色んな恋

moss

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1 悪役令嬢になったなら

序章3

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思い出しちゃった光

最後の記憶は眩しい電灯の灯り

お決まりの流れ。

みるみると血の気が引くのが感じられる。

私…私もしかしたら
これは…もしかしたら
そう思うと息が出来ないでいた。

衝撃的に思い出したのは最後の光と事故の記憶。
あの時は、会社帰りの交差点
信号無視の車が私に突っ込んできて…。
その後私は…車に轢かれた?

事故に遭ったのは間違いないはず
じゃあ今私は?
私眠ってるんだよね?
これは夢だよね?

ショックが大きくて
混乱して
頭がまとまらない

メイドと、医者に掴みかかりながら、わけもわからず叫んでしまった。
◯「これは夢ですよね?」
◯「ここはどこですか?」
◯「えっ?なんでこれってリアルなの?」
◯「嘘、嘘!これは夢なんだよね」
急な変貌ぶりに2人とも慌てて私をなだめにかかる。

医「お嬢様、おやめ下さい!落ち着いて!」
メ「お嬢様!お気をしっかり!」
◯「お嬢様ってやめて!私じゃない!お嬢様なんて知らない!」
メ「お嬢様!お嬢様はメイザース家の一人娘のクローディア様でございます!思い出して下さい!」
◯「違う違う!やめて、そんなテンプレ聞きたくない!」
どこかでよく聞くお決まりの…そう、お決まりのセリフ

◯「やめてよ、私。クローディアなんか知らないのよ…」
と泣き叫んだ…2人を部屋から締め出して
◯「ほっておいて!近寄らないで!」と一人で暴れ散らした…沢山泣いて

でも、目が覚めるなんてことなかったんだ
涙の味も、涙の匂いも
熱を持った目も
叫び疲れた自分の脈拍や呼吸もしっかりと感じてしまえた。

だから余計に分かったよ
私…私別人になっちゃったみたい。

転生?ほんとに?夢じゃだめなの?

そういう事に憧れないわけはなかった
頑張った人生が転生によって報われるそんな物語…
そんな事を幸運かのような気持ちで望む事もあった…確かにね。

でも実際には喜べない、だって
だって、この世界が安全だって私何も分かんないんだよ…

まず、私は「クローディア」がどこの誰で、どんな役割があるのか知らないんだ

神様とも会ってない、お助けキャラも攻略キャラも、魔法使いや、聖獣、妖精、悪魔、天使…誰にも説明や目的なんか聞いてない。

同意なんてしてない。

知識は全くのゼロ
唯一分かるのは、この体は凄く綺麗で美しく…それでいて孤独だということ
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