人間の方が厄介なのだ。見藤自身、武に通じている訳ではない。多少、護身術ができる程度の人間だ。悪意を持った人間の蛮行に抵抗するには心もとない。
足音が徐々に近づくにつれ、その間隔は狭まっていく。しかし、そこで耳にしたのは聞き慣れた声だった。
「いた! 見藤さん! こんな時間にどこに行くんですか!?」
「久保くん。と、東雲さんか……」
それは見慣れた顔ぶれだった。
見藤はふぅ、と珍しく安堵の溜息をついた。二人は見藤を心配してここまで追いかけてきたのだろう。―― が、足音はもう一つあった。三つ目の足音。
「っ、!!!」
見藤は咄嗟に久保と東雲の腕を引っ張る。二人は体制を崩す。ずささっと、二人が地面に倒れこむ音が辺りに響いた。
「え、何、何!?」
「うわ!?」
突然のことで、何が起きているのか理解が追い付かない二人に対し、見藤は座り込む二人を背に庇うように立っている。
久保と東雲が、恐る恐る後ろを振り返ると――――。馬のような牛のような、鶏のような鳴き声を掛け合わせた、なんとも形容しがたい叫び声を上げながら、こちらに鈍器を振り下ろす人影が目に飛び込んできた。
周囲は月明りだけで、どんな人相をしているのか分からなかったが、妙な事にその目だけはよく見えた。充血し、恨みが籠った目だ。瞬きをせず、こちらへの視線を外すことはなく、凝視している。その視線は ――、悪意を明確に感じさせるものだった。
「走れ!!!!」
見藤の叫びが木霊する。久保は見藤の声にはっとし、恐怖で震える体を辛うじて動かす。隣の東雲はまだ立ち上がることができていない。咄嗟に手を貸そうと伸ばすが、それでは遅い。
「くそっ!!!」
見藤の悪態が聞こえ、久保の目の前で東雲の体がぐらりと傾いた。咄嗟に視線で追う。
見藤が東雲を抱きかかえ、走り出したのだ。久保は慌ててその後に続く。駆け出すとき少し滑ってしまい、バランスを崩す。体感、ようやく駆け出した膝は震えていた。
沸き上がる恐怖と、未知のモノに対する疑念は久保を駆り立てるように追及心となる。
「何ですか、あれ!!!」
「いいから走れ!!!」
しかし、久保の問いに答える余地はない。
見藤に抱きかかえられている東雲は未だ恐怖で状況が理解できておらず、ガタガタと小刻みに震えている。二人が走り出すと、人影は当然のように追いかけてきた。が、その足音があまりにも不自然で、久保は後ろを振り返ってしまった。
――なんと、その人影は四つん這いになりながらも、器用に地を駆けているではないか。要は四足歩行でこちらを追いかけている。
得体の知れないモノは長い髪を揺らめかせながら、何やら呻いている。本当に人なのか……?そう疑問を抱かずにはいられない。
すると再び、その人影は依然「ぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!!」と耳障りな声を発し始めた。まるで何かを訴えているかのようだ。
「っ、うるせぇ!!!」
その叫び声に久保は思わず耳を塞いだが、東雲を抱きかかえている見藤はその術を持たず、大きく悪態をつく。
走る、走る、走る、とにかく走った。どこまで追いかけて来るのか、分からない。境内の端の端、鳥居のすぐそこまで走ってきた、そこでその人影は不思議と足を止めた。
「な、何なんだ……」
突如として止まった追跡を不思議に思い、見藤は足を止め、振り返った。
久保と見藤はぜぇぜぇと肩で息をしながら、人影の動向を注視する。その人影は不意に見藤たちを追いかけまわすのを止め、四つん這いで何やら探し始めたのだ。
そのとき、ようやく人影の風貌を目視できた。月明りに照らされたそれは、人の形を保っているものの、肉体の一部は歪み、髪や爪は伸び切り、皮膚は爛れている。身に着けているものは汚れ、所々破けていた。
その姿に思わず、久保はさっと視線を逸らした。――得体の知れないモノ、そう思う他なかった。
すると――。鳥居の上から、境内の草陰の中から、小さな白蛇が這い出て来たのだ。それは見藤が昼間、境内に還した小さな白蛇の怪異だ。しかし、その数は一匹ではない。
蛇の腹が摺れる音が、暗闇に響き渡る。その音は徐々に群れを成したかのように大きくなり、目に視える小さな白蛇はその数を増やしていく。
みるみるうちに白蛇の群れは人影の行く手を遮り、それは見藤達を守るかのように集まってくる。白蛇の怪異が取った行動の意味を理解した見藤は、はっと腕に抱えたままの東雲を見やる。
彼女にも白蛇の姿は視えているようで、青白い顔をしながらも状況を必死に理解しようと、目の前の光景を凝視している。
(東雲さんを守ろうとしているのか……?)
東雲の祖父が言っていた。この神社の神は大層、彼女を気に入っていると。
しかし――。追って来た人影は、行く手を阻むように足元に広がった白い蛇の怪異を鷲掴みにし、喰らい始めたのだ。ぶちぶち、と肉片を噛みちぎる音が辺りに響く。それは一匹、また一匹と数を減らしていく。久保と東雲はその音と咀嚼音に、嘔気を催す。
――得体の知れないモノが、怪異を喰らっている。白蛇の怪異を食い千切っては捨て、また違う白蛇を食い千切る。それを何度も繰り返している。
「あいつ……!!!!」
見藤の怒りが籠った声が辺りに響く。
すると見藤はふと、胸板を軽く叩かれる感覚に視線を下に向ける。青白い顔をしながらも東雲が「もう立てます」と消えそうな声で訴えたのだ。
そんな彼女の様子を見て見藤は心配そうにするものの、東雲を地面に降ろす。見藤のその手は少しだけ震えていたのだが、今の状況で気付く者は誰もいかなった。
肉を絶つ音、咀嚼音がしなくなった、と思った瞬間。得体の知れないモノは物凄い勢いでこちらへ振り返り、再びあの奇妙な声で大きく吠えた。その耳障りな声に三人は思わず、両耳を塞ぐ。
その瞬間を隙と思ったのか。人影は四つん這いの体勢のまま、見藤に飛びかかろうとした。それに気付いた久保が、咄嗟に見藤の名を叫ぶ。
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