黒き魔女の世界線旅行

天羽 尤

文字の大きさ
5 / 31
第1章

目を開ければ。

しおりを挟む
カナ達が目を開ければ、目の前には緑が広がっていたわ。
森、かしら?
でも、空には三つの月。
カナ達は本当に別の世界にやってきたのね。
荷物はもともと持っていたものは手元にあるわ。
そっとカナが横を見れば、セトがキョロキョロと辺りを見回して居たわ。やっぱり見慣れない光景に困ったように何度もね。カナは森の奥が誰か来ないか注意を向けていたら、胡散臭いジョンの声が聞こえてきたわ。

「やぁ!無事降り立ったかな。ふふふっ、今から二人の武器や服諸々を渡さなくちゃね。このままの格好だと目立つから」

そう聞こえてすぐに、カナとセトの前にヒラヒラと真っ黒い表紙の分厚い本、漆黒のドレスと黒レースで装飾が施された漆黒のローブ、ブーツ、白くて細長い剣と一対の短剣、白銀の鎧の鎧セット、ブーツ、カナとお揃いのローブが落ちてきたわ。
まるで、親方、空から●●が! みたいね。

見慣れない光景に、「な…な…」とか言いながらセトは思わず固まっていたわ。カナはもうなんでもありだと思うわ。
そして、それに呼ばれた気がしてカナが手を伸ばせばゆっくりとに身体に装着されていったわ。もともと着ていた制服はカナの学生カバンの上にたたまれて着地したわ。
セトの方に振り返ればセトの身体にも無事装着されたみたい。

違う世界ならきっとこれで目立たないわ。

「ジョン、ありがとう。そういえば、貴方は来ないの?」

「残念ながらね。カナちゃん達がこうなったのは、偉い神様が見落としてたのが原因だからね。今からその神様を〆に行かなくてはね?ふふっ。だから、暫くそっちにはいけないのと、カナちゃんとお話は暫くしてからかな」

ジョンがそう言えば、我に返っていたらしいセトが口を開いたわ。

「貴様が貴様でやることがあるのなら仕方ない。まずはここの説明をしてくれ。お嬢様も俺も何も知らないのだから」

そう言えば、カナはここがなんなのか把握していなかったわ。
セトがそう言ったのを聞いてジョンは口を開いたわ。

「ここは剣と魔法の世界、いわばカナちゃん達がよくいうRPGの世界に近い。名前はね、アルラト。
そして、さっきも言った通り。ここは物語のifの世界。本来正しい物語は世界を救う勇者と勇者を支援した女王が結ばれるというものだけど、ここでは違う。勇者と別の子が結ばれる可能性の世界。
ただ、ここで異物の反応があったみたいでね。もしかしたらアンカーかもしれないからカナちゃん達に見てもらおうと思ってね。とりあえず、ここは剣と魔法の世界。必要な技術や魔法、道具を今から二人に送るね。そして、近くの街で冒険者登録をして世界を巡って二人のアンカーを探して欲しい。暫く話せないけれど頑張って。じゃあ」

ジョンの話は長かったけど、カナもセトも頷いて答えたわ。
それを合図にカナの頭の中に何かが入ってきたわ。きっと、その必要な技術と魔法なのね。ジョンからの声はきこえなくなってしまったわ。
それが収まった後、カナとセトはもともと持っている持ち物を無限収納に入れた後、今後のことを話し合った後に少しだけそれを練習してみることにしたわ。

でも、カナが間違って近くの森を一部焼け焦げさせちゃった。
セトは誰も見てないから問題ないっていうけれど、ずっと先から何かが走ってくるわ。セトも気がついたみたい。

「お嬢様、下がってください」

「セト?」

そういえば、セトはカナの前に立ち白い剣を構えたわ。

そうして、やってきたのは大きな黒いヘビだったわ。

「シャァァァ!」

ヘビは雄叫びをあげながらセトへ向かってくるわ。

セトはそれを半歩だけずらして避けそのままヘビの首を刎ねたわ。
そのままヘビは倒れて動かなくなったわ。周りは血塗れになったわ。

そうしていると、誰かが近づいてくるみたい。
松明みたいな明かりがこちらに向かってくるわ。
カナはセトの後ろに立ち顔を隠すようにフードを被り、セトもフードを被り武器をしまったわ。

「なんだ、お前らは?」

野太い声と共に鎧を着たむさ苦しい男達が現れたわ。

------------------------------
カナ
炎魔法
生活魔法
無限収納を習得。

セト
剣術
生活魔法
無限収納を習得。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...